NakamuraEmi VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』

音楽を本当に大事にしている人たちと完成させた『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』リリース

ベストアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』をリリースしたNakamuraEmi。メジャーデビューから4年、これまでの曲に加えて新曲、新録曲を加えた全15曲、エネルギーたっぷりの彼女の軌跡と今がここにしっかりと記された。魂込めた歌や想いは必ずひとの魂を揺さぶる――圧倒的な楽曲、歌声、そして存在。この4年を振り返りながら、彼女のそのエネルギーの源となるもの、そして歌うことの源になるものをあらためて探っていった。

■デビュー4周年、おめでとうございます!

NakamuraEmi ありがとうございます。

■どんな4年間でしたか?

NakamuraEmi こんなに濃い4年間は初めてですね。1年1年忘れられないというか、なんとなく終わった年がひとつもなかったなって。

■変わったところ、変わっていないところいっぱいあると思いますが?

NakamuraEmi 自分のことを嘘なく書くというのが、自分の音楽の真骨頂だと思ってやってきてはいるんですけど、最初は聴く人のことをまったく考えず、自分のことばっかりだったんです。今もそこを変えたらブレちゃいそうなので変えないんですけど、でも曲作りのときに、いやっていうくらいみんなの顔が浮かぶようになっていて。

■自然と、ですか?

NakamuraEmi そうですね。この4年間、支えられている密度がすごくて、弾き語り時代から考えるとありえない人たちの数だし、それこそ6月のZepp(DiverCity)のとき、ステージに出て人の頭の数を見た瞬間、とんでもない気持ちにさせられて。だからやっぱりみんなの顔が浮かんじゃうんですよ。浮かぶからこそみんなに届くようにというよりも、浮かんだ人たちからもらった感情を言葉にできるようにっていうことを考えていて。でも結局みんなに届きますようにっていうのは、やっぱり出ちゃってるなって。もう自分の世界だけじゃなくなってきてる。でもそれは自分がズレていったんじゃなくて、この環境にいられたからこそ書ける歌詞になったのかなって。その中でも、今回の“BEST”って曲は、みなさんに感謝っていう想いを込めて書けた初めての曲でしたね。

■4年前は今の状況、環境は想像していなかったですか?

NakamuraEmi もう全然。先のことを想像することすらできなかったですね。「この世界はいったいどういうところなんだろう?負けてられない!」みたいな、ちょっと眉間にしわが寄っているというか、そんな感じでしたから、先のことなんて考えられなかったです。

■一歩一歩確実に歩いてきたらここにいた、みたいな?

NakamuraEmi 本当にそんな感じだし、いつも「アルバムをこのメンバーで作ることが出来るのはこれが最後かも」って思いながら作るんです。それは仕事上のことだけではなくて、地震とかもいつ来るかわからないし、もしかしたら病気とかになるかもしれないし。そういうことも含めて、毎回「これが最後かも」って思って作っています。

■常に今にすべてを注ぎ込むと?

NakamuraEmi 次への期待があると、「次またやれるかも」って考えちゃうかなって。もちろんそれで選択する部分はあるんですけど、でもその次にもう1回このメンバーで作れたとき、めっちゃ嬉しいというか、そういうのはありますよね。また一緒に出せるんだって。毎年嬉しく思うので。

■1枚1枚全身全霊、ライブと一緒の感覚ですね。

NakamuraEmi あー、そうですね。

■そういうことわたしは忘れがちで、いつも何かあってから思い出したりして。だから今お話を聞いてはっとしました。

NakamuraEmi わたしも普段はそうですよ、音楽のこと以外は。(笑) わたしこの職業って、わたし以外の人がいなかったら絶対にやれなかったと思うんです。ひとりで活動してみて、自分を売り込むことも苦手だし、自分に金額をつけるのも下手だったし、わたしはこれでは食べてはいけないから、「趣味でやっているのがちょうどいいくらい」って思っていたんだけど、プロデューサーのカワムラヒロシさんがそういう面までやってくれたり、わたしに出来ない部分、音楽で生きていくために必要な音楽以外の部分をケアしてくれる人が、一緒にやろうって言ってくれたから、わたしはこの世界に入れたんです。その人たちがいなかったら、わたしなんて一瞬でここから消えてっちゃう。(笑)

■一緒にやってくれる人、仲間がいるからこそそう思える、と?

NakamuraEmi そうですね。それが一番かも。

■その仲間、大切なチームで今回ベストアルバムが作れたことは、また感慨深いと思いますが、選曲はどのようにされたんですか?

NakamuraEmi みんなで選んでいったんですけど、わたしが絶対に入れたい曲が“甘っちょろい私が目に染みて”で、あとは入れたいけど流れとか考えて入れられなかった曲とかもあるし、かなり難しかったです。

■そうでしょうね。どの曲にも思い入れがあるだろうし。

NakamuraEmi そうなんですよ。タイアップを組んでもらった曲はもちろんなんですけど、自分的にはどの曲もリード曲みたいな気持ちで曲を書いて、アルバムを出しているので、あんまり前に出ていない曲こそ入れたくなっちゃったりするんですけど、ベストだからこそ初めて買う人もたくさんいるから、まずは聴いてもらえるアーティストにならなくちゃなっていうことで、今回は選曲しました。

■その中に新曲も入っているので、ちゃんと今のNakamuraEmiも伝えられるっていう。

NakamuraEmi ベストアルバムって、今までの曲が入ってるっていう考えしかなかったんですけど、「新しい曲も入れようよ」って言ってくれたので。