LUNA SEA『LUNA SEA –RELOAD-』ライブレポート@さいたまスーパーアリーナ 3月27日(土)

LUNA SEA『LUNA SEA –RELOAD-』ライブレポート@さいたまスーパーアリーナ

世界が変化したと同時に築かれたファンとの絆

桜が開花し、春の陽気になった3月27日(土)、28日(日)、『LUNA SEA –RELOAD-』がさいたまスーパーアリーナにて開催された。この公演は、メンバーの真矢(Dr)が昨年末に新型コロナウイルス陽性判明により延期になっていた公演の振替公演となる。更に本公演は途中感染症対策として、換気を設けるインターバルを取り入れ、LUNA SEAとしては初となる2部構成になっている。今回は3月27日(土)の公演をレポートする。

客席を1席ずつ空けるなどコロナ対策をした会場には、マスクをしながら今か今かとライブを楽しみにしているオーディエンスでいっぱいだ。今回はライブ配信もあり、世界中のたくさんのオーディエンスが観ていることだろう。会場では感染対策で声援が出せないということで、オーディエンスは手拍子をしながらスタートを待つ。

客電が落ちると、幻想的なSEが流れ、ステージはライトで煌びやかに輝く。そんな中、続々とメンバーがステージに登場し、オーディエンスは盛大な拍手で迎える。スモークが立ち上る中“LUCA”からライブがスタート。オーディエンスは手を振り挙げリズムに乗る。SUGIZO(Gt&Violin)はステージをゆっくりと歩き、オーディエンスやカメラに向かって投げキッスやピースをし、RYUICHI(Vo)が「みんな、心の声で!」とオーディエンスを煽ると、会場は手を頭上に掲げて手拍子で応えた。続けてライブでは定番の名曲“Déjàvu”へと続き、INORAN(Gt)やJ(Ba)もステージの端から端へと動き回り、オーディエンスに笑顔を届けた。

「みんな元気だった?会いたかったぜ!」とRYUICHI。去年の年末に予定していたライブが延期になり、13ヶ月ぶりのライブになることを話すと、真矢はオーディエンスに年末ライブが出来なかった事に頭を下げ、「年末出来なかった分、倍返し…いや、100倍返しだ!」と意気込む。「今みんなトンネルの中にいるけど、絶対一緒に抜け出せるから。出口まで行って、また大声あげられる日を待つんじゃなくて、引き寄せましょう!」とのRYUICHIの声に続き、“Closer”へ。激しい楽曲にオーディエンスは手を挙げ飛ぶと、たたみかけるように“Pulse”“PHILIA”と、1幕は最新アルバム『CROSS』からの収録曲が多く披露され、会場の熱も上がっていく。『CROSS』ツアーが延期になってしまったので、オーディエンスにとっては嬉しい演出となっている。“PHILIA”では、 Jがピアノを弾く姿も印象的だった。

「やっぱりライブっていいよね!ルールを守りながら一緒に前に進んで行きましょう!」とRYUICHI。続いて“宇宙の詩~Higher and Higher~”“静寂”をRYUICHIの圧倒的な歌唱力で歌い上げ、歌声に聴き入るオーディエンス。スモークとレーザービームで幻想的な世界観の中、身体全体を使って歌ったRYUICHIに、オーディエンスは惜しみない拍手を送る。「LUNA SEAは世界のレジェンド達を相手に活動していくとしたら、強くならなきゃいけないね。目の前のたくさんの仲間と一緒に強くなって行こう!」とRYUICHI。 続けて“Hold You Down”で会場が一体となって盛り上がる中、「明るい未来に行こうぜ!」とのINORAN の言葉に続き“悲壮美”を壮大なスケールで披露して1幕が終了した。

途中換気の為の休憩を挟んだ後、2幕がスタート。ピアノのSEが静かに流れ始め、手拍子をしながらメンバーを待つオーディエンス。ふとSEが止み、“LOVELESS”のイントロが流れると会場から一気に盛大な拍手が上がる。そしてメンバーが再登場すると、SUGIZOの手にはトリプルネックのギターが。伸びやかなロングトーンが心地いい。続けてシングル曲“BELIEVE”を披露し、間奏ではRYUICHIとSUGIZOがセンターで肩を組み、JとINORANは並んでオーディエンスに笑顔を送り、会場は多幸感に包まれた。その後のMCで「LUNA SEAメンバーのすごい近いアングルでのライブとかどう?」や、「滑走路でライブして、ヘリコプターで1曲かけて近づいていく」など、やってみたいライブを提案するRYUICHI。そして「いつか絶対に海で満月の夜にやりたい」と話し、“STORM”へ。INORANと仲良く並んでのSUGIZOの激しいギターソロに湧き上がるオーディエンス。その勢いのまま人気曲“TRUE BLUE”へ。飛び跳ねながら大盛り上がりのオーディエンスにRYUICHIとINORANが真矢に近づき歌ったりなど、メンバーの仲の良さを見せつける。

「音楽にはまだまだ僕らの知らない魔法がある。宝物が残されている」と、音楽の無限大の可能性をRYUICHIが話し、“IN SILENCE”を披露。「みんなに心を込めて、愛を込めて、5人からの想いを次の曲に乗せて…」と、“I for You”を心を込めて歌い上げ、RYUICHIの歌声に聴き入ったオーディエンスからまた盛大な拍手が送られた。そのままラストスパートは“ROSIER”“TONIGHT”とたたみかけ、真矢の激しいドラム捌きに会場は沸き上がり、ボルテージは最高潮の中、2幕が終了した。

興奮冷めやらぬ会場からのアンコールの手拍子に応え、衣装チェンジしたメンバーがステージに登場すると、オーディエンスが携帯電話のライトを掲げ、会場が煌びやかなブルーに輝いていた。「医療従事者や運送業などフロントワーカーの人たちへの感謝を込めて、みんなのその灯してくれた青い光や想いを、この会場から世界中に届けていきたい。すごく美しい景色の中に浮かんでいるようで幸せです。ありがとう!」とRYUICHI。そんな想いを込め、昨年4月に制作された最新曲“Make a vow”を披露し、メンバー紹介へ。真矢は自身が新型コロナウイルスに感染した事を振り返り、「もしかしたら死ぬかもしれないと本当に思って……。そんな時、SNSのみんなのメッセージに助けられました。」と、涙を流す場面も。そしてRYUICHIの「みんなで盛り上がろう!」の声で“WISH”へ。RYUICHIは真矢に近づきドラムセットの前で歌い、SUGIZO、J、INORANはステージを駆け巡り、オーディエンスとアイコンタクトや手を振り上げ盛り上げた。「今日は本当にありがとう。最後、5人からこの曲を送ります。」とRYUICHIが告げ、ラスト曲“so tender…”をSUGIZOはバイオリンを演奏し、オーディエンスへと送った。

「どうもありがとう!みんな愛してます!最後に手は繋げないから、気持ちを繋いで!」と、会場全体で両手を掲げ、合図と共に全員でジャンプをした。「愛してるよ!バイバイ!」とオーディエンスに手を振るRYUICHI。メンバーそれぞれオーディエンスに感謝を伝え、本公演は終了した。

新型コロナウィルス感染症対策として厳しい制限がされる中、会場全体でルールを守りながらライブを盛り上げようという熱がひしひしと伝わってきた。「暗いトンネルの中から抜け出す為に、自分たちは待つのではなく、引き寄せよう」という彼らの言葉に、勇気や希望を持つことが大切だと実感できたライブだった。

Text:隅内かな
Photo:田辺佳子、橋本塁

https://www.lunasea.jp/

『LUNA SEA –RELOAD-』 3月27日(土)セットリスト
[第1部]
01. LUCA
02. Déjàvu
03. Closer
04. Pulse
05. PHILIA
06. 宇宙(そら)(うた)~Higher and Higher~
07. 静寂
08. Hold You Down
09. 悲壮美 

[第2部]
01. LOVELESS
02. BELIEVE
03. STORM
04. TRUE BLUE
05. IN SILENSE
06. I for You
07. ROSIER
08. TONIGHT

[ENCORE]
01. Make a vow
02. WISH
03. so tender…