新体制で迎えたツアーファイナルに見せる輝きと未来。
東京の空を雨雲が覆い、人々の歩みも速い5月22日(金)の渋谷CLUB QUATTRO。憂鬱な一日を吹き飛ばすWiennersのライブツアー『Blooming tour 2026』のファイナル東京公演は、虹色の照明に彩られながら、爽快なメロディと「Wienners!」の呼び声のもとに始まった。これまで8公演を巡って来たWienners。SEとともに登場したメンバーは、マイクの前で叫ぶ。「耳を塞ぐほど、空気が揺れるほど、気が遠くなるほど、涙が出るほど、この世で一番大きな産声が、聞こえますかー?!」赤色のストロボが瞬く中、“GOD SAVE THE MUSIC”でライブは開幕。観客の歌声が熱く重なる“何様のラプソディ”に、バンドへ後光が差す。「雨降ってた?でもどうせ(汗で)ビショビショになるからどうでもいいでしょ!」玉屋2060%(Vo&Gt)はMCで冗談めかしつつ、新たに加入したYUURI(Vo)が初めての「ツアーファイナル」を迎えることを祝福。「今どんな気持ち?」と問われたYUURIは、満員のCLUB QUATTROを見回し、「人がいっぱいいますね!佐賀の人口より多そう」など、純朴な感想を語る。「さぁみんな声出せ、“ULTRA JOY”!」その初々しい雰囲気も、お立ち台に登って高らかにタイトルコールをすれば雰囲気は一変。オーディエンスはコールと手拍子でそれに応え、手を振り上げてサウンドに身を任せる。

玉屋2060%の歌声をYUURIが煽り立てる“TRADITIONAL”、“ANIMALS”には、鋭いバンドサウンドが突き刺さり、「もっとドープに!」の呼びかけのもとフロアが踊り回り、手拍子の中で∴560∵(Ba&Cho)が心地よさげに身体を揺らす。“MY LAND”は「お前を否定するやつは、ここから一歩たりとも通さない!」の呼びかけからスタート。赤い照明に焼かれるステージを女優の如く堂々と歩きまわるYUURIは、このツアーの中で着実に実力を上げている。“起死回生の一発”はイントロから大歓声。ビートの中で縦横無尽にベースが踊り、シンガロングの中にはYUURIの甘い声が響く。「遊んでますか~?」と呼びかけられて腕を左右に掲げる“SHINOBI TOP SECRET”では、端正なハーモニーとシャウトがライブハウスを揺らし、YUURIの艶やかなソロにみんなが聴き入った。「遊び足りないんじゃないの? 俺たちに身を任せれば大丈夫なんで」そうしてスタートしたのは、これまでのストレートなロックと一味違ったトリッキーな“BIG BANG”。アシッドなベースサウンドがヒップホップ調の楽曲を〆る中、サビの盛り上がりではステップがフロアを揺らした。観客席からの「カッコイイ!」の声に自身も「カッコイイ!」と応えて、玉屋2060%は「普段鏡見ても自分カッコイイとは思わないけど、なんか納得したよ」、「今日だけは自信もって言えます。俺たち超カッコイイです」と語った。

会場の熱気はライブ半ばにして蒸し風呂状態。「俺たちはお前らを喜怒哀楽の向こう側まで連れて行こうと思ってる。だって俺たち超カッコイイ、スーパーヒーローより超カッコイイ!」と言い、“WINNER!ゴジュウジャー!”へと繋げる。「誇り高いはぐれものたちへ、もう1曲捧げます!」と披露されたのはツアー初公開の“VIBES×VIBES”。瞬間の静寂が音楽を作り、高速なシンセサウンドと上がり続けるテンションが会場の熱をさらに高めていく。ラストはサーチライトと逆光の中にバンドの姿が見えなくなった。「渋谷、かかってこれますか?!」サウナめいた熱気の中、ステージはギターの速弾きと怒涛のベースが襲い来る“ジュリアナ ディスコ ゾンビーズ”へ。サイケデリックな照明が回転する中、YUURIはお立ち台で扇子を振る。間髪入れず“GAKI”に流れ込み、電撃のように降り注いでは痺れさせるサウンドに、観客はフロアを駆け巡る。玉屋2060%の熱い言葉とともにスタートした“Justice 4”の軽快なリズムに、YUURIは心地よく身体を揺らす。虹色に彩られたステージ。「渋谷、もっと深く深く深く深く、俺たちに見せつけろ」の言葉をきっかけとして歌われる“FACTION”は、ベースの音色が鼓膜を揺らす、ディープで、どこかミステリアスなナンバー。そこにWiennersのテンションが重なると、音楽はどこか不条理さを帯びていく。

「まだいけんだろ!」と玉屋2060%が叫べば、“恋のバングラビート”がスタート。オリエンタルなメロディに照明が呼応し、汗の雫が散る。歌詞の地名が「渋谷」に変えて歌われるたび、ファンからは囃し立てる声が上がった。そのまま「次はこの曲喰らえ!“TOKYO HOLI”!」とYUURIが叫び、曲が始まる。「歌え!」の声に、両手を挙げて音へ飛び込むファンの姿も増えていく。怪しげな電子音に始まる“いろはにほへと”で踊る影。時を超えたダンスナンバーは、「全ての音楽にピースを!」の声で過ぎて行った。「改めてありがとうございます。Blooming tourファイナル、大きな事故や怪我もなく渋谷に帰ってこれて嬉しいです。俺の体感、このツアーで一番良いライブが出来てます、ありがとうございます」、「常々『喜怒哀楽の向こう側に音楽と共にぶっ飛びたい』と言っているけど、あなたも自分の中にある本音を聞いてみてください。もしかしたらここじゃないどこかへ行きたいって言ってるかもしれない。本当の自分の心に正直になるのはとっても怖いことだけど、正直になれた者だけが見える絶景を、Wiennersは届けていると自負しております。届いていますでしょうか?」言葉も音楽も熱く、玉屋2060%は眩い照明を受けながら汗にまみれたフロアへ語る。「俺たちの音楽に身を委ねてパカっと心開いたら、どこへでも行けるよ。世界中どこだって行けるよ、一緒に行こうぜ、広い世界へ。Wiennersです。よろしく」そうして優しく歌い出された“FAR EAST DISCO”は、「もっと高く、遠くへ、広く、ぶっ飛べ!」の声と共に、腕を振るオーディエンスを連れファンキーに疾走する。後ろ姿で拳を突き上げたYUURIの背中に響く“蒼天ディライト”のイントロ。爽快な楽曲は「最高!」の歓声に包まれた。

曲が終わり、玉屋2060%は「言葉にならないです。ありがとうございます。自分自身が音楽で感動したいと、心揺さぶられたいと、そのエネルギーであなたの鼓膜に忍び込んで、脳みそグワングワンに揺らして、ムカつくこと、いやなこと、逃げ出したいこと、全て忘れさせてあげたいと思ってツアーを巡ってきました。そんなこと言っておきながら、俺はやっぱりあなたに感動させられっぱなしです。どうもありがとうございます!」と言い、YUURIにもツアーの感想を問う。「ツアーファイナル、ありがとうございます。もうホントにあっという間で、新しいことの連続だったので、冒険してるみたいなツアーでした。(新体制で)形が変わることって、怖かったり、不安だったり、全部がプラスな気持ちなわけじゃない中で、新体制を観に来てくれて、本当にうれしかったです。ありがとうございます。私も(新体制がどうなるか不安な)その気持ちがわかるからこそ、怖いと思ったり、不安になったりする日があったんですけど、その気持ちこそが『10年以上愛されてるバンドに入る』ということなんだな、ということをツアーで、すごく実感しました」、「でも毎日本当に楽しすぎて、最強の方々が集まってるからこそ、私はもっともっとこの音楽の遊び場を広げていきたいとこのツアーを通して思えたし、これからはWiennersのフロントマンとして、ライブを引っ張って行ける人になりたいなと思います。頑張ります!」喋る時にはまだ少し初々しさが残るYUURIを、玉屋2060%は「もう新ヴォーカルじゃないよ、WiennersのフロントマンYUURIです!」と讃え、観客からも祝福の拍手が上がった。「一生忘れられない音楽を共に鳴らそう!」その言葉のままに、玉屋2060%は淡いコードの中“UNITY”を高らかに歌い出した。YUURIも堂々とマイクを掲げ、オーディエンスは肩を組んで、歌声を重ねる。「今年の夏は俺たちのものだ!最後はこの曲で踊れ!」ツアーのフィナーレは、変幻自在のメロディに歌い踊る“SOLAR KIDS”。Wiennersの「生」の輝きが、照明やリストバンドの反射を受けて燃え盛る。「ありがとう、Wiennersでした!最後にこの曲、お前ら全員喰らえ!」と“Cult pop suicide”を歌い、“よろこびのうた”でライブを〆たWienners。

鳴りやまない拍手と歓声に舞い戻ったバンドは、“VAMOS WINNERS”という、自身に向けて作った応援歌を歌い、『OVER THE TOP TOUR 2026』の開催を発表する。なお本ツアーは新体制になってから初の対バンツアーとなるという。「ここに集まってくれた命ひとりひとりにこの曲を歌って帰ります。産まれてきてくれてありがとう!」そうして歌い出された“子供の心”。その純朴な歌詞とメロディには、都会の片隅の祝祭に集まる全てのひとを愛し抱きしめる想い、そして感謝が詰まっていた。最後には「打ち上げ」と称して“おどれおんどれ”でフロアをぶり上げて行ったWienners。今年の夏もまた一段と暑くなりそうだ。

Text:安藤さやか
Wienners『Blooming tour 2026』@渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01.GOD SAVE THE MUSIC
02.何様のラプソディ
03.ULTRA JOY
04.TRADITIONAL
05.ANIMALS
06.MY LAND
07.起死回生の一発
08.SHINOBI TOP SECRET
09.BIG BANG
10.WINNER!ゴジュウジャー!
11.VIBES×VIBES
12.ジュリアナ ディスコ ゾンビーズ
13.GAKI
14.Justice 4
15.FACTION
16.恋のバングラビート
17.TOKYO HOLI
18.いろはにほへと
19.FAR EAST DISCO
20.蒼天ディライト
21.UNITY
22.SOLAR KIDS
23.Cult pop suicide
24.よろこびのうた
ENCORE
01. VAMOS WIENNERS
02. 子供の心
03. おどれおんどれ






