Wienners✕オメでた、個性あふれる刺激的な一夜
3月17日に、Wiennersの『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』ファイナル公演が恵比寿LOQUIDROOMにて行われた。ファイナルを対バンという形で共に迎えたのは、オメでたい頭でなにより。先行のオメでたは登場するなり「まずは乾杯を！」と、会場に一体感をもたらす。スタートは“乾杯トゥモロー”で和やかな空気を作り上げたかと思えば、ヘビーなラウドロックに急展開。“あれこれそれどれ”では、赤飯(Vo)が「身体動きますか！」と煽り、“哀紫電一閃”では、ぽにきんぐだむ(Gt&Vo)と赤飯のダブルボーカルにリズム隊の強靭な音色が会場を震わせた。
MCでは、Wiennersのファンの名称を勝手に決めるという話題でWiennersファンとともに盛り上がった後、「今日は『BATTLE AND UNITY』！仲良しこよししに来たわけじゃないんですよ！戦いに来た！Wiennersとの戦いでもあるけど、俺らとあんたらの戦いでもあるんだ！」と渾身の叫び。ロックチューンに繋がるのかと思いきや、一変して「本当はそんなこと思ってないです」と態度を変えて笑いを誘う。そして歌われた女性アイドルをオマージュした赤飯の女声がキュートな“推しごとメモリアル”では、楽器を置いたメンバーがお立ち台に立ち、振りを踊って盛り上げる。間奏ではWiennersのアサミサエ (Vo&Key&Sampler)が登場すると、ギター型のバルーンを持ちながらエアギターソロで会場を沸かせた。
続いてラウドなアレンジが施されたカバー曲“ガラガラヘビがやってくる”を披露すると、“SIX ON THE PACK”、“ダルマさんは転ばないっ”と、オーディエンスを巻き込みながら展開する。途中、唐突に「ダ〜ルマさんは〜転ばないっ！」と、赤飯がフロアを振り返り演奏がピタっと止み、硬直するオメでたファンという展開に、Wiennersファンに向けて「ね？なんのこっちゃでしょ？」と赤飯が笑いを誘う場面があったかと思えば、曲中にもかかわらず、唐突にWiennersとの出逢いを語り始めるなど、自由過ぎるステージを見せる。そして「まだ曲の途中なんですけどね」と前置きしつつ、Wiennersの楽曲“FAR EAST DISCO”のカバーを披露した後、また再び“ダルマさんは転ばないっ”へと舞い戻る。パワフルな演奏力はさることながら、ユーモアあふれるこの日ならではのライブパフォーマンスで、オーディエンスを大いに楽しませた。
「日本で一番盛り上がっている夜はここなんですよ！」との言葉に続いて演奏した“生霊の盆踊り”では、ミト充(Dr)による力強いドラムや赤飯のデスボイスが並々ならぬパワーを感じさせ、オーディエンスを躍らせる。「夏でもないのに、Wienners出てきていないのに熱いなー！ライブハウスっていうより…お風呂屋さんですね！」と披露した“スーパー銭湯～オメの湯～”では、324(Gt)、mao(Ba)、ミト充の3人による怒涛のソロで魅了すると、ラストは“オメでたい頭でなにより”でフロアをダブルピースで埋めつくす。「あんたら俺たちのヒーローですよ！ライブハウスでライブさせてくれてありがとう！」。ラウドな音色に感じるほとばしる熱量と、ユーモアあふれるパフォーマンスで珠玉のエンターテインメントを届けた。
続くWiennersのステージは、”恋のバングラビート feat.MC Maharaja”で開幕。∴560∵ (Ba&Cho)に舞い降りたというMC Maharajaの言葉とエスニックなリズムで、序盤からオーディエンスを異世界に導いていく。「踊っちゃってください！」と玉屋2060% (Vo&Gt)の言葉を合図にするように“ULTRA JOY”、”YA!YA!YA!”と疾走感溢れる楽曲へ。アサミサエによって奏でられる奔放なシンセサウンドがオーディエンスを掻きまわすようにフロアを盛り上げた。
「既にあったまってるじゃん！」と玉屋、「みんなすごいいじられてたね」とアサミサエが口にすると、∴560∵は「ウィンナー何百本も集まってくれてありがとう、茹で上がってる？」とオメでたが勝手に決めたWiennersファンの名称(ウィンナー)いじりを拾うことも忘れない。続く”THE BATTLE”では、玉屋とアサミサエによる対照的な声色のボーカルが混沌とした世界を作り出す。鮮やかなシンセが続く“ELECTRIC FOR YOU”、動物の鳴き声が賑やかな導入の“ANIMALS”と、ロックサウンドとポップなシンセが混ざりあいながらの怒涛の展開で進む。
「伝説の夜にしたい！俺たちには音楽の神がついてるから大丈夫だよな！」という玉屋の叫びから続いたのは“GOD SAVE THE MUSIC”。「どうか止めないで」と渾身の想いを込めて紡ぐ。終盤の転調がより勢いを押し上げると、“NOW OR NEVER”へ。力強さがひしひしと伝わる玉屋と高く澄んだアサミサエのボーカルのハーモニーが響いた。「人がいる場所で演奏できて本当に嬉しい。全然コロナ終わんないね……。みんなも大変だったでしょ？今ここで会えてるのマジ奇跡。ありがとう！」と玉屋が語ると、“起死回生の一発”、“蒼天ディライト”を披露。気分を浮きたたせるような希望的なシンセサウンドと、リズミックでポップなボーカル、感情を吐露するような激しい演奏が融合した熱いステージとなった。
アンコールにてツアーを発表したWiennersは、日本をテーマにするというツアーにかけて“TRADITIONAL”を披露。そして赤飯を呼び寄せると、オメでたのステージにてカバーされていた“FAR EAST DISCO”をともに歌い上げ、最後には“UNITY”をコラボで披露。それぞれのメンバーに駆け寄る赤飯とそれを迎えるWienners、共に楽し気な一方で、バチバチとした熱さがほとばしる刺激的なステージ。オーディエンスを目の前にライブが開催できる喜びとバンドの個性がぶつかりあったとても熱い一夜となった。
Text：村上麗奈
Photo：かい
公式サイト：https://wienners.net/
YouTube：https://www.youtube.com/c/Wienners_ch
Twitter：https://twitter.com/wienners_wns
Instagram：https://www.instagram.com/wienners_official
『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』ファイナル公演 セットリスト
オメでたい頭でなにより
01.乾杯トゥモロー
02.あれこれそれどれ
03.哀紫電一閃
04.推しごとメモリアル
05.ガラガラヘビがやってくる
06.SIX ON THE PACK
07.ダルマさんは転ばないっ
08.生霊の盆踊り
09.スーパー銭湯〜オメの湯〜
10.オメでたい頭でなにより
Wienners
01.恋のバングラビート feat. MC Maharaja
02.ULTRA JOY
03.YA! YA! YA!
04.THE BATTLE
05.ELECTRIC FOR YOU
06.ANIMALS
07.ASTRO BOY (Black Hole ver.)
08.GOD SAVE THE MUSIC
09.NOW OR NEVER
10.FACTION
11.起死回生の一発
12.蒼天ディライト
ENCORE
01.TRADITIONAL
02.FAR EAST DISCO with 赤飯(オメでたい頭でなにより)
03.UNITY
LIVE
■BATTLE AND UNITY TOUR 2022 ※振替公演
5月6日（金）仙台Rensa
出演：Wienners / ネクライトーキー
https://w.pia.jp/t/wienners-bau2022/
■Wienners 春雷行脚
5月16日（月）京都磔磔
5月17日（火）名古屋Tokuzo
5月20日（金）新宿BLAZE
https://w.pia.jp/s/wienners22of/
RELEASE
『Wiemixes』
配信リミックス・アルバム
https://lnk.to/wiemixes
2月23日ON SALE
