■『2020』というタイトルですが、テーマみたいなものはあったんでしょうか?
SHUN 2020年はオリンピックの年じゃないですか。東京で行われるっていう素晴らしい年なので、それに僕らもあやかって向上していけるように『2020』というタイトルにして。
MISUGU 僕らも便乗してね。(笑) 日本も盛りあがる年なので、僕らも飛躍できるようにって。
■プロデューサーであるPENGINのサンシロウさんと一緒に作られている曲もありますが、これはどういう感じで作っていったんですか?
MISUGU こういう曲を作りたいっていうのをサンシロウさんとお話させてもらって、僕たちの気持ちとか想いをサンシロウさんがギュッとまとめて曲にしてくださっている感じですね。例えば“素顔”は、ストレートなバラードで、サビの「愛しい 愛しい」のところとか、一度聴いたら口ずさめるようなメロディでって。そういうことも僕らから伝えたりして、それをサンシロウさんが代弁してくれているような感じです。
■なるほど。ではおひとりずつ、お気に入りの曲を教えてもらえますか?
SHUN 俺はいま話に出た“素顔”ですね。ZEROSTYLEのバラードって、リズムがあって、ノリながら聴けるようなバラードになっているんですけど、特に“素顔”はその要素が多い気がするんです。いままでとレコーディングのやり方をちょっと変えたりしていて、例えば、普段だったらメインで歌っているボーカルが1人いて、メインじゃない方がハモりを入れるカタチだったんですけど、今回の音源ではメインを歌っている方がハモりも入れているんです。やっぱりその人の歌のクセってあるじゃないですか。でもそのクセも同じ人がハモることで違和感なく聴こえるようになってこれは面白いなって。そういう風にやり方が変わったのも、この“素顔”がきっかけだったので、大切な1曲になりましたね。歌詞もストレートで、「素顔のままのあなたが好き」って、パンチのある歌詞もすごく気に入っています。「薬指にかけた願いなんて 全部どうでもいいの」って、普通はどうでもよくないじゃないですか。
■どうでもよくないですね。(笑)
SHUN でもそれくらい、どうでもよくなるくらいっていう歌詞がすごいなって。
MISUGU 「あなたの隣に僕だけの 場所があればうれしいよ」って、ちゃんと回収するしね。
SHUN そう。それくらい気持ちがあるっていうのがすごいなって。
■なるほど。ではMAOさんは?
MAO 僕は断然“earch”です。バラードが好きで、ライブでもバラードのときは、DJをやりつつ、しんみりと聴いていることが多いですけど。
MISUGU ファンと同じ目線でね。
MAO そう。(笑) “earch”はね、もうサビの歌詞がね。
SHUN いいよね。わかる。
MAO いいよね。
SHUN 具体的にはどういうところがいいの?
MAO 一度つきあった人のしあわせを目の前で見ているっていう、でも自分は強がっているっていう、絶対誰にでもあると思うんですよ、そういう経験。
MISUGU 歌詞だとどこ?
MAO 「強がる僕を/笑わないで」って、ここだよ、ここ。
MISUGU そこ?
MAO いやー、絶対あるよ、これ。
MISUGU いや、そんなないだろ…・。
MAO あるある。バラード評論家としてはやっぱここですね。
MISUGU バラード評論家で「強がる僕を/笑わないで」って、それ弱過ぎだろ…。
SHUN 卒園式のアーチのこととか思い浮かべてない?
MAO アーチ違い、アーチ違い。(笑) ぜひライブ会場でこの曲は聴いてほしいです…あ、まとまった。
■ありがとうございます。(笑) ではMISUGUさんは?
MISUGU むずかしいな~。“HUMAN”か“笑え”なんですよ。“HUMAN”はキャッチーで、ライブでいちばん盛りあがる曲で、どこにいっても勝負できる曲という意味で好きなんですけど、ほんとの意味で好きなのはやっぱり“笑え”かな。
■なるほど。
MISUGU ZEROSTYLEってアップテンポな曲でも恋愛系の曲が多くて、でもこの3人になってから、いつもと違う感じで上がってきた曲がこの曲だったんです。この曲に関してはメッセージ性が強いというか、サビの「悲しい時こそ笑え」ってとこは自分たちにも通じるし、みんなにも通じると思うんですよね。苦しいことと闘っている人がいっぱいいると思うし、そんな日常かつ人生がギュッと詰まっていて、ライブでいちばん伝えやすい曲かなって。アップテンポでも涙が出てくるような曲で、デモを聴いたとき、地元やいろんなものがフラッシュバックしたんですよ。それくらい思い入れがあるし、そのときからたくさんの人に聴いてほしいと思っていたので、アルバムに入れられて嬉しいし、何回も何回も聴いてほしい曲ですね。
■この曲が最後に入っていることで、未来へとつながっていくような、そんな雰囲気もありますよね。
MISUGU それはありますよね。曲順もベストかなって思います。いままでは自分らの入れたい曲、やりたい曲が強かったんですけど、今回は初めて聴いてくれる人のことを考えたんですよ。パッと手に取って、面白そう、聴いてみようって、6曲あっという間に終わったけどこれめっちゃ良かったね、くらいのことをイメージして組んだのがこの曲順で。聴きやすさっていうところに今回はこだわりましたね。いままで詰め込み過ぎていたというか、マイナスすることを知らなかったんですよ。
SHUN できることを全部入れちゃうみたいなね。
MISUGU 削る作業ができなかったんだよね。
SHUN だからライブで聴くとスカスカじゃん、みたいな。今回はレコーディングも普段ライブでやっている状態に近い感じでできたかもしれないですね。
MISUGU 自分のこれを見せつけたいとかはなしにして、曲をいちばんいい状態で届けたいなって。だからすっきりしている感じはありますね。
■それこそみなさんがすっきりしたのと一緒で、音もすっきりした感じですか?
MISUGU すっきりしましたね、やっぱり。何回聴いても飽きないというか、根強いファンの方たちは僕らの曲をスルメソングって言ってくれるんですよ。聴けば聴くほど味が出てくるから何回聴いても飽きないんだって。そんなふうに聴いてくれているんだったら、もっとそれを良くしたものにしていきたいなって思って作ったので、このアルバムも何回も何回も聴いてもらえたら嬉しいです。
Interview & Text:藤坂綾
PROFILE
2016年に結成。バンドでギターボカールを担当していたSHUN(Vo&Gt)、ダンスボーカルグループのマオ(DJ)、シンガーソングライターのMISUGU(Vo&Per)の3 人からなるボーカル+ギター&ボーカル+DJ の3 人組グループ。アコースティック編成からDJ 編成のクラブサウンドまで幅広いジャンルの音楽をJPOP として展開。人気フリマアプリ『メルカリ』の動画配信サービスにて配信者ランキング1 位を記録し、メルカリ内でCD アルバムを3000 枚以上販売。2017 年7 月、1st フルアルバム『ZS.TIME』をリリース。2018 年9 月5 日、2nd アルバムをリリース。2019 年3 月、ARABAKI ROCK FEST. 19 出演をかけた未来サミット-HASEKURA Revolution-にて最終8 組に選出される。10月2日、待望のメジャーデビューミニアルバム『2020』をリリース。
http://zerostyle.tokyo/
RELEASE
『2020』
TYPE-A (CD+M-CARD)
CRCP-40586
¥3,000(tax in)
TYPE-B (CD)
CRCP-40587
¥2,000(tax in)
CROWN GOLD
10月2日 ON SALE