Kitri VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

Kitri『Kitrist』

■そんなHinaさんのイニシアティブの比率も依然に比べ今作では各段にアップしていますもんね。自身の単独での歌唱や作詞、二人でのユニゾンもより増えたし。

Hina そうなんです。やはり11曲を通して様々な色の曲を用意したいとの気持ちもあって。中にはツインでどちらが主旋律なんだろう?といった曲もあったり。私のボーカルにしても初めての作品化でしたし。歌詞もこれまで以上に書かせてもらいました。

Mona やはり2人で書いたり、アイデアを出し合った方が曲の幅も広がるし、バラエティさもより豊富になりますからね。おかげさまで私が主に作ってきた際よりも今作では色彩感も倍になりました。

■音楽性もですが、歌内容もわりと2人それぞれの個性がクッキリと現れた感があります。Monaさんの場合は、みなまで言わず情景やキーワードから聴き手の頭の中でそれらを紡いでいき、物語を各位で完成させるタイプ。一方Hinaさんの場合は、キチンとはっきりとした物語性やメッセージ性のある楽曲のタイプで。その差異が幅やバラエティさとして表れていたのも興味深かったです。

Mona ありがとうございます。そうなんです。自分たちとしてもそれで音楽性や楽曲の幅に結びつけられた感があって。

Hina 私の場合は先にメロディがあって、それを聴きながら浮かんだものを歌詞にしています。私自身、小説を読むのも好きだったりするので、そこから言葉が引き出されたりもして。その辺りも歌詞に反映されているのかもしれません。

■そんな中、初めての2人による共作詞もありますね。

Mona 2人並んで歌詞を書き完成させていきました。2人で楽しみながら心を穏やかにして作り、みなさんに聴いてもらえる歌詞をお互い目指しました。込めたメッセ―ジ性というよりかは、ただただ歌とメロディと歌詞と演奏がスッとみなさんに沁みていくような、聴いていて楽な気持ちになれるそんな曲にしたかったんです。聴いている方々がふんわりとでも何か感じてもらえると嬉しいです。

■今作ではより2人によるユニゾンやハモリ、いわゆるツインボーカル性みたいなものも色濃くなった印象があります。

Mona より2人で一つにしたい思いは強くありました。元々メインボーカル、コーラスと役割分担はありましたが、どちらも大事な存在だし、両方が共存することで自分たちならではの音楽になっていて欲しくて。その辺りがこれまででよりマッチしたし確立されたのかなと。いわゆる各々が主張し過ぎず、控えめ過ぎず、それがより色濃くなったとは自分たちでも感じています。是非2人それぞれの声やどちらの声も楽しんでもらいたいです。

Hina 今回は自分たちもミックスの時点でも参加させてもらったんです。その際にいろいろと意見を伝えさせてもらって。それらが反映された面も関係しているのかもしれません。

■先ほど話に出たHinaさんの初の単独歌唱はご自身的にはいかがでしたか?

Hina “バルカローレ”ですね。この曲はMonaも私が歌うことを前提にメロディも作ってくれたし、歌詞に関してもハッキリとしたものを述べる曲ではないだろうと感じ、あえてややぼんやりとしていながらも、聴いて下さる方々それぞれで何か感じ取っていただきたく歌いました。

Mona 声質も似てはいますが、私とは違った声色なこともあり、おかげさまでよりアルバムにバリエーションを増すことが出来ました。それもあり、歌詞とはまた違った新しい色を今作に与えてくれたかなと。この曲はクラシカルなピアノで曲の中で色彩がスーッと変わっていく種類の曲にしたく、このような流れるピアノになりました。

■最後にお二人の2020年の抱負を聞かせて下さい。

Mona 新鮮な気持ちを保ちつつも、2人でようやくここから第一歩をしっかりとした足取りで踏み出せる気持ちでいます。ここからまた様々なものを吸収し、影響を受け、それらを糧にしながらも、2019年で見つけた自分たちらしさを基に、これからも私たちらしい、私たちならではの音楽をお届けしていきたいです。

Hina 春には全国ツアーもあります。その際には羊毛とおはなの羊毛さんもゲストギタリストとして参加いただけるので、Kitri史上初の3人編成でお送りする予定です。今作でもギターをフィーチャーした“青空カケル”を始め、他の曲でも連弾にギターが加わったらどのように変化するのか等、他にも各楽曲が音源とはまた違った形で楽しんでいただけるでしょうから、その辺りにも是非期待していて欲しいです。あと、私もピアノ以外の楽器を今回も是非とも演奏したいので、当日私がどんな楽器を奏でるのかも、今から楽しみにしていて下さい。2020年もこの作品と全国ツアーをスタートダッシュに一気に駆け抜けていきます。今年も応援よろしくお願いします。

Interview & Text:池田スカオ和宏

PROFILE
姉のMona と妹のHinaによるピアノ連弾ボーカルユニット。Mona はボーカル、ピアノ低音部(Secondo)を担当、Hinaはコーラス、ピアノ高音部(Primo)を担当(ギター、パーカッション他)。幼い頃よりクラシックピアノを習いMonaは大学で作曲を専攻。Hinaは芸術学を専攻する。2015年~京都を拠点に音楽活動を開始。2016年ライブで京都を訪れていた大橋トリオの手に自主制作盤が渡り、その音源を聴いた大橋が絶賛。大橋が手掛けていた、映画「PとJK」の劇伴音楽に、テーマ曲のボーカルとハミングで参加する。2017年、過去の音源を大橋トリオプロデュースにより再録音して、パイロット盤『Opus 0』が完成。2019年1月23日、日本コロムビアより1stEP『Primo』でメジャーデビュー。同7月24日2ndEP『Secondo』を発売。Spotify「Spotify Early Noise Artist 2019」やYouTube「Artists to Watch」等に選出されるなど、ブレイクアーティストとして注目されている。
https://columbia.jp/artist-info/kitri/

RELEASE
『Kitrist』

Kitri『Kitrist』

(CD)
COCB-54295
¥3,300(tax in)

Kitri『Kitrist』

(LP)アナログ盤
COJA-9369
¥4,180(tax in)

日本コロムビア
1月29日 ON SALE