安田レイ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

安田レイ『through the dark』

■カップリングの“true colors”もレイさんが作詞ですが、こちらも未来に向かっていく自分の前向きさや、次に向かっていく心境的なものを感じました。

安田 この曲は何年も前に書いていた自分のメモが基になっているんです。テーマは「鳥かごの中に閉じ込められた私 」。(笑) その時期はきっとそんな心境だったんでしょう。どんどん世界は移り変わり、私の周りも変わってきてはいるけど、私は変わらず同じ場所でずっとただぼんやりとそれを眺めている。本当はそっち側に行きたいし、飛べるのに、飛ばずに私はここにいたまま。でも、そんな狭い世界から新しい世界へと飛び出して、新しい街へ出かけ、全てが弾んで見えて自由になれた。結果そんな曲になりました。数年前はなんか悩んだりもがいたりしていたんでしょうね。(笑)

■その基のメモからこの曲への変化は正直意外です。ドキドキワクワクに満ちたこれからに向かっていく感のある曲の印象を受けたので。てっきり新学期や初夏を迎える心境かと勝手に想像していました。

安田 この曲は当初はもっとダークでディープでしたが、何か新しいことを始める新生活の時期でもあるし、春っぽい世界観を意識して、誰かの力になれたら嬉しいなという気持ちへと変化しながら合わせて変わっていきました。

■今は無色だけど、これから何色にでも染まれる。その可能性を信じさせてくれる歌内容ですね。

安田 とは言え、「私はこうだ!」と勝手に決めつけないで欲しいとの想いも込めています。その決めつけの為に可能性がつぶされたり、次に進めなくなる怖さも秘めていますから。「でも実際はそうじゃないでしょ?」って。なので、その迷いや葛藤みたいなものをチラつかせながらも、全体的にはポジティブな気持ちを込めて歌いました。新しい街に出られた嬉しさや、今後そこで待っているワクワクやドキドキをぜひ感じて欲しい。

■自粛で今じっと家にいなくてはいけない自分と、それが明けたら「今度はこんなことをしてみたい!」「こんなことをやってみよう!」と、想いを募らせている今の時期の自身とリンクします。

安田 そうかもしれませんね。自由になりたいとの思いが込められた楽曲なので、みなさんに「よし、こんなことにチャレンジしてみよう!」「やってみよう!」と思ってもらえたら本望です。

■ここからは恒例のアートワーク関連の話に移ります。今回はこれまでの色を特徴としたものとは対照的に、黒と白で統一されていますね。今回も従来同様、丸井motty元子さんのアートディレクションですか?

安田 そうなんです。今回はこれまでの色シリーズをやめました。(笑) 今回のテーマが光と闇だったので、色を入れるのは何か違うなって。これまでは比較的ポップな感じでしたが、今回は一気に大人っぽく。この辺りでも、これまでとは違った新しい安田レイを表したかったんです。

■mottyさん自身、「色」を特性として出してきたアートディレクターの印象があったので、とても意外です。

安田 言われてみるとmottyさんの作品で色を使っていないものってあまり見たことないかも。でも彼女のことだから、例え光と闇がテーマでも、それほどダークや重くならない確信はありました。黒と白だけながら、暗くも重くもならず、あのバランスやニュアンスはさすがでしたね。通常盤と初回限定盤で、あえて対照的で被写もシンメトリーにさせているんですが、各々その先に繋がる物語も想像できますよね。

■お互いがお互いを見つけ、そこに手を伸ばしているんだけど、まだ触れるまでに至っていないあたり、かなり歌とリンクしていますね。楽曲も「ここから!」って、寸前で終わった感がありますもんね。

安田 このジャケットは“through the dark”のMVともリンクしているんです。MVも最新のドローンを使っての空撮も含めて、かなりスケール感のあるものに仕上がっていて。それも楽曲のスケール感にマッチしましたね。このMVではメイクも背景も衣装も違うんですが、あえて同じ動きをしている箇所があって。それがどこかワープしているような感覚にも陥らせてくれるので、是非その箇所も見つけて欲しいです。闇があるからこその光の存在や尊さや大事さも分かるし、闇にいるからこそ見える光の姿もあるはずなので。是非この楽曲やMVを見て、希望を感じてもらえたら嬉しいです。

Interview & Text:池田スカオ和宏

PROFILE
1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州生まれ。 3歳で日本ヘ。10歳の頃、母親が聴いていた宇多田ヒカルに衝撃を受けてシンガーを志す。13歳で音楽ユニット『元気ロケッツ』に参加。20歳を迎えた2013年、「自身の歌声をもっともっとたくさんの人々の心に直接届けたい」という強い想いを胸に、同年7月シングル『Best of My Love』にてソロシンガーとしてデビュー。その後も、ドラマやアニメ主題歌、CMタイアップ曲など、 話題の楽曲を次々とリリース。2015年11月にリリースした『あしたいろ』は、TBS系ドラマ「結婚式の前日に」主題歌として共感を呼び、その年の活躍が認められ、「第57回輝く!日本レコード大賞』新人賞を受賞。配信シーンでの活躍が顕著で、これまでにリリースした1stAL『Will』2ndAL『PRISM』がともにiTunesにてJ-POP1位、総合2位を獲得。ファッション分野、ラジオDJ としての活動も行い、さらなる活躍が期待されている。
https://www.yasudarei.net

RELEASE
『through the dark』

安田レイ『through the dark』

初回生産限定盤(CD+DVD)
SECL-2575~76
¥1,800(tax in)

安田レイ『through the dark』

通常盤(CD)
SECL-2577
¥1,200(tax in)

安田レイ『through the dark』

期間生産限定盤(CD+BD)
SECL-2578~79
¥1,500(tax in)

SME RECORDS
5月27日 ON SALE