板野友美 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

板野友美

ミュージックビデオが話題沸騰!胸キュンの連続で恋がしたくなるニューシングル

気がつけば考えてて、ふと目が合っただけでキュンとする――板野友美が約1年ぶりにリリースするシングル『すき。ということ』は、誰もが若かりし頃に体験した淡い恋心を描いたラブソング。若手俳優の塩野瑛久と板野によるドラマ仕立てのMVには、カップルの日常が描かれ、YouTubeでは既に150万再生を突破。カップリングには自身が出演した2つの映画主題歌も収録し、歌手としても女優としても活躍する彼女ならではの作品に仕上がった。「昔は外見から入っていました」という過去の恋愛観から、「好きをコントロールするようになった」という現在まで、読んでいるだけで恋がしたくなるインタビューをどうぞ!

■1年ぶりのシングルに“すき。ということを”を選んだ経緯から教えてください。

板野 前作の“Just as I am”は10枚目のシングルだったので、節目な楽曲にしたくて、自分と照らし合わせて詞を書いたんです。それを経ての11枚目なので、また新しい挑戦というか、いままでやってこなかったことをしてみたいなと思って。それで、女の子らしくて、乙女な感じの曲は、実はあまり表題曲では出してなかったんです。今回は10代のときに味わったような、胸がキュンとする恋心を描こうと思ったんです。

■そのテーマを先に決めてから曲を集めたんですか?

板野 そうですね。プライベートで作曲家の友人と一緒に作っていた曲も候補にあったんですけど、レコード会社のスタッフさんが出してくれた候補から曲をセレクトしました。かわいらしい曲で、もう曲調だけでキュンとするんですよね。

■歌詞を書くうえでは、何か参考にしたんですか?

板野 作詞をする上でのモチベーションを上げるために、私の大好きな少女漫画があるんですけど、それをすごく読み返しましたね。あとは、自分の学生時代を思い出したり、周りの若い子に恋愛観を聞いたりもしましたね。だから、いまの自分の気持ちというよりは、いろんな想いが混ざった歌詞にはなっていると思います。

■これは可能性があるかないかは別として、付き合う前を歌った曲ですよね。歌詞に出てくる2人は、どういう関係性をイメージしていたんですか?

板野 最初に会って、女の子は彼のことをすぐ好きになって。大人の恋ではなくて、学生の恋というイメージで書きました。だから「今度映画に行こうって帰り道、言ってくれた」の「帰り道」は、たまたま学校からの帰り道が一緒になった感じですね。

■同じ学校の2人なんですか?

板野 そこは聴いてくれた人に想像してもらいたいなと思っていて。私なりの設定はあるんですけど、あんまり詳しく言わないようにしています。

■確かに、自分の体験に置き換えて聴いたほうが楽しめそうです。その「映画に行こう」に対しては、女の子の気持ちとして「その言葉期待しちゃだめかな?」という歌詞が続いていますけど、期待しちゃダメなんですか?

板野 だって、2人で行くかどうかはわからないじゃないですか。

■あー、そのパターンもありますね。その子を好きな彼の友達がいて、3人で行こうみたいな可能性もあるでしょうし。

板野 そうそう。(笑) 普通に友達として誘っただけかもしれないし。そう考えると「今度映画に行こう」と言われても、「好きなのかなぁ?」みたいな。

■歌詞から妄想するの楽しいですね。(笑)

板野 はい。いろいろ妄想して楽しんでほしいです。

■この曲のタイトルは“すき。ということ”で、「気がつけば考えてる」という歌詞もありますけど、板野さん的な「好き」の基準は?

板野 わかんないんですよねぇ。若いときは単純だから、すぐ「好き」って思っちゃうじゃないですか。私は初めて好きな人ができたのが小学校5~6年生だったんですけど、そのときはドッジボールが上手いとか、足が速いとかでキュンみたいな。(笑) でも、年を重ねるにつれて、「好き」をコントロールするようになったというか、いろいろ考えちゃって、すぐ好きになれないんですよ。

■まだ好きになっちゃダメだぞって自分に言い聞かせたり?

板野 そうなんです。だから気がつけば考えてて、「あー、好きだな」と思える恋って、すごいピュアだし、そんな恋したいなって、私も憧れるんです。歌詞の「ふと目があっただけなのに/胸の奥がきゅんと痛くなる」とか、なかなかないじゃないですか。教室で目が合ってキュン!みたいな。あと、「大きな背中」っていう歌詞があるんですけど、昔は大きな背中フェチだったんですよ。(笑) 実際に中学1年のときに、大きい背中の人が好きだったので。

■さっきもドッジボールが上手い人とか、足が速い人とか、わりと単純ですよね。(笑)

板野 昔は外見から入っていましたね。でも、歳を重ねるごとに統計が取れて、「こういう人はこうだからな…」とか思うようになっちゃって。それに自分の価値観とか、生活スタイルとか、あるじゃないですか。昔はあんまりこだわりがないから、好きな人に染まりたいって思えるけど、大人になって自分がわかってくると、こういう人とは合わないなとか、似てる人と一緒にいるほうが楽だなとか思っちゃう。だから、そういうものがない、ありのままの気持ちで突っ走れる恋は、すごくピュアですよね。そういう恋をしたいです。

■そう考えると、学生の恋の歌ですけど、大人でも楽しめそうです。

板野 10代の人には歌詞のまま受け止めてもらえればいいんですけど、大人の女性とか、なんなら男性でも、こういう経験を一度はしていると思うから、この曲で昔の恋を思い出して、また胸がキュンとなってくれたらいいなと思います。そうすることで、またそういう恋に近づけるのかなと思いますし。

■ちなみに、この歌の女の子は自分から告白できないタイプのように受けれるのですが、そこは板野さんの性格と重なっているんですか?

板野 私の勝手な考えですけど、女性から恋愛を進めてもうまくいかない気がするんです。だから、向こうから来てくれて、いいかなと思うことはあるかもしれないけど、自分からグイグイはいけないかな。どっちかというと愛されたい。(笑) だから出会った瞬間にピンと来るというか、お互いが「いいな」って思う感じが理想です。

■すぐ好きにならなくて、出会っても待つタイプだと、なかなか恋愛できなそうな気が…。

板野 えー、そうなのかなぁ。もし結婚するなら、会った瞬間に「この人と結婚するのかな?」みたいなものがほしいんですよ。そうじゃないと「この人でいいのかな?」とか思っちゃいそう。(笑)

■がんばってくださいとしか言えませんが…。板野さんと塩野瑛久さんが出演されているMVも話題になっていますけど、曲では付き合う前なのに、MVでは同棲しているじゃないですか。どういう経緯で、こういうストーリーになったんですか?

板野 当初、私は歌詞のままの世界観をイメージしていたんですけど、監督と打ち合わせをしたときに、それだとありがちなMVになっちゃうと言われたんです。それで、楽曲タイトルを追求する形でそれはそれでいいのではないかと思いました。あと、せっかく女優をやっているわけだし、今までの私にはない新しいMVを作ろう、今後も女優を続けるなら、本気で芝居してほしいと言ってくださったんです。それで監督自ら台本を書いてくださって。

■その台本が、同棲している話になっていたんですか?

板野 そうなんです。カップルの1日が描かれているんですけど、日常での幸せを表現できれば、歌詞と離れることなく、伝えたいことは伝わると思うからって。

■個人的には、この歌に出てくる2人の未来を描いていたのかなと思っていました。

板野 あー、たしかにそういうふうに捉えることもできますね。この2人には設定があるんですよ。私はファッションデザイナーの夢を追いかけていて、彼はジャーナリスト志望でドキュメンタリー映画を作ることを目指していて。外では心細いところがあるけど、家の中では2人の空間があって、そこでお互い心許し合っている。途中、浜辺で私が泣くシーンは、海の向こうの家族を思い出したからなんです。

■そういうことだったんですね!

板野 お芝居に真剣に取り組んでくれる監督で、本当に一本の映画やドラマを撮っているような気持ちでした。MVなのに、撮影中は曲を一切かけなかったんですよ。曲をかけちゃうと本当の日常っぽくなくなるからって。

■監督はリアリティを追求したわけですね。MVは胸キュンなシーン満載ですけど、全部監督が考えたんですか?

板野 はい。台本に「朝、キスで起こす」だとか具体的なシチュエーションが書いてありました。2人の「間」・「空気感」・「表現力」を大事にするためにあえて台本にセリフはなしでした。。

■シチュエーションだけ決まっていて、あとはアドリブの演技だったんですか?

板野 そうですね。そうすることで監督は自然体でリアルなシーンが撮りたかったんだと思います。