『No Big Deal NIGHT 2026 – HINAMATSURI GIG -』ライブレポート@Spotify O-nest

ひな祭りの雨の夜を熱く盛り上げるNo Big Deal Records主催対バンライブ。

ざあざあ降りの雨が降るひな祭りの火曜、東京・Spotify O-nestには満員の観客が溢れていた。No Big Deal Records主催の対バンライブ『No Big Deal NIGHT 2026 – HINAMATSURI GIG -』で、先陣を切ったのはネクライトーキー。ぎらつく閃光と手拍子の中、軽快なギターリフと暴れるベースをドラムが底から支えるサウンドで“モブなりのカンフー”を披露すれば、観客は拳を突き上げてサウンドに応える。七色に輝くステージに、もっさ(Vo&Gt)のシャウトが響く“ジャックポットなら踊らにゃソンソン”、コミカルなキーボードに笑顔がこぼれる“こんがらがった!”と立て続けに快速な楽曲を選んで、フロアはどんどん熱を帯びていく。「おいおいおいおい!みんなこの日を楽しみにしていてくれたんですね~?!」3曲を終え、MCではネクライトーキーがNo Big Deal Recordsでは屈指を誇る2つ打ちの少ないバンドであることを説明。「カッコイイバンドはいっぱいありますけど、いちばんネクライトーキーなのは自分たちです!」「他のライブバンドに「キーッ!」とすることもあるけど、そういう環境に揉まれているネクライトーキーをよろしくお願いします」と語った。続く4曲目は、ライブハウスでしか聴けない、まだ名前もついていない新曲。静寂と高らかな歌声とのギャップが激しいこの曲が眩しい光の中で繰り広げられると、オーディエンスは思わず息を呑む。観客とのカウントダウンで始まった“オシャレ大作戦”では、広くないステージで暴れるネクライトーキー。ラストソング“遠吠えのサンセット”は、ビートの重低音が床が揺らす中、「イエーイ!」の絶叫でステージを締めくくった。「ありがとうございました、ネクライトーキーでした! このあとも楽しんで行ってください!」

続いて登場したジ・エンプティは「ハルモトヒナ(Vo)って名前なので、ひな祭りは僕のお祭りでもあるわけです。だから僕の言うことには「YES」か「ハイ」で答えてください」と冗談めかし、“神様からの贈物”、“おやすみレイディ”、“笑っておくれよ”と短い楽曲を弾丸の如く繰り出して自分たちのペースに観客を引き込んでいく。「踊れますか?!」の問いかけに張り出し躍るベース、正確ながらに暴れ回るドラム、騒々しさとソリッドさを武器にするギター。それらの全てが壁の如きバンドサウンドを形作り、大音量でオーディエンスを巻き込んで“さよなら涙”で声を振り絞らせる。合間には、Wiennersに新メンバー・YUURIが加入したことを祝福しつつ、今までレーベル唯一のピンヴォーカルを自負していたにもかかわらず、YUURIによって「唯一のピンヴォーカル」という立場が失われたことを悔しがったハルモトヒナ。それでも「対バンってね、お互いに高め合ってるんですよ。今日の最高到達点を目指してるんだぜ? そっちはどうだ? 対バンしてんのか? みんなで対バンしようぜ!歌え!」と“ラブソング”に繋げた。“覚醒少女”の頃には額に汗を光らせ、ギラギラと輝くジ・エンプティ。一転して甘やかなロックバラード“ウルトラロマンティック”は、騒々しさの中に瞬間の穏やかな風が吹き込む。「2月はライブ数をセーブしてたけど、今月は16本のライブがある」という話で笑いを誘った彼らは、セットリストを変更して、この季節にぴったりな新曲“桜ハナビラ”を披露。最後にはWiennersのレーベル復帰を祝し、「でっかい声で言わせてください、Wiennersおかえりなさい!」と“革命”で熱いステージに幕を下ろした。「俺たちがジ・エンプティだ!ありがとう!」

3番目に登場したORCALANDは「俺たちが一番「ORCALAND」します。東京下北沢、今日一番遊べるバンドです、よろしく!」と“おてんとうさま”からスタート。「まだまだまだまだ飲み足りない!」のコール&レスポンスを経た“まだまだ飲み足りない!”ではコミカルな歌詞から意外性を感じさせるほどの全ての楽器が調和した極上のグルーヴで観客を魅了する。「ORCALANDの下手にはテレキャスターを抱えたヒーローがいますが、上手にはスラップを奏でるマジシャンがいます。聴いてくれ新曲、“スラップ・マジシャン”」と奏でられるのは、スラップベースが終始脳を揺さぶる激しいナンバーだ。曲の合間には、「今日はひな祭りということで、女性メンバーがいるバンドが集まり、ジ・エンプティにもハルモト「ヒナ」がいる中、ORCALANDには「ひな」要素がない」と語って笑いを誘ったヨシキ(Vo&Gt.)。「他のバンドが「ひな」の部分をやるなら俺たちは「祭り」の部分をやりに来ました」の言葉で会場を沸かせた後、「かっとばせ!music!Go Go Let’s Go music!」とオーディエンスのコールを誘って“かっとばせ!!”を披露する。ここでORCALANDは「俺たちが大好きな先輩と作った曲です。お招きしましょう、玉屋2060%!」とWiennersから玉屋2060%を招いて“チャーハン・ナイト”をドロップ。突然の登場に沸き立つ観客へ「もっとパラパラに頭振って楽しもうぜ」と語り掛け、玉屋2060%は台に上ってリリックを繰り出す。玉屋2060%を送り出した後、ラストには「こうして一緒にステージに立てて嬉しいです」「憧れるだけじゃない、俺が君たちのヒーローになる!」と“テレキャスター・ヒーロー”を選曲。余韻の中、ヒーローたちはステージを去って行く。

そしてネオンきらめく中、ついにWiennersが登場。「We are No Big Deal Records, ひな祭りのこの夜に、この世に生まれた全ての命のこの曲を!」の叫びと共に“子供の心”からライブはスタート、“GOD SAVE THE MUSIC”、“ULTRA JOY”を続ける。新ヴォーカル・YUURI(Vo)は堂々とサウンドに食らいついているが、実は楽屋裏で緊張に震えていて、周囲の人々に慰められていたという。「祭りと聞いてインドから祭りの曲持ってきました」の言葉と共に“TOKYO HOLI”を、流れのままに“蒼天ディライト”を奏でれば、会場の汗のにおいは濃くなって、波の如く揺れる腕、その向こうから空気を切り裂くギターソロ。天井を掴んだ玉屋2060%に煽られて、ドラムとベースの絡み合いに身を預け、会場の盛り上がりはますます激しくなる。「転んでも転んでも起き上がる俺たちを見て強くなってくれ!」と言ってスタートするのは“起死回生の一発”で、ライブハウスの中は酸素すら薄くなっていく。途中、玉屋2060%はレーベルメイトへの想いを語りつつ「期待を背負ってやるつもりは一切ありません!だって俺らWiennersだから!」「仲間と言ったらおこがましいけど、同じ未来を見ている同志だと思ってます。ありがとう。一緒に天辺までいこうぜ」と話した。「みんな一緒に歌ってくれる?」と曖昧なギターのもとで、“UNITY”の大合唱が始まれば、たくさんの指が天を指す。ラストには「No Big Deal Recordsで一番ヤバい曲をやります!」と“Cult pop suicide”を披露した。アンコールに呼び戻されたWiennersは、「ひな祭りって結局何するの?」と言いつつ“WINNER!ゴジュウジャー!”の後、「打ち上げ一次会ここにしようぜ!」とアシッドなライトが煌めく中“おどれおんどれ”を踊る。玉屋2060%はステージからはみ出して観客席で歌い転げ、オーディエンスの興奮も最高潮に。「これからも踊り続けましょう、Wiennersでした!ありがとう!」ひな祭りの夜、東京の片隅で繰り広げられた祝祭は、その叫びと共に終わって行った。

Text:安藤さやか

『No Big Deal NIGHT 2026 – HINAMATSURI GIG -』@Spotify O-nest セットリスト
・ネクライトーキー

01.モブなりのカンフー
02.ジャックポットなら踊らにゃソンソン
03.こんがらがった!
04.(新曲)
05.オシャレ大作戦
06.遠吠えのサンセット

・ジ・エンプティ
01.神様からの贈物
02.おやすみレイディ
03.笑っておくれよ
04.さよなら涙
05.ラブソング
06.覚醒少女
07.ウルトラロマンティック
08.桜ハナビラ
09.革命

・ORCALAND
01.おてんとうさま
02.まだまだ飲み足りない!
03.スラップ・マジシャン
04.かっとばせ!!
05.チャーハン・ナイト
06.テレキャスター・ヒーロー

・Wienners
01.子供の心
02.GOD SAVE THE MUSIC
03.ULTRA JOY
04.TOKYO HOLI
05.蒼天ディライト
06.起死回生の一発
07.UNITY
08.Cult pop suicide

ENCORE
01.WINNER!ゴジュウジャー!
02.おどれおんどれ