MARiA『MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-』ライブレポート@EX THEATER ROPPONGI 7月3日(日)

MARiA『MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-』

柔らかい表情で愛と感謝を伝えたソロライブ「私の歌い続ける理由になってくれてありがとう!

7月3日(日)、MARiAのソロライブ『MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-』がEX THEATER ROPPONGIにて行われた。GARNiDELiAのボーカルを務めているMARiAが2020年にスタートさせたソロ活動では、先日2作目のアルバム『Moments』をリリース。GARNiDELiAの際に見せる覇気溢れる表情だけでなく、柔らかく可憐な表現などソロならではの魅力を余すことなく見せている。

そんな『Moments』のリリースライブであるこの日は“Star Rock”で開幕した。ダンサーを従えながら力強く歌う一方で、サビの高音ではどこか儚いファルセットを聴かせる。純粋な恋心を歌う“君といたい”でも、持ち前のパワフルな歌声を生かしつつも柔らかいミックスボイスを多用しながらきらびやかな魅力を演出。一方EDM調の“Heartbreaker”では力強い印象を抱かせながら、どこか哀愁のあるラブソングを歌い上げた。

「タオルの準備できてますか!」とライブ序盤にして早くもタオルの出番が登場したのは、MARiAとtokuというGARNiDELiAの布陣で作り上げた“Galactic Wind”。ソロならではのしなやかで可憐な魅力に聴き入っていたオーディエンスも、「待ってました」とばかりに激しく盛り上がる。とはいえ、シンセサイザーのリフと力強いリズム隊を中心にした突き上げるようなサウンドに乗せて歌うMARiAは、GARNiDELiAの際に見せるような、オーディエンスを牽引する圧倒的な存在感というよりも、自身もタオルを振りながらオーディエンスとともに楽しむ温かな雰囲気を醸している。そんな新鮮さを見せながら、序盤ながらバラエティに富んだ選曲で楽しませた。

今回のライブタイトル『MUSIC LAND』に関して、「音の遊園地みたいなものをイメージしました。しんどいこととか苦しいことを忘れて、くたくたになるまで楽しんでもらえるように」と話したMARiA。そんなライブタイトルと、20歳になりたての頃に書いたという楽曲がぴったりだと話し、“aMazing MusiQue PaRK”を披露。高揚感を歌い上げると、「踊っちゃってみた」でのMARiAの人気のきっかけにもなった“Girls”へ。リアルタイムでオートチューンが施されるメカニックなボーカルがワウギターとともに妖しげなエレクトロニカを奏でた。今回のソロ活動ではこれまで2作のアルバムを出しているが、それ以前でもネットカルチャーなど幅広い場所でソロ活動を行っていたMARiA。そんな多岐に渡る活動を彷彿とさせるレアなステージを展開した。

MARiAがステージからはけると、“Girls”のメロディを引き継ぎながらサポートバンドがセッションを繰り広げる。「くたくたになるまで踊り続けて欲しい」という彼女の気持ちは、彼女がステージ袖に捌けた時間の使い方にも表れている。“ガラスの鐘”のイントロがしっとりと演奏されると、MARiAは黒いワンピースドレスのようなシックな衣装で登場。フラメンコギターの音色に乗せて、力強さと儚さを同居させる歌声を響かせた。楽曲が終わり暗転したステージが再び明るくなると、MARiAはステージに登場したテラス席に腰かけ、カップに入ったカフェラテを一口。どことなく上品な口調で「美味しい飲み物飲みたいですよね?おいしいカフェラテ、どうぞ召し上がれ」と、“カフェラテのうた”へ。導入の優雅さとは打って変わって、色気を感じる激しいナンバーで魅了した。

再度の衣装替えの間にはダンサーによるパフォーマンスが繰り広げられ、その後に登場したMARiAはピンク色のミニドレスに身を包む。バンドメンバーも一変し、それまでのサポートバンドが捌けてゲストバンドのevening cinemaが登場すると、ボーカルの原田夏樹が手がけた“Think Over”を披露。シンセポップな楽曲にMARiAの歌声がキュートに跳ね、音源の都会的な印象とは風味を変える。evening cinemaの楽曲の中でMARiAのお気に入りだという“Good Luck”と夏を感じさせる“summertime”で、この日ならではのコラボも行われた。サビではハーモニーを奏でながら、柔らかい雰囲気でコラボレーションを楽しんでいた。

「本当にいろんな出会いを生んでくれるソロ活動だけど、今までにも出会いはたくさんあって」と話すと、今までのソロ活動を象徴する思い出の1曲として、ボカロPのじんの楽曲“夜咄ディセイブ”を披露。印象的なギターリフが始まるとオーディエンスは湧き上がり、力強い演奏で圧倒した。そして、ケルト調のサウンドに乗せて一筋の光を見せるような希望的な楽曲の“Pray”、“ハルガレ”で明るくポップな雰囲気を作ると、「楽しかったです。距離とか時間とか一瞬で忘れられちゃうね。同じ瞬間を共有できる今が幸せです」と語り、“Long Distance”の手振りをレクチャー。キーボード、コーラスとして原田も再度登場し、明るい雰囲気で本編を締めくくった。

アンコールにて、ピアノとアコースティックギターに乗せて歌われる柔らかい声が郷愁を感じさせる“コンコース”を披露したMARiA。「私が歌っているのは君に届けるためだけど、君の存在が見えなくなることもあって。私の歌は求められてないんじゃないかとか思って弱気になる期間もあったけど、今日このステージで、みんなと作る時間が好きで、まだまだ届けたい歌がたくさんあるって思いました。ずっとそばにいてくれて本当にありがとう!私の歌い続ける理由になってくれて本当にありがとう!」と感謝の気持ちを語る。そしてそんな彼女の思いが一番反映されているという“Labyrinth”へ。最後の「時を刻む音を これからも重ねよう」の歌詞をこれ以上ないほど優しく、慈愛に満ちた歌声でオーディエンスに届けた。

Text:村上麗奈
Photo:福岡諒祠

https://www.garnidelia.com/special/maria/

『MARiA MUSIC LAND 2022 -Moments-』@EX THEATER ROPPONGI セットリスト
01. Star Rock
02. 君といたい
03. Heartbreaker
04. Galactic Wind
05. aMazing MusiQue PaRK
06. Girls
07. ガラスの瞳
08. カフェラテのうた
09. Asterisk
10. Think Over
11. Good Luck (evening cinema)
12. summertime (evening cinema)
13. 夜咄ディセイブ
14. おろかものがたり
15. Pray
16. ハルガレ
17. Long Distance

ENCORE
01. コンコース
02. Labyrinth
https://lnk.to/MARiAMUSICLAND2022_Moments
https://lnk.to/MARiA_Moments