シクラメン VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■「60億分の1で僕を見つけてくれてありがとう」と歌っている“君がいるだけで”は、奥さんに向けて書いた曲ですか?

DEppa もちろん仲間に向けても歌っていますけど、僕も肉だんごも、家族の存在が、自分が頑張れる一番の原動力になっているので。自分らと同じ気持ちを持って、仕事を頑張っている人は、きっと世の中にたくさんいると思います。そういう人たちが“君がいるだけで”を聴いて、「守るべき存在を大切にしなきゃ」と思ってくれたら嬉しいです。僕も肉だんごもそう、60億分の1の確率で(奥さんが自分を)見つけてくれたなんて、まさに奇跡じゃないですか。まして肉だんごは子供が3人いる。自分の子供もそうだけど、肉だんごのもとに3人も生まれて、奥さんと出逢ったことだって奇蹟みたいなことだから。そういう大切にしたい家族や仲間のことを歌にしています。ただ、スタッフから「この曲はマリッジソングにも聴こえる」と言われた時は、確かにそうも捉えられるなと思ったので、ぜひ結婚式でも使ってください。(笑)

■MVも制作した、アルバムのリード曲“仲間〜いつまでもずっと〜”こそ、大切な仲間たちのことを歌にしています。昔からの仲間って、離れていた期間がたとえどんなに長くても、会うと一瞬で昔の関係に戻れますよね。年齢を重ねると、それぞれに仕事や家庭を通して背負うものもあるから、実はいろんな悩みや苦労もあるんだろうけど、でも会うとそんなことも忘れて少年や少女に戻れる。みなさんも地元の仲間に会うと、そういう関係になるからこそ、この曲ができたんだと思います。それぞれに今、背負っている思いをぶつけあうこともあるのでしょうか?

DEppa 昔からの仲間が集まっても、あんまりそういう話はしないですね。そういう日頃の悩みやストレスを受け止める機会は、ライブを通してお客さんたちと触れ合った時の方が多いなと感じます。みんなきっと日頃の悩みやストレスをいっぱい背負った上でライブに来てくれて、シクラメンの曲を聴いて、自分の気持ちを素直に解放できるからなのか、超盛り上がる曲でも、ボロボロと泣きながら楽しんでくれている人たちも結構多いんです。実際にシクラメンの楽曲を日頃の生活を乗り切る糧や生きる力にしている思いも耳にします。僕らもそういう人たちに支えられながら活動を続けているので、そういう仲間たちに支えられているという気持ちを伝えたくて書いたのが、この“仲間〜いつまでもずっと〜”なんです。僕らの場合、日頃の悩みを打ち明けなくなったのには、家族単位で仲間たちと集まることが増えたのもあるんだろうね。奥さんや、奥さんの友達がいる前で、「うちの嫁はさ」とグチなんか言えないじゃない。(笑) それに子供らも一緒だから、子供の相談をするにしても小声になったりしてさ……。

■まぁ、そういうものですからね。(笑)

DEppa この間、家族仲間で会った時の話だけど、小学校の時は楽しく学校生活を送っていた子が、中学に入ってすぐ「学校に行きたくない」と言い出したという相談もあって、本人も交えて食事会をしました。その時、本人に「俺とお前は年齢的に30個は離れているけど、同じ仲間だからさ」と言って、“仲間〜いつまでもずっと〜”を聴かせたんだけど、それ以来ずっとこの曲を聴いて励みにしてくれているみたいでさ。悩みって年齢に関係なくあることだし、“仲間〜いつまでもずっと〜”が、そういう人たちの心の支えになってくれていたら、そんなに嬉しいことはないからね。

■“ラムネ”では、少年や少女時代の姿も歌にしていますね。

DEppa この曲を聴く度に、自分たちでも、がむしゃらに毎日を過ごしていた少年時代のことを思い出してエモい気持ちになってしまうんです。疾走感のある曲だから、それこそ夏のドライブのお共にしながら、この曲を聴いてエモい気持ちになってくれたら嬉しいですね。

■“Dreamer”は、女子サッカー・プレナスなでしこリーグに所属する、バニーズ群馬FCホワイトスターの応援ソングです。まさにフィールドで駆け回る姿が見えてくるような、胸を熱くする楽曲ですね。

DEppa これまでもジュビロ磐田の応援ソングを手がけてきたんですけど、女子サッカーリーグの曲を手がけたのは今回が初めてになります。このお話をいただいて、3人で試合を観に行ったんですけど、みんな小さい身体なのに、めちゃめちゃフィジカルな動きを見せていたんです。その姿にすっかり感動したので、その思いを歌に詰め込みました。

■“チョチョニーニョ”は、ラテン系のリズムを軸に据えた、めちゃめちゃ情熱的なラブソングじゃないですか?!

DEppa ラブソングにも聴こえますけど、この曲は僕と肉だんごの子供に向けての思いを曲にしているんです。ポルトガル語でチョチョは罪深き、ニーニョは子供のこと。どんだけやんちゃしようと、どこまでも深く愛しているからこそ、何をやっても許せてしまう。そういう子供に向けた歌だけど、ライブでやっていると、みんなリズムに乗って騒いでいるから、歌詞までは気が回っていなさそうだから、リリースになって歌詞を読んだ時にどんな反応をしてくれるのか、そこも楽しみですね。

■電球さんは、「未完成推しだと聞きました。

電球 僕はまるでサグラダ・ファミリアのように、いくつになってもいつまでも未完成でいることを歌詞に詰め込んだ、このメッセージが好きなんですよ。“「未完成”の前に入れた、インスト曲の“すぐに行くから -skit-”も、もともとインスト曲を入れるつもりで作った曲だったけど、結果的に“「未完成”に繋がる曲に仕上げて並べました。

■シクラメンにとって、“つかみきっく☆快晴 -skit-”のような遊び心満載の曲も大切な要素ですよね?

肉だんご あれを曲と言っていただけるだけで、僕らはめちゃめちゃ嬉しいです。むしろ、今までそういう遊び要素に取材で触れられたことがなかったから、触れてもらえただけでありがたいです。(笑)

DEppa シクラメンとして昔から心がけてきたのが「緊張と緩和」なんです。どんなにふざけたことをやっていても、曲がしっかりしていれば、人の心には響いていく。そこはずっと大事にしてきたことなので。

■改めて、完成した『スダコ3』についての思いを聞かせてください。

DEppa 今回のアルバムを作る上で大きかった変化は、メンバーやレコーディングチーム内だけのやりとりで作り上げたのではなく、デモ音源の制作時から、スタッフチームやレコード会社の方々にまで参加していただいて作ったことなんです。デモ音源も、ひと通り出来上がった形だけではなく、1番からサビまでのテイクの時点で、チームのみんなに聴いてもらい、そこで「この曲はライブではこうなりそうだね」など、いろんな思いや感想を聞かせていただき、それを受け止めた上で完成させていきました。まさに仲間とワンチームになって1曲1曲を作り上げ、それを1枚にまとめあげたのが、この『スダコ3』なんです。アルバムのリード曲をどうするかについても、“仲間〜いつまでもずっと〜”と“「未完成”の2曲がずっと候補に上がっていましたけど、どちらをリード曲にするかで、レコード会社の方や、MVを制作するチームの方たちにも参加してもらったし、友達や家族にも聴いてもらって、みんなで意見を出し合って決めました。まさに仲間と一緒に作りあげたのが、今回のアルバムです。1曲どころか、1フレーズ、歌詞のひと言まで、今までで一番いろんな人の思いが詰まっているのがこの作品です。だからこそ思いはひとしおなんです。メジャーデビューから数えて今年で15周年ですが、15年目にして、こんなにも幸せな気持ちでアルバムを作り上げられたことが嬉しかったし、今までにないくらい、いろんな人の思いが詰まった作品になりました。だからこそ、みんなにも聴いてほしい気持ちが強いんです。

肉だんご 本当に信頼のおける仲間たちと一緒に、その仲間たちが力を貸してくれて出来上がったアルバムだからこそ、今度は僕らが仲間たちにいい景色を見せてあげる番だなと思っています。

DEppa しかも今の時代、「配信以外やらねぇよ」じゃなくて、「僕らフィジカルで出したいです」と言ったら、「そんなの当然でしょ。CD盤を広めましょうよ!」と言ってくださったレコード会社の方々の気持ちと心意気も本当に嬉しかったです。その気持ちや愛が強かったからなのか、完成したCD盤を開いて、CD本体を取り出したら、「えっ、これなの?!」というくらい、ひどいものが隠されていましたからね。(笑) これは配信じゃ絶対に伝えられないことなので、とにかく(良い意味で)「ひどい」ので、ぜひ手に取って、何がひどいのかを確かめてみてほしいです。(笑)

肉だんご&電球 これは本当にひどい……。(笑)

Interview & Text:長澤智典

PROFILE
東京都大田区蒲田出身の3MC(DEppa、肉だんご、電球)で結成されたポップ・グループ。子供から大人まで幅広い世代に響くストレートな歌詞とポップな楽曲でリスナーを魅了している。聴けば聴くほど味が出る「スルメサウンド」をテーマに、ストレートな歌詞と心のど真ん中に届くメロディーを歌う。笑いあり涙ありのライブは老若男女問わず、暖かい一体感を生み出している。
https://shikuratown.bitfan.id/

RELEASE
『スダコ3』

通常盤(CD)
QARF-69317
¥2,250(tax in)

rockfield
5月12日 ON SALE