SAD originals. VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■続いては“night dancer”についてもお話を聞かせてください。

ゆうが　“night dancer”は、これまでのSAD originals.にはなかったタイプの楽曲で、この曲を手がけた楚歌さんいわく、「人が日々抱え持つ悩みや、哀愁漂う感じ」を表現しています。この曲の振付けは有名な振付師さんのCRE8BOYさんに振付けていただきました。その振りも今までのSAD originals.にはなかったから感じなので、そこも魅力だと思います。MVは夜の街中で撮影したのですが、それぞれが日常の中で感じる憂鬱さを表現しています。そこにもそれぞれの色が出ているので注目してください。

■“night dancer”のMVの中でカップ焼きそばを食べていたのは、確かゆじめろさんでしたよね？あのシーンがとても印象的でした。(笑)

ゆじめろ　はい、僕がカップ焼きそばを食べていました。(笑)　あのシーンはMVの監督に「ちょっと狂気的に食べて欲しい」と言われたので、いつものように少しずつモグモグではなく、あえて零すくらいの勢いでガツガツと食べています。(笑)　この曲は演じるような意識でパフォーマンスすることで、CRE8BOYさんの付けた振付けや、楚歌さんの作りあげた曲と歌詞の世界観をより感情的に伝えられると僕なりに判断しました。演劇に近い感覚で表現しています。

■“night dancer”に出てくる主人公は、だいぶ感情をこじらせていませんか？

ゆじめろ　こじらせていますよね。(笑)　うちのメンバーは個々の我は強いけど、こじらせている人はいないから、僕らではなくあくまでも“night dancer”独自の登場人物だと思いますけどね。(笑)　誰だって表には出せない感情ってあるから、この曲を聴いて共感を覚える人もいると思います。自分は夜に散歩をしながらこの曲を聴くのが好きなんです。その時によく「一体自分は何に向かっているのか？」など、自分自身の気持ちを整理していることも多いです。

はると　“night dancer”には、日常の喧騒や儚げな感情が描かれています。普段の僕らにはない曲調なのも新鮮ですし、振付けをCRE8BOYさんが担当してくれて、普段の自分らではやらないようなリフトを取り入れて、曲中でゆじめろを持ち上げているんです。あの場面は人の命を預かって高く持ち上げる振りだから、毎回緊張感を覚えながらやっています。

ゆじめろ　命を持ち上げていると思ってくれて、ありがとう。

はると　だって間違って落としてしまったら危険じゃない？そりゃあいつも緊張感を持つよ。

ゆじめろ　僕もみんなを信頼して身体を預けています。

巧海　そんなことを言ってるけど、初めて“night dancer”の振付けをした時、はるとはゆじめろの足を持ち上げる役割なんだけど。ボーッとしていて持ち上げるのを忘れてゆじめろが落ちそうになったからね……。
　
はると　いや、その経験があったからこそ、余計に人の命を預かることの大切さをリフトの振付けを通して僕は学ばせていただきました。あの時はほんとにごめんね……。

ゆじめろ　大丈夫、信頼しているから。(笑)

ゆうが　“night dancer”には、その場で客席を背に後ろ向きで走る振りも出てきます。ちょっとコミカルに見える動きなんですけど、だからこそ真剣にやることでカッコよさが出るということも、CRE8BOYさんに教えられました。

巧海　あのシーンは僕だけが前を見て歌っているんですけど、ライブでやると会場のそこかしこで、メンバーを真似して走ってくれる人たちがいます。それも嬉しいんですけど、人数が少ないと逆にコミカルな動きに見えてしまい、たまに歌いながら笑ってしまいそうになるんです……。(笑)　良ければあのシーンはみんなで走ってください。もしくは誰も走らないか……。(笑)　できれば全員で走って欲しいです。

■もう1曲が“アイドル界隈”になります。こちらはどうですか？

巧海　この曲は僕とりょへがWセンターで歌っています。“アイドル界隈”は、とても騒がしい曲で、普段からうるさい僕とりょへがセンターに選ばれたのもそれが理由かなと思っていて。(笑)　曲の中ではメンバーがいろんな言葉を叫んでいます。僕は「おはよう!!」と元気に叫んでいるので、この曲は朝に聴くのがおすすめです。(笑)

りょへ　アイドル界隈はすごいキャッチーでめちゃめちゃ盛り上がる曲です。振り付けがすごい真似しやすく、特にサビをみんなで一緒に踊って欲しいと思っています。僕自身一番ファンのみなさんにやって欲しいのが、途中の感想のコールです。そこをみなさんと一体になってやりたいです。「ウィースペケスィ！チャペチャペチャぺ！」長くなっちゃうので公式Twitterで見てみてください！(笑)

キラ　僕はSAD originals.のメンバー中では声量担当で、“アイドル界隈”では「はやく売れたいな!」と叫んでいますけど、声量担当のはずなのに、この曲では叫ぶところが以外と少ないんです。だからサビの「アイドル界隈踊らにゃ損！損！」の「損！損！」の部分で、みんなに僕の声量を知らしめています。(笑)　MVでは、みんなで順番にヲタ芸をする場面が出てきます。と言っても、みんなめっちゃ軽めのヲタ芸なんですけど、僕にとっては生まれて初めてのヲタ芸だったから、踊っていてすごく楽しくて。今回をきっかけに、もっと気合を入れたヲタ芸もやってみたいなと思いました。

巧海　ファンの人たちはMIXやヲタ芸などに馴染みがあっても、パフォーマンスをする僕ら自身はあまりやることがないから、意外と馴染みが薄いんですよね。実は僕の兄貴がドの付くほどのヲタクで、家でもよくヲタ芸をやっていて、その姿を小さい頃から見ていたから、自分もほぼ振り真似ができます。(笑)　MVでも、ほんの一瞬ですけどガチでヲタ芸をやっているので、そのシーンは一瞬ですがぜひ探してみてください。(笑)

かおる　この曲はSAD originals. の楽曲の中で一番と言っていいほどキャッチーで、元気いっぱいな曲です。歌詞もアイドル好きな人なら全員が共感するような言葉が出てくるので、そこにも注目してください。この曲を初披露したのは、僕がSAD originals.に新メンバーとして加わった昨年8月で、加入のお披露目と同時にこの曲を新曲として披露したので、個人的にとくに思い入れの深い曲になりました。歌詞に出てくる「売れそうなことしかしたくない売れるためだったら僕等なんだってする」の歌詞は、「ほんとその通り！」と思いつつ。(笑)　でも僕ら自身は、無駄と思えることでも大事にしながら活動をしていますし、それが大事だと思っています。

巧海　“アイドル界隈”のMVを撮影したのが、かおるが入って間もない昨年夏の時期だったので、“night dancer”のMVを昨年秋に撮影し、“戦いが消えた日”のMVを昨年冬に撮影したので、3本のMVを時系列で見ていただけるだけでも、僕の髪色とかに変化が出ているし、他のメンバーのヘアスタイルや髪色にも変化が見えるから、そこからもSAD originals.の歩みを感じられると思います。

かおる　それを言ったら、SAD originals.のMVのほとんどは曲が生まれた時期ごとに作っているから、それらを並べるだけでもSAD originals.の歩みが見られると思いますよ。

■最後に読者にメッセージをお願いします。

ゆうが　今、僕らのYouTubeチャンネルの登録者数が12万人を超えようとしています。すごい勢いで登録者数が増えているので、今年はYouTubeをはじめ、SNSを通した発信にも力を入れて、次第に増えてきている海外のファンの人たちのすそ野もさらに広げていけたらいいなと思っています。直近としては、3月21日に恵比寿リキッドルームで1stワンマン公演が控えているので、まずはそこをしっかりと埋めきりたいです。ぜひ観に来てください！

巧海　僕自身は以前活動していたグループ時代に恵比寿リキッドルームに立った経験もあるのですが、その思い出の場所にこうして信頼できるこのメンバーたちと一緒に、しかもワンマン公演という形で戻れることがすごく嬉しいんです。あの時はすごく広く感じたけど、この日は最高のライブを見せますから、みなさんもぜひ楽しみにしていてください。

りょへ　嬉しい事に2ndシングルまで出させていただいてすごい嬉しいです。今回出させていただいてる曲はすごいキャッチーで楽しい曲からカッコいい曲まであって、もっとファンのみなさんを魅了できるように頑張っていきます。SAD originals.はどんな事にも挑戦していくので、この先急成長していく姿をファンのみなさんにも注目していただきたいです。そして今以上にもっともっと沢山の方々に僕たちの歌やダンスを届けたいと思っています。

Interview & Text：長澤智典

PROFILE
10人組メンズグループ『SAD originals.』。帝国×悲しみをコンセプトにオルタナティブからJ-POPまで、幅広い楽曲や、表現力の高いダンスを武器に活動するグループ。2023年8月1日、1stシングル『TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして』が、オリコンデイリー2位、ウィークリー6位を獲得、同日にリリースしたアルバム『SADs.』も、オリコンデイリー1位、ウィークリー10位を獲得。

RELEASE
『戦いが消えた日』