■春って出会いと別れのどちらの季節とも言われますが、別れを選んだのには理由があるんですか？
U ハッピーな曲でもいいのかなとは思ったんです。僕らも「ここから行くぞ」っていう気持ちでもあるので。でも、僕らの“遠距離恋愛”っていう曲のYouTubeのコメント欄が今でも動いているんですよ。コメントを残した人は僕らの顔も知らない人が多いと思うんですけど、でもたしかに“遠距離恋愛”で寄り添えた瞬間があって、書いて良かったなっていう気持ちになったんです。Beemerもコロナ禍に照らし合わせて“遠距離恋愛”を聴いてくれたりもして。嬉しい感情と寂しい感情があったとしたら、やっぱり寄り添いたいのは寂しい感情だなって思ったのが一番の理由かもしれないですね。
■“遠距離恋愛”の時を踏まえて、寂しい方に寄り添いたいと。
U そうですね。コロナ禍がちょっとずつ明けてきているじゃないですか。そうなると別れの数も増えるんだろうなと思って。例えば、コロナ禍のせいで上京できていなかった人とかもいたかもしれない。でもそれが上京できるようになっていったりとか、今年の春は別れの数が多いのかな？とか思うと、その寂しさの方を書きたかったっていう感じですかね。
■アレンジは田中隼人さんが担当していますね。
U “マリッジソング”とか、“遠距離恋愛”でも隼人さんとやらせてもらっていて。今回も安心してお任せしたという感じでしたね。ビートガーデンってすごく生音加減を絶妙にやらないといけないグループで。“遠距離恋愛”とかは、かなり生音を多く使っているんですけど、今回は4つ打ちの機械での打ち込みの音があって、それに生音を混ぜていて。シンセの音もREIが聴きながら何回もやりとりして。そういうやりとりができる関係なので、細かく詰めることができました。
■打ち込みの4つ打ちとストリングスのバランスがすごく気持ちいいなと、聴いていて感じました。
Ｕ 嬉しいです。
REI ストリングスはレコーディングの後、「もう少し華やかさを足した方がいいんじゃないか？」ってなって。デモのトラックを作った時は、結構のぺっとしたストリングスを入れていて、「それはそれでいなたいね」みたいな話だったんですけど、ちょっとスタッカート気味の刻んでいるものが入ったりしていて。その辺のバランスとかをレコーディングを終えてから更に調節していきましたね。
■5月に入ると、全国ツアー『in your tour 2022』が始まりますね。
U やっとだ！
MASATO ライブも5ヵ月ぶりですよね。
U うん。今までで最大規模なので、細かく回れるのが嬉しいです。関東も多いし、滋賀にも行けるじゃん！
MASATO ワンマンライブでは初凱旋ですね。
U 僕は熊本で生まれたんですけど、熊本にも初めて行けるし。
■移動の様子がSNSに挙がっていることも多いですが、楽しそうですよね。
U 最近はみんなでNintendo Switchをやっています。僕が最近Switchを買ったんですよ。それで2人に電話して。「なんで買わないんだ」と。
一同 (笑)
U でもMASATOは持っていたんだよね？
MASATO 持っていました。コロナ禍の自粛期間中にポケモンをやっていて。
U そう。で、REIにも言ったら、2日後くらいにSwitchを買ってくれて。
■すごい！
REI いきなり電話がかかってきて、「なんやろな？」と思って、出るじゃないですか。「曲作ろう」とか、仕事の話かと思っていたんですけど、一言目から「Switch買おうや！」って。(笑) 「はい？！」みたいな感じですよ。(笑)
U (笑) 今回のツアーは2部制じゃないんです。2部制もそれはそれですごい勉強になりましたけど、久しぶりに長いセットリストでライブできるので楽しみですね。
■5月から7月にかけて全国を回ると、いろんな変化もあると思います。気が早い質問かもしれませんが、ツアーが終わった後にどうなっていたらいいなと思いますか？
REI うーん、ツアー前とツアー後だと全然違うんだろうなと思いますね。それこそ会えなかった地方や、会いに行けていなかった土地に行けたりとか、そこで初めましての方もたくさんいると思いますし……どう変わってるんですかね。
U 恋人とかもそうかもしれないですけど、ライブとかで会わないと、会わなくても平気になってくるじゃないですか。ライブがないと来られないし。結構ビートガーデンのファンの人って一途に応援してくれる人が多いんですけど、「みんな前よりも会わなくても大丈夫になってないか？」って思うんですよね。なので、ツアーの2ヵ月で大丈夫じゃなくさせたいですね。(笑) 来年までのプランも僕らもチームで話し始めていますし、これからどんどん加速していきたいなと思っていて。Beemerってもちろん今でもSNSで全部の企画を盛り上げてくれたり、とてつもない熱があってすごいですけど、もう一回あの頃の熱を全員で取り戻して、新たなリスタートを切れたら嬉しいなと思いますね。大丈夫じゃなくさせてみせます！
Interview & Text：村上麗奈
PROFILE
2012年8⽉1⽇、⼤阪で出会ったU / REI / MASATOの友⼈同⼠でグループを結成。2015年12⽉にサポートDJ SATORUが新メンバーとして加⼊し、2016年に『Never End』でユニバーサルシグマよりメジャーデビュー。エレクトロサウンドにエッジのきいたギターリフを織り交ぜ、ロック要素を加えた〈エレクトリック・ダンス・ロック〉というジャンルを確立。2020年6月には初のデジタル配信シングル『光』、9月に『夏の終わり 友達の終わり』、12月に『マリッジソング』、2021年4月に『遠距離恋愛』を配信リリースし、2021年8⽉に、4⼈体制最後となる3rd ALBUM『余光』をリリース。同年11月に3人体制初のデジタルシングル『ROMANCE』をリリース。これから3⼈体制での新たなる活躍にさらなる期待が⾼まっている。
thebeatgarden.com
RELEASE
『それなのにねぇなんで？』
ユニバーサルシグマ
4月25日 ON SALE
