清水美依紗 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

素敵なアニメと一緒に聴いてもらって、ほっこり温かい気持ちになってもらえたら。

清水美依紗が8th Digital Single『Wave』を7月2日に配信リリース。今作は2024年7月より放送のアニメ「僕の妻は感情がない。」のエンディングテーマとなっていて、清水美依紗自身が作詞・作曲にも参加したという、彼女らしいハートフルソングとなっている。
今回は初のアニメタイアップとなった今作の制作についてや、タイで撮影されたというミュージックビデオ撮影の裏話や、先日行われた初のSolo Tour『Cherish』の感想と、9月から開催されるSolo Tour『Roots』に向けての意気込みなど、いろいろと話を訊いた。

■VANITYMIXでのインタビュー取材は、メジャーデビューシングル『High Five』の時以来で、久しぶりの取材になりますが、清水さんが最近ハマっていることや、気になっていることを教えてください。

清水 最近はヨーグルトにハマっています。ブルガリアヨーグルトの低糖質のものと、あとはミュージカルの公演で大阪や兵庫に行った時に食べた、宝塚にある「たからづか牛乳」のヨーグルトがあって、それがめちゃくちゃトロトロしていて美味しかったんですよ。でもそれはお取り寄せができないので、公演などで関西に行った時にしか食べられないんです。でもヨーグルトにハマっているので、毎日のように食べています。

■先月は初のSolo Tour『Cherish』を開催されて、東京と大阪でライブをされていましたが、そちらでのライブはいかがでしたか?

清水 今回のツアーは東京公演が2DAYSで、5月7日・8日が続けてのライブだったので、自分にとっても新しいチャレンジでした。前回までのライブでは、その公演にすべてをかけて、エネルギーを出しきって、勢いでやり切るライブができたのですが、2日間続けてのライブとなると、1日目で燃え尽きてしまうわけにはいかないので、体力をある程度セーブすることも必要になるのが結構大変でした。でも体力は温存させつつも、最高にいいパフォーマンスをしないといけないというプレッシャーもあったので、声のメンテナンスを繊細にやりました。「この発声方法だったら、出し続けてもキツくない」とか、そういうのをすごく意識してライブに臨みました。自分の楽曲は割とどの曲もキーが高いので、高いパフォーマンスを維持しつつも、歌える体力を温存するのがすごくチャレンジでした。

■喉のケアとかも大変だったんじゃないですか?

清水 喉のケアは加湿器を炊いたりとか、寝る時にエアコンをつけないとか、そういう基本的なことはやっていますけど、喉のケアというよりも、発声の仕方や声帯の使い方を意識して、いま一度しっかりと向き合う時間になったので、これからも定期的にボイストレーニングに通いながら、毎日発声練習をして、その声帯の使い方を忘れないようにすることが大事ですね。

■やっぱり歌手の人に話を聞くと、声帯は筋肉だから毎日使っていないと固くなってしまったりするってよく聞きますもんね。

清水 そうです!まさにその通りです。

■なるほど。ちなみに東京でのライブと大阪でのライブの違いってなにかありましたか?

清水 セットリストは変わらなかったんですが、3日間とも衣装は全部変えました。それと今回のツアーは全部バンドの生演奏でのライブだったので、やっぱり日によってアレンジが少し変わったりとか、グルーブ感が違ったりとか、そういう変化はありました。お客さんの反応としては、大阪のお客さんの方がよく喋りかけてくれる人が多かったなという感じですかね。(笑) でも私は三重出身で方言もちょっと関西弁に近いので、とても親近感はありましたけどね。

■それから先日は『味の素スタジアム感謝デー』で、今作“Wave”の歌唱もされたようですが、そちらでのライブはいかがでしたか?

清水 私、味の素さんの商品が大好きでたくさん使わせてもらっていて、その時のMCでも話したんですけど、感謝デーに呼んでいただけてすごく光栄でした。やっぱり自分のライブの時とはまた違った雰囲気でしたが、感謝デーなので、日頃の感謝の気持ちも歌に込めながら歌唱させていただきました。“Wave”も自分のツアーでは歌っていたんですが、こうやって公のイベントでの披露は初だったのですごくドキドキしましたし、「僕妻(僕の妻は感情がない。)」のアニメのタイアップ発表後だったので、結構注目してもらっていたみたいでしたね。

■そこでも歌唱された“Wave”について、いろいろとお話を聞ければと思います。この曲はアニメ「僕の妻は感情がない。」のエンディングテーマとなっていますが、今回は初のアニメタイアップとのことですが、決まった時の感想はいかがでしたか?

清水 「よっしゃー!」という感じでした。(笑) やっぱり嬉しいですよね!自分の曲がアニメのエンディングで流れるなんて。タイアップなんてなかなか難しいことですし、いいご縁をいただいて感謝したいです。しかも今回は書き下ろしではなく、事前にあった楽曲なんですけど、この“Wave”の歌詞の意味と、「僕妻」アニメのコンセプトが本当にマッチしていてびっくりしたんです。それでタイアップが決まったなんて、とても嬉しいことだなと思いました。

■そうなんですね。書き下ろしではなく、元々あった楽曲だったんですね。

清水 そうなんです。全然違ったきっかけで作った曲だったんです。今回のタイアップが決まって、漫画を読んで、作品への理解度を深めてから書き直した箇所もあるんですけど、今回は元々できていた曲がタイアップで決まった形でした。

■清水さんは普段からアニメ作品を観たりするんですか?好きなアニメや影響を受けたアニメ作品はありますか?

清水 小さい頃からアニメはよく観ていましたよ。「ポケモン(ポケットモンスター)」とか、「エヴァンゲリオン」とか、「NARUTO -ナルト-」とか、「北斗の拳」も観ていましたし、この間、ミュージカルでも出演させてもらった「ジョジョ(ジョジョの奇妙な冒険)」も観ていました。

■どちらかというと男の子が観そうなアニメばかりですね。(笑)

清水 確かにそうですね。(笑) 私には双子の兄がいまして、いつも兄と一緒に観ていたので。(笑) 

■なるほど。清水さんと言えばDisney作品にも携わっていますが、Disneyアニメで一番好きなアニメはなんですか?

清水 「リトル・マーメイド」一択ですね。(笑) アリエルが大好きで、初めて観たDisneyアニメが「リトル・マーメイド」だったし、一番好きな曲も「パート・オブ・ユア・ワールド」ですしね。アリエルが人間の世界に憧れを抱いて、お父様の反対を押し切ってでも、自分の声をヴィランに売ってまでも、「人間の世界に行きたい」という強い想いが、歌手を目指していた頃の自分と重なる部分もありましたし、思い切った勇気みたいなものもアリエルからたくさんもらっていたと思うので、一番好きなのはやっぱり「リトル・マーメイド」ですね。

■一番初めに観たのが「リトル・マーメイド」で、それを超える作品は出てきていないんですね。

清水 そうなんです。想いが強すぎて。(笑) 「リメンバー・ミー」も好きです。「リメンバー・ミー」もとってもいいお話ですから。

■こちらも家族の反対を押し切って音楽をやるお話ですね。(笑)

清水 家族愛がとても良いんですよ。最後のおばあちゃんと歌うシーンが好きすぎて、何回観ても泣いちゃうんですよね。(笑)

■最近のアニメ作品は観ていないですか?

清水 最近は「SPY×FAMILY」とか、「推しの子」を観ました。本当に最近は面白いアニメが多いですし、「僕の妻は感情がない。」もめちゃくちゃ面白い作品なので、アニメ化されるってすごいことだし、ぜひみなさんにも観てもらいたいです。素晴らしい作品に“Wave”を通して携われるのが、とても嬉しいです。

■ちなみに「僕の妻は感情がない。」の原作漫画を読んでみた感想はいかがですか?

清水 「意外とコメディだな」という感想ですね。(笑) 普通のサラリーマンの男性が家事ロボットと結婚するという、すごくパンチの効いた話なんですけど、ロボットって感情がないように見えると思うんですけど、なぜか温かさを感じられるお話で、あんまり喋りすぎるとネタバレになっちゃうので内容は話せないんですでけど、暗すぎず、明るすぎず、ちょっとクスッとできるような日常を描いた作品なんです。SF要素は強めですけど。(笑)

■今作“Wave”は、清水さんご自身が作詞・作曲に参加されていますが、どのような形で制作されていった感じですか?実際にお会いして一緒に制作作業をしたのでしょうか?

清水 この楽曲が生まれたきっかけは、3rd Digital Singleの『Home』という曲の歌詞を、私の父が亡くなったのがきっかけで書いていたんですけど、歌詞を書いている時の自分の感情と向き合う葛藤だったりとか、「現実を受け入れたくない」という自分自身との向き合い方とか、そういったものを、“Home”とはまた別で書いていったのが“Wave”でした。その感情の起伏を「波(Wave)」に見立てて作っていった楽曲なんです。その“Home”の歌詞を書いていた時は、人生で一番ツライ時期で、まだ父が亡くなって日が浅かったのもあったんですけど、この“Home”では、父に向けた家族愛を書こうと思っていたんです。本当の自分の感情と向き合わなかったら、“Home”の歌詞は生まれていなかったですし、その時の自分自身の苦しかった想いを書いたのが“Wave”という楽曲になったので、この2曲は繋がっているような感じなんですよね。

■では、曲のベースは清水さんが作った感じなんですか?

清水 私が作った歌詞もあれば、一緒に意見を出し合いながら作った歌詞もあります。メロディに関しても、歌詞と同時に出てきたものもあれば、“Home”の制作の時に降りてきたメロディをMitsu.Jさんと、歌詞をお手伝いしてくれたChicaさんと一緒に対面でセッションしながら、ひとつづつ埋めていくというような作業でした。音もその場で作っていきました。

■なるほど。今作の作詞にあたって、なにか大切にしたモチーフなどはありますか?

清水 感情って絶対に無視できないじゃないですか。どう逃げたって向き合わないといけない瞬間ってあると思うんです。その時に、まずは自分自身の感情を受け入れて、その状況を受け入れるというのが大切だというのがモチーフになっているのかな。でもその瞬間に降りてきたものを紡いだ歌詞なので、特にそういったモチーフとかを意識せずにできたとは思うんですけどね。

■では「こういう曲を作ろう」と頭で考えながら作ったというよりも、その時の感情を素直に言葉にして紡いでいったという感じだったんですね。

清水 そうですね。最初は本当にメモでしたよ。(笑)

■実際にご自身が制作した曲を歌ってみていかがでしたか?

清水 今までは誰かに作曲してもらった歌を歌うことが多かったんですが、今回はメロディも自分で考えて作った部分が多かった曲なので、やはり歌いやすかったです。技術的な部分ではないんですけど、シンプルに自分がいつも喋っているトーンを入れられたというか、自分自身が作っているからこそ、すごく自然な歌唱ができた気がしました。

■逆にレコーディングで気をつけたことや、苦労したことなどはありましたか?

清水 そうですね。同じメロディが繰り返されるので、展開として大きな変化があるわけではないんですけど、同じメロディが続く分、歌詞がより引き立つというか、説明台詞のように、あえて自分の感情を決めずに歌うというか、起きていることをただ説明するように歌うことで、聴いている人たちが自由な受け取り方ができるように心掛けました。

■今作の制作に参加してみて、今後もご自身での作曲や制作活動は積極的にやっていきたいですか?

清水 そうですね。これからもたくさん曲を作りたいですし、作詞もしていきたいです。先ほども言ったように、普段はあまりおしゃべりが得意ではないので、言語化という部分でもまだ発展途上だと思いますが、やっぱりひとつの作品ができあがった時の達成感だったり、「自分がこういう事を思っているんだ」というのを、あらためて認識したりもするので、自分自身の足りない部分が満たされていく感覚にも近いものがあったので、これからもぜひ作っていきたいです。感じたものすべてを。(笑)