世界中のみんなを笑顔にして幸せにしたい。
佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなる5人組のダンスボーカルグループ、M!LKがメジャー1stアルバム『Jewel』をリリース。<M!LKを彩るすべての“宝石”>をテーマにした本作には、メジャーデビュー曲“Ribbon”や、オリコン週間シングルランキングで1位を獲得した2ndシングル“奇跡が空に恋を響かせた”といった既発曲に加えて、メンバー5人がプロデュースした応援ソング“ジブンエール”や、彼らと同じくEBiDANに所属し、同期フォークデュオ・さくらしめじにとって初めての楽曲提供となる“コトノハ”などの新曲7曲を収録。それぞれテーマを掲げて制作したという新曲の話を中心に、キャリア初のアリーナワンマンライブとなる横浜アリーナ公演に向けた意気込みを訊いた。
■アルバム用に制作された新曲にはそれぞれしっかりとしたテーマも設けられたそうですね。
オープニングを飾る“Aiシャンデリア”はどんなテーマで作ったんですか?
塩﨑 「ライブ」ですね。次の横アリの一発目にやるわけではないんですけど、このアルバムの中では確かに「ライブ」が始まるような、今までにないファンタジーな曲になっていて。
山中 「M!LKの世界へようこそ!」みたいな感じですかね。
吉田 僕らとの冒険というか、パーティーやパレードが始まりそうなワクワク感を詰め込んだ曲です。アルバムの幕開けにふさわしい、まさに始まりの曲。なんか、かわいいっすよね、M!LKらしさもありつつ。(佐野)勇斗が好きな曲でもあります。
佐野 メロディが好きです!
山中 あははは。意外とM!LKになかった曲調だけど、M!LKに似合うなって思いますね。
曽野 うん。M!LKのライブはテーマパークみたいに楽しんで欲しいっていう思いもあったので、それを体現できている曲ではあるかなと思います。
■このまま新曲のテーマについてお伺いできますか?2曲目“topaz”はリード曲になっていますね。
吉田 メジャーデビュー曲“Ribbon”から“HIKARI”、“STARS”と、王子様っぽい感じが多かったじゃないですか。 “topaz”はその集大成で、テーマは「王子様」。この1年半を王子様として見ていただくために走り抜けたからこそ歌える曲かなって思います。幸せ感もあるし、ちょっと頼りがいもあるし、成長したM!LKだからこそ歌える曲だなって思いました。
佐野 しかも、「トパーズ(topaz)」はM!LKが結成した11月の誕生石らしくて。
曽野 そう。身につけるだけで力を与えてくれる宝石で、自分だけでなく周囲にも希望の光を与える、「希望の石」って言われているみたいですね。“HIKARI”や“STARS”にも通じるし、このアルバムにピッタリだし、宝石の名前でまさにリード曲っぽい曲です。これからライブを通してみんなと一緒に磨いていって、より綺麗な宝石にしていくような曲になるんじゃないかなと思います。
佐野 うんうん。ファンのみなさんへの感謝を込めつつ、「一緒に頑張ってこう」みたいな気持ちで歌っていました。
■アルバムを通して、ファンのみんなへ向けたメッセージを感じますよね。
吉田 ようやく外を向けた感はあるかな。
塩﨑 そうだね。自分たちが意識的に作ったっていうわけじゃないですけど、歌っていても違和感がないというか。年齢もそうですけど、似合うようになってきたのかなっていうのは思いますね。「コーヒーが飲めません」の頃にこういう曲を歌っていても刺さらないし、今だからこそ響くのかなって思います。
山中 “Ribbon”からは外向きになったけど、それまでは自分たちのことを歌っていた曲が多かったんですよ。それこそ吉田さんが言った集大成じゃないですけど、やっとこういう曲を胸張って歌えるようになったんだなって。僕らっぽい、僕らに似合う曲になってきたなっていうのを感じています。
■数多くのライブを重ねてきているからこそ、「君」=観客に向けて歌われているように自然に感じますね。
山中 確かにそれはあると思います。
吉田 これは歌っていて、ずっと楽しかったですね。歌詞がすごく幸せだから。
佐野 大切な人を守るっていう気持ちを込めて歌っていたかな。
曽野 そうだね。この曲は歌詞の意味をよく考えながら歌った気がします。
塩﨑 僕もそうですね。この曲に限らず、いつも気持ちを込めて歌っているんですけど、この曲は幸せな歌詞だから、笑っている時の喉で歌っていて。
山中 「笑顔の魔法」とか、すごい幸せだよね。
塩﨑そう。これは「笑っているのかな?」「歌っているのかどっちかな?」くらいの。
山中 いや、歌っているだろ。(笑)
吉田 そんなに爆笑してんの?
塩﨑 そんな感じで歌っているので、僕の笑顔を思い浮かべながら聴いてください。
■そして“ジブンエール”は、メンバープロデュース曲ですよね?
吉田 さようでございます。これは最初にメンバープロデュース曲を入れるっていうのだけが決まっていたんです。「どういう曲を作りたいか」から話し合って、メンバーで選曲して、作詞も全部自分たちでやって。「作詞も全部やってみな」みたいな感じで始まった中での曲作りでした。太智と勇斗が「メンバーが歌う応援歌を作りたい」って言って。
塩﨑 テーマは「エール」ですね。
佐野 「M!LKは自分たちを応援している曲はあるけど、お客さんを幸せにしたいって言っときながら、みなさんを応援している曲がないよね……」って話していて。
塩﨑 僕自身、自分たちのことを歌っている曲よりは、応援されている曲の方が日常的に聴きたくなるんですよ。しかも、他の人の言葉じゃなく、自分たちの言葉で応援できるっていうのが、またいいなと思って。そういう思いで「応援歌を作りたい」っていう意見を出しました。
吉田 そこから曲をいっぱい集めて。“Ribbon”のカップリングに入っていた“夢路”は作詞だけだったので、プロデュースまでやったのは初めてですね。
山中 曲を決めるところも結構時間がかかって。みんなで夜に集まって、2、3時間かけて、最終の候補に残った15〜16 曲を聴いて、その中から選んでいって。結構意見も割れたりしたんですけど、最後は「一番手を振りたくなる曲」というのを重視して選びました。
曽野 結局、みんなこれがいいってなって。
山中 その後で歌詞をみんなに募って、僕と(曽野)舜太と吉田さんの3人でまとめる作業をして。言いたいことは決まっていたので、“夢路”よりスムーズにいった気がします。
吉田 (塩﨑)太智の歌詞が結構キーポイントで、たくさん使わせてもらって。
塩﨑 ありがとうございます。たくさん採用していただいて。(笑)
山中 「ちょちょちょもーいっちょ」もふざけたバージョンとして送ってきて、それも採用しました。(笑)
塩﨑 ふざけたというよりは、あるアーティストさんが「曲を聴いた時に12分で作る」っていう話を聞いて。僕も1回、客観的に聴いて「脳みその中でこう聴こえただろう」っていうのをバーって書いて、グループのチャットに送ったんですよ。そうしたら、山中さんに「いいじゃない」って言っていただいて採用になった感じですかね。本当に自分が耳で聴こえてきたフレーズです。
山中 「さけべ、自分だけのエール」も(塩﨑)太ちゃん。
曽野 ここから“ジブンエール”ができたんだよね。
吉田 ライブで「yey yeah!!!!!」って一緒に叫べるし、クラップもしたくなるし、手も振れるし、叩けるし。何気なく聴くとキャッチーで明るい曲だけど、ちゃんと読み込んでいくと、日常にあるようなことをいっぱい入れていて。ただ背中を押すだけじゃなく、「寄り添って一緒に上がっていく」っていうコンセプトがあるので、これからいっぱい歌いたいですね。みんなに浸透させていきたい。
塩﨑 うん。ここから定番曲になってくると思います。このイントロが流れた瞬間に盛り上がっちゃうくらいの曲にしたいです。
■続く“labyrinth”のテーマは?
曽野 「ダンス」ですね。ラテン系の曲。
吉田 怪しげでカッコいい情熱的な恋系の歌って、意外とないよね。“きみしら(君の知らない世界へ)”が多少該当するのかな……。こんなに大人っぽいのは今までなかなかやってこなかったので、なんか大人になったなってちょっと感じました。
曽野 “MAGIC CARPET”のもっと情熱的な愛を持っている系かな。BLACK M!LK系の曲なので、バチって決める“May”とか、そういう系の曲に並ぶものになっていくんじゃないかなと思っています。
山中 歌詞は片想いなんだよね。振り回されているのを楽しんでいる男。「優しい嘘」っていうのが最初にテーマとしてあって。相手が優しい嘘をついていて、それに騙されているというか、沼ってる男みたいな。ちゃんと読むとすごく面白い歌詞ですね。
佐野 M!LKらしくない曲で、今の時点では結構好きですね。ダンス曲なので振り付けによってはまた好き嫌いが別れそうな感じですけど。(笑)
塩﨑 まぁ、俺の良さは活きちゃうけどね。
吉田 どこら辺に?
山中 どこで?
塩﨑 いやいや、がっつき系の曲は(吉田)よっしーが上手かったりするんですけど、俺も意外とこういう曲上手かったりして。カッコよく魅せられる自信があります!想像の時点でもういけるかな。
吉田 それでいうと、僕ももういける。
佐野 僕は……まだいけないですね。
■(笑) “Break it down”はブギーファンクになっていますね。
吉田「夢」がテーマです。僕らと同じように夢を追いかけている人に対して、「着いておいでよ、一緒に頑張っていこうぜ」っていう曲なんですけど、ダンサブルでラップが多めになっていて。これもまた、M!LKが今まであんまりやったことがない感じ。カッコいいよな!ずっと聴いていられますね。
佐野 僕も結構好きっすね。ラップもありつつアイドル感もあるし。それこそ今のM!LKの年齢になったからこそできる曲だなと思うので、ライブも楽しみですね。
曽野 これも“labyrinth”と同じく、RUSH EYEさんという方が作曲してくれていて。英語も多いんですけど、英語を使う時って、やっぱりカッコつける時というか、ちょっといかつくて、バチッといく時のM!LKだと思います。あと、ショウの始まりという感じもあるので、ライブだったら幕間映像を挟んで、次のブロックの最初に来る曲だと思います。