THE BEAT GARDEN VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

THE BEAT GARDEN『Start Over』

■楽曲はファン以外からの反響も大きいと思います。

U TikTokとかYouTubeのコメント欄も見させてもらっていますけど、今まで僕らを知らなかった人たちがドラマから入ってきてくれて、「この曲を歌ってくれてありがとうございます」とか、「この日本語でよかった」とか言ってくれていて。逆にGahoさんに歌って欲しかったっていう言葉もあるけど、でもそういった意見も僕らは本当に素直に受け入れられていて、それだけ愛されている曲を歌わせてもらっているんだなって思います。今まで見つけてもらえていなかった人たちにもTHE BEAT GARDENっていう存在を知ってもらえたのも素直に嬉しいし。それに結構みなさんそこから過去の曲も聴いてくれているんですよ。なので、これまで妥協せずにというか、大事に自分たちの曲を作ってきてよかったなって思って。今までの曲たちにも本当に感謝だなっていう気持ちも芽生えましたね。

■それは嬉しいですよね。

U でも、そういう風に新しい広いところにも届けていかないといけないとは思うんですけど、今までずっと応援して一緒にいてくれた人たちを忘れちゃあかんとも思って。遠くばっかり見て、近いところを見ないっていうのはやっぱり違うし。だから、ライブとかもそうですけど、1曲1曲をとにかく大事に歌っていくことしかないんだなって最近は思いますね。「みんな知って〜!」って言いながらイベントに出るのも違うし、近くの人だけ見て、「僕らはこうやって活動してきたよね」ってやりすぎるのも違うし。今までの自分たちの曲も、今回の曲も、胸を張って信頼して大事に歌っていくしかないんだなって思います。そんな話を最近よくみんなで話しています。

■みなさんは今年の8月1日で結成10年、そして取材日がちょうどメジャーデビューから6年です。振り返ってみていかがですか?

U 2人は長かった?短かった?

MASATO 僕は短かったですね。でも振り返ったらいろんなことがあったなって感じます。本当に今を一生懸命生きていて、とにかく今できることを行動に移していくっていうスタイルでやってきたので、振り返るとすごく濃いんですけど、6年、10年って聞いたら、あっという間だったなっていう感じがします。

REI デビューする前で考えると、「6年って長いんだろうな」って多分当時は思ったと思うんですけど。でもやっぱり甘くはないし、近道なんてないんだなっていうのは本当に感じていて。なにか近道ができたとしても、それでは多分きっと活動を続けられていなかったと思うので、本当にこの6年は自分たちにとって必要だった6年だと思います。ここからもっと気合入れて頑張っていこうって思いますね。自分たちができる目の前のことを全力でやるっていう、ただそれだけだと思います。

 10年って小学1年から高1まで一緒にいる感じじゃないですか。これだけ一緒にいるのに、いまだに一緒に飯も行くし、スタバとかにも一緒に行くんですよ。この前レーベルの方に、「いつも一緒にいるのに、毎朝久しぶりに会った時みたいに挨拶するんですね」って言われて。確かにそうなんですよね。昨日も会っているのに、1ヶ月ぶりみたいなテンションで挨拶しているんです。それで普通にいられる3人って本当にすごいし、2人の存在がありがたいなって思います。「10年経ってもこの楽しさって幸せやん」みたいな。だからこれがずっと続くように頑張ろうって。なにをやったらバズるとか、そういうのももちろんやらないといけないし、やりたいことでもあるんですけど、でも今がとにかく続くように頑張ろうみたいな。そういうことを素直に思います。今この瞬間を精一杯楽しんでいるというか、10年目でそれを迎えられていることが本当にありがたいことだなって思います。

■今すごくいいフェーズなんですね。

U そうですね。苦しいのも含めて今が一番楽しい上り坂なのかなって思います。「やっぱり楽しくないと意味ないし」っていうことをLINEで話し合ったりしています。「楽しくないと意味なくない?」「だよね?」みたいな。……今まで辞めようと思ったことあった?

MASATO 初期に。

U え!?どの時期?事務所に入る前?

MASATO いや、メジャーデビューしたくらいですね。辞めようと思ったんですけど、辞めなくて良かったなって今思っています。

U 辞めようと思ったんだ!?

MASATO はい。ハウスクリーニングでやっていこうかなって思って。(笑) お金もなかったし、その時期って楽しさから仕事に変わった瞬間で。その感覚がすごく寂しかったんですよね。みんな好きで音楽やっていたんですけど、僕は頭が固くて、その変化が受け入れ難かったんです。それこそ「楽しくないと意味ないし」って思って、その時は辞めたかったです。だから、今Uさんが「楽しくないと意味ない」って言っているのは、本当にその通りで。楽しくできているから、今はやっていてよかったなって思います。

U すごい!10年っぽい話だ。(笑)

MASATO だから本当に”Start Over”は、臆することなく自信持って歌っていいと思うんですよね、僕らだったら。

■ちなみにREIさんは辞めたいかも、みたいな時期はあったんですか?

REI 僕はないですね。

U でもソロやりたそうな瞬間はあったよね。自分がやりたいこととTHE BEAT GARDENがやっていかないといけないことがリンクしていない時期があったでしょ?

REI それはありましたね。それこそインディーズから今までって、聴いてもらうとわかりますけど、曲調も全然違って。もちろん全部自分たちで書いているし、いろんなライブやイベントとか、お客さんがあっての今があるので、今としてはその変化は理解できているんですけど、当時は自分たちがどういうアーティストになっていきたいかというか、今ほどちゃんと芯みたいなものを僕は持てていなくて。その中で、よりハートフルな方向にというか、作る音楽が大きく変わっていった瞬間があって。リリースイベントとかも最初は本当に苦手だったんです。僕は口下手なので、人と喋るのが苦手だったし。そういうのを踏まえて、自分はどういったところに自分の重きを置いていくべきなのかわからない時期が結構長かったんです。その期間は苦しんでいましたね。

 僕は歌詞を書かせてもらっているのが大きくて。自分が思ったことを書けるじゃないですか。だから、MASATOとREIの方がきっと苦しかっただろうなって思います。僕は吐き出し口があって、受け取り手からしても、僕が言っていることを僕のものとして捉えてもらえるじゃないですか。それで救われることってすごくあるんですよ。音が変わっても、自分が書いている歌詞であれば、ちゃんと「Uさんの作品」として受け取ってもらえているし、「自分の軸が変わらなければTHE BEAT GARDENじゃん」って思えたし。でも逆に、自分が歌詞を書いて、これで売れていかなかったら自分の責任だなっていうのは、多分誰よりも思っていましたね。常に危機感みたいなものはあったかもしれないです。でも2人のそういう様子を見ていて、「もっといい歌詞を書かないと駄目だよな」っていうのはずっと思っていることですね。

■ここまで話を聞いていて、すごくみなさんが良い関係性で、今はすごく良いモードなんだなと感じます。10周年を迎えて、11年目以降に向けての意気込みも特別なものがありますか?

U そうですね。なんかレーベルのみなさんもそうですし、事務所も、Beemerも、周りのみなさんが本当に「今こそTHE BEAT GARDEN行けよ!」っていうことを思ってくれているのを感じるんです。なので、精一杯やりたいし、実力で足りない部分ははっきりと分かっているから、そこをとにかくちゃんとできるようにして、音源で知ってくれた人たちがライブにも来てよかったって思ってくれるように、そしてずっと一緒にいてくれたファンがこれからも一緒にいようって思ってくれるように、本当にシンプルですけど精一杯頑張りたいです。チームとかメンバーの絆は確かだと思うので、「余計なことを考えずに音楽に没頭できる11年目を頑張ります!」っていう感じですね。

MASATO うーん。なんか……このままでいたいなって思います。3年後にこうなっていたいとか、5年後にこうなっていたいとか、もちろんビジョンはあるんですけど、そんなに上手くいかないじゃないですか。だから、自分が今したいこととか、足りていないなと思うこと、やった方がいいなって思うことを見極めて、本当に今を一生懸命に生きるということを続けるだけだなって思います。僕は計算高くやっても上手くいかないんですよ。環境とか「誰がどう思ってるんだろう?」っていうのに、すごく影響されちゃうタイプなので。逆に知らないことを頑張らないとなって思います。それを今までやってきて今の自分がいるので、今できあがっている自分を続けていくというか。そうしたら多分もっとすごい自分になっていける気がするっていう感じですね。なので特に意識はせずに、とにかく10年間続けてこられたことに感謝して、今を精一杯頑張るっていうだけです。

REI この間ライブのオープニングトラックのSE制作があって。元々作っていたものから3回くらい作り直して、ファイナル公演はファイナルだけのSEを作ったんですけど、作り直していく時に、今までのファンという存在に重きも置きつつ、新規のホワイト層の人たちも観に来てくれていたら嬉しいっていう気持ちもあるなと思って。その層に向けて僕はトラック制作をしていたんだなって感じたんですよね。“Start Over”のタイミング的にも、元々僕がやりたかったトラック先行の音楽というか、そういった面をもっと出していっていいフェーズに入ってきているんじゃないかっていう話にもなったりして。確かにそうだなと思って、もちろん今応援してくださっている人たちも大切にしつつ、次に進むためにも、自分たちの視野を広げて歩んでいけるフェーズにやっと入れたのかなって思えたのが大きかったので、11年目は自分の持ち場でできることを最大限にやって、グループに貢献していくような年にできたらいいなと思います。

U 大人になりましたね。(笑) それぞれがそれぞれのありのままっていう感じなんですよね、多分。「行こう、頑張ろう!」って言葉にうるさくだしていくタイプと、マイペースに自分を崩さない人と、自分のやりたいことをやる人っていう。それでいいんじゃないですかね。(笑) いいバランスだと思います。でもとにかく、まずは“Start Over”をより知ってもらえるように、精一杯歌っていきたいなと思います。

Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
2012年8⽉1⽇、⼤阪で出会ったU / REI / MASATOの友⼈同⼠でグループを結成。2015年12⽉にサポートDJ SATORUが新メンバーとして加⼊し、2016年に『Never End』でユニバーサルシグマよりメジャーデビュー。エレクトロサウンドにエッジのきいたギターリフを織り交ぜ、ロック要素を加えた〈エレクトリック・ダンス・ロック〉というジャンルを確立。2020年6月には初のデジタル配信シングル『光』、9月に『夏の終わり 友達の終わり』、12月に『マリッジソング』、2021年4月に『遠距離恋愛』を配信リリースし、2021年8⽉に、4⼈体制最後となる3rd ALBUM『余光』をリリース。同年11月には3人体制初のデジタルシングル『ROMANCE』をリリース。2022年4月にデジタルシングル『それなのにねぇなんで?』をリリース。
thebeatgarden.com

RELEASE
『Start Over』

配信デジタルシングル
https://THEBEATGARDEN.lnk.to/Start_Over

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