ZIPANG OPERA VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

それぞれが舵を握りながら、どんな航海をしていくのか、そこを楽しんで欲しいユニットだから。

ZIPANG OPERAは、ライブ・スペクタクル『NARUTO ナルト』うちはさすけ役、舞台『呪術廻戦』では虎杖悠仁、ミュージカル『⼑剣乱舞』では加州清光を演じ、ソロライブ公演でアジアツアーを⾏う等、ワールドワイドに活躍をしている佐藤流司、「進撃の巨⼈」-the Musical-、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー』、ミュージカル『黒執事』に出演し、振付家としても活躍している福澤 侑、ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『黒子のバスケ』、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』、『RENT』等に出演し、圧倒的な歌唱力で定評のあるspi、そして⼀聴して記憶に残る魅力的な歌声を持つボーカリスト心之介の4⼈による、これまでの伝統的な⽇本カルチャーとは⼀線を画す、全く新しいジャパニーズポップを世界に向けて発信する⾳楽パフォーマンスユニット。メンバー4人中、3人が2.5次元ミュージカルなどを中心に活動をする歌唱力に定評がある役者たち。そこへミュージシャンとして活動をしてきた心之介が加わり、これまでにはなかった「和×サイバー」な音楽スタイルをZIPANG OPERAは追求し始めた。これまでに『ZERO』、『風林火山』と2枚のアルバムをリリース。4月10日には1stEP『Rock Out』をリリース。異なる色を持つ4人の歌声がカラフルに混じり合うZIPANG OPERAの音楽性や最新作について、佐藤流司、福澤 侑、spi、心之介の4人に話を伺った。

■2021年6⽉に東京国際フォーラムにて開催された公演「ZIPANG OPERA ACT ZERO〜暁の海〜」よりZIPANG OPERAは始動しましたが、流司さん、侑さん、spiさんは、2.5次元ミュージカルなどを中心に活動をしている方たちで、そこへミュージシャンとして活動をしていた心之介さんが加わる形でスタートをしていますね。

心之介 僕だけ毛色の異なるシーンから飛び込んできました。3人とも歌やダンスの経験がある中、僕の場合は歌って踊るのはZIPANG OPERAが初めてでした。大変ではありましたが、そこに新たな刺激を感じていました。

■ZIPANG OPERAは、4人ともヴォーカリストとして秀でた魅力を発揮してきた人たちですが、先にZIPANG OPERAとして求めた音楽性から教えてください。

佐藤 ZIPANG OPERAという名前が語るように、「和風の要素と近未来な世界観、いわゆるサイバーな色を融合し、これまでにないジャンルのスタイルを作っていこう」という思いの元、ユニットがスタートしています。デジタルなトラックの中に和楽器を多用している楽曲の数々を聴いてもらえれば、その言葉の意味はわかっていただけると思います。しかも攻めた楽曲も多いんです。

福澤 もうガチガチに攻めています。

■ZIPANG OPERAといえば、異なる色を持つ4人の歌やラップが、1曲の中で次々と混じり合うところに魅力を感じます。先に、各メンバーの歌声の魅力を教えてください。まずは侑さんの歌声の魅力を、他の3人はどのように捉えていますか?

心之介 侑くんはものすごくダンスが上手なんです。ダンスを通して生み出すグルーブを、そのままラップにも活かしていて、躍動感のある歌も含め、僕はそこに魅力を感じているし、すごく好きな面です。

佐藤 侑の歌声は自分と一番親和性が高いなというのが最初の印象です。侑の歌声はメジャー感があるし、とても聴きやすくて、自分はもちろん、どんな人とでも上手く親和性を持たせていける声だとも感じます。侑以外の3人は、とても癖のある声質なので。侑の歌声は、癖のある歌い手たちとユニゾンで歌っても、しっかりと各自の声の色を活かしてくれるんです。いつだってユニットの真ん中にいてくれる。そこが強みですね。

spi 侑くんの歌声は確かに真ん中な感じがします。聴きやすく、親和性のある声です。ダンスも躍動感があって、そこがいいなと思っています。

佐藤 それ二人の言った言葉を混ぜただけじゃないの?(笑)

■ZIPANG OPERAの場合、それぞれの楽曲で一番似合う声色を持った人が中心になって歌っていく形なのでしょうか?

佐藤 そうですね。最新作のリード曲になった“Rock Out”でいうと、俺が歌の中心になり、高いキーはspiくんが、甘い声の面は心(之介)が、刺激的なラップパートは侑が中心になるなど、上手く分かれています。ハモリはこの曲に限らず、心(之介)が担当することが多いですね。

■続いては、心之介さんの歌声の魅力を聞かせてください。

福澤 とても甘い歌声を魅力にしているように、とくに女性ウケがいいですね。しかも聴きやすい。個人的にも好きな声質なんですよね。ZIPANG OPERAといえば攻めた強い楽曲が多いけど、その中にも甘い声を魅力にしているメンバーもいることを知って欲しいし、激しい曲が多いからこそ、心(之介)の歌声が楽曲の中にある優しさや甘さを上手く引き立たせてくれています。

佐藤 心(之介)の歌声は儚いです。しかも消える直前の線香花火のような、惹かれる声をしています。ZIPANG OPERAの楽曲を聴いてくれた知人たちによく言われるのが、「この人めっちゃいい声しているよね」という言葉。それが心(之介)の声なんですよ。それくらい彼の持つ儚い歌声に惹かれる人たちが多いってことなんだと思います。俺ら3人は役者畑で育ってきているから、割りとパワーを強めに声に出していく傾向が強いけど、そこにテクニカルな要素を持って心(之介)の歌声が寄り添ってくれるんです。そこもZIPANG OPERAの魅力の一つになっています。

spi 綺麗な声だなと思います。とっても綺麗です。

佐藤 相変わらずシンプルな発言だなぁ。(笑)

■次は流司さんの歌声の魅力を、みなさんはどのように感じていますか?

福澤 圧倒的な存在感を放つ歌声じゃないですか。しかも爆発力を持っていて、“Rock Out”もそうだけど、ZIPANG OPERAの楽曲の場合、流司くんの歌声始まりで、最後も流司くんの歌声で締める楽曲が多いんです。それだけインパクトを与える歌声であり、ZIPANG OPERAの色を一番表現しているのが流司くんの歌声だと思います。いろんな曲を聴いてもらえればわかってもらえると思うけど、まずは流司くんの歌声で、聴き手の興味を引き寄せ、世界観を示していく。そこへ3人それぞれの色を次々と加えて、多種多様な色を見せつつも、サビになると一つに溶け合っていく。結果、聴き終わると「4人の歌声のバランスがすごくいいよね」と言われることが多いのも、その流れが自然と出来ているところが大きいのかなと思っています。逆にバラードなどの聴かせる系の楽曲は、心(之介)やspi兄が先陣を切って耳を惹かせるんです。曲によって各自の歌声のバランスにも注目してもらえたら、よりZIPANG OPERAの世界観を楽しめるはずです。

心之介 流司くんは、The Brow Beatというロックバンドでも活動をしているように、僕には出せないシャウトやがなり声なども得意としているし、エッジの効いた輪郭のある歌声を持っています。すごく男らしくてインパクトの強さを持った声質なのも魅力です。何より激しいサウンドに負けないアグレッシブさを持った歌声だから、僕自身、耳にしながら活力をもらっているくらい、とても惚れる歌声の人です。

spi カッコいい声だなぁ。とにかくカッコいい歌声です。

佐藤 spiはまだ日本にきて日が浅いので、言葉もシンプルなんです……。(笑)

spi あっ、そういう設定ね!(笑)

■最後はspiさんの歌声ですね。

福澤 「とにかく聴いてくれ!そうしたらspi兄の歌声の魅力が伝わるから」と、言いたくなる声質の人です。一緒のチームで歌っているからこそ、特に強く感じているのが、どの音楽ジャンルでもそうだし、どんなに癖のある歌声の人と一緒でも、その人たちの歌声に巧みに寄り添い、より楽曲や各自の表現の幅を広げてくれる。その上で、それぞれの楽曲の持つ色に、さらに新しい要素を歌声で加えてくれるのがspi兄の歌声です。ZIPANG OPERAはとくに楽曲によっていろんな色を押し出せるユニットなので、その色を際立たせていく核となる歌声を持っているのもspi兄ですね。発言する言葉は少ないけど、そこに説得力を与えていくように、いつもドシッと構えている存在です。

spi まぁ、体重がドシッとしているからね。(笑)

福澤 でもそれ全部筋肉でしょ。(笑)

心之介 spiくんとはよく歌の研究の話をします。それこそ海外のアーティストの歌声を聴きながら、「この曲で、この歌い手のハイのキーが強いのはどうしてか?」など、楽曲と歌声の親和性についてもよく研究や分析をしているんです。すでに多彩な表現力を持っている歌のエキスパートなのに、さらにさらにと、自らの歌声を改善して、さらなる高みを目指しているので、そこは本当に尊敬するところです。ZIPANG OPERAの作品でも、1stアルバム『ZERO』の頃から強烈な存在感を放っているのに、最新作と聴き比べてもらえたら、さらに進化しているのが伝わると思います。この間もレコーディングの時に、「自分の声質に合うマイクはこれ」と、具体的にマイクを選定して歌っていたように、常に自分の歌声を客観視しながら表現していくプロフェッショナルな歌い手なんです。

佐藤 バラードを歌える、ハイトーンもロートーンも出る、フェイクも出来るなど、歌声の表現力がめちゃくちゃ高くて、本当に総合力の高い人ですね。しかもspiくんの歌声にはパワーがある。この間なんか彼がレコーディングスタジオで発声練習をしただけで、港区一帯が停電を起こした……という都市伝説まで生み出している人だからね。(笑)

■1stEPのリード曲“Rock Out”では、4人のラップや歌声が次々と変わりながら絡み合っていきますよね。異なる4つの色が次々とカラフルに、でもインパクトを放って強烈に耳へ飛び込んでくるから、かなりの衝撃を受けました。あの歌割りは……?

佐藤 基本的にはプロデューサーの方が決めてくれています。

心之介 それぞれの声質に合った歌割りをしてくださっているので、僕らは安心して身を委ねています。

spi その上で「ここはこうしたい」などの提案があれば、主に侑を中心にアイデアのキャッチボールをしながら決めています。

■1stEPのリード曲“Rock Out”は、とてもZIPANG OPERAらしい攻めた楽曲ですけど、その前に配信リリースしていた“Get Over”は、切なさを抱いた歌心を持った聴かせる楽曲でしたよね。あの時は「ZIPANG OPERAがこうきたか」と、嬉しい驚きを覚えました。

福澤 “Get Over”は、ZIPANG OPERAの中にまた新しい色を加えてくれた楽曲でしたね。これまで2年ほど活動を続けてきた中で、「良い意味でZIPANG OPERAらしくない色を持った楽
曲を、あえてこのタイミングで出そう」とプロデューサーと一緒に話し合い、その上で昨年11月にリリースしました。

佐藤 “Get Over”を通して、良い意味でお客さんたちの期待を一度裏切り、「ZIPANG OPERAってこういう音楽性も示すんだ……」と思わせておきながら、ZIPANG OPERAらしさがありながらも、より進化した“Rock Out”を出すことで、「やっぱりこれがZIPANG OPERAだよな!」という安心感を与えられたらいいなと思っての流れでした。

福澤 “Rock Out”はまさに今の自分たちの姿勢を示した楽曲だからね。“Rock Out”には、今の僕らの言いたいことが、すべて詰め込まれています。