ミニマムなセットでお客さんとの距離感や温度感を大事にできる場所でやってみたいなって。
Leolaが2025年11月より『Leola CAFE LIVE TOUR 2025-2026 “Little Chamomile”』を開催する。同ツアーは会場がカフェが多く、Leolaの原点である弾き語りをゆったりと聴けるライブになっている。インタビューでは、2026年でデビュー10周年を迎えるLeolaに、6年ぶりにリリースとなった『Chamomile』に込めた思いを訊いた。そして、ツアー会場をカフェにした理由や、実現したいステージについても語ってもらった。
■Leolaさんがキャンプをはじめて5年以上が経つと思いますが、なにか楽しみ方などで変わったことはありますか?
Leola 最近は、キャンプを楽しむ原点である「癒やし」に立ち返るようになったかもしれません。今までは、二人なのにトランクと後部座席が埋まるほど荷物を持っていくことがありましたが、その時と比べるとずいぶん身軽になりました。
■何を持っていくとそんなパンパンに?
Leola 冬場は防寒具や石油ストーブ、ホットカーペットなど、これでもかと詰めていました。(笑) そこにインテリア用のランタンや下準備した料理などもプラスしていくと、モリモリなキャンプになってしまうわけです。今はホットサンドのようなお手軽料理で済ませるなどして、荷物を必要最低限にした頑張りすぎないキャンプを目指しています。楽しみ方は変わったかもしれませんが、自然の中で過ごすのは変わらず大好きです。
■「女子キャンプのススメ」のようなものがあればぜひお聞きしたいです。
Leola 初めてキャンプに行く女子におすすめなのは、「ソログルキャン」です。テント設営など、基本的なことは個人でしつつも、一定エリアに複数人で集まり、ほどよく協力し合えるのが魅力です。一つの焚き火を囲みながら、椅子だけもって集まって、乾杯して、ご飯はそれぞれ自分で作ったものをお裾分けみたいなことができます。もちろん自分のテントへ戻り個人で楽しんでもOKで、自由と安心感を両立させたキャンプが楽しめますよ!
■少し前になりますが、8月23日に開催されたキャンプイベント、『Feel EARTH 2025 with Camp Jeep』に出演して、Leolaさんはステージで弾き語りをされていましたね。
Leola アーティスト仲間のKeishi Tanakaさんから、「Leolaちゃんはキャンプ好きみたいだし、自然の中で弾き語りするのが似合いそうだね」と声をかけてもらいました。おそらく、SNSやYouTubeなどで私がキャンプについて発信していたのを見てくれたのだと思います。キャンプ場で歌うのは、私の夢の一つでした。もはやライフワークとして今後もやっていきたいと思える取り組みなので、今回きっかけをいただけたのは嬉しかったです。
■ステージからは、どのような景色が見えたのでしょうか?
Leola イベント会場が苗場スキー場だったので、山々が見えて、リフトもあって、まさに野外の中の野外という感じの景色でした。お客さんたちも地べたに座りながらとか、シートを敷いたりとかして、すごくリラックスしながら聴いてくれていました。私の出番がちょうど17時からだったこともあり、だんだんと薄暗くなっていくあの幻想的な雰囲気も忘れられません。
■Leolaさんが6年ぶりにリリースしたアルバム『Chamomile』のコンセプトの一つに、「逆境に耐える強さ」とあります。それにはどのような思いが込められているのでしょうか?
Leola リリースまでに6年かかった理由の一つに、新型コロナウイルスの影響がありました。あの頃は、アーティストの誰しもが「このまま活動を続けていいのかな?むしろ続けられるのかな?」という不安を抱いていたと感じていて。もちろん私も例外なく、思い描いていた活動がすべてできなくなり、まさに「ゼロの状態」になったんです。そんな自分をどうにか奮い立たせて、またコツコツと積み重ねていく中で、ようやくみんなの元に届けられた作品がこの『Chamomile(カモミール)』なんです。このカモミールの花言葉には、「あなたを癒す」の他に、「逆境に耐える」という真逆の二つの意味が込められています。つらい時期があったからこそ紡げた、ナイーブな気持ちを隠さない楽曲たちを聴いてほしい、という思いを作品に込めています。
■ナイーブな楽曲にはどのようなものがありますか?
Leola “My Other Side”は、私の「怒り」の感情を表現した曲です。このご時世でも、まだまだ女性は甘く見られてしまうことがあるのが現実だと思います。私も活動の中で「結婚するまでのつなぎでしょ」とか、「子どもが生まれたら引退するんでしょ」なんて言葉をかけられてしまうことがありました。でも今は働きたいと思っている女性がたくさんいます。そんな人たちの思いを想像せずに「どうせこうだろう」と言われてしまうことに対し、「もう、ニコニコしていなくていっか!」という思いで書いたのがこの“My Other Side”なんです。実はこの曲は、コロナ禍が最高潮といえる時期には、すでに出来上がっていました。でも当時はあまりにも自分事すぎて、他人に聴かせることに躊躇してしまっていたんです。それから数年経って、感情もある程度消化できた時に「あ、今なら出してもいいかも」と思えたんです。まさにベストタイミングでみなさんに披露できた楽曲といえます。
■Leolaさんがつらい状況でも、アーティストを続けてこられたのは、やはり逆境の気持ちからだったのでしょうか?
Leola そうですね。正確には「負けたくない」という感情が一番しっくりくると思います。そして、ここまで積み重ねてきたものがあるからこそ、捨てることがどうしてもできなかったのかもしれません。まだまだ歌を通して伝えたいことがたくさんあるので、これからも続けられるだけ続けていくつもりです。
■11月16日より『Leola CAFE LIVE TOUR 2025-2026 “Little Chamomile”』が開催されますが、会場をカフェにしたのには、どのような理由があるのでしょうか?
Leola コロナ禍の影響で、バンドを連れての活動が難しくなってきたんです。その時から、私の原点でもある弾き語りを、もはやデモテープに近い感じで聴いてもらうようなライブをたくさんしたいと考えていました。そして、せっかく一人でツアーを回るのなら、ミニマムなセットで、お客さんとの距離感や温度感を大事にできる場所でやってみたいなって思って。穏やかで楽しい空間であるカフェであれば、私の弾き語りとマッチしていると思い、それが実現したのがこのツアーです。
■ツアーのラストは、Leolaさんの故郷である熊本ですね。
Leola アーティストの活動を通して、大好きな熊本を知ってもらえるのは、私にとって喜び以外の何ものでもありません。ファンのみなさんが私のライブをきっかけに熊本を楽しんでくれることもあり、そんな一つひとつの事実が、私を幸せな気持ちにしてくれています。熊本公演の会場である「OLD SOUL」は、音楽好きのオーナーさんが経営していて、たくさんのスピーカーでレコードが聴ける素敵なお店です。私もよく通っているので、今回はそこでライブができるのをとても楽しみにしています。
■どのようなきっかけで、そのお店に通うようになったのでしょうか?
Leola 小さな頃に受けていた習い事を通して知り合い、数年前に偶然再会した方がいまして。その方は、捨てられるはずだったお花を「再生花」として販売する活動をしており、「OLD SOUL」店内でも販売していたんです。そして、実はそのお店のオーナーの奥さんだったらしくて。(笑) 私も「OLD SOUL」はずっと知り合いから素敵なカフェだと聞いていたこともあり、大好きなお店の一つになりました。
■2025年も残りあとわずかですが、今年中にやっておきたいことはありますか?
Leola 今年もやっと暑い夏が終わり、キャンプに最高な時期が来たなと思ったら、急に寒くなってしまって、「あれ、秋はどこに行ってしまったの……?」という気持ちをみなさんも抱いていると思います。(笑) でも寒くなると空気が澄んで、夜空がとても綺麗になりますよね。私は今年の残りで、どこか自然がたっぷりな場所に出向いて、綺麗な星空を見るチャンスを狙い続けるつもりです。







