ラウドなサウンドに隠された、「好き!」をエネルギーに歌うアイドルたちのスウィートな素顔。
はちみつBLACKが8月15日にニューアルバム『INFINITY MARCH』をリリース。2021年8月のデビューライブ開催とともに謎に包まれていた素顔を明かし、話題を呼んだはちみつBLACK。挑発的で強力なパンチラインが並ぶ今作には、山田高弘やこだまさおり、Rico、ENAら豪華作家陣が名を連ねており、アニメソング的なキャッチーさと強さ、アイドルソングの可愛らしさが混ざり合う意欲作に仕上がっている。今回は、福ノ瀬まい、鼓もね子、もよもくら、リオ・アスナブル、あむのあむの5人が、新作や「推し」から受けた影響などについて語ってくれた。
■はちみつBLACKはアイドル好きからアイドルになった方が多いと伺いましたが、結成から2年経ち、アイドルならではの苦労などはありましたか?
福ノ瀬 私は数ヵ月前に加入したばかりなのですが、既にグループとして出来上がっていて、曲もたくさんあり、フォーメーションも決まっている所に新しく入るということで、既存曲の振り入れが短期間にぎゅっと詰め込まれていたのが一番大変でした。
もよも 私は前の体制の時から活動しているんですけど、新メンバーが入るということで、フォーメーションの変更を覚えながら新曲を収録したり、振り入れもしたりと、平行してやることが多くて大変だったのですが、楽しんでやっています。
鼓 私たちの活動の主軸はライブなんですけど、ライブも自分たちが主催するものから、100組くらいの出演者がいる大規模なイベントに出演したり、3組くらいとの対バンイベントに出たりすることもあります。リハーサルなしでステージに立つこともあったり、ステージに出てみないとお客さんがどのくらいいるのかも、ステージの広さもわからないまま、どこへ行っても同じようにパフォーマンスするというのは、アイドルじゃないと無いことなのかなと思います。
リオ いろんな曲を歌う中で、その曲のキャラクターになりきって歌いたいと思うんですけど、なかなかそれが難しかったりするんですよね。1日に2~3回ライブをやる日もあるのですが、いろんな曲をやりながら、いろんな自分を出さなきゃいけないので、メンタルや喉を消費します。やっぱり自分を管理するのが一番大変かなって、活動していて思いました。
あむの 「アイドルは全てが大事なんだな」と思うことがあります。見た目もそうですけど、声や体の調子がライブを作る上で大きく関わってくるので、日々のメンテナンスや管理がすごく大事なので、すごく大変です。
■2023年には新メンバーの福ノ瀬さんが入りましたが、福ノ瀬さんはどんなアイドルですか?
鼓 すごく真面目です。すでに出来上がっている曲も、途中の曲も、新しい曲もあって、スケジュールがギリギリだったりもしたんですけど、(福ノ瀬は)こっちが何も言わなくても、動画とかを見て自分でしっかり練習してきていて、身体に染み付いたものを持って来てくれたので、すごくスムーズにできました。逆に私たちがテンパっているみたいな……。(笑)
■それはまさに先ほど福ノ瀬さんが「大変」と仰っていた所ですよね。できているってことじゃないですか!ところではちみつBLACKには、特撮好きがお二人もいらっしゃるようですが……。
鼓 リオさんは特撮の先輩なんです。(笑)
リオ 私は小さい頃からずっと特撮が好きで、仮面ライダーもスーパー戦隊もよく観るんですけど、やっぱりカッコいいのが好きなんです。最近は演者さんが気になって観始めるっていう方も多いのですが、そういうきっかけでも特撮に触れてくれるの、私はすごく嬉しいです。
あむの 大阪遠征に行った時は、ちょうど日曜だったんですけど、この二人(鼓とリオ)がたまたまホテルで同じ部屋になって、日曜の朝から二人ですごく盛り上がっていました。(笑)
■ニチアサですね。そのための部屋割りだったんでしょうね……。(笑) さて、ニューアルバム『INFINITY MARCH』では、“I’MME”が特に印象的だったのですが、「私は私らしく!」という空気を強く感じました。みなさんの好きなものや、趣味がアイドルに活かされたことはありますか?
福ノ瀬 私は元々めちゃくちゃアイドルオタクをしていて、はちみつBLACKのことも結成時から知っていまして、実はずっとTwitterもフォローしていました。毎週1度はどこかの現場に行くぐらいだったので、特典会のチェキとかの流れなんかも初めからわかっていて、加入してからも戸惑うことなくできました。(笑)
鼓 アイドルって、活動を始めてから配信用のアカウントを作る人が多いじゃないですか。でも彼女(福ノ瀬)の場合、もうすでにオタクとして使っていたアカウントがあったんです。
福ノ瀬 しかもしっかり課金もしていたので、アカウントのレベルが初めからちょっと高くて、みんなに驚かれました。(笑)
リオ 私は特撮好きなんですけど、特撮の監督をされている方が制作した映画の主題歌を歌える権利が貰えるというイベントに参加して、変身ベルトをつけて頑張って配信していたら、本当に主題歌を歌わせていただけることになったんです。監督にも「仮面ライダーが好きなんだ」っていう話をしていただいたりして、夢のような体験でした。ずっと特撮好きでよかったし、これからも特撮好きでいたいなと思いました。
鼓 私もまいと同じようにアイドルオタクをずっとしていたんですけど、彼女(福ノ瀬)は地方に住んでいたのに対して、私は都内周辺に住んでいたので、オタクをしていた時に渋谷や新宿、横浜の方にも結構行っていたんです。なので、演者としては初めて行くライブハウスでも、場所は全然知っているから、地図を見ないでも行けるっていうことは何回かありました。(笑) 「ラッキー!」って思いました。
■オタクナビですね。(笑) 新曲の“Welcome”は、すごくカッコいい曲でした。ひとつ疑問だったんですけど、“We are the eight three Black”ってどういう意味ですか?
あむの 「eight=はち」「three=みっつ」「black」で、「はちみつBLACK」です。(笑)
■ああ!スッキリしました!それにしてもみなさん歌声がすごくカッコいいですよね。歌う時に意識していることはありますか?
リオ “Welcome”は、ダンスも簡単でお客さんと一緒に踊れるような、一緒に盛り上がれる曲になっています。なので、「楽しい時間を作りたい」「楽しい雰囲気で歌いたい」ということで、私自身も「楽しい!」って声で歌っています。周りのメンバーたちはカワイイ声が多かったりするので、私はちょっとカッコいい感じで歌おうと心がけています。
もよも この曲では会場に来ている人との一体感を感じます。「一緒に踊って!」みたいな感じを出して歌っています。まだ音源化されていない時期からライブをやっていたのですが、歌詞をちゃんと伝えたいと思って、私は活舌を注意されることが多いので、そこを気を付けて歌っています。
あむの 二人も言っていたように、最近のライブでも一番といっていいほど盛り上がる曲になっていて、やっぱり「楽しんでもらおう!」っていう気持ちもありつつ、歌詞では夢の先に向かっていく感じとか、挑発的な言葉が入っているところとか、強い言葉が入っていたりもするので、強めの気持ちで歌うようにしています。
福ノ瀬 私はもともと声がカッコいい方じゃないので、あんまり浮きすぎないように気を付けているのですが、初めの頃は歌詞を間違えないように歌うので必死でした。でも最近はちょっと慣れて来たというか、自分の良さも出しながら楽しみつつ歌えるようになってきて、「カッコよくしなくちゃいけない」ってずっと思っていたけど、あんまり寄せすぎても自分にはハマらないっていうことに気付けて、今は自分の良さを潰し過ぎないようにできていると思います。
鼓 私はちょっと前までクラシック寄りの発声の勉強をしていたのですが、外ではポップスの歌い方をしなきゃいけないっていう所で、声の出し方的には全然ベクトルが違うことをやっていかなきゃいけないのがすごく難しくて。でも、最近のライブ映像を見たお母さんに「ポップス寄りの声を出せるようになってきたね」って言われて、「よし!」って思いました。
■歌声で言うと、“BLAZE”のラップがめちゃくちゃカッコ良かったです。ここはリオさんとあむのさんですね。
リオ アイドルをやる前まではラップが苦手で、決まったリズムが無いのが難しいなと苦手意識があったんですけど、はちみつBLACKになってから、なぜかラップパートを任されることが多くなって、それをやっていくうちにどんどんラップのグルーヴ感が身に付いてきた気がするし、自分でもどんどんラップが好きになってきました。なので、もっと強めの、難しそうなラップにも挑戦してみたいなって思っています。
■本当にカッコよかったです。曲も2010年代のアニメソング感があって……そうそう、今作には山田高弘さんや、こだまさおりさんといったアニメ系のクリエイターさんが参加されていますが、その情報を聞いた時に一番喜んでいたのは誰ですか?
鼓 私です!(笑) もう大号泣の大暴れでした。
■お気持ちすごくわかります。(笑) “セツナロマンス”なんて、90年代アニメ感がたまらなくて、スポ根系アイドルアニメを妄想してしまいました。みなさんは推しに憧れて始めたことってありますか?
鼓 憧れてじゃないかもしれないんですけど、私は買うもの全てが、「推しが食べていたから」、「推しが通っていたから」、「推しが来ていたから」、「推しが持っいてたから」みたいな、そんな感じの日常を送っています。(笑)
もよも 私もアイドルが好きで、SNSとかをめっちゃ見ていたので、メイク用品とかすごく参考にして、同じコスメを使っています。
あむの 私はバンドの曲が好きで、ロックとか激しいバンドとかも聴きます。私自身がカッコよく歌うのがすごく苦手で、ラップとかも苦労してやっていたんですけど、バンドの映像とかを観ると、アイドルとは全く違うステージをしているけど、活かせることがいっぱいあるなと思って。自分がライブに出る前に好きなバンドのライブ映像を観て、「こういうところを真似してみよう」、「こういう表現の仕方っていいな、私もやってみよう」みたいな感じで、取り入れたりしています。
福ノ瀬 私の推しはめちゃくちゃスタイルが良くて、身長も高くて、スラっとしているんですけど、自分の身長はどうにもならないので、私もせめて細くなりたいなと思いました。実は私、2年前まで今より10キロも体重が重かったんですよ。