佐藤ミキ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

佐藤ミキ『名もない花』

切なく儚い“名もない花”
12月2日デビューシングルリリース

デビューシングル『名もない花』をリリースする佐藤ミキ。TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」のエンディングテーマでもあるこの曲は、誰にも言えない繊細な想いを、強くやさしく表現した至極のバラード。デビューに先駆けYouTubeに公開された“Play the real”“A KA SA TA NA”、アニメ盤には安田レイ“Mirror”のカバーも収録、彼女の様々な側面が見られる今作について話を訊いた。

■メジャーデビューのお気持ちを教えてください。

佐藤 7月に“Play the real”、8月に“A KA SA TA NA”をYouTubeに公開し、その時はまだ実感がなかったんですけど、こうして取材やラジオで自分のことを話す機会も増えてきて、いよいよ始まっていくんだなという感じです。今年はあまり外に出られなかったり、レコーディングもできなかったりと、なかなか思うように動けない状態だったんです。でも“Play the real”は、その時期に歌詞を作ることができたし、準備期間が長くなったことによってできたこともあるので、その準備したものをこれからカタチにしていきたいなと思っています。

■自粛期間はデビューに向けて準備をしていた感じですか?

佐藤 はい。“Play the real”と“A KA SA TA NA”は、その期間に作った楽曲で、“A KA SA TA NA”の方は、今年ならではの恋愛の曲でもあり、大切な人を想う曲でもあります。近距離、遠距離、関係なく会えない状況の方が多かったと思うので、そこにあてた楽曲を作ろうと思って。こういう期間ができて、決して悪いことばかりではなかったので、それを糧にしてがんばっていきたいです。

■「魔法科高校の劣等生 来訪者編」のエンディングテーマのお話をいただいた時の気持ちはいかがでしたか?

佐藤 メジャーデビューシングルというタイミングでこのようなお話をいただき、すごく嬉しかったんですけど、すでにオープニングとエンディングを担当していた素敵なアーティストさんたちもいらっしゃるし、私のことを知らない人がほとんどなので、受け入れてもらえるのか不安もありました。でも今、毎週リアルタイムで観ながらツイートをしていると、コメントを返してくださったり、いろいろと反応があるので、少しずつエンディングも馴染んできて、徐々に受け入れてもらえているのかなと感じています。

■歌詞はどんな想いを込めて書かれたんですか?

佐藤 アニメのヒロイン、司波深雪の心情を歌っているんですけど、深雪はお兄さんに特別な感情があるけど、それを表に出すことができないし、絶対に知られてもいけない。好意は表してるけど、それはあくまで妹としてという体を保っているからで、本当の恋愛かどうかも自分では分からない。そのような気持ちの葛藤を表したかったので、単純な好きという曲でもないし、あきらめる曲でもないし、その曖昧なところを書くのが難しかったのですが、最終的にはちゃんとカタチにできたかなと思います。

■なるほど。

佐藤 私はひとりっこなので、兄弟愛というのは正直わからないところもあるんです。でも、普通の恋愛でも、好きだけど表に出さない方がいいんだろうなとか、表に出したら壊れちゃうかもしれないとか、そういう不安やもどかしさというのは深雪に通ずるところかと思ったので、そういう人たちにも響けば嬉しいですね。

■気に入っているフレーズとかありますか?

佐藤 「あなたはどうしてあなたなの?」ここですね。人にとって究極の問いだと思うんです。ここは確信にせまっているような感じもありますし、いちばん好きですね。

■タイトルに込めた想いを教えてもらえますか?

佐藤 “名もない花”というのは、知られてはいけないとか、この世に存在しないという意味があるんですけど、行き場のない想いというものを表現したかったので、このタイトルにしました。

■ジャケットが素敵ですね。

佐藤 花の色を黒にしてるんですけど、純粋な黒い花って存在しないじゃないですか。なので、この世にない花という意味で、そういう想いを表現したいなと思って。

■“Play the real”の歌詞は、自粛期間に書かれたとのことでしたね?

佐藤 そうです。やっぱりみんなつらい時期だったと思うんですけど、どんなことがあっても乗り越えるという目標を持って、それを貫くという意思と、この曲が佐藤ミキとして最初に公開される曲だったので、私自身の新たな未来への決意を込めて作った楽曲です。

■“名もない花”とは打って変わってスタイリッシュなダンスチューンですが、曲の印象はいかがでしたか?

佐藤 最初に曲をいただいた時、「こういう曲がやりたかった!」と思って。(笑) 歌詞が乗っていない状態で聴いてもすごくいい曲だと思いました。となると、不思議と「歌詞もこういうふうにやりたい!」っていうのがどんどん浮かんできて、イメージも膨らんでいって。

■そうなんですね。ちなみにどういう音楽をよく聴かれているんですか?

佐藤 結構幅広く聴いていて、バンドも聴くし、R&Bも聴くし、洋楽も聴くんですけど、よく聴いてるのは安室奈美恵さんですね。母も好きで、胎教から安室奈美恵さんだったので。(笑) やっぱりそこに戻ってきちゃいますね。ダンスミュージックが好きで。

■じゃあ“Play the real”はどんぴしゃですね。

佐藤 そうなんです。もう大好きです!

■“A KA SA TA NA”は面白い歌詞になっていますね。

佐藤 これはタイトルを先に決めて、ちょっと言葉遊びも入れたいなと思って。Bメロを縦読みすると「あかさたな」になっているんですけど、ここに恋愛あるあるを込めてみたりして。(笑) 今年ならではの恋愛の曲にしたいなと思って書きました。

■MVもいいですよね。

佐藤 私も大好きです。イラストレーターのChiMyさんに絵を描いていただいて。いろんな楽しみ方ができる曲になったと思います。