MADKID VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■カップリング曲についてもお伺いしたいと思います。“グッバイ・ティーンエイジャー”はLACCO TOWERさんとのコラボ曲ですね。

YOU-TA　LACCO TOWERさんはレーベルの大先輩なんです。今回は「若者たちへ」っていうテーマがあって、「LACCO TOWERさんからみた僕たちとか、今の僕たちから見た自分たちの若い時、10代の時の気持ちとかを書きたいよね」と。昨年末くらいから打ち合わせをはじめて、ちょっとずつ進めていった曲です。

■かなり長い期間をかけて制作したんですね。

YOU-TA　そうですね。LACCO TOWERさんも僕たちのことをすごく調べてくれていたりとか、僕たちの人間性とかもちゃんと理解した上で曲を作ってくださいました。「ただの楽曲提供は嫌だから」とおっしゃってくださって。ちゃんとコミュニケーションをとってから曲を作り始めてくれたので、すごく愛を感じました。

YUKI　「ギターとかロックのサウンドをちゃんとやりたいね」っていうことをずっと前から言っていて、今回はレーベルが同じこともあってLACCO TOWERさんに依頼する形になったんですけど、「MADKIDの色に寄せたら勿体ないよね」って言ってくださって、あえてLACCO TOWERさんの色の上に乗っからせていただくことができました。ただの楽曲提供じゃないっていうのは感じますよね。

■これまでのMADKIDの楽曲とは雰囲気も違いますもんね。

YUKI　歌詞に関しても、僕たちは英語を使ってまとめることが多いんですけど、今回ほとんど日本語で制作して、邦楽ロックを作る過程を僕たちなりに発見できたかなって思います。

■歌っている時の感覚とかも違いますか？

YOU-TA　全然違います。

KAZUKI　違いますね。

SHIN　入り込み方が違うっていうか、MADKIDにはない楽曲や世界観だったので、浸れるっていうか。パフォーマンスしていてすごく楽しいです。

■先月はサポートバンドに流田Projectを迎えた全編バンドアレンジのワンマンライブを行っていましたよね。みなさんがバンドとして演奏する楽曲もありましたが、ライブ全体を通していかがでしたか？

YOU-TA　文化祭みたいに楽しかったです。浅い感想ですけど。(笑)　最初にみんなで練習して、スタジオで合わせた時もワクワクしたし、本番での緊張感といったら計り知れないものがあって。確実に新しい一歩を踏み出せた感じはありました。後ろにバンドについていただいて演奏していただくことは、結成当初からずっと「やりたいね」って言っていたんです。7年越しくらいにそれが叶って、最初にスタジオでみんなで合わせてもらった時も、みんなめちゃくちゃテンション上がっていました。青春の文化祭でしたね。

YUKI　確かに俺らの楽器演奏は文化祭だったかもしれないけど……。

YOU-TA　いや、クオリティが文化祭なんじゃなくて、作り上げてく感じが文化祭なのよ！

YUKI　文化祭……もうちょっと派手な言葉にして欲しい。

YOU-TA　じゃあオリンピック。

YUKI　別になにかに例えなくてもいいのよ。(笑)

LIN　文化祭、言い得て妙だと思うけどな。今まで音楽業界で先輩みたいな人たちがいなかったので、流田さんたちとリハーサルを重ねていく度に仲良くなれて、兄貴みたいな存在の人が一緒にステージに立ってくれるっていうのは本当にいい経験をしたなと、今回のワンマンで思いました。

■頼もしさみたいなのもありますよね。今までの楽曲を聴いているだけだと、バッグにバンドを携えてパフォーマンスしたいという気持ちがあったのは少し意外でした。

YOU-TA　勢いのあるライブをずっとしてきたつもりだったので、更に勢いを追加してくれるものはやっぱり生音だと思うんです。これからもやっていきたいです。お客さんの満足度もすごく高かったので、本当にやってよかったなと思います。

■全編バンドアレンジとなると、パフォーマンスの仕方や気持ちの乗り方も結構変わってくるのではないでしょうか？

SHIN　音として感情が背中から伝わってくるので、その勢いに自分が乗りながらパフォーマンスができた感じがしました。バンドのみなさんが気持ちを込めて演奏してくれている、その気持ちが自分たちにも伝わってきて、自分もお客さんに向けて気持ちを前に出せたっていう感覚がありました。

YOU-TA　ふと後ろを見たりすると、流田Projectのみなさんと目があったりするんですよ。そこでまたグッときたりめちゃくちゃ楽しくなったりっていうのも、更にパフォーマンスにプラスになっていた感じがあります。今まで一緒にステージに立ったことなかったのに、二部の時は結構もう何回も一緒にステージに立っているような感覚にまでなっていて。すごいなって思いました。

YUKI　音に気持ちが乗っているっていうのはすごく感じました。普段は踊ったり動いていないと間が持たないなって思うことがあるんですけど、なにもせずともマイク一本だけで圧があるっていうか。踊らなくても魅せれるんだなって、音ってすごいなと感じました。

LIN　僕はクラブミュージックだったり、打ち込みのダンスミュージックがすごい好きで、そのジャンルの中で昔からどうやって揺れを作ってリズムが有機的になるかっていうことに専念してきたんです。今回はダンスミュージックの中でグルーヴを作ることとはまた違うグルーヴがありました。人間が叩いたり弾いたりするっていうグルーヴ感と、みんな同じ動きをするわけじゃないから、違うグルーヴ感の中で生きていく僕たち5人。それが一か所にガチっとあった時のカタルシスみたいなのは、やっぱり人が楽器を弾いているからこそだなと思いました。そこがなにより気持ちよかった点ですね。

■今回のシングルもそうですし、先日のライブもそうですし、今のMADKIDはこれまでと少し違うことに挑戦しているなという印象でした。今後はどのように進んでいきたいなど目標はありますか？

LIN　トライ＆エラーを繰り返して、新しいことをきちんとやっていって、音楽をやっている上で残せるものをちゃんと残していきたいなと思っています。“Gold Medal”にかけるわけじゃないですけど、唯一無二なグループになっていけたらなと。今関わっているみんなで叶えていきたいなと思っています。

YUKI　音楽人生が長くなればなるほど固くなっていくのは嫌だなって改めて感じて。意見がぶつかり合ってでも、新しいことや自分たちのやりたいことをもっと明確にできるように活動できたらいいなと思いました。

YOU-TA　再契約した時から、自分たちのやりたいことをやらせてもらっていて、これを続けていくためにはちゃんと結果が伴わないといけないと思うので、それが課題だと思っています。ただ、お先が真っ暗なわけではなくて、やりたいこともやらなきゃいけないことも見えているので、そこをしっかりと乗り越えていきたいなと思います。

KAZUKI　コロナ禍になってから活動できなくなっていくグループも出てきている中で、こうやって変わらず活動できていることにまずは感謝しながら、この先も5人で活動できるように、いろんなことに挑戦していきたいです。あとは前みたいにいろんなところに行って、お客さんを入れて歓声も出せる環境でライブがしたいです。

SHIN　たくさんの人に見てもらえる機会を自分たちで作りたいです。世界にMADKIDが広がるようにこれからも頑張っていきたいと思います。

Interview & Text：村上麗奈

PROFILE
2014 年結成。2ラッパー3ボーカルで構成される5人組ダンス＆ボーカルグループ。2018年メジャーデビュー。2019年2月にリリースしたシングル『RISE』がTVアニメ「盾の勇者の成り上がり」オープニングテーマに起用され、YouTube での総再生回数は約2200万回に及ぶ。2020年9月に所属事務所を独立し、現在はメンバー自ら設立した事務所に所属して活動している。
https://columbia.jp/madkid/

RELEASE
『Gold Medal』