■一方で、佐藤（二朗）さんの演技は、全体的に見ても特徴でしたね。
佐野 テストから一つとして同じことをされていない感じでした。勢いでやる感じでもなかったです。間とかテクニックみたいなものは真似しようとしても、今の自分にはまだできないと思いました。でも佐藤さんのようなお芝居にも果敢に挑戦してみたいとも思っています。コメディー作品の経験があまりなく、出てみたいです。めちゃくちゃ難しそうで怖いですが、挑戦してみて見た人がどんな反応を示すのかを知りたい気もします。
■コメディーって、ハードルの高さみたいなものを感じますか？
佐野 感じますね。役割をしっかり果たさないと、作品自体が転がっていかないところもありますし。あとボケも大事ですけど、芝居をやる上で結構ツッコミのほうが大事だなと思います。ツッコミで転がしていかないと進まないというか。そういう意味ではツッコミの要素って大事で、それができれば役者としての幅も広がるように思うので、まず一度やってみたいな、と思います。今回の作品では、僕の役柄はしいて言えばツッコミだったと思います。どちらかというとみんながボケて、僕がツッコミを入れる、みたいな。(笑)
■たとえば原作もののリメイク作品や、今作のように原作のルーツをベースに持つ作品に挑戦される場合に、佐野さんが心掛けていることはありますか？
佐野 せっかく自分がやるのであれば、「誰がやってもいいんじゃない？」と思われるようにはしたくない。ベースとして役柄に寄せることはありつつ、そこで自分がやる意味を追求していきたいと思っています。
■そういう意味では、今回は佐野さんとしては全くオリジナル作品に挑戦したという立場ですね。その点としてやっぱりアドリブ部分は見どころかと。
佐野 そうですね。あとアクションもやらせてもらっているので、そこも個人的には観てもらいたいところです。また今作は誰かすごい人間が一人登場するという作品ではなく、いろんな悩みを抱えている人たちが集まって、不器用ながらも前に進もうとしている姿が、見ている人たちの背中を少しでも押してあげられる作品になっていると思います。
■確かに。劇中に登場するキャラクターは、みんな心にわだかまりを持っている人ばかりですよね。
佐野 本当にみんな不器用なんです。でもその人たちが少しずつだけど進もうとする姿からなんらか届けられるんじゃないかと思っています。もちろん探偵モノという性質、サスペンスやミステリーの要素も今回は強いと思うから、そういうところも楽しんでもらえれば嬉しいなと思っています。
■「Beginning」と書いてあるから、ストーリーはまだ何も始まらないのかな、と思ったら…劇中は結構始まってましたね。(笑)
佐野 そうですね。続編もあったらいいですね。
■でも、また学生服ですよ。(笑)
佐野 「次は僕、高校を卒業させて大学生にしてください」って言いました。(笑)
■では次作は、大学生の「少年探偵団」を期待すべきですね。(笑)
佐野 さっき高杉くんと話していたんですが、「ああ、少年を超えているから『超』なのか」って。(笑)
Interview & Text：桂 伸也
PROFILE
1992年4月3日生まれ。 愛知県出身。第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリ受賞。2013年に『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』で映画初出演・初主演。さらに同年『仮面ライダー鎧武/ガイム』にてテレビドラマ初主演。その後もドラマ・映画・舞台と活躍の場を広げ、2017年には大ヒットドラマ『陸王』に出演し話題となる。2018年には映画『ふたつの昨日と僕の未来』に主演した他、『honey』『となりの怪物くん』『純平、考え直せ』などの話題作に出演。本年もAmazonプライム・ビデオ『MAGI -天正遣欧少年使節-』、ドラマ『仮面同窓会』（東海テレビ・フジテレビ系）に出演。
作品情報
『超・少年探偵団NEO－Beginning－』
10月25日 （金）新宿バルト9・渋谷TOEI ほか全国順次公開
監督：芦塚慎太郎
配給：coyote 配給協力：アーク・フィルムズ
出演：高杉真宙／佐野 岳、堀田真由／長村航希、板垣瑞生、前田旺志郎／佐藤二朗／丸山智己ほか
Ⓒ2019 PROJECT SBD-NEO
https://sbd-neo.com/
STORY
初代小林少年のひ孫・小林芳狼（高杉真宙）は、親友のワタリ（佐野岳）、そして幼馴染にして明智小五郎のひ孫である明智小夜（堀田真由）とともに、ごく平凡な高校生活を送っていた。そんなある日、芳狼の前に10年ぶりに怪人二十面相が姿を現す。二十面相は「約束の時は近い」とだけ言い残し去って行く。果たして二十面相の言う「約束」の真意とは…？ 同じ頃、学園には次々と怪事件が起こり、ミステリー同好会メンバーであるクロサキ（長村航希）、夢野正太郎（板垣瑞生）、塚原舜（前田旺志郎）は事件の謎解きにのめり込んでいく。芳狼は、10年前のある出来事をきっかけに封印していた怪人二十面相との記憶を徐々に思い出し、自らの秘められた能力や宿命と向き合い始めるが、怪人二十面相に引き寄せられていく芳狼を心配するワタリや小夜との関係には不穏な空気が漂い始める…。果たして、芳狼たちを待ち受ける運命とは！？全ての謎が絡み合い、答えが見つかるとき、今こそあの『少年探偵団』が復活する！その名も『超・少年探偵団NEO』！！
