『理想郷』の歌詞通り、涙あり、試練あり、何度も衝突しながら培った今の関係。
ICExが、2月26日に最新シングル『理想郷』をリリース。表題曲“理想郷”は、TVアニメ「RINGING FATE」のオープニング・テーマとしても放送中。今回は3TYPEリリースされ、それぞれにカップリング曲が異なっている。さらに初回限定盤A、Bには、メンバーの無邪気な姿が見えてくる映像と、ICExの魅力が伝わるライブ映像を、それぞれBlu-rayに収録している。3月31日には、TOKYO DOME CITY HALLでの結成2周年も兼ねたワンマン公演も決定。今回はメンバーを代表して、志賀李玖と阿久根温世の2人にいろいろと話を訊いた。
■最新曲の“理想郷”は、ICExの中にまた新しい色を加えた曲になりましたね。
志賀 今ちょうどリリースイベントも行っています。曲調でカッコ良さを出していて、振り付けもダイナミックな理由もあって、COOLer(ファンの愛称)たちからも、「カッコいい」という声を沢山いただいています。
阿久根 “理想郷”は、イントロからすごく引き込まれる楽曲だし、とても未来感のある楽曲になりました。リリースイベントを通しての感想になりますけど、この“理想郷”を歌うと、COOLerのみんなが、僕らのライブしている姿をジッと見ているというか、見入っている人たちが多いのも、この曲をパフォーマンスする時の嬉しい特色だと受け止めています。
■イントロのフレーズが流れた時点で、すごく耳に残りますよね。
阿久根 本当に耳に残ります。ラップでせまる場面から落ちついて魅せる面もあり、1曲の中にいろんな場面が出てくるのも面白さだと感じています。ICExにはかわいい曲や、盛り上がる曲が多い中、“理想郷”は、僕らが持っているカッコ良さを見せていける曲になりました。決してワーッと盛り上がる楽曲ではないんですけど、印象の強い曲だからこそ、ライブのセットリストの中では、どこに組み込んでも表情や流れを変えていける曲になっていると思います。まさに、万能な楽曲が生まれたなと感じます。
■“理想郷”は、TVアニメ「RINGING FATE」のオープニング・テーマとしても起用中ですが、歌詞の内容が、物語やヒロインの要ちゃんの心情にいろいろと重なる面があるなと感じました。
志賀 ヒロインの心情とリンクしていく面は多いですね。それは歌詞のみならず、振り付けにも現れているんです。ロボットと合体するような振りが出てきたり、歌詞とリンクした振り付けもいろいろとやっているので、ぜひそこにも注目してください。
■“理想郷”の歌詞の中には「涙あり試練あり 波乱のヒストリー」と出てきますが、お二人はここに至るまでに「波乱のヒストリー」を感じたことはありましたか?
志賀 研究生の頃は、何度もオーディションに落ちるという経験を重ねてきました。その度に夢が遠のいていく意識もありましたけど、それでも頑張り続けた結果、今はICExのメンバーとして活動をしています。当時は、それが波乱のヒストリーと思うことはありませんでしたが、今になって振り返ると「あの頃がそうだったのかな?」と感じます。
阿久根 オーディションを受けている時は、みんながライバルという関係でもありました。ICExになってからのメンバーの結束は固いんですけど、それも徐々に培ってきたものだと思います。レッスン中に上手くいかない時や、リリースイベントやライブで思ったように上手く出来なかった時も、もちろん正直いってありますが、その度にメンバーみんなで現実に向き合って、話し合いをしてきました。それを繰り返していく中で、今の信頼関係が築けました。そう思うと、それが波乱かは置いといて、僕らのヒストリーになっているなと思います。
志賀 本当に“理想郷”の歌詞通り、涙あり、試練あり、何度も衝突しながら培った今の関係ですから。
阿久根 ICExメンバーたちは、みんな自分の意見をちゃんと言える人たちなので、自分が嫌われたくないから発言を遠慮するとかではなく、自分の思いや意見をしっかりと言い合えるんです。もちろんそれで衝突することだってありますけど、お互いの気持ちを本音でぶつけあえているからこそ、メンバーのことを強く信頼できるんです。そうやって遠慮なく言い合える関係ってすごくいいなと思います。
■それぞれに思い浮かぶ“理想郷”や、理想となる姿も教えてください。
阿久根 僕の理想は、世界に名だたるトップアーティストのようにになることです。世界中の誰もがICExのことを知っているような、そんなグループになるのが理想です。
志賀 僕にとっての“理想郷”は、福島の実家ですね。家族と2匹の犬がいる実家は、すごく癒される場所です。しかも僕の部屋には、今の自分を形成している趣味の道具と言いますか、スノーボードやスケートボード、ギターにゲームなど、いろんなものが置いてあるんです。まさに自分の好きなものが詰まっているからこそ、実家は一番落ち着く理想郷となる場所です。実家はいろんなことを忘れて、ゆっくり癒される場所でもあるからこそ好きなんだと思います。
阿久根 そこは僕も一緒です。実家に帰ったらご飯も出てくるし、洗濯だってしてくれる。何より自分が夢を目指していた初心の気持ちになれる場所です。僕は実家に帰る度「もっと頑張ろう」という気持ちになれるから、そこも好きな理由です。
■大阪はコンサートでも行っているように、仕事でも地元に帰れる機会は多いと思いますが、福島だと仕事として帰ることはなかなかないですよね?
志賀 今のところはなかなかそういう機会はないですね。でも地元にだってCOOLerは待ってくれているので、いつかは地元での凱旋ライブをやってみたいです。
■改めて“理想郷”の聴きどころをお願いします。
志賀 TVアニメ「RINGING FATE」のオープニング・テーマとして流れていることで、より多くの人たちにICExの持つ新たな一面を魅せられたのが嬉しいです。歌詞やダイナミックな振り付けもアニメの世界観とリンクしているので、そこにも注目してください。
阿久根 “理想郷”は、楽曲がカッコ良いのはもちろん、歌で魅せる部分もありますけど、すごく男らしいラップを通して、今まで見せたことのないICExの魅力を出していけたのも嬉しいなと思っています。振り付けも、やっている側は難しいんですけど、そのパフォーマンスがお客さんたちには嬉しい見どころになっています。みんな笑顔で見入ってくれているし、みんなの視線はライブ中にいつも感じています。
■「通常盤」のカップリング曲には、これも新しい表情となる“Miracles”が収録されています。
志賀 “Miracles”は、SUPER★DRAGONのジャン海渡くんが、僕らのために提供してくれた洋楽系R&Bのノリを持った楽曲です。これまで自分はあまりラップをやったことがありませんでしたが、この曲を通して本格的に挑戦できたことで、また新しい自分を出せたなと思っています。
阿久根 “Miracles”はまさにラップ曲だから、日本語の歌詞を英詞っぽく歌うのが難しくて、そこはめっちゃ苦労したんですけど、レコーディングの現場にジャンくんが来てくれて、いろいろとアドバイスをしてくれて、新しい挑戦が出来たことですごく自信にもなりました。“Miracles”はこれまでのICExにはなかった曲調だから、新たなICExを魅せることができた嬉しさもありますし、またこれからもラップ曲に挑戦したいという気持ちも生まれました。
■「初回限定盤A」には、ノリ良い“BOOM BOOM BOOM”が収録されています。
志賀 “BOOM BOOM BOOM”はまさに、COOLerと一緒にライブで盛り上がれる曲で、サビがすごくキャッチーだし、ライブで一緒に声を出して盛り上がれたらいいなと思っています。聴いてすぐに耳に残る歌詞や曲調なのも魅力です。
阿久根 僕も“BOOM BOOM BOOM”は、COOLerのみんなと一緒にライブで楽しめる曲だと感じました。たとえ学校やお仕事で疲れたり、悩みを抱えていたとしても、この曲に触れている間だけは、何もかも忘れて楽しめたらいいなと思います。ライブではCOOLerのみんなも声を出せる楽曲になっているからライブにもってこいの曲だし、“BOOM BOOM BOOM”を通して早くCOOLerたちと一緒に楽しみたいです。
■「初回限定盤B」に収録された“運命の1ページ”は、まさに……。
志賀 僕らICExとCOOLerたちの思いを描いた楽曲です。“運命の1ページ”は、どんな未来も一緒にいようというHAPPYな曲です。この曲もCOOLerのみんなを前にしてライブで歌ったら絶対に楽しいし、幸せになると思っているから、早くライブで披露したいです。そんな王道キラキラソングです。
阿久根 “運命の1 ページ”は、COOLerのみんなと思いを分かち合える曲で、僕はこの曲の歌詞が大好きで、中でも「君が僕の全てだから」の歌詞がお気に入りです。COOLerがいなかったら、僕らは今ここにいません。“運命の1 ページ”には、COOLerへの思いを詰め込んだ歌詞がいっぱい入っているからこそ、早くみんなを目の前にしてこの思いを届けたいです。
■「初回限定盤A」のBlu-rayには、富士急ハイランドで撮影をした「ICEx お化け屋敷」の映像が収録されています。
志賀 僕自身、富士急ハイランドへ行くのは初めてでした。そこで日本一と言われてるジェットコースターの「FUJIYAMA」と、お化け屋敷の「戦慄迷宮~闇に蠢く病棟」を体験しました。自分はジェットコースターが大好きだから、日本一怖いと言われている「FUJIYAMA」はどんなものかと意気込んで乗り込んだんですけど、やっぱり怖かったです。(笑) 地上70mという高さから落下していくスリリングさや、速度や体感時間も含めて、乗っている時は「まだ続くの……?」という気持ちでした。でも、もう1回乗りたいと思ったくらい楽しかったです。「戦慄迷宮 ~闇に蠢く病棟」は、本当に怖かったです。僕は人形などは結構大丈夫でしたけど、人がやっているお化けが出てきて急に驚かされると正直ビビります。急に驚かされるのは、やっぱり苦手ですね。お化け屋敷は2チームに分かれて巡ったのですが、一緒にまわった(中村)旺太郎はまったくビビることなく、先陣を切って進んでいたから、彼は本当にすごいなと思いました。
阿久根 メンバー全員で遊びに行くって楽しくていいですね。もちろん撮影のために行ったんですけど、すごく楽しかったです。(笑) 僕もジェットコースターは元々大好きだったから、「FUJIYAMA」に乗っていてめちゃめちゃ楽しかったんですけど、でも、今までにないくらい怖かった体験にもなりました。そして「戦慄迷宮~闇に蠢く病棟」ですが、結構長い距離を歩いていかないといけないんですよ。最初こそ怖かったんですけど、次第に慣れてきて、そこで気を抜いてたら、急にお化けに驚かされ、また恐怖が甦ってきて……。あれこそがお化け屋敷ならではの怖さなんでしょうね。いったん気持ちを慣れさせて、さらに怖さを重ねていくという。それがすごく巧みだなぁと思いました。
志賀 この映像には本当に素の自分たちが映っているから、それを見せられるすごくいい機会になったと思います。