狂気の愛と執着に溺れる花占い、美しい蛾たちのメジャーデビューシングル。
ファントムシータがメジャーデビューシングル『すき、きらい』を7月92日にリリース。高い歌唱力や表現力を武器とするファントムシータはAdoがプロデュースする、「レトロホラー」をコンセプトとしたアイドルグループ。今作『すき、きらい』は、ドラマ「ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~」のオープニングテーマとして小春(チャラン・ポ・ランタン)により書き下ろされた楽曲で、狂気的な執着と愛が歌い上げられている。インタビューでは百花、もな、美雨、凛花の4人に海外ツアーの思い出や、今作にかけた想いを訊いた。
■VANITYMIXでは日本武道館でのライブレポートをやらせていただきましたが、インタビュー取材は初となりますので、お名前と担当カラー、そしてちょっとした特技や自慢を教えてください。
もな 桃色担当のもなです。メイクをすることがすごく好きで、得意です。いつもステージに出る時のメイクはヘアメイクさんにやってもらっているのですが、メイク研究や、可愛いものを集めることなど、そういうことが好きです。
美雨 白色担当の美雨です。特技はご飯を美味しそうに食べることです!
凛花 紫色担当の凛花です。私の自慢できるところは、目覚まし時計が鳴るよりも早く起きられるところです。
百花 水色担当の百花です。特技は立ちブリッジといって、普通に立った状態から後ろ向きに倒れてブリッジをすることです。起きる時もそのまま前に起き上がれます。
■立ちブリッジ!それはすごい特技が出て来ましたね。(笑) せっかくの機会ですので、いま百花さん、もなさん、美雨さん、凛花さんの順に座っていらっしゃいますが、お隣に座っているメンバーについて、メンバー同士だからこそ知っているすごいところや、いいところを教えてください。
百花 もなは最年少なのですが、すごくしっかりしていて、みんなで意見を出す時も率先して発言してくれます。ライブのMCの基盤となるものの案を出してくれたり作ってくれたりして、とても助かっています。私はMCがあまり得意ではないので、つっかえてしまうところもあるのですが、そんな時にすかさずフォローを入れてくれてありがたいです。そういうところを尊敬していますし、好きです。
もな 美雨は見てわかる通り、本当に天真爛漫で明るく元気です。そんな言葉が似合う子で、食べることも大好きです。はっちゃけている性格ですが、パフォーマンスの時は一番狂気に満ちているというか、普段からは想像もつかないようなパフォーマンスを見せてくれるんです。メンバーだからこそ知った美雨の一面ですが、本当に活動に真摯に向き合っていて、パフォーマンスまでの過程が濃くて深いんです。美雨は曲についても深く汲み取りながら考えて、根拠も持って、それをアウトプットしています。「どう表現したら伝わるのか?」と研究していて、パフォーマンスを見ると「それが好きなんだろうな」ということも見えてきますし、もう本当にいつもありがとうという感じです。
美雨 凛花のことは、パフォーマンスのすごさや、キャラクターなど、みなさんが知っていることもたくさんあると思いますが、メンバーしか知らないこととしては、凛花の作るソフトクッキーがすごくおいしいことです!
凛花 えっ、そこ?!(笑)
美雨 パフォーマンスや、表に立っている時にお客さまに見せるふとした笑顔や、かと思えばツンとしてみたりなど、そういう掴めない気まぐれな猫みたいな魅力があるのは、みなさん知っているところですよね。でも、凛花のクッキーの美味しさは私たちしか知らないんです。
■確かにそれは「メンバーならでは」ですね。(笑)
凛花 私、ステラおばさん扱い……?(笑) じゃあ私からは百花に。やっぱり圧倒的技術力というか、私はここまで歌もダンスも両方上手い人に会ったことがないほどです。本当にそれぐらい衝撃を受けました。初めて一緒に歌を合わせた時も、「この子こんなに上手いんだ!」って。そこにはきっと裏での努力があって、普段のレッスンでも「自分で準備して受けているんだろうな」と感じるのですが、そんな努力家な一面を見せずに、当たり前のこととしてやってくるところは本当に尊敬します。私は夜帯に弱くて疲れやすいから、「明日の練習どうしよう……」と悩んでしまうことがあるんです。でも、その度に百花のことを思い出して頑張ろうと思えます。
■見えない努力がすごいんですね。
凛花 あと、最初のうちはみんなお互い人見知りして、はっちゃけて喋れなかったのですが、最近の百花は凄くて、何言っても返してくれるんですよ。優しいからこそその場のノリにノってくれて、そこが嬉しいところでもありつつ、ちょっとかわいそうに思うこともあります。(笑) 年上らしく頼りになる部分もあり、年上だけどちょっと幼く見えて可愛いなって思うところもあり……なメンバーです。
■素敵なメンバーが集まって、ファントムシータがここにあるんですね。2025年は海外ツアーもありましたが、何か印象深かったことや事件はありましたか?
凛花 大事故が起きました!確かアメリカだったと思うのですが、ホテルの部屋でバスタブにお湯を溜めて浸かって、それからお風呂の栓を抜いて、シャンプーをしていたんです。
■凛花さんは湯舟に浸かりたいタイプなんですか?
凛花 はい。でもシャンプー中にマネージャーさんが飛んできて、「お風呂あふれていませんか?!」と言っていて。どうしたんだろう?と思ったら、流したお湯が下の階に漏れちゃっていたらしくて。(笑) もうシャンプーを流すこともできなくなって、10分くらい固まっていました。それ以来、バスタブにお湯を溜めるのが怖くなっちゃいました……。
■それはかなりの大事故でしたね……。
美雨 ツアー中は観光も結構したんです。各地のご飯も、ご当地的なものを食べたり、オフの日はみんなでディズニーランドに行ったり、忙しい中でもいろんなことができました。
■向こうで食べた食事では、何が一番美味しかったですか?
美雨 ベーグルです!ニューヨークのベーグルはめちゃくちゃ美味しかったです。日本に帰ってきてからもずっとベーグル熱が冷めなくて、今でもよく食べています。
もな 「美雨は食べることが好き」という話は前から語り継がれているのですが、今回は顕著にあらわれていましたね。ツアー中にはみんなで現地の有名なレストランに行くこともあったのですが、私は「行ったところで何か食べたいものを探して頼めばいいや」というタイプなんです。でも美雨は「今日はこの店に行きます」と言われたら、ずっとそのお店のサイトやレビューを調べているんです。(笑) 海外のサイトなのに、メニューを見て「この店はアレとコレがあって、アレがこうで、コレも頼もうかな?どうしようかな……」みたいな。(笑)
■でも、美雨さんの気持ちはわかります。(笑)
もな 特に「ニューヨークチーズケーキが食べたい!」とずっと言っていたのですが、この「ニューヨークチーズケーキ」というものに固執しすぎていて面白かったです。(笑)
美雨 ずっと言っていたから、ケータリングでニューヨークチーズケーキを買ってきていただけたんですよ。ライブ直前にいっぱい食べてしまって胃は大変でしたけど、すっごく美味しかったです!(笑)
百花 そういえば、これも食べ物関係の話になるんですが、アメリカのお店でスープを頼んだことがあったんです。「ちょっとあったかいもの食べたいね」みたいな軽い感じで、普通にひとり1杯頼んだのですが、もう「ドーン!!」という量が来てしまって。(笑) 「やっぱりビッグだな、海外……」と思いました。
■海外のお店だと、日本の感覚で頼んだら3倍くらいのサイズで来ることがありますよね。(笑) ところでファントムシータはコンセプト性の強いグループですが、そのコンセプトを意識してやっていることや、逆にやらないようにしていることはありますか?
凛花 最初にAdoさんから言われたのは、「信号と法律を守れ」ということです。「いつ誰に見られているかわからないという意識を持って行動すること」という意味です。だから、私たちは結構信号に敏感なんです。(笑)
もな これは私が勝手に思っていることなんですが、私たちが目指している昭和のアイドルって「ファンに歩み寄るアイドル」ではないよな……と。今のアイドルは、ファンの方に手を差し伸べて歩み寄るというか、アイドルがファンの方に「ちゃんとついてきてね!」とお願いするような感じですが、私たちはそういう方向性ではなく、あくまで自分たちがやることをやって、それについてきてほしいという方針だと考えています。私自身は私個人という人間を明かしすぎたくないんですよね。「親近感が湧く」というのは良いことではあるのですが、あくまでも「アイドルのもなです」という在り方は意識しています。
美雨 パフォーマンスとして、私たちの武器は「曲に対しての表現」だと考えています。曲の解釈を深くしていく中で自然に出た表情を大事にしていて、「ここはこういう顔を作ろう」ではなく、「こういう思考になった結果、自然とみなさんをゾクっとさせる表情が出てきている」のが大事だと考えているんです。あとは「怯まない」ことですね。私たちのコンセプトって、自信がないように見られてしまったら絶対ダメですし、お客さまに不安が伝わってしまうと「大丈夫かな?」「頑張って!」という目線で見られてしまうのですが、そういうパフォーマンスをしたくはないんです。不安はもちろんたくさんあるし、本番前には緊張もするのですが、ファントムシータは絶対的な供給者側でありたいので、舞台に立った以上は「自信しかありません」という顔をしようと思っています。
百花 私もちょっと似ているところがあるのですが、やっぱり1曲1曲に対していろいろ解釈をして、考えて、みんなでちゃんと話し合って、それを元に自分でも深掘りしていくのが大切だと考えています。それがあるからこそ、表情がより豊かになると思っています。
■曲を読み込んで、話し合って、作る。だから深いパフォーマンスに繋がっていくんですね。ところでみなさんは、「レトロ」とあわせて「ホラー」もコンセプトですが、好きなホラーのジャンルはなんですか?
百花 私は幽霊やお化けがちょっと苦手なのですが、「ヒトコワ」など、デスゲーム系が好きです。「イカゲーム」や、「今際の国のアリス」のような、そういう怖さが好きですね。
美雨 サイコホラーや都市伝説系が好きです。YouTubeで都市伝説系の動画を見るのも好きですだし、サイコホラーな小説を読むのも好きです。
もな 私はこれまであまり自分からホラーに触れてはこなかったのですが、こう「グワッ!」と驚かせる(ジャンプスケア系の)ものは得意じゃないんですよね。だから、最近はホラー漫画を読んでいます。読んでいてだんだん「うわわわ……」となるような、だけど怖くても読み進めちゃう、そんな魅力に触れて、ホラーが好きな人の気持ちもわかるようになってきました。
凛花 私ももなと一緒で、驚かされるのがすごく苦手なので、今は都市伝説系が一番好きです。アニメの都市伝説みたいなものも好きですし、ネット怪談の「洒落怖」も大好きです。「危険な好奇心」が大好きなので、ぜひみんなも読んでみてください。