KEEMBO VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

KEEMBO『WHATEVER』

■おふたりの人生においても、“WHATEVER”の歌詞と重なる体験はありましたか?

ボヒョン 私はたくさん練習するタイプなんですけど、どんなに練習しても上手く表現できなくて、イライラしたり、落ち込んでしまったりした時期もあったんです。でも、この“WHATEVER”を歌いながら考えたのは、これからはそういうことがあっても、自分なりに表現できるところまでやったらいいんじゃないかなって。それは自分の体験と重なる部分かなと思います。

ボア 私はこの歌詞の主人公とは全然違って、「大丈夫だよ」とか言えないタイプなんです。(笑) でも、そういう自分をわかっているからこそ、この曲を歌いながら「私もこんなふうに変えていかないとダメだな」と思うんです。

■自分が「大丈夫」と言えないタイプだからこそ、歌うことで気持ちが楽になるような?

ボア そうなるようにがんばっています。(笑) この曲を歌う3分間は、普段のキム・ボアを忘れて、「大丈夫だよ」と言えるキム・ボアに変わるので、ぜひ聴いてください。

■そう思いながら聴くと、また聴こえ方が変わってきそうですね。それと“WHATEVER”は気だるい感じもありつつ力強さも同居していて、不思議な曲調だなと思ったんですけど、レコーディングではどんなことを意識して歌ったんですか?

ボア 1コーラス目と2コーラス目は、それほど難しくないんです。その分、それ以外のブリッジやサビのところに力を入れてギャップを作る。そうすることで楽しくておもしろい曲になるんじゃないかと思っていました。

ボヒョン この曲は最後にアドリブの部分があるんですけど、そこで全部発散しようという気持ちで、思いっきり歌いましたね。

■ボアさんが「Whatever, we will be okay」と歌う裏で、ボヒョンさんが派手に歌い上げてますよね。

ボア そこをボヒョンが歌っている姿を見て、私は幸せな気持ちになっています。(笑)

■その幸せそうに歌う2人を見たら、もっと幸せになれそうです。(笑) この曲は最後にボアさんの「サンキュー」という声と、ボヒョンさんの「ふふふ」という笑い声が入っていますけど、最初から入れる予定のものだったんですか?

ボア いいえ。この曲の最初にも最後にも「ターラ、ターラ」というコーラスがあるじゃないですか。そこの部分は「かわいく表現しなきゃいけないのかな?」というプレッシャーがあって、少し恥ずかしかったんです。やっぱり韓国では歌が上手い=キーが高いとか、そういうイメージが強いので、リスナーの人たちもそういう表現を望んでいるかもしれない。昨年リリースした“99”という曲でも、そういう恥ずかしさがあったんですけど、今回も歌い終わったところで恥ずかしくて「サンキュー」と言ってしまったら、それを入れようという話になったんです。

■ボヒョンさんの「ふふふ」は、それを聴いたリアクションなんですか?

ボア レコーディングは別々にしたんですけど、やっぱりボヒョンも恥ずかしくて「ふふふ」と笑ってしまった時があって、それを合わせて入れようということになったんです。ちなみに“Scandalous”という曲でも、レコーディング中に思うように声が出なくて、その時に出した悲鳴が使われています。(笑)

■あとで“Scandalous”も改めて聴いてみます。(笑) ちなみにMVでもボアさんが完璧なタイミングで「サンキュー」と言っているシーンがありましたけど、音源に合わせて演技したんですか?

ボア その通りです。あのタイミングが体に染み付いているので、もういつでも完璧に「サンキュー」を言えるようになりました。(笑) 撮影の時もタイミングを合わせて言うのが楽しかったです。

■そのMVでは、どこに注目して欲しいですか?

ボア 今回のMVではKEEMBOの2人が描かれた絵がいくつか使われていて、最初のシーンで2D(絵)から3D(実写)に変わるところもおもしろいと思うし、ボアとボヒョンのキャラクターが似ているのか見比べていただくのも楽しいと思います。日本はアニメーションが好きな国だと思うので、ぜひ見ていただきたいです。

ボヒョン 私はジブリが大好きなので、いつか日本のアニメの歌も歌いたいです!

ボア ポーニョポーニョポニョ〜。

■おふたりの歌唱力で歌われたジブリソングも聴いてみたいですね!その前に今回の“WHATEVER”を歌っている姿も見たいですが、音楽番組などにも出演される予定はありますか?

ボア 最近の韓国の流れでは、1〜2週活動したら終わりなので、そんなに機会は多くないかもしれません。ただ、出演が決まっているYouTubeの番組もあって、それはインターネット上に残るので、ぜひ日本からも見て欲しいです。

■最近はYouTubeの音楽番組も増えて、日本人も楽しみやすくなりました。

ボヒョン コロナの影響でオフラインのコンサートは少なくなっているんですけど、オンラインが増えているので、海外の方には近寄りやすい状況になっているかもしれないですね。でも、ずっとオフラインでコンサートをできていないので、それはすごく残念です。本当は日本で公演する予定もあったんですよ。

■早くコロナが収束して、生でおふたりの歌声を聴きたいです。まだまだ難しい状況は続きそうですけど、今後の見通しはいかがですか?

ボア コロナが収束したら、すぐにでもファンの前で歌いたいです。KEEMBOは結成直後からコロナの世界になってしまったので、どれくらいのファンがいるか知らないんですよ。それを目にするのも楽しみなんですけど、その日がいつ訪れるのかわからないから、今はがんばって音楽を作る、いろんなジャンルの音楽を作る、楽しい音楽を作ることに力を入れて、いつでもコンサートができるように準備したいと思います。

■前向きに考えると、最初のコンサートからたくさん曲を披露できるチャンスかもしれないですね。

ボア はい。初公演からそういう幸せな悩みができればいいなと思います。今はお腹が空いているような感じなんですよ。もう1年半以上、何も食べていないので、ファンの歓声も涙もお腹いっぱいに食べたい。そのくらい飢えているんです。オンラインでのコンサートも何度かやりましたけど、やっぱりファンの前で歌うのとカメラの前で歌うのでは全然違うんですよね。だから日本でコンサートをできる日が来たら、たくさん歓声を聞かせて欲しいです。

Interview&Text:タナカヒロシ

PROFILE
実力派ガールズグループとして知られ、2017年に解散したSPICAのメンバーだったキム・ボアとキム・ボヒョンの2人より結成。キム・ボアはIUと練習生時代を過ごし、KARA、少女時代、INFINITEなどの仮歌やコーラスに参加。ボーカルトレーナーとしても活躍。キム・ボヒョンは2NE1の候補として練習生時代を過ごし、SPICA解散後はソロとしても作品を発表。2019年6月に開催された「Rainbow Festival」での共演をきっかけにKEEMBOを結成し、2020年4月にシングル『Thank You, Anyway』でデビュー。2021年2月には初のアルバム『SCANDAL』を発表。5月10日(日本では5月13日)に最新シングル『WHATEVER』をリリースした。
https://keembo.jp/

RELEASE
『WHATEVER』

配信シングル
https://lnk.to/KEEMBO_WHATEVER

ARALINE
5月13日ON SALE