アルテミスの翼『Wings of Artemis 5th Anniversary ONEMAN LIVE』ライブレポート@品川ステラボール

5周年公演で見せた、今のアルテミスの翼の神髄となる姿。

アルテミスの翼が誕生したのは、まさにコロナ禍最初の年である2020年10月だった。始まりは、2021年1月5日にCD発売した1stシングル『最終ゼンヤ/MONSTERビーツ』のリリースイベントのスタートアップ日となった、10月10日に渋谷タワーレコード店で行ったインストアイベントからだった。インストアイベントを今でも大切にしている、アルテミスの翼らしい始まりだ。正式にライブ活動を始めたのは、同年11月から。あれから5年間、メンバーの変遷もありながら、今では海外での活動も組み込むなど、アルテミスの翼はシーンの一角を担う存在にまで成長している。メンバーは、結成時から在籍しているアテナ・シオリを筆頭に、ペルセウス・ツカサ、カシオペア・キアラ、ユニコーン・リョーカ、トライアングル・オト、ドルフィン・カレン、ライブラ・ヒナ、コイヌ・ユイ、アフロディーテ・サクラ。活動から5年、アルテミスの翼が10月13日(月祝)に品川ステラボールにて、5周年記念のワンマンライブ『Wings of Artemis 5th Anniversary ONEMAN LIVE』を開催した。グループとして最大キャパでの公演となった当日の模様をここにお伝えしたい。

巨大なスクリーンに映し出されたメンバー紹介の映像と重なるように、キラキラと煌めく華やかなSEが流れだす。やがてその音色は、荘厳な音楽へ。楽曲が躍動するのにあわせて、フロア中からあふれだす熱情した声、声、声。その声に導かれるように、メンバーがステージへと姿を現した。アルテミスの翼の活動5周年を記念したライブは、華やかで力強くパワフルな、攻めるアルテミスの翼を象徴するのにふさわしい“Lock On!!!”からスタートした。一人一人が、美しくも凛々しい歌声で高らかに、ときにラップにしてぶつける。サビで9人が「Lock On,Lock On~」と力強く連呼するたび、その声に刺激を受け、彼女たちと同じように気持ちが荒ぶりだす。暴れずにはいられない彼女たちが、「ぶっ飛んで!」と煽る声を合図に、場内中で無数のペンライトの輝きが大きく揺れ動き、荒ぶる声が飛び交う。メンバーと観客たちの熱い声のやり取りが胸を熱くする。もしや我々は、すでに9人にハートをロックオンされていた?!力強い、華やかで情熱的な歌声と楽曲だ。続いて凛々しいアルテミスの翼らしい姿を投影した“PROUD of”の登場だ。グループが誕生した頃から彼女たちは、気高い魂を胸に、強いアイドルとしてのプライドを高らかに掲げ、未来をこの手でつかみ取る思いを歌声やパフォーマンスに、何より日々の突き進む活動の中に投影し続けてきた。この日も彼女たちは、「プライドを見せつけてやれ!」と雄々しく歌いながら、その姿勢を示していた。その言葉や9人の姿に刺激を受けた大勢の観客たちも同じように魂を奮い立てずにはいられなかった。だから、心の底から沸き立つ感情を叫び声に変えていた。ステージの上と場内中から突き上がる無数の拳が、その勢いを物語っていた。

さらに観客たちのハートを燃え盛らせるように、アルテミスの翼は“星屑アクション”を叩きつけた。この曲でも9人は凛々しい歌声を魅力に、熱狂する観客たちへさらに燃え立つ感情を注ぎ込んでいく。彼女たちが示した生きざまこそが、アルテミスの翼におけるすべてのルール。9人は燃やした情熱を胸に、信じた未来へと突き進んでいた。その思いを受け止めるたび、同じように胸を熱くしていった。 活動初期から築き上げてきた凛々しい姿を示した後に、アルテミスの翼が見せたのは、最近の彼女たちらしいキュートな姿だった。「ここにいる全員、アルツバのことを好きにさせちゃいます」の言葉を合図に歌ったのが、TikTokでも話題を集めた、めちゃめちゃキュートな“ちゅき…ちゅ!”。彼女たちが愛らしい笑顔で「ちゅきちゅき~」とせまるたびに、胸の鼓動が大きな音で、しかも早鐘のようにドキドキ鳴り続ける。9人の魅せるキュートなアタック(告白)を受け止めるたびに気持ちが膨らみ続ける。メンバーの上げた「みんな大好きー」の声に、場内中から興奮した熱い声が返ってきたのも印象的だった。このままずっと、キュートな衝撃にハートをバクバクさせていたい。続く“Q: cute?”で9人は、恋わずらいした気持ちを「おねがい!おねがい~」といじらしく、それでいて、愛らしい甘えた素振りで歌っていた。乙女心をちらちらと見せながら、甘えた声で「おねがい!おねがい~」とせまられるたびに、見ているほうが「恋わずらい」してしまいそうだ。「ずっと私を見て」と歌いながらせまる9人の姿や表情を、しっかり2つの眼とハートに焼きつけたい。まさか、甘えた女の子の告白ソングを3連打してくるとは……。“恋ショ!!!!!!”で彼女たちは、過ぎ去ったばかりの夏をこの場へ連れ戻すように、手にしたタオルをくるくると回しながら「恋しよ!恋しよ!」と歌った。その姿にあわせて、場内中でもタオルやカラフルなペンライトがくるくる回り続ける。今年の夏も、さまざまなイベントを晴れやかに染め上げてきたこの曲を、初秋の季節に聴くことで眩しかった夏を一緒に取り戻せた気持ちになれる。だからずっとウキウキしていたし、彼女たちと一緒に思いきり声を張り上げながらタオルを全力でくるくる回し続けていた。そう、これも全部夏のせいにしちゃえばいい。

ここで「響け僕らの夢 描いてた理想に届けて~」と、アルテミスの翼は“Bring it on!”を歌いだした。このブロックで彼女たちは、ハートをドキドキさせるだけでなく、ともに未来や夢を見つけにいこうと熱い誘いもかけてきた。この曲に触るたび、一緒に夢を追いかける元気をチャージしていける。君(アルテミスの翼)が描いた夢は、僕ら(ファン)の夢だからこそ、これからも一緒に楽しく、ニヤけた笑顔で歩み続けたい。ここでMV『わがまま☆契約書』を投影。その間に新衣装姿へと着替えた9人は、少し大人の魅力も見せながら、でも、可憐な姿で“星ノ唄”を歌いだした。自分たちが胸の内に抱く強い意志や未来への想いを、凛々しい歌声に乗せて9人は響かせてきた。凛々しさとかわいさを巧みにミックスしながら、そこに大人の女性としての魅力も加えた姿を彼女たちは見せていく。その姿に、視線も心もずっと惹かれていた。何より未来へ向かう強い意志を胸に歌う姿に、気持ちが熱く高鳴っていた。ここでアルテミスの翼は、グループの始まりの曲“最終ゼンヤ”を歌った。とても凛々しく、でもエモーショナルさも抱いたこの楽曲に触れていると、気持ちが熱く高ぶりだす。だから、彼女たちと一緒に「Wow Oh Oh」と声を上げずにいれなかった。もともと戦士の魂を胸に始まったグループらしく、気高い気持ちを、アイドルらしい明るく前向きな歌声で届けてくれるからこそ、ひときわ胸が熱くなる。途中に飛び出すラップ調のセリフパートに胸を熱くしていたのも、彼女たちの強い意志が歌声になって胸に突き刺さってきたからだ。この流れで、活動初期から歌い続けてきた“ジャンヌ・ダルク”を持ってきたところが、めちゃめちゃエモい。5年という年月を重ねようと、アルテミスの翼の本質は何もブレていない。いつになっても彼女たちは、アイドルという世界に新風を巻き起こすために戦い続ける戦士である。ジャンヌ・ダルクのような気高さを持って、このシーンの先頭に立って牽引しようとしている。そのプライドを9人の力強いパフォーマンスから感じた。ここで彼女たちが歌ったのは、カバー曲の“Pegasus Fantasy”。アルテミスの翼の誕生のきっかけであり、グループのコンセプトの土台になったのが、この作品。5周年のライブで、原点ともいうべき姿を示したことに興奮を隠せなかった。故NoBことMAKE-UPの山田信夫への強いリスペクトを胸に、彼女たちも歌声の翼を大きく広げ、この場で力強く羽ばたいていた。

ここで9人体制になってから5周年公演を迎えるまでの日々を追いかけた、ドキュメントタッチのヒストリー映像を投影。ふたたび着替えた彼女たちは、新衣装姿で“♣♦メタモ♠♥”を元気いっぱいに歌いだした。今の彼女たちは、とても煌めいている。その輝きは9人の心の中に芽吹き、育つたびに放たれてきたものだ。9人は未来へと向いた花をこの場でしっかりと咲かせていた。その花が見せた魔法に魅了された(魔法にかかった)人たちが、カラフルなペンライトの輝きの花を場内のあちこちで咲かせていた。続いて届けたのは、この日が初披露となった新曲の“天才♡バズりーフェイス”。今までの楽曲以上にキュンキュンと胸をときめかせる超カラフルなポップチューンだ。ビートの速い楽曲の上で、彼女たちがキュンキュンときめいた想いを早口で、しかもかわいさ全開で届けるたびに、憧れの天使のようなその姿にハートがズキュズキュズッキューンと打たれっぱなしだ。初見にも関わらず、フロアには早くも声を張り上げて騒ぐ人たちもいたほどだ。この曲はこれからのアルテミスの翼のライブに、かわいくて熱い盛り上がりを生む楽曲になりそうだ。ライブも後半戦へと突入し、そこで届けたのが、活動初期から歌い続けている“ライラック宣言”だ。この曲に触れると、一途な想いで彼女たちと繋がり続けていられる喜びを覚える。彼女たちから、応援してくれる仲間たちへ向けた「好きです」の気持ちを受け止めるたびに、胸がドキドキして、照れ隠しの代わりに声を張り上げてしまう。「大好きです」のセリフを耳にしたとたん、膝からガクッと崩れ落ちそうになるくらい喜んでいた人の姿を見たときも嬉しかった。

アルテミスの翼は、ふたたびテンポのアクセルをグーッと踏み込みだした。わちゃわちゃと弾ける楽しさをダイレクトにぶつけるように、彼女たちは甘さ全開で“はにはにとらっぷ!”を披露。9人が仕掛けた甘いアプローチというトラップに、このままメロメロになるくらい落ちてしまいたい。途中には「いつも眠くてどうしよう!」「いのちのかぎりファンサします!」と、観客たちと声をかけあう場面も登場。彼女たちと一緒になってわちゃわちゃとはしゃげるのが本当に嬉しい。こんなトラップなら、いくらでも仕掛けてほしい。この勢いをさらに加速させるように、9人は「サイノーカイカー!」と元気いっぱいに歌いながら“サイノーカイカー!”を熱唱。彼女たちが飛び跳ねながら笑顔で歌うたびに、場内中のファンたちも飛び跳ねれば、一緒になってくしゃくしゃの笑顔で沸いていた。おもちゃ箱をぶち撒けたような空間の中で、ともにぐちゃぐちゃになって戯れられるこのひとときが最高だ!さぁ、もっともっと一緒になって飛び跳ねながら、咲き誇れ!!そして最後にアルテミスの翼は、凛々しく力強い声を響かせながら、笑顔で“Brave heart”を歌った。ここまでともに熱情した姿を描きあげた上で、9人はさらに高く拳を突き上げ、たとえ傷ついた心を抱こうとも、これからも信じた未来へ突き進む強い意志と自信を胸に一緒に進み続けようと、大勢の仲間たちを導いていった。

アンコールの登場時に流れたのは、新しいSE。とてもキラキラしたアッパーな登場曲だ。そこで彼女たちが歌ったのは、とてもピースフルでハートフルな“A beautiful world”。この曲中、メンバーたちは客席へと降りてきて、ファンたちに寄り添いながら歌った。彼女たちが(人によっては)目の前数十センチの距離で、しかも煌めく汗も滴らせながら笑顔で歌う姿を見て観客たちも大興奮していた。中には、自らのスマホを手に、ファンたちと自撮りをするメンバーも。まさかここで、こんなにも至近距離で彼女らとコンタクトができるとは。最高に嬉しい愛に満ちた世界がそこには広がっていた。そして、最後のブロックへ。ここで、アテナ・シオリがグループを代表して言葉を述べた。「デビューしてから苦しいこともたくさんあったんですが、5年間私がこのアルテミスの翼を守ってきたという選択は間違っていなかったんだなと、今日この景色を見て改めて思いました。今、横にいるメンバーに出会ってから、私は可能性をすごく感じることが日々多くて。これから私たちはもっともっと上を目指して頑張っていきます。そのためには、みなさんの応援も、もちろん必要になりますので、ぜひ今後ともアルテミスの翼の応援をよろしくお願いします!」その言葉を受けて、彼女たちはふたたび新曲の“天才♡バズりーフェイス”を披露。とてもキュートでノリノリな、TikTokでバズりそうなキラキラした楽しい楽曲だ。メンバーたちがお尻を愛らしく振りながら歌う姿も超かわいい。歌詞の一節ではないが、この曲の沼に落ちてしまいそうだ。むしろ、落ちてしまいたいし、彼女たちと一緒に無邪気な童心に戻り、思いきりわちゃわちゃと楽しみたい。それが正解だ。9人のかわいらしさが大爆発したこの曲、マジでバズっちゃうかも?!最後の最後にアルテミスの翼は、「私が一番でしょ!」の言葉から愛らしく始まる“わがまま☆契約書”を、かわいさ全振りでアピール。「どこにもいかないでー!!」とかわいさを全力でアピールしながら彼女らにせまられる姿に、9人に夢中になっていく。歌詞の一節のように「私なしじゃもう生きられないでしょ」という気持ちを抱く人たちが、活動を重ねるごとに増え続けているからこそ生まれた光景だ。かわいさの中に力強さを秘めた彼女たちに一生ついていきたい。そう思えるのも納得の内容だ。ハートが破裂しそうなほど興奮しながら、大勢の観客たちが最後までこの日のライブを楽しんでいた。最後の最後に、今のアルテミスの翼の神髄をぶつけてくるとは……。6年目のアルテミスの翼が、これからどんな風に進化していくのか、とても楽しみになった。

Text:長澤智典

https://wingsofartemis.tokyo/

アルテミスの翼『Wings of Artemis 5th Anniversary ONEMAN LIVE』@品川ステラボール セットリスト
SE
01. Lock On!!!
02. PROUD of
03. 星屑アクション
04. ちゅき…ちゅ!
05. Q: cute?
06. 恋ショ!!!!!!
07. Bring it on!
08. 星ノ唄
09. 最終ゼンヤ
10. ジャンヌ・ダルク
11. Pegasus Fantasy
12. ♣♦メタモ♠♥
13. 天才♡バズりーフェイス(新曲)
14. ライラック宣言
15. はにはにとらっぷ!
16. サイノーカイカー!
17. Brave heart

ENCORE
新SE
01. A beautiful world
02. 天才♡バズりーフェイス
03. わがまま☆契約書