HKT48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

6期生メンバーの集う選抜で新世代を感じさせる13年目のスタート。

HKT48が、17枚目となるシングル『バケツを被れ!』をリリース。今年7月にHKT48の最後の1期生であった本村碧唯がグループを卒業し、10月には田中美久が卒業を発表するなど、世代交代の渦中にいるHKT48。グループ発足13年目の1曲目となる“バケツを被れ!”は、センターに5期生の「いぶくる」こと石橋颯と竹本くるみが選ばれたほか、昨年加入した6期生も5人選抜入りするなど、グループの循環を感じさせるメンバー編成となっている。
一見突飛なタイトルである今作だが、そこで描かれる歌詞からメンバーは何を読み取ったのか。今年の総括や来年への意気込みも含め、4期生の地頭江音々と、6期生の最上奈那華、江⼝⼼々華の3人に話を訊いた。

■今回の新曲“バケツを被れ!”について、初めてタイトルや楽曲を聴いた時の印象を教えてください。

最上 最初にタイトルを聞いた時、「どんなことがあったらバケツを被るかな?」と考えてみたんですけど、自分のこれまでの経験を振り返ってみても、どんな感覚ともリンクしなかったんですよね。(笑) 今までの人生の中で、バケツを被ろうとか、あの時被りたかったなっていうのが思い浮かばなくて。でも歌詞を聴いたりMVを撮ったりしているうちに、これから「今だ!」っていうタイミングが来るのかもしれないなと思いました。「バケツを被ったらどうにかなる」っていう考え方がインプットされた今、その時が来るのを楽しみにしています。

江口 タイトルを聞いた時は「すごい曲名だな……」と思ってびっくりしましたし、「どんな曲なんだろう?」と思いました。歌詞も「どんな意味なんだろう?」と思って、おじいちゃんと一緒に考察したり、たくさん話したりして。(笑) 逃げ出したい時や、悲しいこと、つらいことがあった時、「バケツを被ることで逃げ道を作れるようになるのかもしれない」という結論に至ったんです。なので、今は元気をもらえる良い曲だなと思っています。「どうしてバケツを被っているんだろう?」という興味が湧いてくるタイトルだと思いますし、それをきっかけにたくさんの方たちに聴いてもらえる曲になるんじゃないかと思います。

地頭江 私はまず題名を見て、「“バケツを被れ!”って何だろう?」って思って。「みんなにはどう略されるんだろう?」というところから考えていました。曲を聴いて歌詞を読み込んでいくうちに、⼼々華と同じように私もバケツを被る意味を考えてみたんです。バケツを被ることによって、視界もなくなって音も聞こえなくなるから、周りの聞きたくない音や声もさえぎることができるし、さえぎることができるからこそ、自分に向き合って前向きに頑張ることができるという解釈をしました。こうやっていろんな解釈が楽しめる、前向きになれる曲だと思います。

■楽曲の歌詞の中で特に好きな箇所はありますか?

最上 「どんな効果があるのか知らん!」っていう歌詞があるんですけど、それを聴いた時は「知らんのかい!」と思いました。(笑) 「知らん」って福岡でよく言うので、博多弁だから入れてくださったのかな?とも思って、気になった部分でした。

江口 私は「どんなバケツも僕たちの味方」という歌詞は、どんな意味なんだろう?とすごく不思議に思ったフレーズでした。バケツを被ることで、自分の一部になったり、味方になったりしてくれるのかな?と感じました。

地頭江 私がすごく心に残ったのは、「君の未来が怪我しないように」という歌詞で、それまでは結構強気で語りかけてきているのに、急に味方してくれている感じがするんですよね。自分たちのことを気にかけてくれている感じがする。これは願望ですけど、秋元先生がHKT48のことをそういう風に思ってくれているのかな?と感じました。ワンフレーズですけど、すごくメッセージ性が強い歌詞だなと思います。

■MVも撮影したと伺いましたが、どのような映像になりそうですか?

地頭江 まさにバケツを被りました。今回はMVの中で、80年代の扉があって、それを開けると90年代の扉が、そして2000年代、2020年代へといった感じで、扉を開いていった先に今のHKT48がいて、そこから未来に向かっていくという内容になっているんです。なので、歴史を辿れるような、最後まで見ると感慨深くなる映像になっていると思います。その映像のいろんなところにバケツがあるという感じですね。(笑)

■HKT48の歴史を辿るエモーショナルなMVの中で、バケツがどのように登場するのか気になります。

江口 個人的には、バケツと言ったら学校のお掃除の時間に使うバケツをイメージしていたんですけど、MVで使ったものはすごくカラフルで。メンバーによって色が違っていたり、装飾されていたり、可愛らしい見た目になっているので、見ていても心踊るんじゃないかなと思います。

最上 ジャケット写真ではカッコいい感じで、バケツをファッションアイテムみたいに持ったりしているんです。

地頭江 バケツを衣装のベルトのところにひっかけることができるんですけど、みんな当たり前のようにぶら下げていました。

最上 最後の方はみんなそこに物を入れたりもしていましたからね。(笑)

■新感覚ですね。

最上 今回はTikTokなどで人気のHoodie famさんが振り付けしてくださったんですけど、その時代に合わせた振り付けも作ってくださったので、いろんな年代の方に楽しんでいただけると思います。バケツを被る振り付けもあるので、TikTokとかで流行したら嬉しいですね。

地頭江 あと、美久さんが卒業されるということで、MVで私たちは未来に向かっていくんですけど、美久さんだけ現代に残るんです。そこで初めて美久さんの卒業を実感しましたし、エモーショナルだなと思いました。そして「なこみく」として駆け抜けてくださった美久さんを見送る曲のセンターが、「いぶくる」という新しいWセンターというのも感慨深いなと思いました。

■本来なら卒業するメンバーを残るメンバーが見送りますが、今回のMVではみなさんが田中さんに見送られるというのもぐっと来ますね。

地頭江 普段はないパターンなので、不思議な気持ちになりました。

■一見突飛な曲にも思えますが、そういったエピソードを聴くとHKT48のターニングポイントにもなりそうな曲ですね。

地頭江 そうなんです。1期生さんが全員卒業されてから初めての曲でもありますし、HKT48の13年目の1曲目でもあるので。ファンのみなさんも含め、一緒に盛り上げていこうという雰囲気があります。

■1期生が卒業したり、グループの中心で活動していたメンバーが卒業することで、選抜メンバーもどんどん移り変わっていきますが、今回は6期生も多く選抜入りを果たしています。江口さんは今回が初選抜ですが、選ばれてみてどのような気持ちがありますか?

江口 部屋に呼び出されて選抜入りすることを聞いたんですけど、その時は実感できなかったです。もちろん嬉しいとも思ったんですけど、不安もありましたし、「私で大丈夫なのかな?」という気持ちもたくさんあって。でも選抜に入ったことをお母さんに伝えた時、泣いて喜んでくれたんです。それを見て「私もここまでやってこられてよかったな」と思いましたし、ここまで育ててくれて支えてくれたお母さんにすごく感謝の気持ちがありました。

■実感が湧かなかった最初の段階から、実際に楽曲に携わったり、選抜メンバーとして仕事をこなしていく中で、その自覚は芽生えてきていますか?

江口 そうですね。今日も初めての取材ですし、MV撮影をするのも初めてだったり、選抜に選んでくださってから、いろいろな活動をさせていただくことがあって。私が目指していた場所だったので、いろんな活動ができるのがすごく嬉しいですし、心の面でも成長できているんじゃないかなと思います。

■最上さんは前回に引き続きの選抜入りです。どんな気持ちがありますか?

最上 すごい嬉しいです。今回、改めてファンのみなさんの大切さに気づいたんです。みなさんにすごく支えられて楽しく活動ができているから、選抜にも選んでいただけたし、ファンのみなさんからパワーをもらっているなと思いました。今回は6期生から5人も選抜に入っているので、私は2回目の選抜ということで、同期を支えながらサポートしていきたいと思っています。

■6期生は2022年の5月に加入してから約1年半程経ちました。これまでいろいろなことがあったかと思いますし、選抜入りの人数も増えて、立ち位置の変化を感じることもあると思いますが、ここまでの道のりを振り返ってみてどんな思いがありますか?

江口 6期生は負けず嫌いの子が多いと思っているんです。すごく歌が上手な子がいればダンスが上手な子がいたり、1人1人が強みを持っている個性あふれる6期生で。みんなお互いに負けないように切磋琢磨しているというか、競い合っているところがあるというか。そうやって意識し合っていたから、今は成長出来ているんじゃないかなと思います。

最上 今6期生がやっている研究生公演があるんですけど、それぞれそこでの学びもあると思いますし、そこで強みを見つけている同期の子もいて。一方でこっちは選抜でいろんなことを吸収している。環境は少し違いますけど、たくさん吸収して学ぶ姿勢がお互いにあるから、一人ひとりの意識も燃えていると感じることが多いんです。6期生の中だけでも年齢の幅が一回りあったりするのでいろんな子がいるんですけど、すごく団結しているというか。仲がいいのもありますし、お互いに刺激を与えながら成長している時期なのかなと思います。

地頭江 もう6期生はどのステージに立っても心配がないんですよね。練習ではすぐ泣いちゃったり、「できない」って言ったりする子もいるんですけど、本番になったらそれを思わせない振る舞いで。大勢のみなさんの前でバック転を決めたり、煽りが上手かったり、HKT48のコンサートは変な寸劇とかもあるんですけど、それも当たり前のようにやってくれる子がいたり。何をさせてもハズレがないというか、6期生に対して心配に感じたことがあまりないんです。つい最近までは誰かが1人卒業する度に「どうしよう……」とかいろいろ考えちゃったりしていたんですけど、6期生が入って1年と少し経って、頼もしくなりすぎているので、「どうにかなるか」と思えることも増えました。頼りにしています。