NakamuraEmi VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■本当に。ラストに“チクッ”が新録で収録されていますね。

NakamuraEmi　5年前の自主制作のCDに入っていた曲で、当時はいろいろ信用できない部分もあって、小さな部屋で歌っている感じだったんですけど、5年経って、もちろん根本が全部変われているわけではないけど、信用出来る人も増えて、この頃の自分に「大丈夫だよ」って言えるような、今の状態で歌ったらどうなるかなと思って。「蝶」って言葉が出てくるんですけど、当時は飛び立ってるイメージがなかったんですけど、今はちょっと飛んでいる感じがしていたから、いつも弦のアレンジをしてくださるバイオリンの美央さんが「蝶々が飛んでる感じなの～！」って言ってくださったときはびっくりして。「そうです！蝶々飛んでるんです！」って。(笑)　そういう風に歌詞を大事にアレンジしてくださる方なので、それもプラスになって。あの頃とはちょっと違う世界の“チクッ”になったと思いますね。

■今は信用出来ないことも減りましたか？

NakamuraEmi　調子に乗っちゃいけないっていうのは、今も思いますけど、信用出来ないというか、何かあったときに、「裏があるんじゃないか…？」とかって、この頃は思っていて。音楽業界なんて特にそうだと思っていたんですけど。(笑)

■汚い世界だと？(笑)

NakamuraEmi　そうそう、絶対汚いよなって。(笑)　でも実際には人間臭い人がたくさんいたし、音楽を本当に大事にしている人といっぱい出会っているし。だから今はありがたいことがあったときに、そこにちゃんと感謝をするとか、うまく続けられるようにがんばろうとか、そっちに考えられるようになりましたね。わたしはネガティブの塊なんですけど、あの頃よりはプラスに考えられる部分も増えていたりするので、大事にしようという想いが強くなったかなって。

■ネガティブはネガティブのままで？

NakamuraEmi　そこも変えていきたいとは思うんですけど、そう簡単には変わらないんだなって。(笑)

■ネガティブな部分も大事にしてあげていいと思いますよ。

NakamuraEmi　確かにそれがあるから、こうやって音楽が書けているところはあるので、うまくつきあいつつ、いい歳の取り方を出来たらいいですね。

Interview & Text：藤坂綾

PROFILE
神奈川県厚木市生まれ。2016年、日本コロムビアより『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』でメジャーデビュー。カフェやライブハウスなどで歌う中で出会ったHIPHOPやJAZZに憧れ、歌とフロウの間を行き来する現在の独特なスタイルを確立する。2019年2月にはメジャー4thアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6』をリリースし、全国24箇所をまわるツアーを開催。2020年2月5日に『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』をリリースし、3月22日より全国24箇所をまわるツアーを開催。
www.office-augusta.com/nakamuraemi

RELEASE
『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』