伊藤千晃 VANITYMIX 2018-2019 WINTER PICK UP INTERVIEW

itochiaki

ここから何かが始まる…伊藤千晃の新しい側面が、いま解き放たれる

伊藤千晃が、この9月より本格的に歌手活動を再開した。同じミディアムテンポながら各々タイプの異なる2つの配信限定楽曲を発表してきた彼女。そこには歌の内容・サウンド共に、自身の内面や、想っていること、感じていること、新しい彼女の姿が真摯に歌われている。それらを含む待望のファーストミニアルバムをリリース。『New Beginnings』と題された今作は、5曲5種の様々な楽曲が収まった、まさにいろいろな側面から伊藤千晃を感じさせる1枚。タイトル通り、「ここからまた何かが始まっていく」そんな予感を多分に感じさせる全5曲だ。

■再び歌い始めてみていかがですか?

伊藤 おかげさまでとても楽しく活動させていただいています。正直、音楽を再開するにあたり、私の中で様々な葛藤や悩みもありました。だけど、私自身この業界に入ったのも、音楽がやりたいとの想いからだったし。やはりまた歌いたいなという気持ちはありました。なので、再びそれが実現できた今はすごく心が満たされています。

■一人で歌うことに関してはいかがですか?

伊藤 楽しい反面、こんなにも大変なことなのかと気がつきました。ここに来て、みなさんや多くの方々に支えられて音楽が出来ていたことに改めて気づかされました。

■それは例えば?

伊藤 どんな楽曲にするかとか、自分が表現したいことは何かとか、歌詞に込める気持ち等も、これまでとは違って「千晃ちゃんのやりたいことを形にしよう!」でしたから。ワクワクの反面、妙なプレッシャー等もありました。

■歌う内容も広義に渡りますもんね。

伊藤 そうなんです。何を表現していこうと考え始めると、わりと悩んじゃうタイプなもので。(笑) いろいろとこだわってやっていくことってすごく難しいんだな…と改めて実感しました。表現することって簡単じゃないなって。その分やりがいを強く感じています。

■そこで何か結論は見い出せましたか?

伊藤 明確なものは未だ見つかってはいませんが、しいて挙げるなら、等身大や自分を見つめ直すことかなと。その辺りも音楽を作りながら現れてきたものなんです。

■今作にはこれまでからは想像もつかないタイプの曲も多いですもんね。

伊藤 一番最初の“New Beginning”からしてまさにそうでした。今の自分はすごくハッピーなものだけを歌いたいわけではないし、かといってすごく悲しい歌を歌いたいわけでもない。でも、いろいろな悩みや葛藤があって、その中に光が見える瞬間。その辺りを歌やサウンドで表現したくて。それでこの曲に至ったんです。この他にも自分を問い詰めることによって、やりたい音楽が形になっていったり。そう考えると、かなり今回は自分の内側を魅せたり、想いを表現できていると思います。

■その自分の内側や内面を魅せるのには抵抗はなかったんですか?

伊藤 かなりありました。やはりどこかでカッコつけたい自分もいたりして。弱さを出す際も、こんなに弱すぎる私を出しても大丈夫か、とか。それを歌にしたところで誰が喜ぶんだろう…?とか。ネガティブなことを言ったらみんな共感してくれないんじゃないか、とか。そんなことも想ったんです。私はハッピーや幸せを伝えていくのが好きなタイプなので。これまではそちらの表現が中心でしたが、今回は一皮も二皮も剥けた自分自身をさらけ出して認めてもらおう、とある瞬間からそう思えるようになったんです。自分の弱い部分を見つめるからこそ、強くなれるのだと思うようになりました!

■何かそこを抜けるタイミングがあったと?

伊藤 “New Beginning”を作った時にすごく心が満たされたんです。そこからですね。自分が自分自身をさらけ出せずに、いつも演じている私を誰が望むんだろう?って。活動を再開したからこそ、ここから伊藤千晃の本質や本心を観てもらおうとの決意に至ったんです。応援してくださる方々のため、ありのままの今の自分の姿をみせていこうと。

■確かに苦悩や葛藤を経ての光を見つけた感が“New Beginning”のリリックやサウンドからは感じ取れます。

伊藤 今回はサウンド制作にも関わらせてもらったんです。それこそサウンドプロデューサーの自宅のレコーディングスタジオに行き、メロディの一音一音から、サウンドのタイプや音色も選ばせてもらったり。それ自体が初めてのことで。最初は戸惑いながらでしたが、途中から「音楽はやっぱり楽しい!!」と改めて感じて。音楽の楽しさを学べたレコーディングでもありました。