ミンス VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

たくさんみんなに会いに行きたいし、いろいろなところに行って歌いたい。

「#そろそろ売れる韓国人」元BEE SHUFFLEのミンスが、ソロキャリアの7年間を詰め込んだベストアルバム『蜃気楼』LOVEver.を12月17日にリリース。韓国釡山出身のカン・ミンスは、日韓のテレビ局が共同制作したアイドル発掘オーディション番組発のボーイズグループのメンバーとして2014年にデビュー。2017年にグループの活動が中止した後は、日本を中心に舞台俳優としてマルチに活躍している。今作は、今年7月16日にリリースされたベストアルバム『蜃気楼』に、新曲として“カメラを向けられると”と、ミンス自身がMVの監督を務めたという“花火の歌”の2曲が新たに収録されたLOVEver.となっている。今回はミンスに新曲の話を中心にいろいろと話を訊いた。

■まずはミンスさんが音楽を始めたきっかけから教えてください。

ミンス もともと僕は舞台俳優をやっていたんですが、出身が釜山で、夢を叶えたくてソウルに行ったんですが、夢を叶えるのはそんなに簡単なことではなくて、大学も受けたけどお金もなかったし、軍隊への入隊もあったので、また釜山に戻ったんです。それで軍隊に行こうと思っていた時に、たまたまオーディションの話があって、最後にそのオーディションを受けてから入隊しようと思い、オーディションを受けました。そうしたらそのオーディションに受かってしまって、日韓グループとしてデビューすることになったんです。

■なるほど。ではその時に初めて音楽をやることになったんですか?

ミンス はい。そうです。それまでは役者しかやってこなかったので。

■小さい頃からよく聴いていた音楽とかはありましたか?

ミンス 小さい頃は演歌をよく聴いていましたね。韓国だとトロットというんですけどね。あとは日本の音楽もよく聴いていましたよ。X JAPANとか、安全地帯とか、シティポップも好きでよく聴いていました。でも聴くのは好きでしたが、自分で歌おうとは思いませんでしたけど。(笑)

■他に影響を受けたアーティストや作品などはありますか?

ミンス 韓国だったらBIG BANGさんですね。日本の方だったら近藤真彦さんとか、光GENJIさんです。

■えっ!?でもその世代じゃないですよね?(笑) なにかきっかけがあったんですか?

ミンス たまたまYouTubeで動画とかを見て、ローラースケートでパフォーマンスをしていてすごいなと思ったんですよ。ショウとしてすごく素敵だなと思いました。あと、曲はマッチの“ギンギラギンにさり気なく”がすごく好きです。(笑)

■そういったものを参考に見ていた感じなんですね。

ミンス 韓国と日本のグループって、少しスタイルが違うところもあったので、いろいろと見て勉強しました。それに僕たちもどういったグループになっていったらいいのかを、いろいろと考えていたんですよ。面白い方がいいのか、カッコいい方がいいのかで悩んだり、自分は面白い方を目指そうと思って、日本語も面白い言葉とかを一生懸命覚えるように頑張りましたね。(笑)

■ちなみに最近ミンスさんが気になっているものや、注目しているものがあったら教えてください。

ミンス 最近はSNSからいろいろなものが流行ったりするじゃないですか、それで僕もインスタライブをやるようになったんです。そこで最近よくやっているのは、チキンを食べる動画で、韓国ではモッパンと言うんですけど、それにハマってよくやっています。

■チキンが好きなんですか?

ミンス 大好きです!タッカンマリやタッカルビも好きだし、日本の唐揚げや焼き鳥も大好きです。チキンが大好きなんです。

■ミンスさんは以前はグループのメンバーとして活躍されていて、現在はソロアーティストとして活動していますが、グループでの活動の時との一番大きな違いはなんですか?

ミンス グループの時は、僕は全然話さなかったんですよ。その時は僕が釜山出身ということもあって、日本でいうと九州男児みたいな感じなので、イメージ的にツンデレキャラというか、寡黙なキャラだったんです。喋るのは告知の時くらいで。(笑) でも一人になったら自分が話さないといけなくなって、それで喋るようになったら、周りの人たちから「こんなに喋る人だったんだね」とよく驚かれます。(笑) 

■そうなんですね。(笑) でも元々グループの時から喋るのを我慢していたわけではないんですよね?

ミンス いや、そういうキャラだったから喋るのを我慢していましたよ。(笑) その時はセクシーでクールな感じでやっていたので。(笑)

■そういうイメージを守って演じていたんですね。さすが役者ですね。(笑) では今のソロ活動でのミンスさんが100%素のミンスさんなんですか?

ミンス そうです!今はもう100%素の自分でやっています。 

■今回は自身のソロキャリアの7年間を詰め込んだベストアルバム『蜃気楼』のLOVEver.がリリースされますが、今作に新曲2曲を追加してLOVEver.としたのは、どんな意図があるんですか?

ミンス 正直な理由を言うと、またアルバムをリリースして、たくさんみんなに会いに行きたいし、いろいろなところに行って歌いたいと思ったからです。(笑) それに、今回収録した“花火の歌”を作るにあたって、僕が今どんなことを考えているかをみんなにも伝えたくて。そんなラブソングを収録したことだし、そしてそんなラブな気持ちをみんなにも届けたいし、今は世の中が暗いニュースばかりだけど、僕たちの思い出には明るい気持ちがたくさんあるから、いい思い出が浮かぶようにして、「明るく行きましょ!」という思いを込めてLOVEver.にしました。

■今作の『蜃気楼』LOVEver.には、“カメラを向けられると”と、“花火の歌”の2曲が新たに収録されていますが、そちらの新曲のお話を聞かせてください。まず“カメラを向けられると”ですが、カメラのシャッター音がリズムのあちこちに取り入れられていて、ポップでキャッチーな楽曲ですが、この曲の聴きどころや注目ポイントを教えてください。

ミンス この曲は、歌詞が「キムチ キムチ キムチ……」ばっかりで、何の曲かと思いますよね?(笑) この曲で「キムチ」と言っているのは、食べるキムチではなくて、日本で写真を撮る時に言う「はい、チーズ」の意味なんです。この曲は、彼氏と彼女でいろいろなところに行って、写真を撮っているという思い出を歌っている曲なんです。デートの途中、人だかりで気分が悪くなっても、おしゃれなカフェで休んだら笑ってくれて、カメラを向けると可愛いポーズをしてくれる。「そんな君が好きだよ」というメッセージが込められているんです。

■もう一つの新曲、“花火の歌”の注目ポイントは?

ミンス この曲も歌詞が「ポンポンポン……」ばっかりなんですけど、これは花火の音なんです。(笑) みんなはどんなふうに聞こえるかはわからないんですけど、僕にはそう聞こえたんですよ。そんな花火の音を聞いていたら、僕は自分の青春時代の映像が見えたんです。それを曲にしたんです。

■この曲の花火の音は「ポンポン」でしたが、花火って近くで見ると、もっと「ドーン」とか、「バーン」とかに聞こえると思ったので、「もしかしたら遠いところであがっている花火を二人で見ているのかな?」と思ったんです。

ミンス そうなんですよ!すごく遠いところから二人で見ているんです。花火大会はすごい人だし、近くまで見に行くのは大変じゃないですか。(笑) そうやって遠くから僕みたいに見ている人たちもきっと多いと思うんですよ。

■やっぱり遠くから見ている感じでしたか。(笑) この“花火の歌”は、MVも公開されていて、ミンスさん自身は出演されていませんでしたが、ドラマ仕立ての映像になっていました。このMVの観どころは?

ミンス そうなんです。僕は出演していないんです。なぜかというと、実はこのMVは僕が監督して撮ったんですよ。韓国からカメラマンを1人連れてきて、日本で撮影したんです。僕自身は出演していないんですけど、本物のカップルの二人に出演してもらって、僕の気持ちを表現してもらいました。そのカップルの二人にも「デートの時はどんなことをするの?」とか、いろいろと聞きながら、デートのシーンを撮影していったんです。

■なるほど。ご本人は登場していませんけど、ミンスさんの思いを反映した映像になっているんですね。ちなみに撮影中のハプニングなどはありませんでしたか?

ミンス 撮影したのは名古屋だったんですけど、真夏だったのですごく暑かったです。それでマネージャーに「帽子を忘れずに被ってきて」と言っておいたのに、当日、マネージャーが帽子を忘れてきて、撮影の途中で真っ赤な顔になって、熱中症で倒れちゃったんですよ。(笑) 僕は監督で演者さんにいろいろと指示を出しながら演出もしないといけないのに、マネージャーに水を買ってきてあげたり、介抱をしながらずっと撮影したんですよ……。でも演者さんのカップルの二人は、そんな暑い中でも嫌がらずに撮影に協力してくれて頑張ってくれたので、すごく助かりました。日本の方はシャイなので、手をつなぐとか、抱きしめるとか、膝枕してあげるとか、ちょっと恥ずかしがって嫌がっている感じもあったんですけど、僕はどうしてもやってほしくて、お願いして演じてもらいました。でもそんな二人の表情がすごく素敵で、いいMVになりましたね。

■今作のベストアルバムには13曲が収録されていますが、ミンスさん的に一番思い入れがある曲はどれですか?

ミンス 僕的には全部どれも好きなんですけどね……。(笑) 強いて選ぶとすれば、“花火の歌”ですね。若い時に日本に来て、今は30代になった自分から見て作った曲がこの“花火の歌”で、恋愛について歌った曲ではあるんですけど、今までずっと応援してきてくれたファンのみんなとの思い出や愛とも重ね合わせて作ったんです。なので、今一番心の中にある曲という意味で、この曲が一番思い入れがあります。