全く異なるふたつの顔で魅せる両A面シングル。
MADKIDが13thシングル『Unbroken / ボンバラマン』を10月14日にリリース。TVアニメ「佐々木とピーちゃん Season2」のオープニングテーマとなっている “Unbroken”と、TikTokでも話題を呼んでいる“ボンバラマン”の両A面となった今作。クールとコミカル、温度差のある2曲はインパクトも絶大だ。インタビューではQ-MHzが作曲した“Unbroken”、そしてある意味問題作“ボンバラマン”について、YOU-TA、KAƵUKI、SHIN、LIN、YUKIの5人に話を訊いた。
■2026年も海外公演など盛りだくさんでお忙しいMADKIDですが、目標としている日本武道館公演に向けて一歩進んだなと思ったことはありますか?
SHIN 今回“ボンバラマン”を出させていただくんですが、それに関連して、みんなで毎日TikTok投稿を頑張ろうというテーマで進めています。今、1つの絆じゃないけど、グループとファンの方々との絆を深めていっているので、少しずつ輪が広がっていって、武道館だったり、僕たちが目標にするステージに繋がっていけばいいなという過程を踏んでいて。この毎日投稿が終わった後にも、思い返せばちゃんと進んでいたのかなと思える日々を過ごしています。
LIN SHINが言っていた通り、今までと違ったリリース方式だったり、今までと違ったような楽曲の雰囲気だったりで、それを12年目だけどチャレンジとしてやれているということが、貴重な事なんじゃないかと思います。
YOU-TA 今、TikTokでファンのみなさんが僕らの楽曲を使って動画を広めてくれていて、まさにそれが僕らのことを知らなかった人にも少しずつ広まっている状況なので、そういうところでは、少しずつ前に進んでいるのかなという感じが確実にあります。僕らの目指すものに対して、お客さんも一緒の方向を見てくれているので、そういう輪が少しずつ広がっていけば、確実に前に進んでいけるのかなと感じました。
KAƵUKI “ボンバラマン”で今やっていることもそうなんですが、今年で言うと、久しぶりにアニサマ(Animelo Summer Live 2026)のステージに戻れたのが、個人的にすごく嬉しかったです。今年はアニサマの会場が変わったりして、また新しい挑戦だったと思うんですが、そこに僕らがまた携わらせてもらえたことが嬉しかったです。
YUKI ファンのみなさんが、僕らが言ったことに対してめちゃめちゃパワーを持ってやってくれるというのが見えたのが、やっぱり一番デカかったです。特にTikTok。もっと僕ら側が頑張らなきゃいけないなと思うことが多いです。
■まさに、まだまだ前進していっているところが現れたニューシングルだと思いました。そしてLINさん、最近で言うと『死亡遊戯で飯を食う。』でもオープニングテーマを担当されていましたね。やっぱりしっかり原作を読み込む方だからこそ、こういうお仕事が来るんだろうなと思いました。
LIN いやもう、ありがたいですね。本当にアニメの業界に携わらせていただいて思うことは、アニメって第三者の手が入って、いろんな要素が加わることで、それが良いと思う人もいれば、悪いと思う人もいると思うんですけど、人が関わることで何かが変わるということの良さだったりを、最近改めてすごく感じることが多くて。なので、今回の『死亡遊戯』も監督さんが独自の観点を入れ込んで、というところで、すごく「できて良かった仕事だな」と思っています。
■MADKIDでの制作とは変えた部分がありましたか?
LIN オープニングテーマの他に劇中歌を2曲作らせていただいたんですけど、普段は、メンバーのことをよく知っているから、「ここはコイツが歌うな」とか、「ここはアイツが歌ったら合わないな」ということを結構考えるんですよ。そういうことを一旦外して作れたというのはすごく楽しかったです。今回、Machicoさんと一緒に歌わせてもらったんですが、もともとすごく声が好きだったのもあって、Machicoさんの「声を使う人」としての表現の幅とピッチ感がすごく良くて、僕自身もなあなあにしていた所で、あらためて気を引き締めるきっかけになりました。自分の素に近い所が変わった仕事だったなと思います。
■流石だと思います。そして今回のニューシングルですが、これは両A面と考えてよろしいのでしょうか?
YOU-TA 「どっちをA面にするかはあなた次第」という感じですね。(笑)
■温度差がすごすぎて風邪をひきそうでした。(笑) 今回はビジュアルのコンセプトがはっきりとありますね。衣装のワンポイントはありますか?
SHIN それぞれ好きなヤンキー言葉をスタッフさんに提案して、スタッフさんがいろいろ考えてくれて、割り当てて衣装に入れていただきました。僕自身はスタッフさんが提案してくださった「暴走天使」という言葉が大好きになりました。
■パフォーマンスも観たんですが、「どっからサングラス出て来た?!」って。(笑)
LIN サングラスはめっちゃ悩んで。(笑) ポケットに入らなかったんですよ。それで、じゃあ首からかけるか!と。(笑)
■そうだったんですね。しばらく見ていたらかけていることに気付いたんです。(笑)
LIN 1番いいのはラスサビで、SHINくんが10秒ぐらいしゃがんでいるんですよ。サングラスが上手くかけられなくて。(笑)
SHIN あれ、結構大変なんですよ……。(笑)
■そのお話はまた後で聞くとして。(笑) まずは“Unbroken”の方から伺っていきましょうか。こちらはタイアップがついているんですよね。
YOU-TA はい「佐々木とピーちゃん Season2」のオープニング曲になっています。
■この曲はなんといってもQ-MHzさんの作曲作品です。今回は曲が先でしたか?
YOU-TA 曲が先でした。Q-MHzさんにお願いしようということが、MADKID内で意見が一致して、音源を聴いた時に「もう流石だな!」という感じで、そこから作詞をしていった流れです。
■今回はLINさんとYUKIさんの共同作詞になっています。どちらを軸に作詞されましたか?
LIN いつもの感じで僕がベースをつるっと作って、YUKIにラップの部分と、サビの締めの大事なワードを考えてもらいました。そこに前作のキーワードが入っていたり、「佐々木とピーちゃん」という作品自体がカオスな感じなので、そういう楽曲になったと思います。
■YUKIさん的には、今作のラップのポイントは?
YUKI さっき言っていたカオスな部分というのがポイントですかね。前の曲もいろんな音楽ジャンルが入っていたり、いろんなフロウを使ったりしていて、僕自身いろんな声を使えるタイプなので、今回もオールドスクールなラップの仕方だったり、スキルフルにいろんなフロウを使ったりして、面白くできたんじゃないかなと思います。
■この曲は質問に迷ったんですよ。今までの曲と比べて素直なんですけど、いい意味でオタク感もあって。実際にタイアップだからという部分もあるんですが、内容は前向きでも、語彙は必ずしも明るくないし……。
LIN それに関しては、佐々木がそういうタイプのキャラクターだと思っているので。佐々木は若くてエネルギーのある人じゃなくて、普通のおじさんなんですよ。本当に普通のサラリーマンのおじさんというところで、日本ならではの作品だと思っています。そもそもサラリーマンというものが日本にしかないものですし。電車に乗っていると、暑い中でも長袖のシャツを着て、毎日ちゃんと仕事行っているサラリーマンの方々がいるじゃないですか。僕はサラリーマンをやったことがないので、そんなサラリーマンの人たちをリスペクトしているんです。だから、僕なりに後ろ向きには書きたくなかったんですよね。
■わかります。
LIN あと、プロットを読ませていただいたのですが、すごく重たいテーマがいっぱいあって、それをただ重くするのはちょっと違うなという葛藤があったんです。そこで止まらないのがポイントな気がしています。「だから、どうする?」みたいな。佐々木が考えていることを軸にしているのがポイントかなと思います。
■いいところですね。聴いている時、なんというか、すごく「私の好きなセカイ系」の匂いがしたんです。今回は「どこ視点」で作りましたか?
LIN 今回はいろんな視点で話が進んでいくんです。なので、一応真ん中に佐々木を置いて、佐々木を観測者みたいにしているんです。でもパート、パートに違う人物の心情を入れられるように頑張りました。そこが味変じゃないですけど、いろんな感じ方ができる歌詞になっているんじゃないかなという感じです。
■小説的な感じですね。
LIN まさにそうですね。なんかそこは結構頑張りました。
■単にMADKIDの曲として歌詞を読んだ時にも、MADKIDは常に前に進んでいくグループじゃないですか。だからこそこういう歌詞になったのかなという部分もあり、そういう捉え方をしてもいいのかなって。
LIN もちろんです。僕自体「この曲をこう聴いてほしい」みたいなのがあんまり好きじゃないので、みんながみんなの場所で、それぞれが感じたように聴いてくれたらすごく嬉しいです。なので、自分が受け取りたい形で受け取ってもらえたらすごく嬉しいです。
■ちょっとトリッキーなフロウも印象に残りました。
YUKI 今回は意識しました。Q-MHzさんの曲は誰が聴いてもいい曲なので、そこにアクセントを入れるのが僕の役割かなと思って。なので、普通にラップするよりは、ちょっと変化をつけたいなというラップになってます。
■カッコよかったです。それではみなさん、この曲の中で重要なポイントはどこですか?
SHIN 曲全体で言うと、ナーバスというか内にこもる感じがあるんですが、それにLINが作った歌詞がマッチしていて、歌っている時にも感情が出しやすいというか。それを感じたので、聴いている人たちにもそれがちゃんと伝わっているのかな?と思います。
YOU-TA 今ちょうど振り入れをしているんですけど、今までは元々あったダンスを落とし込んだものだったり、ライブだったらこういうバージョンでやったりとかがあったんですけど、今回は曲の中でお客さんが一緒に手を挙げられるようなものになっていたり、パフォーマンスをする時にすごく新しい感じになるものになった気がします。今まではあんまりそういうスタイルのものは無かったんですが、そこがキーポイントになっていて。それが前向きな歌詞とも合っていると思います。
KAƵUKI このラスサビ前のちょっとエモーショナルな部分の、「何度も立ち止まりながら それでも進んで来た」という歌詞が、僕らの経験とかも意識しているというか、イメージしやすかったです。この曲もロックテイストで、サビもすごく疾走感があるんですが、この落ちる部分との明暗というか、最初に聴いた時にしっくりきたというか、めちゃめちゃいいなと思ったんです。そこにこの歌詞もついて、そこを自分が歌うことなったので、思い入れがあるパートになりました。
LIN 今回は佐々木がおじさんということで、「本当は静かに暮らしたいだけなんだけど、なんか違う感じになっちゃったな……」みたいな所とか、僕らに響く言葉もあって。他の作品って、主人公に強い力があって、どうしようもないみたいな状態の時に、こういう歌を歌うと思うんですけど、この作品は、こっちを立てようとしたらこっちが立たなくて、なんか本当に現実みたいな感じなんです。そういうことで、進めるっちゃ進めるんだけど、立ち止まらなきゃいけない……という所が、アニメに紐づいた楽曲ではあるんですが、すごく現実っぽい歌なのかなと思っていて。そこがポイントになっているのかなと思います。自分のパートでは、「ストレスがきつい」みたいなことを言っているんですが、そういうのを言えるのが面白かったです。(笑)
YUKI 僕は「過ぎていく時間へ滲む~」の辺りの歌詞が普通に好きです。僕もプロットを読んでいて、作品のことを書いているんですけど、普通にいい歌詞だなと思って聴いていました。
■ありがとうございます。そして問題の“ボンバラマン”ですが……まずは「ボンバラマン」ってどこから出て来た言葉なんですか?
YOU-TA 実はこれ、もともとお願いしていた作家さんのデモにスキャットみたいな感じで入っていた言葉なんです。それで、結局それが最後まで残ったんですよ。だから「ボンバラマン」が何かと言われると、正直それは「みんなの中にそれぞれの正解がある」という感じなんですけど、歌詞としては失恋の歌で、立ち直りたい時にボンバラマンが来て、みんなを元気にしたりするよという。(笑)







