夢みるアドレセンス VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

「過去最強の夢アド」が歌うアイドルの誇りと決意、葛藤の中に見えるありのままの姿。

結成10周年を迎え、2022年5月には鳴海寿莉亜と日比谷聖來に櫻野ちひろ、藤白れもん、柊木まあや、関根奈々葉、安達玲奈、最上真凪を加えて8人体制でスタートした夢みるアドレセンス。11月20日にリリースされるシングル『アクセラレーター/夏が来たぜ!!』は、現体制初の楽曲となる。今回は全てを捨てて夢と理想へ突き進む決意を歌うタイトル曲“アクセラレーター”と、心躍る夏曲“夏が来たぜ!!”に加えて、アイドルとして日々直面するリアルな悩みや葛藤を示唆する新曲“THE END GIRL”について、その歌声に込められた思いをインタビューした。「夢みるアドレセンス」の名を背負うメンバーたち、鳴海寿莉亜、日比谷聖來、櫻野ちひろ、藤白れもん、柊木まあや、関根奈々葉、安達玲奈の7人にそれぞれの熱い想いを語ってもらった。
※今回のインタビューには最上真凪は欠席。

■新曲“アクセラレーター”ですが、歌い出しの力強い「全部捨てても叶えたい夢がある」から惹き付けられました。ライブも良かったのですが、かなり練習はされましたか?

鳴海 歌い出しは私です!気持ちを込めて、応援して下さる方たちにぶつける気持ちで歌ったから、強い歌い方になったんだと思います。

■夢アドは楽曲制作陣が豪華ですよね。今回はアイドル音楽界のビッグネームAkira Sunsetさんが楽曲を制作されていますよね。

鳴海 夢みるアドレセンスは、初期メンバーの方々が築き上げて来たグループですので、「新体制でもできるんだぞ!」という強い気持ちを、スタッフさんたちもくんでくださったのかなと思います。

関根 私がデビューした時、スタッフさんに「ライブの煽りで過去最強の夢アドと言ってください」と言われて、そう言うからには自分たちもそういう気持ちでいないといけないなと思いました。スタッフさんも含め、過去最強の夢アドを目指しているんです。

■この“アクセラレーター”はデビュー曲っぽい感じもしますよね。いつ頃から歌われている曲なんですか?

櫻野 加入以前の曲を練習させていただいてから1ヵ月後くらいにいただいたので、今年の春くらいからですかね。

藤白 新曲が出るという話を聞いて、「まだかな?まだかな?」と思っていたんですが、全然聴かせてもらえなくて……。レコーディングのギリギリで聴かせていただいて、みんなで必死に練習した記憶があります。(笑)

■熟練度が高いパフォーマンスも話題となっていますよね。ところで夢アドってアイドルグループの中でも歌声が低めじゃないですか?

日比谷 自覚あります!きっとそれ私です!(笑)

鳴海 自覚あります!鳴海もです!この二人(鳴海と日比谷)が筆頭に声が低いんです。

櫻野 “アクセラレーター”の歌い方に力強さがあったのは、先輩たちが曲頭で引っ張ってくれて、後輩たちがそれに乗っていくからという所もあります。リーダー(鳴海)が手を掲げて掴む仕草でスタートしたり、歌詞やメロディにリンクした振り付けがあったりするので、完成度を高く見せられたんじゃないかと思います。

藤白 私は声が小さい方なので、みんなと同じくらいパワーを出せるように頑張って練習しました。

■“アクセラレーター”で一番聴いて欲しいところはどこですか?

鳴海 全部……。(笑)

日比谷 やっぱり「全部捨てても叶えたい夢がある」というところが一番みんなに聴いて欲しい気持ちかなって思います。

■“アクセラレーター”は目標に向かって突き進む曲ですが、この曲が指している目標はアイドル活動のことですよね?

鳴海 実は“アクセラレーター”は、“メロンソーダ”という曲のアンサーソングになっているんです。最後に(最上)真凪が「普通の女の子に戻ったらねぇ……」という歌詞を歌うんですけど、それが“メロンソーダ”の歌詞に結びつくのかなって。

■アドレセンスは「思春期」という意味ですが、今のグループを学生に例えると、どの時期になると思いますか?

鳴海 新体制だから……中1感?

関根 メンバーといる時の雰囲気だと、大学2、3年とかの一番みんなでワイワイ楽しい時期みたいな感じなので、「ちょっと大人になったからできる楽しいこと」的なのをやらせて貰えているのかなって思います。

安達 私は高校生の頃、コロナ禍でいろんな行事が潰れちゃって、今やっと青春を取り戻している感じがするので、夢アドを学生に例えるなら高校生だと思います。

関根 各々一番頑張っていた時期をイメージしているんじゃないかな?私は大学の時が一番頑張っていたので、大学で。きっともがみん(最上)とかは小学生ですよね。(笑)

櫻野 新体制でわちゃわちゃしながらも課題に向かっている感じは、中学3年生かな。

■“アクセラレーター”で好きな部分はどこですか?

柊木 最初は苦手だった部分でもあるんですけど、自分の落ちサビのパートです。急にバックの音楽が消えて一瞬歌だけになるんですけど、ガラっと雰囲気も変わって、今ではすごく好きなところです。

安達 私は「全部捨てても 叶えたい夢がある」というフレーズがとても好きです。私は昔からすごくアイドルになりたくて、いろんなオーディションを受けてやっと夢アドに受かったんです。そして初めて歌った曲が“アクセラレーター”だったので。それにアイドル活動のために学校を辞めて上京したので、この曲を聴くたびに……。

■自分のことのようで、という感じですね。

藤白 私も就職した企業を3日くらいで辞めて覚悟を決めて来たので、「全部捨てても~」という所も好きなんですが、柊木まあやちゃんと一緒に歌う落ちサビの「とっくに覚悟決めてるはずなのに~」のところが好きです。そこは“メロンソーダ”のアンサーソングとしての部分が出ていると思っていて、“メロンソーダ”では「あなたから「好き」と言われたなら アイドルだって辞めちゃうかも」って揺れ動く葛藤が見えてるので、“アクセラレーター”でもそういう部分が見えていて、いいなって思いました。

櫻野 私も「全部捨てても~」のフレーズが好きというか、それに自分を投影させている所があります。私は大学を卒業してから1年間、社会人として会社で働くという生活を経験してきたんですけど、社会人になってから夢アドのオーディションに参加させていただいて、合格したから翌日からぱったりと会社に行かなくなって。(笑) 私の最終的な夢が「アイドルになること」だったので、このまま突き進んで、この8人で上に上がって……という感じです。

■1年間の社会人生活があったんですね。

櫻野 大学を卒業したら普通に働いて、親を安心させることが正しいのかなと思っていたんですけど、普通の暮らしをしてみたら、それはそれで意外と大変だったり、やりがいや楽しさが足りないなと思ったりして。「普通より自分が自分らしく生きられる方がいいな」と思い、オーディションを受けました。最近はメンバーやステージを見て両親も応援してくれるので、これから先に行けるのかなと思います。

関根 感動話が続いた後で言いづらいんですけど、私は自分のパートがいちばん好きです!もともと私は初期メンバーの頃から夢アドのファンだったので、過去の曲を歌えることも嬉しかったんです。“アクセラレーター”では、「毎日には私を惑わすものばかり 特に君だ!」というパートを貰ったんですけど、そこに“メロンソーダ”で歌っている「あなたから「好き」と言われたなら アイドルだって辞めちゃうかも」という歌詞とのリンクを感じまして。気持ちも乗せやすいし、自分から自分へ返信できている感じがして嬉しいなって思います。自分たちの初めての曲と、過去の夢アドの大好きな曲がリンクしているのもすごく好きです。

日比谷 「いつまでも覚めないアドレセンス」っていう歌詞があるんですけど、ラスサビで「いつまでも覚めるなアドレセンス」に変わるんですよね。その「いつまでも覚めるな」っていうところは、以前からいたメンバー二人(鳴海、日比谷)が歌っていて、最後の「アドレセンス」は全員で歌うという歌割りがすごく好きです。引っ張っている感じもあるし、後輩に「覚めるなよ!」「全員で覚めないようにしようぜ!」って呼びかけている感じもします。

鳴海 でもお披露目したての時期には、ラスサビで「覚めない」って歌っちゃうことがあって……。(笑)

関根 二人が必死に楽屋で確認していました。(笑)

■1箇所だけ変わる歌詞っていうのは難しいですからね。

鳴海 私は2番終わりの間奏の振り付けに注目して欲しいです。私が手を上に翳して掴み、他のメンバーがそれに手を伸ばしているのが、必殺技をかましているみたいで。(笑)

一同 必殺技!(笑)

鳴海 そこにリーダーとしての気持ちというか、責任というか、「夢アドを引っ張っていくぞ!みんなついて来い!」みたいな思いを込めています。いろんな意見があるんですが、「私たちは先に進むぞ!」という気持ちでいつもやっています。

■丁度「いろんな意見」という話題が出たのですが、今回のカップリング曲の“THE END GIRL”はまさにそんな曲ですよね。“アクセラレーター”が理想のアイドルなら、“THE END GIRL”は現実の女の子って感じがします。批判とかってやっぱり見ちゃいますか?

鳴海 私は8人の中で唯一オーディションではなく、社長から直々にお話があり、夢アドに入らせていただいたんです。でも加入したタイミングが微妙で……。前のメンバーが卒業して「二人体制でスタートします!」っていうライブの最後に、私ともう1人の子の加入が発表されて、急に今度は「4人で活動します!」……っていう。その時は批判もあったし、「夢アド終わったな……」って声も何百回も聞きました。聞きたくなくても聞いちゃったりしたので。新体制になったけど、きっとみんなも批判の声を聞き続けていると思います。

藤白 新メンバーとして入った時、最初はファンの方たちの目が怖くて……。審査されているような気分になりました。「自分は夢アドらしくないんじゃないか?」とか、「夢アドらしさ」というのをずっと考えてしまって。「自分はこのグループのカラーに向いてるんだろうか?」という葛藤はすごくありました。

■今はリリースイベントを重ねて、良い感じになってきましたか?

藤白 そうですね。いっぱいライブをするようになってきて、夢アドに近づけながらも自分らしさを見つけられるようになってきたし、昔からのファンの方たちからもアドバイスをいただきながら、褒めていただいたりするようにもなってきたので。自信もついてきて、今はこの8人で新しい夢アドの風が吹いている感じがします。

■“THE END GIRL”って攻めた歌詞だと思うんですけど、「こんな歌詞歌っちゃうんだ」みたいな所はありませんでしたか?

関根 私は“アクセラレーター”のカップリングにこの曲を入れるのが勝負だなって思いました。ホントに真逆だから、「これ歌うんだ……?」って。題名から「うん……?」ってなって、歌詞を見たら「ええっ?!」って。(笑)

一同 (笑)

関根 タイトルを“THE END GIRL(=ジェンガ)”として、「崩れそうなジェンガ」とかけているところとか、そういう夢アドらしい所もありつつ、「なるほど……」って思いました。だけど歌ってみたらしっくりきたっていう。

藤白 歌詞の中で一番「おおっ……!」ってなったのは、「努力もプライドも 積み上げては潰され」って所です。アイドルはいつも笑顔でいなきゃいけないけど、こういう面もあるという所を出すか葛藤している日々もあったので、歌を通してわかっていただけるのかなって。

櫻野 “アクセラレーター”が強く強くと歌う分、“THE END GIRL”は崩れちゃいそうな、儚さじゃないけど、「強いだけじゃなくてこういう所もあるんだよ」っていうのを意識しています。

関根 “アクセラレーター”を見た時は「私たちの曲!」って感じがあったんです。「新体制で強い気持ち持ってやっていくぞ」みたいな。だけど“THE END GIRL”からは夢アドの10年間を感じたんです。何を言われても続けて来たこのグループ。大変なことはあるけど、「私たちが守る」という気持ちを感じました。

柊木 曲が送られてきた時にスタッフさんから「THE END GIRLって書いて、ジェンガって読むんだよ」と教えてもらったんですが、私はいかにもジェンガっぽい歌詞のパートを歌っています。まだアイドルを始めて数ヵ月なんですけど、「いろんな感情を全部込めて歌ってやろう」くらいの気持ちで歌いました。