Who-ya Extended VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

Who-ya Extended『WⅡ』

■今作ではデジタルサウンドを継承しつつ、よりサウンドの間口は広がりましたね。

Who-ya そうですね。“VIVID VICE”は生音がリアルに出ているように意識されています。

■“VIVID VICE”に続く“Discord Dystopia”も ホワイト・ゾンビに通じるインダストリアルメタル風のノイジーなサウンドで、これもカッコよかったです。

Who-ya 曲を並べようと思った時に、“VIVID VICE”の後に来て欲しい曲だったし、ザラザラした歪んだギターのイントロが上手くハマッた感じがして、3曲目に置こうと思いました。

■それはライブの経験が活きているのかもしれませんね。この曲の後はこの曲で行こうみたいな。

Who-ya そうですね。ライブのセットリストを決める感覚と、アルバムの曲順を考えるのは近いので、自分がいいなと思った感覚を、聴いてくれた人たちも感じてくれたらいいですね。

■アルバム前半はラウド、ヘヴィ好きはたまらない流れですよね。

Who-ya 前半は歪み系を集めていて、後半はWho-ya Extendedが持っている影の部分というか、月の光みたいな淡い曲調を置いているんです。

■ええ、8曲目“Wasted Dawn”から流れが変わりますからね。

Who-ya “Wasted Dawn”からは歌ものが多いので、そこは歌を担う身としては2ndアルバムならではのことをやっていると思います。10曲目の“透明の花”は、初めて日本語のタイトルにしたんです。「透明の花って何?」と思う人もいるだろうけど、「不可能なこと」の例えとして付けられた曲名なんです。この曲はレコーディングでも一番時間がかかりました。細かい歌の入り方やサウンド含めて、細かく聴いてもらえたら嬉しいです。

■“透明の花“は、自分的にも挑戦的な楽曲だったんですか?

Who-ya 新しい試みではないけど、変わった楽曲になったと思います。テーマは先ほども言ったように「透明の花=不可能なこと」の例えで、人間が発信するものって、「地球環境を守ろう」とか、「争いのない世界を」とか、別にそれを否定しているわけじゃないけど、どこか透明な花みたいなもので、非現実的に思えるところがあると思うんです。その一方で、大切な人が悲しい気持ちにならないように願ったり、祈ったりする気持ちはあると思うから、その感情を切り取って曲ができました。誰しも願いや祈りは持っていると思うので、その気持ちを肯定できればいいなと思って。

■なるほど。あと、アルバムの始めと終わりに“W Ⅱ-prologue-”、“W Ⅱ-epilogue-”とあり、作品1枚通した世界観にも気を配った内容になっていますよね?

Who-ya 歌を入れていない“W Ⅱ-prologue-”の方は、8月のライブのSEで使ったんですけど、その雰囲気を作品にも入れられたらいいなと考えて。それで、“W Ⅱ-epilogue-”の方では、“W Ⅱ-prologue-”のトラックに歌をつけたんですけど、そこで「Who-ya Extendedとは?」みたいな部分を歌詞にしました。プロローグとエピローグを付けることで、映画みたいな感覚で聴いてもらえたら嬉しいなと。

■“W Ⅱ-epilogue-”の歌詞でもっとも伝えたいことは?

Who-ya 自分たちはどこにいるかわからないし、これから先も自分たちがどういう景色を見られるのかわからないけど、「誰もいない場所に行ってみたいよね」とサビで言っているように、自分でもまだ想像できない場所に行ってみたいんです。それはWho-ya Extendedを始めた頃から掲げていたことで、それをこのタイミングで言葉にしました。

■最初に掲げていた思いとは?

Who-ya Who-ya Extendedは、異色な存在だと思うんです。アーティストに対して「何を目指しているんですか?」と聞く人たちがいるけど、例えばマディソンスクエアガーデンやさいたまスーパーアリーナでライブをやりたい気持ちはあるけど、それが目標ではなくて、まだ誰もやったことがないエンタメがやりたいんです。

■目指す場所を限定してしまうと、自分たちの可能性さえも限定してしまうことになると?

Who-ya そうですね。「何をしたいですか?」と聞かれて言えることって、既に誰かがやっていることだと思うんです。それよりも0を1にしたいんです。

■音楽を通して、自分たちのユートピアを作りたいとか?

Who-ya はい。エンタメは自分がやりたいことだけをやっていてもダメなので、作品を支持してくれる人たちと一緒に作っていきたいですね。

■最後に「目指したい夢や立ちたいステージはありますか?」と聞こうと思っていましたが、その質問は辞めておきます。(笑)

Who-ya はははは。(笑) とりあえずこれからはライブをたくさんやろうと思っています。世界がどうなるかわからないけど、エンタメや音楽業界が復興すると同時に、僕らはこれまで楽曲メインで活動していたところがあるので、人前に立って楽曲を届けられるリアルな現場を増やしていきたいです。

Interview & Text:荒金良介

PROFILE
ボーカリストWho-ya(フーヤ)を中心としたクリエイターズユニット、Who-yaExtended(フーヤエクステンデッド)。2019年11月フジテレビ“ノイタミナ”にて放送されたTVアニメ「PSYCHO-PASSサイコパス3」のオープニングに大抜擢され、2019年11月にメジャーデビュー。2021年には大人気アニメ「呪術廻戦」のオープニングテーマを担当、1月16日付けオリコンデイリーデジタルシングルランキングで1位を獲得。また5月には一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演。その繊細なパフォーマンスが話題となった。
https://www.wyxt.info/

RELEASE
『WⅡ』

初回生産限定盤(CD+BD)
SECL-2706~2707
¥3,454(tax in)

通常盤(CD)
SECL-2708
¥2,800(tax in)

SME RECORDS
11月10日 ON SALE