Risky Melody VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

ALICE(Vo)、AYA(Key)、ayae(Dr)、HaRU(Ba)、Asumi(Gt)

過去の自分たちを抱きしめて、生まれ変わって新しいRisky Melodyを作っていく。

5人組ガールズバンド、Risky Melodyがニューアルバム『Reflection』をリリース。今年7月にCLUB CITTA’にて行われた自身最大級ワンマンライブにて、活動10周年を迎える2024年2月にメジャーデビューを果たすことを発表したRisky Melody。インディーズでの最後のアルバムとなる今作は、過去の反芻とコロナ禍を乗り越えた彼女たちの変化をふんだんに詰め込んだ、これまでの総決算のようなアルバムとなっている。
10周年を目前に控えた今、どんなことを考え、今作にどんな思いを込めたのか。Risky Melodyの拠点となっている下北沢VOICE FACTORYにて、メンバー5人にたっぷりと話を訊いた。

■来年の2月でRisky Melodyは10周年を迎え、同時にメジャーデビューを果たします。オリジナルメンバーのALICEさん、この10年を振り返ってみてどんな気持ちがありますか?

ALICE 短いような、でもすごく長かったような。10年間ガールズバンドを続けてきて、今まで本当にいろんなことがあったんですけど、1つ1つ乗り越えてこられたのは、メンバーとファンのみなさんたちのおかげだなと思います。ここからもっといいものを見せていかなきゃいけないし、10年分の恩返しをしていきたいなという気持ちです。

■メジャーデビューが決まった時はどんな思いがありましたか?

ALICE メジャーはずっと目標にしていたことなので、決まった時はすごく嬉しかったです。今までインディーズでできることはいろいろとやってきたので、メジャーという場所でできることが広がって、いろんな挑戦ができるといいなと今からワクワクしています。

HaRU なんかドラマとか漫画で見るのと結構違うんだなって思いました。(笑) 

ayae 「よっしゃ!」みたいな感じというよりは、「メジャーデビューか……」ってじわじわくる感じでした。重く捉えるというか、ずっしりくるという感じでしたね。

Asumi でも未だにあまり実感がないです。最近になって、周りから「おめでとう」って言ってもらえるようになってから、「そっか、メジャーデビューなんだ」って思って。遅いんですけど。(笑) でもメジャーに行った先で何ができるかを考えて、もっともっと頑張らないといけないなと日々思います。「もっと成長しないと」と思う時間が増えました。

ALICE お客様とか演者さんにお祝いされて、やっとおめでたいことだと実感した感じだったよね。メジャーになる「かもしれない」の期間が1年半くらいあったので、発表するまでは半信半疑だったところもあって。だから、発表した時の反応で実感したところもありました。

AYA やっぱり嬉しかったですね。メジャーデビューは音楽をやっている中でのひとつの目標ではありました。今のメンバーになって、もう5年くらい経つんですけど、「ついに来たか」という。すごく嬉しかったです。

■7月にはCLUB CITTA’でRisky Melody最大級のワンマンライブが行われましたが、今振り返ってみて、どんなステージでしたか?

ALICE 最高でしたね。

AYA どこを思い返しても最高でした。

HaRU ちょうど最近チッタのDVDの確認でライブ映像の確認をしていたんですけど、どこを観ていても思い出せるくらい、鮮明に覚えているんです。

Asumi チッタのワンマンまでの期間、4ヵ月くらい路上ライブをやっていたんです。そこで出会った人とか、もちろんずっと応援してくれていた人たちが、当日は会場にぎっしりいてくれて。ステージに出た瞬間、すごく感動しました。その瞬間のために4、5ヵ月路上ライブをやったり、いっぱいライブにも出ていたので、すごく嬉しかったです。

ALICE 今までで一番大きいステージだったんですけど、思ったより「でかい!」とはならなかったんです。この広さが今後は普通になっていかないといけないんだなと思いました。そういうアーティストになっていこうって。

■オリジナルメンバーであるALICEさんは、この10年間で様々なターニングポイントや変化を感じてきたかと思いますが、なにかひとつ大きく変化したことをあげるとすると、どんなことがありますか?

ALICE バンドを始めた当初は、自分がバンドをやりたくて、やっていくことを応援してもらうという立場で、ファンの人たちともそういう関係性だったんです。でもコロナ禍があって、ライブができなかった時に、何もファンのみなさんに対してできることがなくなってしまったのがすごくショックで。「ライブ以外にみんなに対してできることは何かないのかな?」と思ったんです。逆にみなさんは、うちがライブハウスもやっていることもあって、「リスメロを助けなきゃ!」みたいな感じで、いろいろと助けようとしてくれて。「これは逆じゃないといけない」と思ったんですよね。だからクアトロで無料のワンマンライブをやってみたりしました。それから、応援してもらうのではなく、「自分たちがいろんなことをやることで、みなさんを応援するようなアーティストにならなきゃいけない」と思うようになったんです。それはこの10年の中でも大きかったなと思います。「メンバーがどうしたい」というよりも、「ファンのみなさんが喜ぶためにRisky Melodyとして何ができるだろう?」と考えるようになりましたね。今回のメジャーデビューの話もそこからで、コロナ禍の初めに「ここで終わるかもしれないから、お客様に感謝しよう、自分たちのためにやるのはやめよう」となったんですけど、それから急に動員が増え始めたんですよ。

AYA コロナ禍の頃は、その先にチッタでのワンマンライブや、メジャーデビューがあるとは全く思えなかったですからね……。

ALICE 思えなかったね。毎回解散を覚悟するくらいだった。

■本当に大きなターニングポイントだったんですね。コロナ禍の期間でバンドの雰囲気や、メンバー同士の関係性の変化もあったりしたんですか?

AYA 仲はあんまり変わっていないんじゃない?

ALICE ずっと姉妹みたいな感じなんですよ。

HaRU 元々一緒にいることが多かったんです。ライブ本数も多かったり、ツアーで毎日一緒にいたり。コロナ禍でさらに一緒にいる時間が増えたけど、関係はそんなに変わっていないですね。

ALICE もう本当に家族みたいな感じです。

Asumi より家族感が強まった感じですね。お互いの良いところも悪いところもちゃんと理解し合えるようになったというか。コロナ禍で新しいことに挑戦していく中で、これは誰が得意だとか、得意じゃないとかを、お互いにちゃんと理解しあいながら、助け合えるようになった気がします。

■多くのバンドやグループは、コロナ禍で会うことができなくなったパターンが多いと思いますし、こういったライブハウスという拠点があるのはRisky Melodyならではの強みですね。

AYA そうですね。この拠点がないと集まれないですから。

ALICE 家には寝るために帰るくらいで、あとはずっと一緒だったよね。ここにお風呂とベッドがあればずっといられる。(笑)

HaRU そうそう。それがないから帰っているだけで。(笑) 

■今作のアルバムの話にも入っていきたいのですが、タイトルの『Reflection』にはどのような思いが込められているのでしょうか?

ALICE 『Reflection』には、「反芻」という意味があるんですけど、10年間のインディーズの区切りのアルバムになるので、「自分たちの過去と現在を見返して、未来に向けたアルバムにしたい」という思いで『Reflection』にしました。

■以前リリースした“Risky Melody”や、“ALL AS ONE”の2023年バージョンが収録されているのも、過去から未来に向けた流れを意識してのことなんですか?

ALICE そうです。今回2023年バージョンで収録している“Risky Melody”と“ALL AS ONE”は、人気曲なんです。結構昔に出した曲なんですけど、どうしても古くなってしまうので、今回は新しいバージョンにして入れました。

■普段の曲作りやアレンジはどのように進めているんですか?

ALICE 大体テーマを持たせた上で作っています。今回はAsumiが作曲している曲もありますけど、大半はコンポーザーと一緒に作って、私が歌詞を書いています。その後に歌詞や曲の意味合いをみんなで集まって「ふむふむ……」とやりながら、「このフレーズはもっとこうだよね」とか、「ここはもっと勢いがあった方がいいよね」という風に変えていく感じです。

■“Risky Melody”を今年バージョンにブラッシュアップしていく上で、こだわった部分というと?

AYA 最初の頃とは雰囲気の違う曲になっているよね。

ALICE 実はこの曲をブラッシュアップするのはもう4度目なんです。今回は原点に返ろうという思いもあって、最初のバージョンのフレーズを入れたり、一個前のバージョンにはあったDメロを削ったりもしていて。その上で、最近はハードロック調の曲が多くなってきたので、そういう感じにアレンジしています。昔のバージョンを知っている人たちは、「熱い!」と思う部分があるかなと思いますね。例えばギターソロは、最初のバージョンのギターソロを弾いた後にAsumiのアレンジになっていって、落ちサビに向かっていく構成になっているんです。

Asumi 最初のバージョンのギターソロに、自分なりの要素を混ぜ合わせて弾いていきました。

■今回の収録曲の中で、“フタシカ”と“Keep on Running”の2曲は、Asumiさんが作曲しているんですよね?

Asumi そうなんです。元々作曲をやりたい気持ちはあったんですけど、1人で書いてお蔵入りにするだけだったんです。今回はやっとCDに入れてもらって、届けられる形になったのが、すごく嬉しいです。

■キャッチーな疾走感のある“フタシカ”と、バラード曲の“Keep on Running”、2曲ともこれまでのRisky Melodyとはまた違った音楽性となっていますね。

Asumi そうですね。私の世代なりの要素というか、勢いを入れられたらいいなと思って。“フタシカ”は特にそれを意識して、考えながら作りました。

ALICE でもAsumiはヴァン・ヘイレンとかが好きなんだよね。作る曲は全然そうじゃないっていう。(笑)

HaRU それはすごく思った。(笑) 「めっちゃハードロックが来るのかな?」って思ってソワソワしていたら、全然違う曲だったっていう。(笑)

ALICE “Keep on Running”は、今回のアルバム唯一のバラードだからね。

■アルバムタイトルと同じタイトルの“Reflection”は、アルバムのテーマが決まってから書いた楽曲だったんですか?

ALICE 曲自体は今回のアルバム用に作っていて、アルバムのテーマが「Reflection」に決定してから歌詞を書きました。一緒にここまで来たメンバーや、ファンに対してのメッセージのつもりで書いているんです。「プリズム」をイメージしているんですけど、「プリズム」って光が入ると違う方向に散らばるじゃないですか。そういう感じで、思わぬ方向に未来が広がっていくようなイメージというか。バンドの活動を通して、いろんなことがあったというのを描きつつ、聴いてくれる人たちが過去を振り返りながらも、前に進むきっかけになればいいなと思って書きました。