スピラ・スピカ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

記念すべき10枚目のシングルで、今まで間違っていなかったと思えるような自信作ができた。

観る人、聴く人を自然と笑顔にさせる天真爛漫なスマイルヒロイン″幹葉″によるソロプロジェクト、スピラ・スピカが、8月6日に10th Single 『アオとキラメキ』をリリース。表題曲の“アオとキラメキ”は、TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」Season 2のオープニングテーマとなっていて、タイアップ作品の主人公・新菜(わかな)とヒロイン・海夢(まりん)だけでなく、2人を取り巻く周りの友人も含め、それぞれの不安を抱えながらも「好き」を大切にして進んでいく気持ちともリンクし、「着せ恋」という作品の持つ素晴らしさに寄り添った楽曲となっている。
今回は幹葉に楽曲制作についてはもちろん、NHK Eテレ「The Wakey Show ~ザ・ウェイキー・ショウ」の番組キャラクターである主人公の「DJウェイキー」としての番組MCの活動についても、いろいろと話を訊いた。

■以前取材したのが、7thシングルの『サヨナラナミダ/ほしのかけら』の取材の時以来なので、久しぶりの取材になりますが、前回取材した時と比べると、スピラ・スピカは幹葉さんのソロプロジェクトになったということで、おひとりになってからの音楽との向き合い方や、モチベーションはいかがですか?

幹葉 ソロになっても変わらず頑張っています。あらためて歌うことがより好きになって、すごく楽しくやっています。

■ソロプロジェクトになって、バンドでやっていた頃と比べて大きく違うところはどんなところでしょうか?

幹葉 フットワークが軽くなったのが一番の違いですね。やっぱりバンドだと機材とかもあって、出演できなかったり、行けるところも限られてしまっていたんですが、ひとりならマイクだけ持って、いろいろなところに行けるので。例えばですが海外に歌いに行くことも、ひとりなら気軽に行けたりもするようになりました。だけど、バンド編成のライブも大好きなので、それぞれの楽しみ方を生み出してライブをしています。

■幹葉さんがスピラ・スピカとして大切にしていることはなんですか?

幹葉 メジャーデビューのタイミングで、インディーズの時に活動していたバンド名からスピラ・スピカに改名した時に、「これからこういう音楽をやっていきたい」ということを改めて考えて、スピラ・スピカというバンド名には「どんなに暗い道でも希望の光で導く」という想い込めて決めたんです。コロナ禍を経て「これからどうやって活動していこうか」という話をメンバーとした時に、私は変わらずにスピラ・スピカとして歌い続けたいと思いました。これからもみんなの希望になれるような音楽を歌っていきたいという想いがあるので、これからもスピラ・スピカとして歌い続けていきたいと思っています。

■なるほど。最近ではDJウェイキーとしても大活躍ですが、そちらはいかがですか?

幹葉 放送が始まって、「ウェイキーの声優をやっているんでしょ?」と聞かれることも多いんですが、スーツアクターとして声と操演の両方をやらせてもらっています。NHKのキャラクターの中でもワンワン先輩はそれをもう30年近くやっていて、レジェンドとしてその道を切り開いてくださっているので、私もそれに続くことができるように頑張っています。ウェイキーはオーディションを受けて決まったのですが、こうして初めての挑戦をさせていただけることになって、日々奮闘中です!

■初めてのスーツアクターとしてのお仕事はやってみていかがですか?

幹葉 子どもたちと触れ合ったり、初めてのことを経験するのは楽しいです!その一方で思っていた以上に大変だなと実感もしています。スタジオもクーラーで冷やしてくれているんですけど、やっぱりすごく暑いです。(笑) ダンスとかすると汗だくになりますし、酸欠にならないように気をつけながら頑張っています。

■着ぐるみで顔が見えないのはさみしくはないですか?

幹葉 今までやったことがないことにチャレンジするのが面白いなと思いました。しかも「The Wakey Show ~ ザ・ウェイキー・ショウ」というだけあって、番組がエンターテイメント色が強いので、これまでのNHKにはなかったキャラクターになれるんじゃないかなとも思ったので、演じられてすごく嬉しいですし、ワクワクしています。それにウェイキーの声で好きになってくれて、気になって調べてもらった時に、私の顔を知ってスピラ・スピカの歌も聴いてくれたら、二度おいしいかなと思って。(笑)

■ちなみに番組発のグループ「Wakeys」として、こっちのけんとさん作詞・作曲の『それもいいね』のリリースもありましたが、キャラクターの声で歌うというのは、スピラ・スピカで歌う時とは違って、なにか大変なこともありましたか?

幹葉 そもそも、声優としてキャラクターの声で喋るということじたいも初めてだったので、すごく難しかったです。キャラクターのボイスで歌うのも、なんて表現したらいいか難しいんですけど、ウェイキーはただ上手く歌えばいいのではなくて、子どもたちにも一緒に歌ってほしいというのがあるので、子どもでも歌えるような歌い方をしなくてはいけないなと思って。なので、子どもたちでも真似しやすいような歌い方を心がけています。変にクセをつけないようにしつつ、素直にキャラクターの可愛さを出せるように歌っています。でも気がついたらビブラートをかけちゃったりとかもありますけどね。(笑) でも初めてのことを試行錯誤しながらやることがたくさんあって面白いです。

■いろいろ苦労はありそうですけど、楽しそうで良かったです。最近幹葉さんがハマっているものや、気になっているものはありますか?

幹葉 ちょうど去年くらいから、お笑いのライブに行くことにハマっています。きっかけはBS11で放送されている「なすなかにしのゲームキングダム」という番組でアシスタントをやらせていただいて、なすなかにしさんとも仲良くなって、お笑いのライブを見に行ったら、こんなに人を笑顔にできる素敵なライブなんだと、衝撃だったんです。音楽とは違うんですけど、私がスピラ・スピカとしてみんなに届けたいエネルギーと、すごく近いものを感じました。会話のテンポ感とか、場の作り方とか、すごく勉強になることが多いので、勉強も兼ねつつ、私も笑顔になりたくて、よくお笑いのライブに足を運んでいます。

■そうなんですね。いつかそれがライブのMCでも活かさせる日が来るといいですね。

幹葉 お笑いのライブを見る度に「プロはすごいな」と痛感します。でも観客の心を掴むというところは、これから上手く活かせるようになっていけたらいいなと思います。

■それでは今作のスピラ・スピカのニューシングルのお話も聞いていければと思いますが、今作“アオとキラメキ”は、TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」Season 2のOPテーマですが、Season 1に続き、またタイアップのお話が来た時は、どんなお気持ちでしたか?

幹葉 すーーーっごく嬉しかったです!ソロになってからも、もしアニメのタイアップを担当できるなら「着せ恋」の歌を歌いたいという気持ちがあったので、こんな素敵な形で実現できたのはすごく嬉しいです。

■ちなみに今回の“アオとキラメキ”の歌詞は、この作品のために書き下ろした感じですか?

幹葉 はい!そうです。

■作詞にあたって、原作の漫画やシナリオなどを読まれたりしたと思いますが、作品を読んでみての感想はいかがでしたか?ネタバレなしでお願いします。(笑)

幹葉 そうですよね。(笑) 原作はずっと読んでいて「きっと2期ではこの辺が描かれるんだろうな」というのは1ファンとして予想はしていたんです。それで今回のタイアップのお話をいただいて、あらためてその箇所の漫画を読み返したりもしながら歌詞を書いていったんですけど、私の「着せ恋」への愛が強すぎて、最初に書いた歌詞は、もう特定のシーンを表現し過ぎてしまっていて、アニメの担当の方からも「曲だけで『着せ恋』を完結させようとし過ぎです」と言われてしまって。本来のオープニング曲はそうではないのに、熱中するあまりにそれを忘れてしまっていて。(笑) それであらためて書き直して、今の歌詞になりました。

■いつもはどのくらいアニメの作品に寄せて作詞をするんですか?

幹葉 今までは原作とか、いただいたシナリオとかを読んで、その作品の中から自分の感情とリンクするところや、重なる部分を見つけて広げていくというやり方でした。今回も最終的には、今の自分やスピラ・スピカで伝えたいことを、引き算、足し算しながら、上手く混ぜ合わせていきました。

■今回の作詞で特に意識したことや、伝えたかった想いはなんですか?

幹葉 今回はSeason 2とのことで、Season 1の時は、登場人物の五条くんと海夢ちゃんの二人の関係性にフィーチャーして書いたのですが、Season 2では、そこからもっと広げて、クラスメイトたちやコスプレを通して出会った仲間たちと関わることで、世界が広がったというのを曲に落とし込みたくて。それを意識しながら作っていきました。なので、みんなで一緒に歌える箇所やクラップできる箇所を入れ込んだりもしました。

■今作の“アオとキラメキ”の「アオ」は、「青春」を示していると思いますが、幹葉さんにとっての青春はいつ頃でしたか?青春の思い出でなにか印象に残っているエピソードはありますか?

幹葉 私は高校生の時の思い出が色濃く残っていて。毎年友達とバンドを組んで文化祭に出演していたんですけど、本番ももちろん楽しかったんですけど、本番に向けての過程もすごく楽しくて。私は徳島出身なので、徳島の先輩のチャットモンチーさんのサインが飾られているスタジオで、学校終わりにみんなで練習していたんです。真っ暗になるまで練習して、みんなで自転車でダッシュで帰るみたいなのが、すごく青春だったなと思います。

■楽しそうでいいですね。(笑) その頃はコピーバンドだったんですか?

幹葉 そうです。その頃はプリンセスプリンセスさんの“ダイヤモンド”とか、“M”とかをコピーしていました。

■えっ?!幹葉さんはその世代じゃなくないですか?(笑)

幹葉 両親がよく聴いていたので好きだったんです。それを文化祭でやったら、先生たちにも、保護者の方たちにも大人気で、すごく喜んでもらえたので。(笑)

■ちなみに今回の曲は歌詞が先ですか?それとも曲が先ですか?

幹葉 スピラ・スピカの楽曲制作はいつも曲が先で、歌詞は後から書くのですが、今回も曲が先でした。

■この曲を初めて聴いた時の感想はいかがでしたか?

幹葉 「青春」というイメージが頭に浮かんできました。曲調もすごく素敵で、実際に歌ってみてもすごく楽しかったので、すぐに「どんな歌詞にしようかな?」と考えていましたね。