MISUGU(Vo&Per)、SHUN(Vo&Gt)、MAO(DJ)
「やっとここからスタート」——新たな気持ちで挑む『2020』
ボーカル&ギター、ボーカル&パーカッション、DJの3人からなるニュータイプ・ユニット・ZEROSTYLEがメジャーデビューミニアルバム『2020』をリリース。PENGIN・サンシロウをプロデューサーに迎えた今作は、彼らが得意とするバラード曲からダンサブルな曲まで様々な表情をみせ、何度聴いても飽きさせない1枚となった。2016年の結成からここに至るまでの経緯を交えながら、いま現在の心境、そして『2020』に込めた想いをMISUGU、SHUN、MAOの3人に訊いた。
■2016年の結成から現体制にいたるまでの経緯を教えてください。
SHUN 結成当時はダンサーが何人かいて、ボーカルも3人いて、ダンスボーカルグループとして活動していて、そこからメンバーチェンジを経ていまのメンバーになりました。もともとはMAOくんもダンサーで。
MISUGU この3人になったのが去年の11月で、そこからDJスタイルとして活動を始めたんです。「3人になってどうする?」っていう状況の中、SHUNの一言でこのスタイルを試してみたっていうのが正直なところなんですけど、ダンスボーカルグループからよりアーティスト志向というか、より音楽を聴いてもらいやすいグループにしていこうっていうのがきっかけではありますね。
■なるほど。
MISUGU いままでずっと1年おきに何かがあったって感じで…。
■そうなんですか?
MISUGU いま4年目なんですけど、1年おきにメンバー替わってる、みたいな。(笑) アルバムリリースタイミングで毎回メンバー替わってきた感じだから、今回もまさにリリースタイミングで3人になったんで、「次、誰だ?」って。(笑)
SHUN やめなさい。(笑)
MISUGU という感じでいまに至ります。
■SHUNさんはこの3人で続けていきたかったから、いまのスタイルを提案したんですか。
SHUN そうですね。それにダンサー1人とボーカル2人ってバランスが悪いなと思って。僕らのサウンドをプロデュースしてくれいてる方も2MC1DJのグループなので、それがいいかなというか、ちょっとお試しみたいな感じでやったんですけど、思いのほかMAOくんがいい仕事をしてくれるのでね。
■MAOさんはDJの経験はあったんですか?
MAO いや、全く。機械を見たのも初めてで、何がどういうつまみかも全くわかんないっていうくらいでした。
SHUN 音楽はもともとやっていたんだよね。ギターも弾けるし。
MAO 楽器はできるんですけど、家で趣味でやるくらいで。でもDJはプレイしているのを間近で見たことも触ったこともなかったので、見よう見真似でいろいろと教えてもらいつつ始めた感じですね。
■この3人でこの体制でやっていくということに不安はなかったです?
MISUGU 不安しかなかったです、正直言って。やっていた当初からいろんなことがあったので、不安はずっとあったんですけど、でも3人になってから見えなかった未来のビジョンみたいなものが、僕は見えるようになったというか。やっぱり5人でやっていたときとか、7人でやっていたときとか、他のメンバーがいたときは、このままで大丈夫なのかなっていう不安がずっとあったのが事実なんですよ。でも3人になってすっきりしたというか、もうやるしかないじゃん、って。3人になったからこそ話しやすくなったっていうのもあるし、変な不安は一切なくなって、頑張るしかないなって、そういう感じですね。
■いままではやっぱりもどかしさみたいなものがあったんですか?
MISUGU ありましたね。ダンスボーカルグループでやっていたときは、ボーカルとダンサーで別れていたので、ボーカルはボーカルで意見があるし、ダンサーはダンサーで意見があるし。やっぱりみんなの意思疎通ができないというか、距離が遠かったりもしたし。
■3人になって話す機会も増えましたか。
SHUN 増えましたね。でも、もともと仲がいい3人ではなかったかもしれないです。(笑)
MISUGU 俺から言ったら、いちばん訳わかんない2人でしたよ。(笑)
MAO 確かにそれはある。(笑)
■なるほど。(笑) 3人ともすっきりした清々しい気持ちでメジャーにいくという感じですか?
SHUN そうですね。
MISUGU それぞれの考えもあるし、そこを否定するのではなく尊重しながら、俺はこれが得意だからこれやるよ、みたいないいバランスではあるのかなと思いますね。
SHUN やっぱり役割分担はあるのでね。不得意を得意にしなくちゃいけないところもあるんですけど、それよりは得意な人が不得意なところを補う感じのほうがいいのかなって。それがこのメンバーのいいところ、グループでやっているいいところだと思うので。
MAO 僕はいまがいちばん自由にやらせてもらっているなと思っているので。これからやっていかなくちゃいけないことはたくさんあるんですけど、楽しく、前向きにやっていけたらなって思います。
MISUGU このカタチが正解なのかって言われたらまだわからないですけど、でもこれが運命というか、それはすごく感じています。「石の上にも三年」って言葉があるように、3年目でこのカタチになったのも何か意味があるんだろうし。結局残るべくして残った3人なのかなって。
■意思を強く持っている3人が残ったと。
SHUN 音楽が好きな人が残ったっていうのはあるかもしれないですね。僕も高校のときに軽音楽部に入っていたし、もともと音楽が大好きなんですけど、やっぱり音楽が好きな人が最後に残ったっていうのはあるかもしれないです。
■これだけ変動してきた中、いままでこうしてやってこれた理由というのは?
MISUGU 僕は大分出身で、これをやりたくて出てきているので、27歳までにどんなカタチでもいいからCDを1枚出そうって。それで出せなかったらもう辞めようと考えていたんですけど、インディーズでシングルを出させてもらって。そのときにまだ自分はやれるなと思って、ずっと信じてやってきました。めげそうなこともあったんですけど、ここまでくる道の中で、もう自分だけの人生ではないなと思ったんですよ。こうなってくると2人の人生もあるし、僕はそこがいちばんのモチベーションになりましたね。
MAO 僕はあんまり折れることがないんですよね。
SHUN メンタル強いもんね。(笑)
■そうなんですか?
MAO はい。でもせっかくやるからには何かカタチにしたいなとは思っていたので、それをカタチにできるまではやってみようかなと思っていました。ただ、あまり折れることはないです。(笑) 割と何とかなる志向なんで。気にはするけど、あんまり意識はしないようにしています。考え過ぎるとたぶん眠れなくなるんで、普段は何も気にしないで生きています。
■眠れない夜もあるんですか?
MAO ちょっと飲み過ぎた日とか、そういうときだけですかね。
SHUN くだらねー。(笑)
MAO 普段からこんな感じで、ゆるく生きているので。
■何事に対してもそんな感じですか?
MAO もうこんな感じです。
MISUGU ほんとにこんな感じです。
■いいですね。
MAO ありがとうございます。
MISUGU いいですか?(笑)
■生きやすそうじゃないですか?
MAO でも周りは迷惑だと思います。周りががんばってくれてるんです。
■なるほど。(笑) SHUNさんはいかがですか?
SHUN もともと父がバンドをやっていて、母もそういう世界に憧れていて、お姉ちゃんも芸能で活動していて、そういうのを見ていて、いいなと思って自分も始めたんです。もともと好きなことなので、好きなことの中の嫌いなことは頑張れるタイプなので。家族に支えてもらっている部分もすごく大きいし、僕の中では家族が大きい存在だと思います。
■これまでのお話を訊くと、メジャーデビューというのがさらに感慨深くなりますね。
MISUGU やっとここからがスタートだと思います。決して僕たちの力だけではないっていう自覚は自分たちでもあるので、ここから自分たちがどう頑張っていくかだと思うし、僕たちのためにいろいろな大人の人が動いてくれているってことも、いまここにいるだけでもわかるので、恩返しって言うと厚かましいですけど、ここからどう返していくかっていうところではありますね。メジャーデビューの話をもらったとき、正直どうしようって思いましたもん。どう結果を出していけばいいんだろう?って。でも自分たちは運があったんだなって思うし、やっぱり嬉しいし、立てるヤツだけが立てるスタートラインなんだと思うので、これからどう頑張っていくかってことしかないですね。