シクラメン VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

悩みって年齢に関係なくあるもの。そういう人たちの心の支えになってくれたら。

レコード会社をrock fieldへと移籍し、新たな環境の中で5月12日に最新アルバム『スダコ3』をリリースするシクラメン。今作も笑って泣ける楽曲たちがアルバムに並んだ。バラエティーに富んだシクラメンらしい作品となっている。環境が変わっての心境面も含め、アルバムに収録した曲について、DEppa、肉だんご、電球の3人が込めた想いを、ここに赤裸々に語ってもらった。

■rock fieldへ移籍したのは、嬉しい意外性でした。

DEppa 前作のアルバム『スダコ2』は、以前のメーカーから独立し、自分たちですべての環境を立ち上げてのリリースでした。その形で一年半ほど動いてきましたが、今年はメジャーデビュー15周年を迎えるので、また新たな動きを作ろうと模索していたところ、とあるご縁からrock fieldの社長さんとお会いしました。社長さんからは、「僕はこういうグループを手がけたかったんだ。ぜひ一緒にやりましょう。そして、日本武道館を目指しましょう!」と、熱い誘いの声をいただきました。僕らもその心意気に惚れ、「ぜひ一緒にやりたいです!」と返事をして、今回の流れが生まれました。今年の2月頃からリリース時期まで、毎週末に各地で多くのインストアイベントやフリーライブを行っています。自分らもやりたかった活動の一つだったから、今は本当にいい出会いになったなと実感することばかりです。

■今のシクラメンのファン層は、40代のみなさんと近い世代の方が多いのでしょうか?楽曲を聴いていると、同世代の方々にとくに刺さりやすい曲を多く歌っていると感じるんです。

DEppa 以前は20代が中心でしたけど、僕らと一緒に年齢を重ねながら歩んでくれる人たちも多いからか、今は30代から50代の方々が中心ですね。もちろん若い子たちもいますけど。

肉だんご それでも俺らと一緒に年齢を重ねてきた人たちが中心にはなっていますからね。

DEppa 僕らの伝えること自体が、自分らと世代的に近く、いろんなものを背負いながら頑張っている人たちの心の力になりたいという思いがあって。だからこそ、そこに共感してくれる人たちが自然に増えていくし、そういう人たちにこそ、歌が響いているなと感じています。

■肉だんごさんも昨年40代に突入したように、今やメンバーも全員40代ですもんね。

肉だんご 僕も今年で41歳になります。何よりも嬉しいのが、この歳までこうやって音楽活動ができていることなんですよ。自分は20歳の頃に音楽活動を始めたんですけど、あれから20年以上、シクラメンとして数えたら、結成から18年経った今でも音楽活動ができていることが本当にありがたいことなんです。

DEppa 長く活動を続けていると、同じ活動をしてきた仲間たちも、音楽とは異なる道へと進んだり、同じ音楽の世界でも裏方にまわる人も増えていく中、僕らはまだ現役で活動ができているので。ただ、僕らが憧れていた、ゆずさんやケツメイシさんなど、50代になってもバリバリ元気な方々が上には多くいるから、僕らもまだまだの立場ですけどね。(笑)

肉だんご みなさん50代になっても、まだまだ第一線で活躍していますから。

DEppa 50代になっても、アリーナのような大きなステージを走りまわっているんですから、そういう姿を見たら「負けてられない!」じゃないけど、「まだまだ頑張ろう!」という気になりますよね。

電球 自分らも「まだまだいける!」という目標にもなりますし。

■みなさんは見た目もそうだし、気持ちだってめちゃめちゃ若いじゃないですか。

DEppa 僕らが若い頃に想像していた40代って、本当に「おっさん」という姿でしたけど、Mr.Childrenの桜井さんは、もう50代なのに、まだ「お兄さん」じゃないですか。今はそういう人たちも多い世の中ですからね。僕らも相変わらず精神年齢は低いままですけど、見た目の面でも、同世代の一般職の方々と比べたら全然若く見られます。40代になった気がしないのはそれもあるんでしょうね。(笑) しかも、人前に出る仕事をしているから、気持ちの面でも老けないというか。

電球 確かに同世代の人たちよりも、間違いなく多く化粧水は塗っています。(笑)

DEppa こうやって若くいられるのも、同世代の人たちとの苦労の違いが大きいのかもしれません。(笑) もちろん僕らもいろんな苦労はしてきたけど、一般職の方たちと比べたら、苦労の種類や度合いが全然違うなと、いろんな人と話をしていて感じるんですよ。だからこそ、そういう人たちを応援したくなるんでしょうね。

■シクラメンとして18年間コンスタントに活動を続けていることだってすごいというか、なかなか真似できないことですよ。

DEppa 同じ活動をしているアーティストの先輩方にも、「長く活動を続けられていること自体がすごいんだから、もっと自信を持てよ!」とか、「メジャーデビューして15年やれているのがすごいことなんだから頑張れよ!」と言っていただけますけど、そう言ってくださる先輩方が、僕らよりも長く活動をしているし、頑張っているので、まだまだ弱音なんて吐いていられないですよね。(笑)

電球 「何年間続ける」など、年数を目標にしていたら、また考え方は違っていたのかもしれないけど、「こういう曲を作りたい」、「こういう展開を作りたいから、今はこういう動きをしていこう」など、そういうことを日々のモチベーションにして走ってきたら、気づいたらグループ活動も18年経っていた、というのが正直な気持ちです。

DEppa 昔、売れている先輩に「10年やったら一流だ」と言われたことがあって。「俺らも10年間は続けよう」という意識を、3年目か5年目頃までは持っていたけど、気づいたらそんな意識もなくなっていたし、10年経っても一流になれないどころか、今でもずっと模索し続けています。アルバムに収録した“「未完成”で歌ったように、一生完成することはないんだろうけど、40代になって、新たな環境を手にしたり、新しい目標も見えてきたように、もしかしたら全員が50代に入ったとしても、また新たな目標や環境が見えてくるものなのかもしれないですね。そういうのを楽しみにしながら活動していけるのも、なんかいいなと思います。

電球 “四十路ランナウェイ”には、そういう想いも詰め込んでいますから。

DEppa 五十路に向けてな。(笑)

肉だんご “四十路ランナウェイ”は、まさに今の僕たちだからこそ歌える曲になりました。

■歌詞の一節のように、「夢と湿布を貼り替えて誇らしく生きて」いかなきゃですからね。

肉だんご 40代に入ってからよく肉離れするようになって……。気持ちとは裏腹に、ほんと身体がついていかないからさ。(笑)

DEppa 同世代が集まると、身体の不調など健康の話にもなるんだけど、よく「若い人たちはいいな」と、重ねた年齢をマイナスやネガティブな要素に捉える人たちがいるけど、むしろ僕らは「湿布を貼り替えながらでもいい、もっと胸張って生きていこう」と言いたいんですよ。もちろん若さの特権もあるんだけど、いろんな経験をしてきたからこそ、この世代にしかわからないこともいっぱいあるし、40代だからこそ輝かせられることもいろいろとある。それを実感しているからこそ、ちょっと皮肉交じりの歌詞にしながらも、そこはポジティブなメッセージにしていきたいなと思っていて。

■「夜ふかしは『無理』じゃなくて『危険』なんです」の歌詞も、すごく実感を覚えます。

DEppa 夜更かしは無理じゃない。今だって朝まで楽しめるよ。ただ、次の日が危険。(笑) その後は絶対に身体にしわ寄せがくるから……。(笑)

肉だんご ライブ活動もそう。今は週末を中心に組んでいるけど、週末に目一杯ライブを楽しむと、気持ちはずっとハイなんだけど、身体の疲れが平日ずっと取れない時もあります。気持ちと違って、身体は正直なんです。(笑)

■ライブといえば、6月から『シクラツアー2026夏 ニッポン列島ウルトラ感謝祭!!15年分のありがとうを届けまツアー!!』が始まり、9月まで30本続きますね。今の時代、ここまで全国各地をくまなく回れる人たちって少ないから、改めてシクラメンの支持の高さを、その数を通しても実感しました。

DEppa 本当にありがたいことに、いろんな地域に足を運んでも、僕らを長く応援してくれている人たちが今も集まってくれるんです。それが嬉しいし、ありがたいですよね。まして今年は、デビュー15周年の感謝の気持ちを持って各地を回る気持ちでいます。本当なら47都道府県ツアーをやりたかったけど、いろいろあって、そこまでは日程を組めなかったんですけど、それでも全国30ヶ所を回れるのは、本当にありがたいことですよ。

■12月27日には、地元の大田区にある「大田区アプリコ大ホール」で無料ワンマン公演もやるんですね。

DEppa 僕と肉だんごは蒲田出身で、今もずっと蒲田に住み続けているんです。だからこそ、シクラメンは大田区で一番有名なグループになりたいんですけどね……。

肉だんご 大田区にはレジェンドが多いんですよ!

DEppa それこそラッツ&スターの鈴木雅之さんは、「俺は大森八中出身だから」と、いまだに言われていますからね。僕らや兄弟は、その隣の中学校の出身なんですけど。(笑) 先輩方の壁を超えるのはなかなか難しいです。僕らにとっては、地元のホールで、しかも無料でライブをやるのは昔からの夢だったことで。しかも今年は、メジャーデビュー15周年だからこそ、そのお祝いも兼ねて、地元でど派手にやりたかったんですよ。今回は大田区の職員の方々からも「無料公演なら、大田区としてもご協力できることはやりたいので、同じ大田区民として一緒に頑張りましょう」と言ってもらえました。会場は1500人キャパにはなりますけど、この日は15周年のファイナルを盛大にお祝いしたいから、今からいろいろと計画しています。                                            

■みなさん地元・蒲田愛がめちゃめちゃ強いですよね。

肉だんご 蒲田で生まれ育ってきたので、蒲田で家庭を築いたように、もはや蒲田から出る気は一切ないので。

電球 僕もシクラメンを結成してから18年間、ずっと蒲田に通い続けているくらい大好きですから。

肉だんご そのくせに、いまだにカーナビを使って蒲田に来るけどな。(笑)

■地元・蒲田を題材にした“kamataッ子”シリーズも、今回で第8弾になりますね。

DEppa 最初の頃は、蒲田のガイドマップになるくらい、いろんな細かい地元ネタまで書いていたんですけど、さすがに8弾目までくると、ネタが追いつかなくなってきたので、たまにわざわざ調べにも行きますからね。(笑) だけど、それくらい蒲田愛も大田区愛も強いから、このシリーズはネタが続く限り続けたいなと思っています。ただし、僕らはこんなにも蒲田を愛しているのに、普通に地元を歩いていても、誰も声をかけてくれないんです……。むしろ、地方に行った時の方が声をかけてもらえるという。(笑)

肉だんご 僕の息子が通っている保育園の園長先生が、昔シクラメンのライブに通っていた方で、そういう場所で再会して、また繋がりができたのは個人的に嬉しかったけど。(笑)