SAD originals. VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

この世界は獲って獲られてだからこそ、一番になる気持ちを心の根底に持って活動をしています。

2023年8月に発売した1stシングル『TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして』が、オリコンデイリー2位、ウィークリー6位を獲得、同日にリリースしたアルバム『SADs.』も、オリコンデイリー1位、ウィークリー10位を獲得し、メンズアイドルシーンの中でグングン頭角を現してきたSAD originals.。彼らが2月13日に2ndシングル『戦いが消えた日』をリリース。この楽曲は、アニメ「デュエル・マスターズWIN 決闘学園編」のオープニング主題歌となっていて、さらに大きな飛躍が期待できそうだ。この度、同楽曲について、狼我、ゆじめろ、陸、きゆう、巧海、はると、ゆうが、キラ、りょへ、かおるの10人が熱く語ってくれた。

■1stシングル『TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして』が、オリコンデイリー2位、ウィークリー6位。アルバム『SADs.』も、オリコンデイリー1位、ウィークリー10位を獲得して、ファンたちからも熱いリアクションが返ってきていますか?

巧海 シングルとアルバムのデイリー、ウィークリーともに、僕らもファンのみんなと一緒にライブ会場でランキングの発表を聞きました。その結果を聞いたファンたちがとても喜んでくれて、みんな「おめでとう!!」と言ってくれました。個人的には地元の友達にめちゃめちゃ自慢しました。(笑)

■その後、SAD originals.を取り巻く環境にもいろいろな変化は出ていますか?

 最新シングルの表題曲になっている“戦いが消えた日”が、TVアニメ「デュエル・マスターズWIN 決闘学園編」のオープニング主題歌として現在流れています。初のアニメタイアップ曲をいただけたのも、前回のランキングの成果が反映してのことだと僕らは思っています。

巧海 でも一番の成果は「オリコンデイリー1位を手にしたグループ」など、その言葉を掲げることで、活動に向かう自分たちの意識がより高くなったことです。 

■2ndシングルに収録された“戦いが消えた日”“night dancer”“アイドル界隈”、すべてのMVがYouTube上にアップされていますが、最近も“NiAは死ぬことにした。”のMVもアップするなど、SAD originals.は数多くの楽曲のMVをアップしていますよね。

ゆじめろ 自分たちがこれまでに発表してきた楽曲は、ほとんどが音源化やMV化しています。

巧海 今作の“戦いが消えた日”は、アニメのタイアップということもあって表題曲として収録していますが、“night dancer”と“アイドル界隈”は、MVは発表していたけど、まだ音源になっていなかったから、今回のCDに収録しました。今後も、まだ形にしていない曲たちや、これから生まれてくる新曲たちも、次々と音源化やMV化していくと思います。

ゆうが 自分たちの持ち曲を定期的に音源化やMV化していけるのって、僕たち自身めちゃめちゃ嬉しいし、ありがたいことだと思っています。とくに嬉しいのが、対バンライブなどに出演した時に、SAD originals.のライブを初めて観て気になってくれた方たちが、僕らのYouTubeチャンネルやサブスク配信の音源をチェックしてもらうと、その人の気になっていた楽曲がほぼ見聴きできることなんです。

狼我 ライブMVには、基本リリック(歌詞)が入っているし、MVの場合もページ内には必ず歌詞を載せているから、それもチェックできるのでぜひ観てもらいたいです。

ゆじめろ 今は発売日に向けてリリースイベントも積極的に行っています。その場で僕たちのことを見た方々も、気になってスマホで検索してくれる場合が多いんです。すぐに楽曲の情報が出てくるから、それも僕らを好きになってもらえる魅力に繋がっていると思います。

巧海 そういう環境を作れるのは当たり前じゃないからこそ、今の環境にはメンバーみんな本当に感謝しています。

■先ほどアニメタイアップの話が出ていましたけど、みなさんはアニメ「デュエル・マスターズWIN 決闘学園編」のアニメ映像をご覧になっていますよね?

ゆじめろ もちろんです。映像と歌詞がすごくリンクしているから、本当にぴったり合う作品になったなと感じています。

キラ アニメの映像と一緒に流れることで、ライブで歌うのとはまた違った印象で届けられるのにも面白さを感じるんですよ。個人的にはそこでの印象の違いも気に入っています。

 “戦いが消えた日”はアニメ作品に描かれた世界観とリンクしているだけでなく、歌詞の表現一つ一つに深みがあるんですよね。しかもキラキラとしたアニソンとは異なる色を持っているので、そこも僕らは魅力に感じています。

巧海 “戦いが消えた日”は、狼我が振付けしたダンスにも注目して欲しいです。歌詞とパフォーマンスの一体感も大きな魅力になっているので。

りょへ 自分の歌っている歌詞に、「戦う為の切り札」という歌詞があるんですけど、デュエマの世界観に沿ったかっこいい曲になっています。仕事に行く前など1勝負したい時などに聞くと力が湧いてくると思います。

狼我 「戦う為の切り札」という歌詞に合わせて切り札ポーズを組み込むとかね。自分はとくに歌詞を重視して振りを付けていくので、歌詞と振りがどうシンクロしているのかにもぜひ注目して欲しいです。

ゆじめろ 曲調はいわゆる王道アニソン系とは色が少し異なるけど、アニメ「デュエル・マスターズWIN 決闘学園編」の内容を知っている人ほど「よくわかってるじゃん!」と、納得してもらえる楽曲だし、作品が好きな方にはしっかり刺さる内容になっています。僕もアニメが好きだから、今回のタイアップをきっかけにアニソン歌手と名乗れるのがすごく嬉しいです。(笑)

キラ 僕は子供の頃に「デュエル・マスターズ」シリーズを見ていたから、自分が大好きなアニメのテーマ曲を歌うことになってすごく嬉しかったです。あの(子供の)頃は、本当に予想もしていなかったことですからね。

■“戦いが消えた日”は、アニメとの映像もカッコいいんですけど、今回制作したMVもメンバーの切れ味鋭いパフォーマンス姿が存分に味わえる作品になりました。しかも、最初から最後までノンストップで映し出したような映像も、めちゃくちゃカッコいいなと思いながら観ていました。

きゆう 撮影の段取りなどは、本番当日にその場で組み立てていくことも多かったから、僕ら自身も完成図すべてを理解していなかったので、「ここはこういう動きをして欲しい」と監督の指示に合わせてパフォーマンスすることもありました。中でも、僕とはるとが先に歌い、ゆうがとかおるに歌を繋いでいく場面があるんですけど、撮影の時に「歌い終わったらくるっと回ってください」と監督に指示を受けました。僕らは「えっ、なぜ?」と、その繋がりが理解できずに戸惑いながらも、そこは指示を受けるまま実践したわけなんですけど、後で完成した映像を見たら、僕とはるとがクルッと回った瞬間に、ゆうがとかおるの姿に入れ替わっているんですよ。そういう映像マジックもこのMVでは味わえますし、そこが見どころにもなっています。

キラ 映像と映像を繋ぐ様がすごく巧みだから、本当にずっと撮りっぱなしの映像を観ているような感覚ですよね。あの編集技術は本当にすごいです。

巧海 MVの中では次々と衣装姿が変わるから、撮りっぱなしに見えつつも、実はそうじゃないのはみなさんもわかると思いますけど、でも同じ衣装姿の時は本当に長回しで撮影したりもしました。

ゆうが 長回しシーンの中での見どころは、曲の1番のところでは、巧海が血溜まりの床に倒れているシーンから1番の終わりまでのシーンです。そこは本当に一発撮りをしています。

巧海 カメラに映っていないところでは、みんな本当にバタバタでした。(笑) 僕のシーンで言えば、血溜まりで倒れているシーンからカメラが外れたとたん、すぐさま起き上がって、スタジオを半周駆け回って、みんなで踊るシーンにすぐ合流して……。あの長回しのカットの裏では、みんなバタバタしながら撮影に挑んでいました。

キラ 1サビで陸が歌っているところに、僕とゆじめろが加わるシーンがあるんですけど、本当なら歌う場面にゆっくり歩いて加わるはずが、僕が走り込んできたのがわかる映像になっているんですよ。そのシーン自体には入り込む足しか映っていないけど、その後に全身が映るから、走っていたあの足が自分のだとわかるんですよ。個人的には「あのシーンが使われちゃったのかぁ……」と思っていました。(笑)

巧海 えっ?!言われなきゃぜんぜん気づかなかったよ。

キラ 僕は気づいたけどね。(笑) まぁ、本人だから当然だけど。

かおる “戦いが消えた日”がアニメの主題歌に起用になったのも嬉しかったけど、アニメ作品の放映終わりに“戦いが消えた日”のTVCMが毎回流れるので、このMVがTVに映し出されることも嬉しかったし、その映像を観て興奮もしました。

■ここからは収録曲たちの魅力を1曲ずつ語ってもらおうと思います。引き続きにはなりますが“戦いが消えた日”の魅力から教えていただけますか?

 この曲の一番の魅力は、今までのアニソンにはあまりなかった深みを持った歌詞と、ゴリゴリの激しいダンスを踊るところです。レコーディングではもちろん、ライブ中にとくに心掛け心がけているのが、歌詞に書かれた感情に合わせて、歌声にも強弱など細かい感情の変化を出していくことで、自分は冒頭とサビ、落ちサビと最後のパートとこの楽曲の中でもとくに重要な部分を担っています。とくに細かい声の表情を心がけているので注目して聴いてください。また、パフォーマンス面でも、一番最後の“僕たちは戦いへ”と歌う場面で、全員が横一列になって未来へ向かって指を指すポーズをします。そこの部分はみんなで綺麗に揃えてパフォーマン
スするとカッコいいので、ぜひMVやライブを通して見てみてください。

■“戦いが消えた日”の歌詞は、アニメの世界観とも深くリンクしていますが、もしや話数を重ねるごと歌詞にも深みを感じる形でしょうか?

 きっとそうなっていくと思います。アニメの主人公が戦うごとに強くなっていく様子や、その時の彼の心情を代弁するような歌詞にもなっているから、それぞれの話の心情とも重ね合わせて聴いてもらえたら、より深く楽しめると思います。

きゆう “戦いが消えた日”の面白さって、1曲の中で次々と表情が変わっていくところにあるなと思っていて。とくに僕が歌を担当しているパートは、いわゆる場面転換を担う部分が中心になっています。だからこそ、感情の込め方も大事になっていくんですけど、この曲はカッコいい雰囲気を持って始まりながらも、ポップな表情に変わって、途中で三拍子のクラシカルな雰囲気に変化して緩やかな一面を見せたと思ったら、最後にはまたガツンと来るなど、本当に振り幅が広いんです。僕ら自身も歌い踊りながら、曲が展開を見せるごとにドラマを感じています。この楽曲自体が物語性を持っているから、ライブで表現していても楽しいんですよね。

狼我 これは全体的にも言えることなんですが、自分が振付けを考える時に一番大事にしているのが、歌詞の世界観とどうリンクしていくかなんです。もちろんサウンド面の表情も振付けにシンクロさせますけど、“戦いが消えた日”はとくに歌詞に記された感情を、どうやって振りで現すかを軸に置いています。自分が、アニメ「デュエル・マスターズWIN 決闘学園編」の持つ世界観と歌詞を重ねあわせた時に、作品との親和性はもちろんですが、歌詞と今のSAD originals.の持つ意識ともすごく重なるなと感じました。今回はアニメとのタイアップという形を取っていますが、この曲は僕たちがずっとこの意識を背負いながらライブで歌い続けていける楽曲なので、振付けはアニメ作品を意識しつつも、自分たちの意志を示した曲として、長く歌い継いでいけるようにと心掛けています。

■みなさんもずっと戦い続けていくのでしょうね。

狼我 この世界は獲って獲られてだからこそ、一番になる気持ちを心の根底に持って活動をしています。これは僕自身の勝手な歌詞の解釈になりますけど、“戦いが消えた日”に登場する主人公の語る歌詞は、もう上には誰もいない人の言葉で、つまりトップに立った人の歌だと思っているんです。個人的に一番気合が入るのがサビの歌詞なんですが、面白いのがサビの歌詞をパッと読んだ時の感覚で、主観で読んだ時と客観的に捉えた時では、見え方や感じ方が変わることです。いろんな捉え方をしながらこの曲を楽しめるのが好きだし、聴く人たちもいろんな受け止め方で楽しんで欲しいと思っています。