THE BEAT GARDEN「THE BEAT GARDEN one man live tour 2019『Message』」ライブレポート@TSUTAYA O-WEST 5月5日(日)

THE BEAT GARDEN one man live tour 2019『Message』

ツアーもその先も、これからも一緒に歩んでください

THE BEAT GARDENの初ワンマンツアー「THE BEAT GARDEN one man live tour 2019『Message』」が、5月5日東京・ TSUTAYA O-WESTよりスタートした。本ツアーは3月20日に発売した1年半振りのフルアルバム『メッセージ』を引っ提げ、全6ヶ所を回っていくもの。初日の舞台は2017年のメジャー1stワンマン「Sprout Tour」と同じライブハウス。1年8ヶ月ぶりに彼らが帰ってきた。

結論からいうと、先日のインタビューで「僕らの新たな一面がみれる(REI)」「伝えたことでみんなが笑顔になってくれたら(MASATO)」「6ヵ所で6人のダンシング・マンを(SATORU)」とメンバーが宣言していた通り、4人の堂々としたパフォーマンスにより、初日とは思えない盛り上がりをみせ、また「Sprout Tour」以上に、ステージとの距離を近くに感じることができた。同アルバム『メッセージ』が、「Beemerに早く会いたいと思いながら作った(U)」という作品なのであれば、そのタイトルとなったツアーは集まった観客と真摯に向き合い、Beemerとともに最高の景色を創り上げ、そして更新していく。そんな思いもこのツアーには込められているのかもしれない。「東京公演を皮切りに、いよいよツアーが始まります!」

声高らかなアナウンスにより場内が暗転すると、青いライトが浮かび上がるなか、SATORUが登場。観客にクラップを促すと、MASATO、REI、Uが登場し、勢いよくライブの幕を開けた。『メッセージ』を軸にセットリストを展開していくなかで、4人はメンバー同士でアイコンタクトを取り合ったり、頷きながら歌うなど、互いの気持ちを共有し合う姿が見受けられた。Beemerとのアイコンタクトが印象的だったのが“花火”でのシーン。ヴォーカルの3人がリズムに合わせ観客に一人ひとりに向けて指をさし、また観客もステージに向けて指をさす。Beemerと気持ちを伝え合うかのようなこの光景は同楽曲だけではなく、この日のセットリストには何曲も見られた。彼らから丁寧に届けられる1曲1曲に感極まり、前半から涙を流すファンの姿も多く見られた。

MCでは、新元号に突入したということで「令和の目標」を宣言するかと思いきや、SATORUの持ち込み企画に急遽変更へ。思わぬサプライズにステージと客席が沸くなか、リスナーより届いたお便りを紹介するコーナーに。あるメンバーは遅刻を注意されたり、あるメンバーは愛犬から自撮り写真についてのツッコミを受け、SATORUからいじられまくる一幕も。スタッフやメンバーしか知らないネタをつっこまれ、焦りを見せるMASATO、REI、そしてUの姿に会場は大盛り上がり。MCで自分たちを全力でさらけ出し、客との距離をグッと縮めるのも彼ららしいし、これもTHE BEAT GARDENのライブの魅力のひとつだと改めて感じた。

 そしてユーモアたっぷりなMCを経て、披露された“ダンシング・マン”。ミラーボールに照らされるなか、SATORUも前に出てきてマイクパフォーマンスをしたり、フロアではステージの4人と共に満遍の笑みで振り付けを踊るファンの表情がとても輝いていた。その後もEDRやバラードなど、多彩なナンバーで魅了していき、ヴォーカル3人の美しいコーラスワークにも心惹かれた。観客は届けられる楽曲に対し、拳を高く上げたり、クラップしたり、コール&レスポンスで応えていく。ステージに目線を戻すと、そんなBeemerの想いに対し、会場を見渡し頷きながら、目線を配りながら、そして全力の笑顔で受け止める4人の姿があった。ワンマンライブに限らず、彼らはどんな会場であっても観ている人を決して置いてけぼりにはしない。本公演でも、そんなTHE BEAT GARDENの懐の深さを再認識した気がした。

誰かにそっと寄り添えたら――。そんな想いで作られたアルバム『メッセージ』は、多くの人に寄り添い、時に背中を押し、時に励ましてきた。そして多くのBeemerが「彼らから、このメッセージを直接受け取りたい」と思い、今日のライブに足を運んだのだろう。終盤で披露された“本当の声で”の凄まじい一体感は、メッセージを届けたTHE BEAT GARDENと、それをきちんと受け取ったBeemerの共鳴のように見えた。

アンコールでは新曲“ぬくもり”を含む3曲を披露し、初日の幕を閉じた。最後にUはこんな思いをマイクなしで語った。このMCで話したことに、彼自身、そしてTHE BEAT GARDENとして伝えたい想いが込められていたと思う。「これで一回ワンマンライブは終わるんだけど、今回はツアーだから。今日は初日で、正直いろんなことがあって不安だったんだけど、Beemerが絶対助けてくれるって分かっていたし、だからそれに負けないくらいみんなに喜んで欲しくて、準備して、最高の時間を過ごすことができました。この気持ちを持って次の会場に行くので、行けない人も一緒に走っているつもりで、ツアーの先も一緒に歩んでください。みんな大好きです!本当にありがとうございました!」

全国ツアーは残り5ヶ所だが、5月11日からはニューシングルのリリースイベントがスタートするので、ぜひ足を運んでみてほしい。きっと彼らの音楽は、あなたの心に寄り添い、励まし、そして優しく温めてくれるはずだ。

Text:日野綾
Photo:西槇太一

http://thebeatgarden.com/

LIVE
THE BEAT GARDEN one man live tour 2019『Message』
5月24日(金) 大阪 梅田CLUB QUATTRO
6月15日(土) 愛知 名古屋RAD HALL
6月29日(土) 岡山 岡山IMAGE
7月13日(土) 宮城 仙台MACANA
7月21日(日) 香川 高松DIME