『TEMPUS』は、新体制になってから現在までにVELLE.Jが歩んできた道のりを詰め込んだ作品。
活動自体は9年目。でも、2022年7月31日に現在の編成になって以降、一気に注目を集めだしたVELLE.J。そんな彼らが12月10日にフルアルバム『TEMPUS』をリリース。12月25日には、なんばHatchでのワンマン公演も決まっている。今、注目したいVELLE.J。その魅力を追いかけるべく、TAICHI、YUSUKE、KAZUKI、FUMIYA、KENTOの5人に話を訊いた。
■現在のメンバーになったのが2022年7月31日ですが、VELLE.J自体の活動は9年目になります。まずはここへ至るまでの経緯から教えてください。
YUSUKE ここへ至るまでの歳月は本当に激動でした。元々は自分が専門学校時代の友達とVELLE.Jを結成して、そこに知り合いの紹介を受けてTAICHIが加わりました。友達同士で楽しく始めたとはいえ、グループ活動は馴れ合いではやっていけないもの。活動当初はお客さんを呼べずに苦労を重ねたこともありました。いろんな試練を経験していく中で、強い意志を持てなかった仲間たちが次々と辞めていくのも仕方のないことだと思います。逆に言えば、本当に強い意志を持ったメンバーのみがVELLE.Jには残りました。
TAICHI 辞めていった奴らを見返したいというか、しっかりと結果を出して、辞めたことを後悔させたいじゃないけど、それくらい「売れようぜ」という気持ちの強いメンバーが、結果的にはVELLE.Jに居続けてきたから。
YUSUKE 今の体制になる前にも、コンテストで優勝したり、日本武道館のステージにも立たせてもらったりなど、自分たちの気持ちを突き動かす良い経験もいろいろとしてきました。でも、いろんな挫折を重ねてきたのも事実で、今振り返ると、あの頃は目の前のことに必死で、グループとしての大きなヴィジョンを描ききれていなかったんです。その反省もあって、新体制を作り上げ、新たなグループとして生まれ変わろうというタイミングで、一つの明確な目標を立てました。それは地元である大阪城ホールでワンマンライブを行うこと。今はそこに辿りつくための道筋を描き、そこへの道筋を一つ一つ歩み続けています。そういう思いを描けたのも、新メンバーとして加入した3人(KAZUKI、FUMIYA、KENTO)の存在が大きかったなと思います。
TAICHI VELLE.J自体の歴史は確かに長いけど、新体制になったタイミングでまたVELLE.Jを1から作りあげる気持ちを持って進めてきました。だから、自分たちの中ではまだ結成から2年半しか経っていないような意識なんです。
YUSUKE ライブで歌っているのも新体制になってからの楽曲ばかりなので、本当に2022年7月31日からが新たなスタートと言っても間違いはないです。
■KENTOさんは、以前のVELLE.Jにどんな印象を持っていましたか?
KENTO 実は僕、それまでVELLE.Jのことはまったく知りませんでした……。
YUSUKE それは世間知らず過ぎる。(笑)
KENTO 僕は元々ダンスを追求し続けていました。VELLE.Jへの加入の誘いの声を最初にかけてくれたのが、専門学校時代の一個上の先輩だったFUMIYAくんで。実は僕、メンバーと出会う前に、加入の誘いを2度お断りしているんですよ。
■それはどうして?
KENTO 当時は別に挑戦していたことがあって、そこに気持ちをぶつけていたのが断っていた理由です。ただ、そこでもいろいろと思い悩むことが生まれ、「一度メンバーと会って、話してみたい」と思い、FUMIYAくんにお願いをして、2人(YUSUKE、TAICHI)とカフェで会いました。そこでいろいろと話を聞き、今後のグループを進めていくヴィジョンや熱意に惚れ込み、「俺もその仲間になりたい」と思って加入を決意しました。
■VELLE.Jへの加入という道を選んで正解でしたね。
KENTO 大正解でした。ただ、2人(YUSUKE、TAICHI)とは小学校がかぶらないくらい年齢差が離れていたから、最初の頃はジェネレーションギャップを感じてしまうことも多く、馴染むまで苦労したのも、今ではいい想い出です。
TAICHI そんなにギャップがあった?
KENTO ありましたよ、意識や感覚が古いなって。(笑)
YUSUKE お前!今、年上の人たち全員を敵にまわしたな。(笑)
TAICHI おーい、一人脱退しまーす!(笑)
KENTO 世代的な意識の違いは確かに感じましたけど、でもVELLE.Jで活動をしていてすごく楽しいです。
■FUMIYAさんは、VELLE.Jの存在はもちろん?
FUMIYA 僕も知らなかったです。(笑)
YUSUKE それ、ほんまおかしいやん!FUMIYAとは、彼が以前やっていたグループと対バンもしているんですよ。なんなら彼らよりもVELLE.Jの方が人気や知名度、動員もあったのに知らないなんて……。FUMIYAも脱退を考えんと。(笑)
FUMIYA あの頃は歌とダンスに夢中だったというか。(笑) 今もそうだけど、当時も自分の興味のあることばかりに熱中していたから、あまり他のことに興味や関心をまったく示さなかったんですよ。自分も2人の話を聞いて、「この人らについていったら絶対に大丈夫」、「ここなら俺のやりたいことが出来る」、「それまで壁と感じていたことも、ここなら突破出来る」と、気持ちを強く感じて入ることにしました。さっき大阪城ホールを目指すという話があったように、明確な目標を掲げて活動をすることで、動きも具体的に作りあげていけるし、そのためにクリアしなきゃいけない課題や、大きな壁もあるけど、それを明確にしているからこそ、みんなの気持ちが一つになれる。そこも惹かれた要因でしたね。
■KAZUKIさんも、VELLE.Jのことを知らずに?
KAZUKI 僕はもちろん知っていましたよ!(笑) なんなら以前にやっていたグループでVELLE.Jとは何度も対バンしているし、うちらの企画に参加してもらったり、うちらがVELLE.Jの主催イベントに呼ばれたりの間柄でしたから。それどころかYUSUKEくんとはプライベートでも仲良しで、一緒にご飯やお酒を飲みに行く関係でしたし。加入した経緯も、僕らのやっていたグループが解散して、その後コロナ禍になり、なかなか思ったような動きを見いだせなかった中で、新たな方向性を模索していた2人に声をかけられたのがきっかけで参加しました。しかも、ちょうどあの時期にFUMIYAとも知り合い、彼もすごく前向きな意志を持っていたから、FUMIYAと、FUMIYAの紹介で会ったKENTOと一緒にVELLE.Jに加入することにしました。
YUSUKE 今回発売するアルバム『TEMPUS』に収録したのは、今の体制になってから生み出した曲たちばかりなんです。なんなら「アルバムを出します」と発表をした時点で、新たに半分くらい新曲を書き下ろしたから、まさにこの2年半の活動の中で生まれて、そこから厳選した曲たちを詰め込みました。
■VELLE.Jの強みが、メインコンポーザーのKAZUKIさんがいるとはいえ、メンバー全員が作詞・作曲、もしくは作詞を手がけていることです。良ければ自ら手がけた楽曲の魅力を聞かせてください。TAICHIさんは、アルバムの中で4曲手がけていますね。
TAICHI VELLE.Jは自分らの生きざまを記した曲や、強いメッセージをぶつける曲を軸に表現しているんだけど、自分は本当に幅広い曲たちを持ってきています。VELLE.Jらしさを詰め込んだ“M.C.D”と、遊び心満載の“美女ダンス”は作詞・作曲を、“A Song for you”では作詞とメロディーを、“Because of”は作曲をしていて、作詞はKENTOと共作しました。
■KENTOさんと共作をした“Because of”は、どんな流れで生まれたのでしょうか?
TAICHI トラックをいただいた時点では、恋愛系ではないような曲にしようと思っていました。KENTOと作詞を共作したのは、「KENTOならこの曲をどう料理してくれるだろうか?」と、強く興味を持ったことからでした。その思いを持って、KENTOにトラックを聴いてもらい、「感じたままを言葉にしてほしい」と伝えたところ、KENTOがいろんな言葉を箇条書きにして渡してきてくれたんです。その内容ががっつり恋愛系で……。(笑) KENTOと話し合いながらその言葉たちを歌詞としてブラッシュアップしていく上で、じゃあ自分も恋愛への思いを乗っけて整えようとなって、今の形に仕上がりました。
KENTO 最初に曲を聴いた時に、「恋愛チックな曲がいいなぁ」と思ったから、そんな想いを言葉にしてTAICHIくんに渡したんだけど、それを綺麗にまとめてもらったら、自分では経験したことないような大人な恋愛感情を歌詞に乗っけてきたので、「オーッ!!」となりました。(笑)
TAICHI MVを制作した“美女ダンス”は、KAZUKIに「ちょっとシュールで遊び心を持った楽曲を作ってほしい。そういうMVも作りたいから」と言われ、映像にすることを前提に作りました。“美女ダンス”は、MVも一緒に見てもらえたら、より世界観が伝わりやすいと思います。
KAZUKI あのふざけたMVを作りたいがために、TAICHIくんに“美女ダンス”を作ってもらったからね。(笑)
TAICHI 全体を通してふざけまくっているのがこのMVの見どころですね。(笑) でも、美女は一人も出てこないんですよ。なぜなら、それを見ているあなたが美女役だからなんです。そして“M.C.D”は、まさにVELLE.Jらしいオラオラな楽曲で、「アンチも暇してる奴らも全部俺らにのっかってこいよ」と、強烈にメッセージしています。