高嶺のなでしこ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

メジャーデビューまでの軌跡を振り返る。

HoneyWorksの楽曲“可愛くてごめん”の公式カバーMVが1300万回再生を突破し、その他オリジナル曲のMVやダンスプラクティスビデオが続々と100万回再生を越えるなど、活動開始直後から勢いを見せている10人組アイドルグループ・高嶺のなでしこ。クリエイターユニットのHoneyWorksがサウンドプロデュースを手がける高嶺のなでしこが、2月21日に『美しく生きろ / 恋を知った世界』にてメジャーデビューを果たす。今作は、初めて歌詞にグループ名が使われた、今後への意気込みを感じられる楽曲“美しく生きろ”、HoneyWorksらしい恋愛ソング“恋を知った世界”のほか、初のユニット曲“可愛いって言われたい”、“私は怪物”など、全5曲を収録。
今回はメジャーデビューを直前に控えた彼女たちに、現在の思いや今作のお気に入りのポイント、これまでにリリースした楽曲についてなど、城月菜央、涼海すう、橋本桃呼、葉月紗蘭、春野莉々、東山恵里沙、日向端ひな、星谷美来、松本ももな、籾山ひめり、10人に話を訊いた。メジャーデビュー直前の彼女たちの今までと現在を知るのにぴったりなインタビューとなった。

■まずはメジャーデビュー決定を知った際の思いを教えてください。

春野 初めはあまりピンとこなかったですし、実感がなかったです。でも両親や友達、ファンのみなさんからお祝いのメッセージをたくさんいただいたり、今こうして取材していただいたりしているうちに段々と実感が湧いてきて。まだ劇的な変化があったわけではないんですけど、たくさん期待してくださっているのは伝わっているので、その期待に応えられるように頑張っていきたいなと思っています。

城月 最初は私も実感がなくてふわふわしている状態でした。でも最近はリリースイベントが始まってきているので、そこでライブをしたり、“美しく生きろ”を歌わせていただいているうちに、「メジャーデビュー楽曲を歌っているんだ」と思って実感し始めて。これからも高嶺のなでしこに似合う女性になれるように頑張ろうと思っています。

籾山 初めて聞いた時は「こんなに早くメジャーデビューさせていただけるんだ!」と思ってすごくびっくりしました。私はラストアイドルでも一度メジャーデビューをさせていただいているんですけど、その時に叶わなかった夢、届かなかった夢がたくさんあるので、高嶺のなでしこで夢を掴んでいけたらいいなと思います。

橋本 1周年の記念ライブの時にサプライズでメジャーデビューの発表がされたんですけど、ファンのみなさんと一緒に喜べたのがすごく嬉しかったです。私もラストアイドルでメジャーデビューした経験があるので、こんなにも早くメジャーデビューできることがどれだけありがたいことで、期待されていることなのかというのは分かっているので、たくさんの方に感謝しながら頑張りたいなと思います。

■デビュー楽曲の“美しく生きろ”は、初めて歌詞に「高嶺のなでしこ」というワードが入っている楽曲ですよね。受け取った際の印象を教えてください。

籾山 この楽曲をいただいたのは最近ではなくて、高嶺のなでしこを結成してすぐにもう聴かせていただいていたんです。HoneyWorksさんが高嶺のなでしこに対して、こんなに強くてアイドルの裏側までしっかり描かれている楽曲を作っていただけたことがすごく嬉しかったです。デビューしてすぐだったにも関わらず、「気高く美しい華は」とか、高嶺のなでしこの象徴となるような言葉がたくさん書かれているのもすごく愛を感じました。ずっと温め続けてきたこの楽曲でメジャーデビューできるのはすごく嬉しいですし、とても楽しみです。

橋本 私自身アイドルを6年くらいやっているんですけど、アイドルって楽しいだけじゃなくて、すごくつらいことや苦しいこともあって。選抜に何度も落ちたり、歌割りをもらえなかった時代もあったり。正直もう辞めてしまいたいと思ってしまうこともあったんです。でも全力で頑張ってきました。“美しく生きろ”の歌詞に、「結果が全てでも この世界で生きていたい」っていう歌詞があるんですけど、その部分を聴くと、過去に辞めたいと思っていたけど、この世界が好きだから、この世界にいたいって思っていたことがすごく蘇ってくるんです。過去の自分の思いを投影しながらパフォーマンスしちゃう曲です。

■1年ほど前にYouTubeでは、“美しく生きろ”の振り入れをしている動画も投稿されていましたね。かなりハードだったのだろうという印象を抱きましたが、振り入れはいかがでしたか?

星谷 akane先生に振り付けしていただいたんですけど、私はその日に初めてお会いできて。ずっとテレビとかで見ていて存じ上げていた方だったので、「akane先生に私たちの代表となる曲を振り付けしていただけるんだ!」というのが、まずすごく嬉しかったですし、感動がありました。サビもそうなんですけど、特に間奏がすごく激しいダンスで、今までやったことのないジャンルだし、akane先生のダンスの色が出ていたので苦戦しました。

日向端 私も初めてすごく激しいダンスを踊ったんですけど、中々覚えられなくて……。自分の要領の悪さを知りましたし、「もっと頑張らなきゃ」って思わせてもらえるレッスンでした。

松本 ラストアイドルの時からすごくお世話になっているakane先生に振り付けしていただくということで、難しい振りになるのは分かっていたので、覚悟を決めていました。(笑) フォーメーションもコロコロ変わりますし、ダンスもすごくカッコよくて、踊っていてすごく楽しくて。キャッチーな振りとかもあって、すごく好きな振り付けです。

■“美しく生きろ”はMVも公開されていますが、撮影はいかがでしたか?

春野 2日間かけて朝から晩まで撮影したのは初めてだったので、すごく新鮮な気持ちで挑めました。MVの撮影って行ったことのない場所に行けるので、それもすごく楽しくて。採石場に行ったり、廃墟で踊ったり、炎を燃やして撮影したり。初めてのこと尽くしで撮ったMVになっているので、今まで私たちのMVを観てくださったことがある方も、初めて観る方も、新鮮に観られると思います。

城月 採石場で撮った時はドローンを使った撮影もあって、ドローンだと上から撮るので、いつも床につけていた番号もなしで踊ったんですよ。メンバーの動きを捉えながら自分で動くというのが個人的にはすごく難しかったです。目だけきょろきょろしているかもしれないです。(笑)

■一方“恋を知った世界”は“美しく生きろ”とはまた違った雰囲気で、HoneyWorksらしさがストレートに出ている楽曲ですね。

涼海 そうですよね。この曲を聴いた時に、「まさにHoneyWorks!」って感じがして、すごく嬉しかったです。歌詞を見ていただけると分かるんですけど、この曲の主人公は、最初は「男の子なんて興味ない」みたいな感じだったんですけど、ちょっとずつ好きな人ができて、どんどん自分を磨いていって、好きな人に対して「どんな子が好きなの?」みたいな感じで、恋に対して成長していくんです。本当に一つの少女漫画を読んでいるような気持ちになれる曲だと思います。一番は「染まる止まれ」っていう歌詞があったところも、最後には「染まれ染まれ 私だけを好きになれ」って言っていて。そういう展開もHoneyWorksさんらしいと思いました。

葉月 最初に聴いた時は本当に可愛らしい乙女心の繊細な部分が全部表現されている曲だなと思いました。自分がレコーディングした後にみんなが歌ったものを聴いたんですけど、本当に気持ちがこもっていて、悲しさだったり、嬉しさだったり、不安な気持ちがすごく表現されていて。その表現の仕方もメンバーそれぞれ違っていて、みんなの表現力もすごいなと思いましたし、たかねこ(高嶺のなでしこ)でこういう曲を歌えるのって本当に素敵だなと感じたので、たくさん聴いてほしいです。

東山 この曲は歌詞の感情が複雑なものになっていて、最後に「好きです」っていうフレーズが3回続くんですけど、歌詞を見ると「好きです…」から「好きです。」になって、最後は「好きです!」になっているんです。これってHoneyWorksさんが伝えたい感情の変化なんじゃないかなって思ったんですよね。同じフレーズなんですけど、女の子が前に進んでいくっていうのを表現したかったので、ライブでも表情を少しずつ明るくして、見てくださっているみなさんにも感情の変化が分かるように意識してパフォーマンスできるように頑張っています。

■今回は“美しく生きろ”、“恋を知った世界”の他に、“いつか私がママになったら”、“可愛いって言われたい”、“私は怪物”の計5曲が揃っています。特に気に入っている曲、おすすめしたい曲を教えてください。

橋本 私は“私は怪物”ですね。“可愛いって言われたい”と“私は怪物”は、初めてユニットに分かれて歌う楽曲なんですけど、 “私は怪物”の歌詞がすごく攻めていて、「キモい」とかが入っているんです。歌じゃないとなかなか「キモい」なんて言わないじゃないですか。(笑) そういうのもあって、新鮮な気持ちで歌っているので、ファンの人ももし「キモい」って言われたい方がいたら、是非この曲を聴いてもらえたらいいのかなと思います。(笑) 

松本 私はユニット曲の ”可愛いって言われたい”ですね。私はよくツインテールをしているんですけど、この曲の歌詞にも「ツインテールとか好きですか?」っていうフレーズがあって。このパートをいただけた時は本当に嬉しかったです。私らしく生きていたいっていう前向きな気持ちが込められている曲で、自信がない時も「自分は自分だから人生を楽しまなきゃ」と、明るい気持ちになれるのでとても好きな曲です。

東山 私が特に聴いていただきたいのは“私は怪物”です。メジャーデビューシングルにこんなに大人な曲が入って、それを歌わせていただけるということに、今でもびっくりしているんです。メンバーの歌い方にも個性があって、女性の強いところが出たと思ったら、悲しい歌い方が出てきたりして、1曲を通して強い部分と弱い部分が交互に出てくるので、そこに注目して聴いていただけたら嬉しいです。

涼海 私は“いつか私がママになったら”なんですけど、この曲を初めて聴いた時、今までたかねこで歌ってこなかった曲だと感じたというか、ご飯を食べることだったり、命の意味を考えるっていうかなり大きなテーマの曲で、今までとは違うなと思いました。大事なテーマを伝えている楽曲なので、今までにないたかねこが見られるんじゃないかなと思いますし、ぜひ聴いてほしい曲です。

星谷 私は“可愛いって言われたい”が好きで、「本当は可愛いって言われたい」っていう女の子の本音がすごく前面に出ていて、特に私たちと同世代の女性ファンの方たちは共感できるポイントが多いと思います。男性ファンのみなさんにも、「アイドルだけじゃなくて、全人類の女の子がみんな、本当は可愛いって言われたいと思っているんだよ」っていうのを感じてもらえたら嬉しいです。あとアウトロの振り付けで耳を傾ける仕草があって、そこでファンの方が自然と「可愛いよー!」って言ってくださるんです。曲を披露する時はアウトロまで一緒に楽しんで踊れます。

春野 私は“いつか私がママになったら”なんですけど、この曲は酪農応援プロジェクトのテーマソングとしてHoneyWorksさんが書き下ろしてくださった曲で、私は食べることが大好きなので、「いただきます」とか「ごちそうさま」ってすごく大切なんだと改めて感じましたし、普段自分がものを食べている時に、しっかりとその思いを込めてこの言葉を言えているかなとか、ちゃんと感謝を口にできているかなと考えさせられるきっかけにもなりました。全てのものに感謝を込められるようになりたいなと、改めて気付かされた楽曲なので、大好きな曲です。

■これまでも高嶺のなでしこはカバー曲、オリジナル曲ともに楽曲を高頻度でリリースしてきましたが、メジャーデビューのこのタイミングで知るリスナーにおすすめしたい、これまでにリリースした楽曲を教えてください。

城月 私はやっぱり“美しく生きろ”がノリやすいんじゃないかなって思います。やっぱりたかねこを代表する曲でもありますし、「アイドルよ」っていうフレーズがあるんですけど、そこでファンの皆様が一緒に手を挙げて叫んでくれるので、そういうところは初めての方もライブに来てくださった時に一緒にできるところじゃないかなと思います。

籾山 私はカバー曲の ”決戦スピリット”がすごく好きで、サビがすごく簡単な振り付けになっていて、ファンの方たちも一緒にやってくださるので、ノリやすいんじゃないかなと思います。“美しく生きろ”とちょっと重なるような歌詞で、勇気をくれる歌詞が多くて。「“不可能”と笑えばいいさ そんな言葉 僕は知らない」っていう歌詞があるんですけど、挑戦していることに対して何か言われたりした経験がある方でも、「自分の信じる道を進んでいいんだ」という勇気がもらえる歌詞だと思いますし、ぜひ聴いてほしいです。

松本 私はオリジナル楽曲の“初恋のひと。”をおすすめしたいです。男の子目線で歌詞が表現されている曲で、胸が張り裂けるほど女の子のことが大好きだけど、でもその男の子は不器用で釣り合わないって思っていて、女の子の方もその男の子の不器用な姿を見て嫌われていると思っていたっていうすれ違いが続くんです。でも最後の最後に両想いだったっていう胸きゅんなストーリーの歌詞になっていて、すごく楽しめると思います。あとは曲中に「好き」というフレーズが24回出てくるので、ライブ中にも一緒に歌って盛り上がってくださったら嬉しいです。

涼海 私がおすすめしたい楽曲は“ユメムスビ”という曲です。この曲はオーディションの課題曲になっていた曲なので思い入れがありますし、歌詞にたくさん「頑張ろう!」と出てくるので、夢に向かって頑張っていることを本当に応援してくれて、支えてくれる曲だなと思います。私が特に好きなのが、「頑張ろう!」と歌う時にグータッチしてメンバーと顔を見合わせるんです。メンバーと目を合わせて踊れるのがとても好きですし、ファンの方たちも隣の方が知らない方でもグータッチをしていることがあって、「そこ仲良かったんだ!」みたいな。(笑) みんながひとつになれる曲なので好きです。

春野 初めて見る方へのおすすめと言うと、やっぱり“可愛くてごめん”なのかなと思います。たかねこバージョンは聴いたことがなくても、“可愛くてごめん”という楽曲自体を知ってくださっている方はたくさんいると思うので、その方たちに高嶺のなでしこの“可愛くてごめん”を聴いてもらいたいなと思います。MVではみんなそれぞれ違った可愛さの出し方をしているので、それを観て是非推しメンを見つけてほしいです。

星谷 “可愛くてごめん”は日本だけじゃなく海外でもとても知られているので、世界に知ってもらえるきっかけにもなるのかなと思います。その後に“美しく生きろ”を聴いてもらって、可愛さから一変して芯のある強い歌声のギャップに魅了される方が増えたらいいなと思います。

葉月 私は“僕は君になれない”を特に聴いていただきたいと思います。歌い出しで「初めての出会い忘れない」と歌っていて、ファンの方目線の楽曲になっているので、たかねこを知って少し経った時にこの曲を聴くと、私たちとの出会いのことを思い出したり、応援する気持ちを感じられてエモい気持ちになれるんじゃないかなと思います。

東山 私は“女の子は強い”を聴いていただきたいです。すごくサウンドが素敵で、HoneyWorksさんの楽曲の良さが伝わる曲なんじゃないかなと思っていて。失恋してしまう女の子の曲なんですけど、失恋してもまた前を向いて歩いていこうという前向きな歌詞になっているので、落ち込んでいる方や思い悩んでいる方にも聴いていただいたら元気や勇気がもらえる曲になっていると思います。

日向端 私は“アンチファン”を聴いていただきたいです。私たちのデビュー曲で初めていただいた曲なのですごく思い入れもありますし、MVもアイドルになる前に撮ったものなので、今とはまたみんなの雰囲気も違っていて。歌詞も迷ったときに聴いたら「自分は自分で頑張ろう」と思えるようなものなので、是非聴いてほしいです。