SAISON VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

SAISON『何度でも、この場所で』

1年限定アイドルグループSAISON、アイドル活動にかける思い。

「私たちの全てをこの1年に」そんなコンセプトで1年限定で活動するアイドルSAISONが、8月16日に1stシングル『何度でも、この場所で』をリリース。アイドル経験が豊富なメンバーが揃うSAISON。中には5年以上前にアイドルを卒業し、今回復帰したというメンバーも多数おり、アイドル界で様々な足跡を残したメンバーが1年限りで集結した形となる。そんな彼女たちが歌う楽曲は、どこか終わりを意識するような、そして改めてステージに立つことを噛みしめるような、切なく儚い歌詞が散見される。それでいて爽やかな“何度でも、この場所で”、“メモリアスブルー”など、アップテンポな楽曲が揃っており、この季節にぴったりだ。一方“星空セゾン”では初のバラードに挑戦しており、各々の歌声をより魅力的に、思いを伝えるように聴かせる楽曲になっている。
今回は、岡田彩花、鈴木まりや、愛迫みゆ、林あやの、小島瑠那、廣島みずき、米山穂香、7月に新メンバーとして加入した石田晴香、野中美郷、メンバー全員にインタビューを敢行。改めてアイドルとして活動することへの考えや、始動して半年を迎えた今の気持ち、そして楽曲ともリンクする思いについて訊いた。

■1年限定で活動すると最初からアナウンスされているのは珍しいと思いますが、1年限定についてどう感じていますか?

廣島 私が最初にお話をいただいた時は、まだ1年限定じゃなかったんですよ。一番最初に集まったのが廣島、愛迫、林の3人で、一緒にレッスンしたりしていて。その時に「1年限定ユニットになるかもしれない」っていう話題が出たんです。私はメンバーが1人でも欠けたりするのであれば、限定にしちゃった方がいいって思っていて、それくらい次にやるグループはメンバー関係を大事にしたいなって思っていたので、私は1年限定というのをそういう風に受け止めています。

愛迫 私は長くアイドルをやっているので、「1年で成り立つのか…?」って不思議な感覚でした。「特別ユニットみたいな感じにならないといいな」っていう気持ちはありました。それと、イベントごとが全部最初で最後になるので、それも本当に頑張らないと、なあなあに終わってしまうから「本腰を入れないと」みたいな。でも本来はそうあるべきなのかなって。「また来年出られればいいか」っていう気持ちがないので、必死になれていいなって思います。

 始まる前から楽しみだったので、1年限定で終わってしまうのは正直寂しくはあるんですけど、私は個人的に時間の使い方とかも下手だし、時間が限られていることによって、「この1年を全力で頑張るぞ」っていう意識が持てるので、それはよかったかなと思います。

■1年走り抜けるしかないですもんね。

 本当にそうですね。

廣島 「1年だったからこそやった」っていうメンバーもいると思います。この3人から誘う時は、「1年限定だよ」って誘っているので。「それならやる!」っていう子が多分いたんじゃないかな。まりやんぬとか、どう?

鈴木 うん。1年じゃなかったらやってなかったかな。

■1年限定っていうのが決め手だったんですか?

鈴木 そうですね。舞台とかも期間が決まっているじゃないですか。3か月とか2年とか。そういう感覚で、ひとつの企画っていう感じだから決めやすかったというか。悩みはしましたけど、何年続くか分からないのを30歳から急にやるよりも、1年間っていう決まっている方がやりやすかったんです。どうですか、みなさんは?

岡田 1年限定っていうのは決めやすかったかな。でも私はアイドルを辞めてから、「もうアイドルは別にいいや」みたいな感覚で、特に執着もしていなくて。何回かみゆさんが「アイドル興味ある?」って聞いてきてはいたんですけど、「あんまり興味ないです」とか返答していて。(笑) 「でもやるなら20代のうちなのかな」っていうのは思っていたんです。それでSAISONは1年限定ってことだったので、いろんな人に相談したんです。親だったり、舞台をやっていた時の共演者の方だったり。私のことをよく知っている方々に相談したら、「1年限定だったらやってみたらいいんじゃない?」とか、「やらなかった方が後悔するんじゃない?」って言われて。なので1年限定っていうのは大きかったですね。

■1年限定だったからこそ揃ったみなさんだったんですね。

愛迫 その中でも7月から新メンバーが2人入ったので、2人はもう半年限定みたいな感じだよね。(笑)

■新メンバーの石田さんと野中さんは、半年限定でアイドルを再開することについてどう感じていますか?

石田 私は6年前にアイドル辞めたんですけど、またアイドルになるなんて思っていなくて。6年前までの活動の時には、あんまりやり残したことがなかったんです。自分の中で出たいと思っていたMステとか紅白とかにも出られたし、自分がセンターの楽曲を頂いたりもしたし。総選挙でランクインさせていただいたりとか、ドーム公演にも立って。上を見ればもちろんもっと上はあるんですけど、自分の中では結構満足のいくアイドル活動だったんです。でも中学生の時の自分は本当に周りも見えていなかったですし、今よりも自己中心的だったので。(笑) 「今、20代ラストの自分じゃないとできないようなことができるかな」って思っています。「自分の理想としているアイドルに今なら近づけるんじゃないか」と思って、この半年間で自分の理想のアイドルになりたいなと思って、楽しく活動しています。

野中 私は8年前にアイドルを辞めてから、芸能も全部辞めていて、福岡に戻って3年間くらいエステの仕事をしていたんです。でもそれもコロナ禍のせいで辞めちゃって、「この先どうしよう……?」って思っていたタイミングで。元々2022年は「なにか人から求められたら全部挑戦しよう」と思っていたんです。そんな時に鈴木まりやちゃんから電話で誘われたんですけど、でも流石にこんなに経ってからアイドルをやるとは思わなかったので、初めはピンとはこなくて。でも見学させてもらったら、自分の中ではとんとんと決断していたんですよね。一般職でやっていくと思っていたのに、ライブを見てしまったら、やっぱりアイドルが好きだった自分とか、アイドルをやっていた時の良い思い出が蘇ってきて。半年っていうのも最初は悩んだんですけど、親も「半年だからいいじゃん」みたいな一言で、「確かにな」と思って。そんな経験って中々できないからいいなと思って入りました。

■お二人はアイドルを卒業してからの期間が長いですが、今回半年限定で活動すると聞いて、ファンの方たちもかなり驚いたのではないでしょうか?

石田 めちゃくちゃ驚かれました。(笑) 自分自身でも驚いています。

■やはり活動期間が1年と決められているとなると、気合とか思いも変わってくるものでしょうか?

廣島 全然違います!前のグループでは、ずっと活動するって思っていたのに辞めちゃったんです……。今は1年限定って決まった状態で過ごしていて、本当に1日、1時間とかのレベルで無駄なことができないというか、充実しすぎてこんなに時間がないって感じられる人生、すごい幸せだなって思います。

米山 私は前のグループに1年半くらい所属していたんですけど、前のグループでは大きいフェスには出たことがなくて。今回はメンバーもめちゃくちゃ強いし、パフォーマンスを売りにしている中で、本当に血眼になって、1年限定だし「あれに出たい、これに出たい、あれしたい、これしたい」とかをすごく考えるようになって。「どうしたら出られるかな?」とか、「どうやったらもっと広まるかな?」とか。今折り返し地点まで過ぎてから、もっと欲が出てしまって、「アイドルとしてツアーやりたい」とか、今回みたいに「CDを出したい」っていうのがどんどんと浮かび上がってくるので、「残り短い期間でどれだけ詰め込めるか」っていうのはチャレンジしたいって思っています。

■今米山さんが「強い」とおっしゃったように、アイドルとしてベテランが揃っているというメンバー構成がすごく強みだなと思います。このメンバーであることを知った最初の印象などはどうでしたか?

岡田 私はなんとも思っていなかったかも。(笑) みんながそれぞれどういう経歴とか年齢とかも知らなくて。でも今は知っていくにつれてもっと知りたくなっているので、今も研究中です。みんなはどうだった?

鈴木 私は岡田彩花ちゃんと愛迫みゆちゃんと林あやのちゃんしか分からなかったんですけど、彩花ちゃんは長く一緒のグループで活動していたから安心感はあって。彩花ちゃんがいなかったらやっていなかったかもしれないっていうくらいですね。あとは最初から決めていたのは、絶対に仲のいいグループがいいなと思って。楽しい雰囲気があって、見ていてこっちも楽しくなるみたいなのがいいなと思ったので、最初からぐいぐいいってみんなと話しましたね。

鈴木 プロデューサーさんが新メンバーを探しているって言っていた時も、この2人ならそういう意味でも大丈夫だっていう。

石田 え、私大丈夫だった?

鈴木 はるきゃんは大丈夫だと思ったよ。まぁその、準備が遅いっていうのはあるけど。(笑) それ以外は協調性もあると思うし、可愛がられると思うし。今はすごくみんなと仲良くなれて幸せです。

小島 私は最初、「このメンバーの中に入れるんだ」みたいな感じで。「人見知りなので上手く話せるかな?」って思ったんですけど、まりやんぬがめちゃくちゃ社交性が高いので、すごい話しかけてくれて、すごくいじってくれたりもして。私から見ると年上のメンバーとか先輩がいっぱいいるグループなんですけど、前のグループでも妹担当だったので、性格的には合っていて、すごい居心地がいいです。

米山 私も入るってなった時、ちょっと怖かったんですよね。先輩しかいらっしゃらないので、そんな中で拾っていただいて。しかも一番最初にダンスレッスンをみんなでしていたんですけど、入るかもしれないっていう段階で、「ダンスの先生をやって欲しい」って言われて。(笑) もちろん初対面のメンバーもいたし、本当に事務所の先輩もいて、すごいビビりながらやりましたね。(笑) みんなも私のことをあまり誰か分かっていない状態でダンスを教えてもらうっていう不思議な状況になって。(笑) でも先輩が多いからこそ、自分も必死についていこうとか思えますし、本当にめちゃくちゃ場数を踏んでいらっしゃる方たちなので、「どうやったら自分の存在意義を作れるかな」とか、いろいろ考えながら、若干怯えながらっていう感じでした。

 SAISONは絶対的に信頼を置いている愛迫みゆちゃんがいて、みゆちゃんとは兼任している虹色の飛行少女っていうグループでも一緒に活動していたし、10何年前の時も一緒で、私のアイドルをしている歴史の中でほとんどずっと一緒だったので、すごく安心しています。他のみんなも元々お友達だったり、同期だったり、初めてのメンバーもすぐに仲良くなれたし、加入してくれた2人も元々一方的にすごい好きな先輩たちだったので、今すごく幸せです。

廣島 私は人見知り自体を全くしないので、初対面で話せなかったメンバーが1人もいなくて。逆に、私が話しかけすぎて距離感がおかしい感じを受け入れてくれる「優しい人たちばかりだな」って思いましたね。あとは、いい具合にみんな気が強い。ちゃんと自分を持っているなっていうメンバーしかいないので、「こんなに魅力的な人間性の人たちが集まるすごいグループがあるんだ」っていうすごさを感じています。

石田 加入する時に、みんなのことを調べようと思ったら、自分が結構歳上の位置というのに気づいて、先輩なのに後輩っていう立場で加入する気まずさはあったし、ほとんど直属の後輩たちばかりだったので、「気を遣われちゃったりするのかな?」とか「馴染めなかったりするかな?」って思ったんですけど、みんなフランクに接してくれて、すごく楽しいです。