「君は今日どうする?」──私立恵比寿中学が歌う“一緒にがんばる”4年ぶりのニューシングル。
私立恵比寿中学が14枚目のニューシングル『kyo-do?』を5月3日にリリースする。結成15年目を迎え、2022年10月には桜井えま、仲村悠菜を加えて10人体制となったエビ中。新曲はタイトルの“kyo-do?”に「今日どう?」「共同」「共闘」「郷土」などをかけた、1日の始まりにぴったりなポップで爽やかな1曲となっている。今回は真山りか、小林歌穂、小久保柚乃、風見和香の4人にインタビュー。何気ない質問の答えにジェネレーションギャップが滲み出し、笑いの絶えない取材となった。
■私立恵比寿中学(以下、エビ中)のみなさんはこの1年もイベントにライブに大忙しだったと思うのですが、一番大変だった1日はいつでしたか?
風見 新体制ライブに向けてのレッスンの日は、朝早くからメイクした状態でアー写を撮って、その後バンドリハに行って、さらにレッスンもあったので、朝から夜まで車でいろんな場所に移動したので、今思ってもすごく大変な1日でした。
小久保 私は新体制でのライブの日が大変でした。前日が柏木ひなたちゃんの卒業式だったんですけど、それからフォーメーションや歌割りも全て変わったので、前日終わった瞬間から次の日にかけては頭を切り替える必要があり、その日が一番大変だったかなと思います。
小林 私は二十歳過ぎてから前日の記憶がない日々を送っているからなぁ……。
真山 確かに!それ(前日の記憶がないこと)が普通になっちゃっています。(笑)
■風見さんと小久保さんが不思議そうな表情になっていますが、成人するとホントに前日の記憶が無くなりますからね。(笑)
真山 私は去年、喉の手術をしたんですけど、春にポリープがわかってからは結構感情が揺れ動いた年で……手術の日が一番気が楽でした。その前のレコーディングは毎回辛かったですね。帰り道はいつも道路で泣きじゃくっていました……。泣いて歌えなくなった日とかもあって、その時にマネージャーに食事に連れて行ってもらって。その日は感情的にしんどかったです。
■それは苦しい……。上手く声が出ないのは辛いですよね。
真山 大好きな歌なのに歌うのが怖かったり、自分の声を聴くのが嫌になっちゃったりする瞬間はこれまでは無かったので……。みんなにも申し訳ないし、声もひっくり返っちゃうからすごくキツかったです。それまでの10年間は大きな病気も無く過ごして来たんですが、身体が不調だと心も不調になりますね……。「思春期か!」ってくらい泣いていました。今はすっかり元気になり、練習することの楽しさも再確認したりして、毎日楽しく過ごしています。
■お元気になって本当に良かったです。小林さんはいかがですか?
小林 「大変」とは少しズレてしまうかもしれないんですけど、夏風邪2個にまとめて罹ってしまって、楽しみにしていたライブに出られなくなってしまったことがあって……。
■あ、それは二重に辛いですね……。
小林 私は今までライブを欠席したことがほぼ無かったので、その時が初めてに近かったんです。レッスンも頑張って詰め込んで、休養中も家の中でヘトヘトになりながら立ち位置をシミュレーションしていたのに……。出られないことが決まった時には、フォーメーションを描いた紙を「ワーッ!」って叫びながら破り捨てました……。
■その時はどうやってメンタルリセットしたんですか?
小林 紙を破いてばら撒いた瞬間に「もういいや!」って開き直りました。(笑)
真山 めっちゃ大変な日だったと思います。ウチらもそのイベントの日が一番大変な日だったかもしれないくらい。
■そんな忙しい毎日を送るみなさんの、日々のちょっとした癒しを教えてください。
真山 私はサウナですね。一昨年初めてサウナで「ととのう」というのを知ってしまい、それからはもう1週間に3回は行きますね。日常の嫌だったことも、良かったことも、より良くしていくにはどうしたらいいかということも、サウナの中で考えて、水風呂で一回何も考えないようにして、そこから休憩して「は~気持ちイイ……」っていうのが今の楽しみです。
小林 私は『ポンコツクエスト』っていうYouTubeのショートアニメがあるんですけど、お風呂に入りながらそれを見て笑うのが好きです。内容がブラックなんですよ。(笑) 「勇者にやられたのに労災おりない!」みたいな。ファンタジーの裏側的なものを見るのがすごく楽しくて、それに癒しを貰っています。
小久保 私はゲームですね。寝る前に犬を抱っこしてゲームをするのが癒しになっています。銃でバンバン撃つゲームが好きで、負けた時にはそこで終われなくて何回か繰り返したり、勝った時には気持ちよく眠れます。(笑)
風見 私は動画サイトやアプリで昔のドラマを観ています。自分がまだ観たことないものも、昔観ていたものを見返すのも面白くて。あと、レッスンで帰りが遅くなると、犬が「危機感無いん?」っていうくらい、お腹を見せて白目をむいて寝ているんです。(笑) なので、静かにドアを開けてそのお腹を撫でて……っていうのが楽しみです。あとは、もうすぐ卒業式で学校にもあと何日かしか行けないので、登校することも楽しみにしています。(※取材日は3月14日)
■素敵な青春ですね。さて、新曲“kyo-do?”ですが、初めて聴いた時、どんな場所で流れていそうな曲だと思いましたか?
小久保 私はプリクラ機の中で流れていそうな曲だなと思いました。落書きしている最中とか、ついついノりながら描いたり加工したりできる感じだと思っていて。学校帰りのちょっとした時間に聴いていたことを後になって思い出すような曲だと思います。
風見 私のイメージでは、韓国コスメのお店とかでかかっていそう。新大久保とかのK-POP風のアイドルさんのポスターが張られているところで流れていそうだなって思います。
真山 私は願望なんですけど、TikTokで流れて欲しいなって。この曲を使ってカワイイ子た
ちが動画を上げてくれたらすごく嬉しいな。
小林 私も願望でいうと、センター街で曲が流れているじゃないですか。私は知らない曲をそこで知ることが多くて、この曲もぜひそこで流れてくれたら嬉しいなって思います。この曲を聴いて「この後の予定どうする?」っていう会話に繋がったらいいな。(笑)
■ちなみにみなさん、曲の主人公のように「今日あいてるんだけど、どっか行く?」って、朝いちばんに電話するタイプですか?
真山 私はそうですね。予定を決めて動くことができなくて……。(笑) 突然会いたくなったら「今何してんの?」みたいな感じで誘って、「なにする?」っていうタイプです。まさに曲の世界観みたいな感じですね。(笑) 旅行とかも下調べはほとんどしません。自分の中でリストアップはするんですけど、「別にそこに行けなくてもいいや」って。
■逆にめっちゃ調べて用意するような方はいますか?
風見 私は調べます。友達も習い事や塾があったりするので、「1ヵ月後のココとか空いてる?」という感じで、前々から予定を空けておいて、行く場所も「ここをこの順番で巡ったら効率いいよね」みたいな。でも決めすぎるとガチガチで楽しくないので、そこは当日行きたくなった場所なんかも組み込んで行くんですけど、予定は前々から決めることが多いです。
■そういえば最近ネットで、「Z世代は旅行の下調べをカッチリしていて、それより上の世代は行き当たりばったり」みたいな話題を見ました。(笑)
小久保 私は予定を立てないと家から出られないです。(笑) 愛知県出身で、友達が愛知にいることもあって、帰る日とかを決めないと……だいたい前日には行く場所は決めています。
小林 私は「今日どう?」を待っているタイプです。(笑) インドア派なので、家にいるかひとりでどこかに行くことが多いんです。だから「予定が空いている感」を出しておいて、行きたいところが決まったら一緒に行きます。(笑)
■ホントに10代と20代で意見が分かれましたね。(笑)
真山 世代もそうですけど、(小久保と風見は)SNSで繋がる世代じゃないですか。だから、予定を立てないと会えないんだと思います。コロナ禍もあるのかもしれないですけどね。
■ところで、今から誰かを誘ってどこかに行くとしたら、誰を誘ってどこに行きたいですか?
風見 さっき(取材前)はずっと“kyo-do?”にちなんで「どこに行きたい?」って話をみんなでしていたのですが、ゆな(仲村悠菜)とずっと「しゃぶしゃぶに行きたい!」って話題になっていました。
小林 私は中山莉子と同じ歳で、どっちも高校の卒業旅行には行けていないのですが、「ふたりで卒業旅行に行こう!」って言ったきり行けていなかったので、ふたりで新幹線か飛行機に乗ってどこかに行きたいです。長崎とか九州とか、西の方に行きたいですね。
真山 私はサウナにハマっているので、長野にある「The Sauna」っていうお店に、同じくサウナにハマっている星名(美怜)と安本(彩花)を連れて行きたいですね。水風呂の代わりに近くに川があって、その川に入って「ととのう」ことができるんですよ。ずっと行きたいと思っています。
小久保 私は愛知県の友達と古い喫茶店に行きたいです。東京からちょっと離れて、森とか空気の綺麗な所にある古民家カフェとかに行ってみたいです。
■なんだかみなさん素敵ですね。歌詞の中では「10年経っても愛してたいから」というフレーズが印象的だったのですが、みなさんが人生の中で一番長く推しているものはなんですか?
真山 私はアニメですね。声優さんがすごく好きなんですけど、その中でも田村ゆかりさんが本当に大好きで敬愛しています。好きになったきっかけはラジオで、その後アニメ好きになってから「声優さんだったんだ!」と知りました。もうあんなに好きな人には出会えないっていうくらいホントに大好きです。
■田村ゆかりさんも大ベテランですよね。
真山 ずっと王国民(※田村ゆかりファンの愛称)を公言しているのですが、エビ中が以前にNHKホールでライブをした時、ゆかりさんご本人からお花が届いたんです。その時ゆかりさんは代々木第一体育館でライブをされていたのですが、たまたまライブ制作がエビ中と同じ会社だったので、ライブにもご招待いただきました。こんなにいい人はいないと思います。自分を応援してくださっているファンのみなさんへの愛の使い方がすごいんですよね。私も広い愛を持てる人になりたいです。
小林 私は昔からハマるものが無かったんですけど、絵を描くことはずっと好きで、幼稚園の頃から描いています。いつか芸術家を名乗れるようになりたいです。一度個展もやらせていただいて、もっと上手な絵が描けるようになりたいなって思っています。
小久保 私が推しているものはアイドルです。幼稚園の頃からアイドルが大好きで、年少さんの時にAKB48さんを見て、その時からずっとアイドルを応援しています。
風見 私は小さい頃から『8時だョ!全員集合』が大好きで……。