■久しぶりに声だしありのライブができて、いかがでしたか?
大原 泣けますね。「おかえり」と言われたような感じというか、嬉しかったです。声が出せなくなっちゃった時も、みんな拍手で盛り上げようとしてくれて、それに感動したりもしたんですだけどやっぱりみんなの声が聞けるのは、一緒にライブを作っている感じがして嬉しかったです。
■それこそ“Hello My Fave”はライブを控えるお客さん目線の歌詞で、コールアンドレスポンスもありますし、これからライブで活躍しそうな楽曲ですよね。
大原 そうですね。いつもライブに来てくださる方がコーディネートを私の衣装の色と合わせてくれたり、おしゃれしてくれたり、グッズを全身に身に着けて盛り上げてくれたりという、私が本当に愛おしいと思う姿をこの曲で描きたいなと思って。コールアンドレスポンスもあったり、分かりやすくみんな歌ってねという楽曲を作りたかったので、すごくライブが楽しみになる1曲になりました。
■ライブは音楽を届ける場所でもあると同時に、ファンと向き合う機会でもあると思います。会場に来たファンの方と実際に会って向き合う時、どんなことを感じていますか?
大原 最前列にもすごくニコニコしてる人が絶対多いし、楽しみにしてくれているのもめちゃくちゃ嬉しいんですけど、嫌なことがあった人も絶対にいるわけじゃないですか。そういう人が「今日このライブに来てよかったな、明日も頑張ろう」と思ってくれるのが一番嬉しいというか、それが一番の願いかなと思っています。
■“星の日”は他の曲との歌声の違いがすごく伝わる楽曲だと感じました。
大原 でも意外と蒼山幸子さんの歌詞が物語を導いてくれている感じがしたので、歌い方は逆にひねらずというか、ストレートに等身大で歌いました。
■曲で描かれている物語を歌で表現することと、お芝居で演じることは感覚的には異なることなんですか?
大原 そうですね。同じなのかなぁ……。でもお芝居の場合はメロディーがないですし、間も自分で取れるので、そこは違う部分かもしれないですね。あと、泣いては歌えないじゃないですか。それも違うかな。
■なるほど。感覚的な違いというよりも、そもそもできることとできないことがあるという。
大原 そうですね。だから“寂しいの色”って、もしかしたらお芝居でやっていたら、どこかに涙のシーンがあるかもしれないなと思いますね。
■逆にお芝居ではできないけど、歌ではできることというと、なにか思いつくことはありますか?
大原 歌だと短時間で感動できることもあることじゃないですかね。1曲2、3分くらいで物語が終わるじゃないですか。ドラマや舞台はもっと長いわけですし。あとはなんだろう……?ライブってお客さんと一緒に作っていく感覚ですけど、舞台は勝手に覗かれている感じというか……。お客さんに直接的に言葉をかけるわけではないので、そこが違いますね。
■その違いは面白いですね。今までの10年のキャリアの中でも、今作のように演じることに着目したミニアルバムができたのは新鮮なことだったと思いますが、完成してみてどんな気持ちですか?
大原 10年経っても全然まだまだとは思いつつ、でも今こんなに新しい発見があるんだって感じました。すごく新鮮な楽曲がたくさん生まれた実感があります。聴いている人たちにも新しい櫻子を感じてもらえるんじゃないかなと思います。
■“bitter sweet cinéma”の歌詞には「10年後 20年後」という言葉があります。この先の10年、20年というと遠い未来の話なので難しいかもしれないですが、「こうなったらいいな」といったビジョンはありますか?
大原 分からないですね……。でも、10年後には37歳になるんですよね。私は30代がすごく楽しみなんです。舞台で共演する方も含め、親しい人が今30代半ばの方たちが多いんですけど、すごくみんなキラキラしているので、自分もその年齢になるのが今から楽しみです。
■音楽活動の面ではいかがですか?
大原 海外で歌を届けてみたいとは思っています。この間のライブでも、台湾やオーストラリアから観に来てくれた方たちもいましたし。もう少し落ち着いたら、海外で路上ライブをやってみたいですね。
■路上ライブなんですか?
大原 きっと誰も私のことを知らないだろうと思いますし、それで届いたら本物だなと思いますしね。(笑) いろんな出会いもあるだろうし、ぜひやってみたいです。
Interview & Text:村上麗奈
PROFILE
1996年、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」全国ヒロインオーディションで5,000人の中から抜擢され、スクリーン&CD同時デビューを果たす。2019年5月~7月にかけて、全国10か所で5th Anniversaryコンサート開催。7月3日からテレビ東京にて放送されるドラマParavi「びしょ濡れ探偵 水野羽衣」にてドラマ初主演・初主題歌。7月NHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」に山田天陽の妻・靖枝役で出演。7月31日、10枚目のシングル『I am I』をリリース。2021年3月3日、5枚目のアルバム『 l (エル)』をリリース。10月よりテレビ東京にて放送されるドラマParavi「つまり好きって言いたいんだけど、」にて主演を務め、自身が作詞・作曲した“ポッピンラブ!”がドラマ主題歌として起用。2013年のデビューから10周年に向けて、2023年5月、ライブハウスツアー「10(天)まで届け!!」を開催。まさにその「10周年イヤーの始まり」となる8月30日、ミニアルバム『スポットライト』をリリース。10月からはZeppツアー2023「10(点)灯式」を開催予定。
https://oharasakurako.net/
RELEASE
『スポットライト』

初回限定盤A(CD+BD)
VIZL-2223
¥8,250(tax in)

初回限定盤B(CD+フォトブック)
VIZL-2224
¥4,620(tax in

通常盤(CD)
VICL-65871
¥2,420(tax in)
Victor Entertainment
8月30日 ON SALE