MeseMoa. VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

「新曲はつんく♂さんが手がけます」と聞いた時は、正直どっきりだと思いました。

8月6日に、通算15枚目となるシングル『愛してる体感BABY』を発売するMeseMoa.。活動開始当初は、踊ってみたグループ「morning musumen」として、モーニング娘。など、ハロー!プロジェクト系グループを中心にカバーダンスグループとして活動。その後、本格的にアイドル活動をするために、むすめん。と改めて活動を行う。2017年に、MeseMoa.へと改名した。昨年は、日本武道館と横浜アリーナでの単独公演を成功させ、今年の12月には、Zepp Tourも決定している。そして最新曲の『愛してる体感BABY』は、作詞・作曲をつんく♂が手がけている。同楽曲の魅力を、あおい、気まぐれプリンス、ノックソ、野崎弁当、とみたけの5人に熱く語ってもらった。

■これまでにもMeseMoa.は、日本武道館と横浜アリーナでの単独公演を成功させてきました。めちゃめちゃすごいグループですよね?

とみたけ いやいやいやいやいやいやー。

気まぐれプリンス そんなことないんですよ。(笑)

とみたけ みなさん「日本武道館と横浜アリーナでの単独公演を成功させるってすごいことだよね」とおっしゃいますけど、自分たちこそ、おっきい会場での単独公演が決まる度にビックリしていますし、「えーっ!大丈夫?」となりますからね。

気まぐれプリンス いつも、本番当日まで不安しかないですよ。

とみたけ ありがたい話ですけど、当日になるとたくさんの人が集まってくださり、2公演とも無事に形には出来ましたけど、未だにあまり実感がないというか、あの規模感を自分たちで埋められたのが今でも夢のようですからね。

■ここまで来たら、次は東京ドームじゃないですか?

とみたけ 何をおっしゃいますか!まずはアリーナツアーと、SSA(さいたまスーパーアリーナ)を……。なんて冗談で言いましたけど、自分たち自身が「今、調子にのったら絶対に終わる」のはわかっているし、僕らはライブハウスを舞台にした、ファンの人たちと身近な距離で楽しめるライブを大事にしたいんです。お客さんたちも、その身近さに楽しさを感じていますからね。

■でも12月にはZepp Tourも決まっていますよね?

とみたけ Zepp Hallだって、自分たちにとっては大きな会場です。しかも全国各地のZepp Hallを回るから、今はこのツアーを本当に成功させられるのかが不安です……。

気まぐれプリンス MeseMoa.は、昨年12月に横浜アリーナで行った公演を最後に、メンバー4人が卒業しました。そこから今の体制になって動き出したわけですけど、正直、MeseMoa.にとって今年は厳しい年になるだろうと予測していました。でもこの間の全国ツアーでは、本当にたくさんの人が全国各地に足を運んでくださって、さらに次はZepp Tourが決まって、僕ら自身が1番驚いてますし、嬉しい気持ちでいっぱいです。

■そこはグループとして積み重ねてきた歴史の強みなんでしょうね。

とみたけ 確かにゼロからのスタートではなく、これまでに敷いてきたレールがあった上で、新体制としてどう新たな変化や進化を見せていくかでしたけど、それでも人数の変化もあって、今年は厳しいチャレンジになると覚悟は決めていました。その不安が自信に変わったのが、先日終えた全国ツアー『give me FIVE』を成功で終わらせられたことでした。あのツアーは間違いなくMeseMoa.の新たな一歩になったし、僕ら自身も、9人体制だった頃と同じような気持ちで新しい道を開拓していく意識にもしてくれたので。

ノックソ 本当にそうです。9人から5人と人数が減ったことで、全国ツアー『give me FIVE』を決めた時は、本当にファンの人たちが来てくれるかどうか不安しかなかったけど、それを払拭する結果を導き出せたおかげで、「これからこの5人で新たなMeseMoa.の道を作っていくぞ」という自信に繋げられたんです。

気まぐれプリンス 確かにここからやっていける自信に繋がりましたね。

野崎 「9人から5人になったMeseMoa.がこれからどうなっていくんだろう?」という不安は、僕らだけじゃなく、ファンの人たちにもあったようなんですけど、このツアー中に機会を設け、訪れた人たちとお話をしてきた中、みんな口々に「ライブを観て不安はなくなった」とか、「これからも前向きな気持ちで応援していける」と、今のMeseMoa.をすごく評価してくれたんです。前向きな言葉の数々は、間違いなく僕らの自信に繋がりました。

あおい その自信が次にも繋げてくれたよね。確かに12月に行うZepp Tourに不安がないかと言ったら、それは嘘になるけど、でも全国ツアー『give me FIVE』で掴んだ楽しさを、12月のZepp Tourに繋げられたら、さらにステップアップしていけるんじゃないかな。僕はそこにすごく期待をしています。

とみたけ 12月のZepp Tourのテーマ曲になるのが、今回のシングルのカップリングに収録した“New Journey”という曲なんです。きっかけは全国ツアー『give me FIVE』千秋楽公演の内容を煮詰めていた時に、このツアー自体に嬉しい手応えを感じたし、年末に新たなツアーを行う流れも決めていたことから、「今回のツアーのファイナルから、次のツアーへ繋がる物語を作ろう」というアイデアが生まれたんです。実際に2本のツアーが一つの物語として繋がる構成も作りあげています。その新たなツアーの幕開けになる楽曲がほしいとなって、そこからよくお世話になっている作家さんに、「新たなツアーのオープニングに相応しい曲を作ってください」とお願いをし、そして生まれたのがこの“New Journey”でした。

ノックソ “New Journey”は、めちゃめちゃ僕らのことを書いてくれている楽曲なんです。

気まぐれプリンス 流れを持って2本のツアーを繋げること自体が、僕らにとっては初の挑戦でしたし、試みだったので。上手くいくかどうかの不安もあるけど、今は楽しみの方が大きいですね。

■みなさん、改めて“New Journey”の魅力について語っていただいてもいいですか?

あおい “New Journey”は、まるでバレーボール大会の応援歌のように、聴いていてワクワクしてきます。自分たちで歌っていながら言うのもなんですが、この曲を聴くと、誰かをめっちゃ応援したい気持ちになります。実際に歌っていてもすごく気持ちがいいですし、めちゃめちゃ好きな楽曲です。

ノックソ この“New Journey”を聴いた時に最初に感じたのが、自分たちに向けて書いていただいたんだなという思いでした。この曲を手がけてくださった阿久津健太郎さんが、MeseMoa.への愛を持って作ってくれたのを感じたからこそ、その想いを僕らも歌い続けていく意識でいます。

野崎 聴いていてワクワクするし、光を感じられる楽曲なんです。しかも、聴いていると心が軽くなるような気がします。つんく♂さんが書いてくださった表題曲の“愛してる体感BABY”もすごくいい曲ですけど、その曲と“New Journey”は方向性がまったく違う曲なので、そのバランス感も1枚の作品としてすごく面白いなと思います。

■セリフパートを担当しているのが、野崎さんですよね?

野崎 そうです。収録した“愛してる体感BABY”“New Journey”ともに、僕がセリフパートを担当しています。これまでにもセリフパートを任されることはありましたけど、“New Journey”の中で、ここまで長いセリフを一人で言うのは初めてでした。歌詞を読みながら、どういう感情で語ろうかといろいろ考えましたけど、レコーディングの時に楽曲に乗せて語りだしたら、心地よく自然に言葉が出てきたから、自然体で語ったそのセリフもにもぜひ注目してみてください。

■“New Journey”を聴いていると、まだまだ旅は続いていくんだなという気持ちにもなりますね。そこもいいですよね。

とみたけ “New Journey”は、ライブの幕開けにはもちろん、何かを始める時のテーマ曲にすごくピッタリだと思います。MeseMoa.の曲の中には、ライブの幕開けに相応しい曲はいろいろとあるけど、最初からオープニングを意識して作ったのは、この曲が初めてだったので、すごくいい武器をもらったような気持ちです。

気まぐれプリンス MeseMoa.が重要な局面を迎える場面でいただく楽曲って,不思議と「海」にまつわる内容が多いんですよね。“New Journey”も、「新たな航海へ乗り出す」ようなキラキラさを持っているので。しかも、一つのツアーを乗り越え、「ここからMeseMoa.の新しい旅が始まる」というタイミングで、新たな始まりに相応しい楽曲をいただけたことが、すごく嬉しいんです。まさに、新たな航海をしていく今のMeseMoa.にとって、ベストなタイミングでいただけた楽曲なんです。

■紹介の順番は逆になりましたが、最新シングルの表題歌はつんく♂さんが手がけた“愛してる体感BABY”になります。

とみたけ ハロー!プロジェクトの楽曲のカバーダンス動画をアップする活動から始めた僕らにとっては、まさに待望の楽曲なんです。

気まぐれプリンス 最初に「新曲はつんく♂さんが手がけます」と聞いた時は、正直どっきりだと思いました。(笑) でも、届いたデモ音源を聴いた瞬間に、「これはつんく♂さんの楽曲だ」と確信しました。そこからでしたね、ちょっとずつ実感が沸いてきたのは。本当だったら9人体制の時に、つんく♂さんの楽曲を歌う夢を叶えたかったんですけどね。僕らがグループを結成した時から掲げていた夢が、「つんく♂さんが手がけた楽曲を歌うこと」だったので。その夢を9人で語り続けてきたからこそ……という残念な気持ちもありますけど、新たな始まりを告げるタイミングで夢が実現したことはすごく嬉しかったです。

とみたけ 楽曲を作る際にも、「つんく♂さんがハロー!プロジェクト内グループ用に作った楽曲の中から、「こういう感じの曲が歌いたいです」と幾つか挙げ、その上で作っていただきました。

■“愛してる体感BABY”は、まさにつんく♂さん節が活きている曲ですけど、どちらかといえば、シャ乱Qらしさを持った楽曲だなという印象でした。

とみたけ そうおっしゃる方が多いです。

気まぐれプリンス やっぱりポイントは、「BABY」の発音の仕方ですよね。(笑) つんく♂さんと言えば、やっぱり「ベイビー」じゃなくて「ベイベー」ですからね。

とみたけ 歌謡曲チックというか、どこか懐かしさを感じるところも、つんく♂さんらしさですよね。いい意味でつんく♂さん色の強い楽曲をいただけたのは、すごく嬉しいです。だって誰が聴いてもすぐにつんく♂さんの曲ってわかるじゃないですか。それは、歌詞も含めてね。

気まぐれプリンス そうなんです。つんく♂さんは食べ物や日常の出来事を歌詞にすることが多い人で、“愛してる体感BABY”の中でも「なあ BABY (BABY) 何が食べたい?」や、「なあ BABY (BABY) どこ歩きたい?」と書いています。中でも特徴的なのが、普通なら「温泉行こう」と書くところを「温泉しよう」という表現にしてきているところです。それこそがつんく♂さんらしい言葉のチョイスなんですよ。さらに嬉しかったのが、僕らはニコニコ動画の「踊ってみた」への投稿から活動が始まったわけですけど、歌詞の中に「このスクリーンから もし僕たちが映らなけりゃ 最終回だね」と書いてくださったことです。僕らはこうやって映り続けてきたからこそ今がある。それをわかって書いてくださったから、とても嬉しかったです。僕らもみんなから忘れ去られないように、これで最後とならないようにと頑張ってきたからこそ、こうやってつんく♂さんとのご縁も生まれました。またいつかのご縁のためにも、これからも続けていかなきゃいけないという気持ちにもなりましたし、続けてきて本当に良かったなと感じています。

野崎 僕もハロー!プロジェクトさんが大好きなんですけど、僕が一番最初に買ったアルバムはシャ乱Qさんでした。だからこそ、つんく♂さんには強く思い入れがあるんです。つんく♂さんに楽曲を書いていただく話が決まった時はすごく嬉しかったし、楽曲を聴いた時も、「あー、つんく♂さんだなぁ」と実感したというか、なんか不思議な気持ちでした。“愛してる体感BABY”も、聴けば聴くほどにジワジワと思いが込み上がってくる楽曲だからこそ、これからも大切に歌い続けていこうと思っています。

ノックソ この“愛してる体感BABY”は自分たちの楽曲ですけど、なんかつんく♂さんの楽曲をカバーしているような感覚なんです。(笑) こんなにもめっちゃいい曲を自分たちのために書いていただけて、まだホワホワとした気持ちでいます。

とみたけ 僕らのファンはハロー!プロジェクトが好きな人たちも多いから、みんなからのリアクションもすごいんですよ。

あおい 個人的にハロー!プロジェクトさんのコンサートにも行っていたから、「まさか、あのつんく♂さんから曲をいただけるとは……。こんな奇跡が本当に起きるんだ」というのが正直な気持ちだし、「僕らの夢が叶った」という気持ちが今はすごく大きくて。曲自体はめちゃくちゃつんく♂さん節が炸裂しているから、マジで嬉しいんですよね。今もずっと感動しています。

■みなさんは歌う時につんく♂色をどう出すかも研究したのでしょうか?

あおい この曲のレコーディング前に、メンバーみんなで「つんく♂さんのような歌い方をしよう」など、いろいろと研究をした上でレコーディングに臨みました。

とみたけ つんく♂さん風に歌うことで、より「らしい色」が出てくるんです。そうわかっていながらも、ライブになるとどうしても自分の癖で歌ってしまう。そこを完全に染めきったら、さらにライブ面での魅力を増すんだろうけどね。

ノックソ つんく♂さん風の歌い方をした方が、この曲はより映えるからこそ、そこは頑張っていきたいよね。

とみたけ 聴いてすぐに「あっ、つんく♂さんの曲だ」とわかるからこそ、この曲では、僕らもつんく♂さんらしさを取り入れて歌いたいし、その味がライブでもしっかり出たときにこそ、初めてこの曲が完成するなと思ってる。だからライブにおいては、まだまだ育て中です。

■ということは、みなさんも“愛してる体感BABY”をライブで歌う時は、ファンの人たちに向けて「愛してる」という思いが届くように歌っているんですね?

とみたけ えーっ!そんな恥ずかしいことを言わないでくださいよ。(笑) これから歌う時に意識しちゃうじゃないですか。

■最後にこれからの展開についても語っていただけますか?

気まぐれプリンス 今回の作品で、つんく♂さんに楽曲を書いてもらうという僕たちの夢を叶えられたことが本当に嬉しかったです。ファンの人たちに、今まで観たことのない新しい景色を、まだまだMeseMoa.と一緒に見たいなって思ってもらえてたら嬉しいです。これからもMeseMoa.は新しい経験の道を開拓しながら、みんなにワクワクする楽しさを届け続けていくので、ずっとMeseMoa.についてきてほしいです。

Interview & Text:長澤智典

PROFILE
あおい、気まぐれプリンス、野崎弁当、とみたけ、ノックソからなるボーイズグループ。カバーダンス動画の投稿をきっかけに注目を浴び、2012年に前身グループ・むすめん。を結成した。「2015年には目標としていた中野サンプラザ単独公演が即完売。2016年に全国47都道府県ツアーを敢行し、2017年1月、旧称のむすめん。からMeseMoa.(めせもあ。)へ改名。2019年にはパシフィコ横浜での単独公演を完売させ、2023年3月、遂に日本武道館での単独公演を成し遂げる。2023年12月にはMeseMoa.単独公演では史上最大キャパである横浜アリーナ公演を開催した。2024年8月リリースのキャリア初となる全国流通盤「愛してる体感BABY」で、つんく♂が表題曲の作詞作曲を担当した。2024年12月には全国ツアーが行われる。
https://www.mesemoa.com/

RELEASE
『愛してる体感BABY』

QARF-69256
¥1,200(tax in)

rockfield
8月6日 ON SALE