SKE48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

人形たちが踊り出す32枚目のシングル“愛のホログラム”で歌う深い「愛」。

SKE48が32枚目のシングル『愛のホログラム』を2月28日にリリース。結成15周年を迎えたSKE48。ニューシングルは「愛」にまつわるシリアスな楽曲で、センターを末永桜花(チームE・7期生)が務める。また、今回は中野愛理(チームKⅡ・ドラフト3期生)、倉島杏実(チームE・8期生)、大村杏(11期研究生)が初選抜に入り、人形のダンスをイメージした幻想的なMVにも注目だ。今回のインタビューでは坂本真凛、中野愛理、熊崎晴香、倉島杏実の4人に話を訊いた。

■今作“愛のホログラム”は2024年初のシングルとなりますが、SKE48はもう15周年になりますね。みなさんが15年前から続けていることってありますか?

熊崎 変な家族と思われるかもしれないんですけど、小さい時から「おやすみ」の合図(手遊び)をずっとしています。グータッチみたいなやつ。

倉島 15年前は3歳なので、記憶が……。(笑) 5歳からの記憶は割としっかりあって、そこが私の人生の「第1自我芽生えポイント」みたいな感じなんです。その頃にSKE48を好きになったり、『ONE PIECE』が好きになったり。何かを好きになって追いかけることが昔から好きなので、ちっちゃい頃からオタク気質みたいなところがあります。

坂本 私は15年前は6歳だったのですが、『プリキュア』が好きでした。『Yes!プリキュア5』に出てくるキュアレモネードがアイドルという設定だったのですが、そこから私のアイドル好きが始まりました。そこからAKB48やSKE48が好きになり、劇場公演に通うくらいSKE48が好きで、それでSKE48にも入りました。『プリキュア』は今も見続けているので、好きなもの一筋でやっているのは変わらないですね。

中野 私は初めてアイドルのCDを買ったのがAKB48の『10年桜』(2009年リリース)なので、それが15年前くらいの時期ですね。そう考えるとAKB48グループにだいぶ貢献してきたなって思います。(笑) 今でもCDは買っていますし、昔からアイドルに貢献してきました。

■そして今回は倉島さんと中野さんが初選抜ということで、まずはおめでとうございます!選抜ってどういう形で発表されるのでしょうか?

倉島 私はチームEのリハーサル前日に「ちょっと大事な話があるから、リハ終わりに会議室に来て」と連絡がありました。その時は私だけ呼び出されたと思ってビビっていたのですが、蓋を開けてみるとメンバーみんなが順番に呼ばれていたみたいで、リハ中にひとりずついなくなっていたんですよ。でも私は鈍感すぎて、誰かがいなくなっていることに全然気が付かなかったんです。(笑)

■まぁ……人数も多いですからね。(笑)

倉島 それでビクビクしながら私も会議室に行ったのですが、「選抜お願いします」「チームEの人はもう選抜のことを知っていますよ」と言われて。予想外すぎて、びっくりしたし、長年の夢が叶ったのもあってもう大号泣でした。すごく嬉しかったです。

中野 私はカミングフレーバーのライブの日の朝に教えていただきました。まだ朝も早かったので、オフィスにもそんなに電気がついていなくて、結構暗い中で待機していたんです。そうしたらマネージャーさんが来て、いきなり手を取られ、「やりましたね!」って言われて。(笑) 「な、何がですか?!」って聞いたら、「選抜メンバーになりました、おめでとうございます!」ということで……。でも私、その時はまだそんなに頭が起きていなかったので、平常心で喜んでいました。(笑)

■ちなみにそれは朝何時くらいの出来事でしたか?

中野 朝10時くらいです。

■そんなに早朝でもなかったですね。(笑)

中野 そうなんです。(笑) なんかすごくマネージャーさんと温度差があったんですけど、ちゃんと嬉しかったし、何よりもホッとした気持ちが大きくて。「よかった……」って思いました。

■CDリリースを控えた今はどんな気持ちが一番大きいですか?

中野 今回初めての選抜で2列目に選んでいただいて、「みんなにどう思われるんだろう?」っていう気持ちもあって。やっぱり初めての選抜って、シングルごとに後ろから少しずつ駆け上がっていくストーリーが面白いと思うんですけど、いきなりここに来られたので、もう上がるか下がるかだから、すごくビクビクしています。プレッシャーもすごくあって、私を選んでいただいた方がいるということは、その期待に応えないといけないので、どう期待に応えていったらいいかなっていっぱい考えています。でも、ファンの方が何より1番喜んでくれると思うので、その反応がめちゃくちゃ楽しみです。

倉島 私はワクワクが大きいかなって思います。らぶりん(中野)はチームKⅡで、初めて一緒にMVを撮ったりする先輩が多いと話していたんですけど、今回は私がいるチームEからの選抜メンバーがたくさんいて、しかも私と同じ8期生が1番多いんです。だから、周りを見渡してみたらリラックスできる環境が整っていて。「緊張するかな?」って思っていたんですけど、周りのメンバーに暖かく見守られながらやっていけるんだなって思うと、すごく安心感があります。リリースが2月28日なので、このまま選抜メンバーで夏のフェスとかにも出ることもあると思うんですけど、それが今からすごく楽しみです。

■アイドルの夏は楽しみですよね。

倉島 ずっと「フェスで選抜のアンダーに入りたいです!」と言っていたのですが、これまでフェスのアンダーに入ったこともなくて、それで「選抜に入れるのかな?」っていう不安もあったんですけど、こうして選抜に入って夏を迎えられることにワクワクしています。

■みなさんは初選抜入りの時、最初は誰に喜びの連絡をしましたか?

坂本 マネージャーさんから正式な連絡をいただく前に、同期の選抜メンバーみんなから「おめでとう!」ってメッセージが来て、お母さんには「もしかしたら選抜に入ったかも……?」っていう感じで話しました。(笑) お母さんもちょっと反応しづらかったかなと思います。ずっとお母さん、お父さんが応援してくれていて、なんなら私が出ていないSKE48の番組も見ていて、「このあいだ〇〇が△△って言っていたね」とかって言ってくれるくらい見てくれているので、本当に愛を感じます。

熊崎 私は初選抜に入った時はすごく感情が忙しい時期だったんです。(ステージ上の事故で)骨折して初めてYahoo!のトップニュースに載りました。(笑) しかも、選抜入りを伝えられた日が総選挙の終わった日だったんです。初めて速報に入って、ランクインできるんじゃないかという期待が1番大きかったのですが、惜しくもランクインはできずに終わり、ひとり部屋で「悔しい……」って思いながら浸っていたら、電話がかかってきて、「選抜入りしたよ」って言われて。(笑) 「悲しいけど嬉しい」みたいな、もうどうすればいいんだろう?と。(笑)

■それは感情が忙しくなっちゃいますよね。

熊崎 だけど嬉しいは嬉しいので、「これをバネに次は総選挙もランクインできるように頑張るぞ!」と思って親に連絡しました。その後、選抜落ちして悲しんで、その次にまた選抜に入った時はもうホントに嬉しくて。選抜入り、選抜落ちを経験したから、毎回めちゃくちゃ嬉しいんですよ。だから今回もやっぱりホントに嬉しくて、毎回びっくりマークがめっちゃ多めのメッセージを家族に送っていまして。そうするとみんなが「良かったね!」とか、「大吉」とかいろいろなスタンプを送ってくれます。

倉島 私はお仕事が終わってお家に帰って、家族でゆっくり夜ご飯食べて、ぼーっとしている時に、「あ、そういえば選抜入ったよ」って言ったら、お父さんとお母さんに泣きながら頭叩かれました。(笑) その次の日がチームのコンサートだったので、「選抜入りしたことを言ったら眠れなくなるかもな」と思ったから黙っていたんですけど、やっぱり言いたくなっちゃいました。

中野 私は発表を受けてからしばらく親には言わないでいて、「公式発表の時に知ってもらった方がびっくりするかな」と思っていたんですけど、さすがに誰にも言っていないのはよくないかなと思って、同じ家の中にいるのに親にメッセージを送って報告しました。親もそんなに感情を表に出すタイプではないので、「おめでとう!」と、「焼肉行こう」ってメッセージが返ってきました。(笑)

■その「焼肉行こう」にはきっといろんな嬉しさが詰まっていますね。さて、新曲“愛のホログラム”ですが、この曲のタイトルはどうして「恋」ではなく「愛」なんでしょうね?

倉島 この曲は失恋曲なんですけど、サビの歌詞とかを見ると恋愛にも例えられるし、推しメンとかにも例えられるから、あえて「恋」じゃなくて「愛」なのかなって思います。

■推しメンへの想いは「恋」ではなく「愛」ですか?

熊崎 あ~、推しメンへの想いもそうかもしれないですし、自分の夢とかそういうものにも例えられるので、全てをひっくるめて「愛」なのかなって思いました。もちろん相手は人でもいいし、モノでもいいのですが、モノだと「恋」っていうより「愛」じゃないですか?だから、やっぱりいろんなモノに例えて、いろんな方に共感してもらいたいから「愛」っていう言葉を使ったのかなと考えています。

■なるほど。そう考えると「恋」だと少し限定的になってしまうかもしれませんね。

坂本 いろんな愛の形があるからこそ、“愛のホログラム”なのかなって。恋にも愛にもいろんな形があると思うんです。推しメンだったり、同性愛だったり。なんなら曲の登場人物はどういう流れで失恋に至ったのかもわからないと考えると、「愛はずっと生き続ける」というか、失恋したとしても、相手への愛はまだ消えないという意味でも、「恋」じゃなくて「愛」なのかなって思います。

中野 私はこの歌詞を見た時に「未練」を感じて、「あの人がいなかったら自分はどうなっちゃうんだろう?」というのを読み取ったんですけど、そこまでいくと「恋」じゃなくて、恋よりも深い「愛」なんじゃないかなと思います。私は結構「恋愛、失恋」って感じで、この歌詞を見ていたんですけど、歌詞の最後まで行っても実ることがなくて……でもきっとこの先も歌詞の主人公は、相手のことを想い続けて生きていくんだろうなって思ったら、やっぱり全部ひっくるめて「愛」だと思いました。

■「失恋ソング」と伺った時、個人的には実はあんまりピンと来なかったんです。例えば、初めて東京に来てみた人が、「なんか思っていたのと違うな」と幻滅しているようにも聴こえて。

熊崎 私は「愛」というより、「夢」とかそっちの方に捉えちゃって、それこそ夢を追って上京してきた人が、目指してきたものがなくなってしまい、色を全て失ったイメージがしっくりと来ます。もし今、自分が好きなものや夢が一瞬でなくなってしまったら、ポカンと穴が開いたような感情になるんだろうなって。MVではその悲しみを思い浮かべて踊ったり、歌ったりしました。「今、SKE48が一瞬にして消えてしまったら、私はどうやって生きていけばいいんだろう?」って。それが「愛」なのかなという感じで歌いました。

中野 私は恋愛として感じ取っているのですが、「TOKYOはホログラムみたいで」って歌詞があるじゃないですか。そこが、失恋してどうしたらいいかわからなくなり、「あの人がいないと生きてけない……」ってなって、むしゃくしゃして辿り着いた先が東京だったのかなって思います。電車とかバスとかに乗っていて、気づいたら東京に来ちゃっていて、涙で街がホログラムみたいに見える、みたいな。

■あ~なるほど!その発想はありませんでした!すごい!

坂本 恋愛じゃなくても、身近な人がそれこそ親とか友達とかをイメージして、喪失感を感じながら歌ってMV撮影をしました。確かに「失恋」というよりは「愛」っていうのがしっくりきますね。

倉島 私は楽曲をあんまり歌詞で読み込むタイプじゃなくて、メロディなどに惹かれるタイプなので、この曲はサビのメロディが歌っていて楽しい曲だと思っていました。それにプラスして、メンバーが語っている歌詞について自分でもしっかり読み込んでみて、歌詞も素敵だなって思って。私の中の曲の楽しみ方がまた一つ広がった感じがします。

■今作のMVは笑顔が少ない映像になりましたね。ニコニコするのとしないのと、どっちの方が難しいですか?

熊崎 ニコニコしない方です。(笑) 今回はまばたき禁止でした。人形をイメージしたダンスなので、「人形はまばたきはしないよね」ということになって。でもコンタクトレンズをつけているメンバーが多いから、「ドライアイで……」と目薬をさしながらの撮影で苦労しました。(笑) あと、無表情って本当に難しいんだなっていうのを改めて感じました。「表情が死んでいる顔」と「無表情」ってまた違うじゃないですか。それをどう区別するかをめちゃめちゃ研究しました。

坂本 私はグリーンバックでの撮影がメインだったので、CGでどんな感じになるのか分からずに踊っていたんですが、1番難しかったのは鍵盤の上で踊っているシーンでした。鍵盤から鍵盤にジャンプで跨ぐ振り付けがあったんですけど、「鍵盤から落ちてないかな?」と心配しながらやっていました。

中野 初めての選抜でのMV撮影だったので、「リップシーンは上手く歌えるかな?」とか思っていたのですが、今回はまさかのリップシーンがなくて。(笑) どんな感じになるんだろう?と完成したMVを見たら、とてもストーリー性がある映像になっていて、最後は末永桜花さんが想像しているお人形さんたちが現実になって終わるのですが、そういうところも今までのSKE48のMVには無かった感じだし、新しい挑戦でした。

■そうですね。すごく素敵な演出でしたね。

中野 私もグリーンバックの撮影で、実際にはどうなっているのかわからないので、すごくソワソワしながらだったのですが、完成したMVを観たらすごくマッチしていて。それぞれが踊っているところは桜花さんの近くにある家具などで、ミニチュアになったメンバーが踊っている設定なので、よく見ると「ここにあるのってあの子が踊っていた所なんだ」と気づくと思います。いっぱい目を凝らして見て欲しいです。

倉島 私は最後にミニチュアから衣装が変わって、桜花さんも一緒になって踊っているシーンが大好きです。“愛のホログラム”の中で主人公が想像しているホログラムになった気持ちで、儚く綺麗な感じをイメージしながら踊りました。