■足立さんにインタビューをすると、いつも友達の話が出てくる印象があるんですけど、そういう身近な人からパワーをもらうことが多いんですか？
足立 多いですね。友達ナシでは過ごしていけないなと思うくらい大きな存在で。さっきも一緒に住んでいる子と、帰ってきたら話して共有するっていう話をしましたけど、聞いてくれる人がいて、受け止めてくれる人がいて、私を頼ってくれる人がいて、それで私は「生きているんだなぁ」って強く感じるんです。
■最近は友達づくりに苦労している若者も多いイメージがあるんですけど、足立さんはどういうきっかけで友達と仲良くなることが多いんですか？
足立 どうなんだろう……？初めに私が悩みを打ち明けたり、「自分の弱いところはこうなんだけど」っていう話をしたり。やっぱり大人になればなるほど、どんどんカッコつけてしまうというか、人と人との壁を感じるというか、「この人、ガードしてるな」と思うことがあるんですけど、自分は完璧な人間じゃないからこそ、完璧じゃないそのままをさらけだすと、みんなが受け止めてくれて「そんな佳奈が好きだよ」って言ってくれるんです。
■本音で語った方が、相手も本音で返してくれるみたいなことですか？
足立 そうですね。どの人にも言えると思うんですけど、繕うことなく、そのままが好きなんだと思います。
■これは僕の話になっちゃいますけど、「相手は自分に興味ないから、自分のことを話しても迷惑かな？」と思っちゃうんです。
足立 興味ない人は興味ないと思うんですけど、興味ある人が最後まで残って自分を受け入れてくれる、愛してくれる、「好きだよ、佳奈」と言ってくれる人になると私は思っていて。みんなそれぞれ好き嫌いはあると思うので、どんな人にも全力で向き合って、最終的な答えはみんなが出してくれるかなと思って、私は日々過ごしています。
■「この人なら悩みを打ち明けてもいいな」とか、その相手はどうやって選ぶんですか？
足立 選ばないですね。
■選ばないんですか？！
足立 全部しゃべってその人が受け入れてくれたら、「あ、受け入れてくれたな」って思うし、「そうなんだ、がんばってね」で終わる人だったら、それはそれで「聞いてくれてありがとう」で終わりますし。話さないことには何も始まらないなと思うんです。今はご時世的に会って話すことは難しいかもしれないですけど、ビデオ通話で「今日こういうことがあってさ」とか、私は常に友達に話していますね。
■参考にさせていただきます！もう1曲の“SUNNY”は三十三銀行のタイアップ曲ですけど、これも書き下ろしたんですか？
足立 書き下ろしました。コロナ禍になってからお話をいただいたんですけど、明るく見えているはずだった未来が見えなくなったり、曇ってしまったり、周りの友達の様子も変わってきて、「自分に何かできることはないかな」と思って作ったんです。私自身もコロナ禍でライブができなくなって、発信できる場所、楽しめる場所がひとつ減ってしまい、ネガティブに思っちゃうところを「がんばれ私」「がんばれみんな」っていう気持ちで書きました。
■「何があったって笑い飛ばせる／そんな力があったらいいよな／私にはない」という歌詞が印象的だったんですけど、足立さんは前向きになりたいけど落ち込んじゃう時もある、という感じなんですか？
足立 そうですね。落ち込む時は落ち込みます。私の友達も「私は強くない。弱いからこそ、こうやって悩むし」っていう話を聞かせてくれたので、そういうみんなの気持ちや自分の気持ちを言葉にして、歌にしてあげることが私にできることかなと思って、こういう表現をしました。
■もうひとつ、「新しい自分に出会えたら／分かり合えなくっていいさ」という歌詞も気になったんですけど、どういう意味なんですか？
足立 いろんな人と出会っていく中で、「自分はちっぽけだな」とか、「あの人は超えられないな」とか、そんなことを思う瞬間がたくさんあると思うんです。そんな中でも、「この服を着ている私いいかも」とか、「この髪型の私いいかも」とか、「あ、この私いいかも」って思えた時は、誰かから「その格好ダサいよ」とか思われたとしても、自分がそれでいいと思っているなら、無理にわかりあう必要はないんじゃないかなって。自分が好きな道を歩んだ方が人生は楽しいし、私はカッコいいなと思うので、「新しい自分に出会えたら、分かり合えなくたって、そのまま行けばいいよ」っていうのをここの歌詞で伝えたかったんです。
■そういう意味が込められていたんですね。あと、これがいちばん大事なことだと思うんですけど、「今日も雨が降る」と歌いながら、タイトルは“SUNNY”じゃないですか。
足立 これは本当にシンプルに「これからの未来が晴れますように」という気持ちで“SUNNY”にしました。
■本当に素敵な意味の詰まったタイトルだと思います！今回は3曲とも自分の身近なところから生まれた曲になりましたけど、歌いたいテーマはだんだん変化しているんですか？
足立 変化していますね。知らないうちに「あれ、今これ歌いたいんだ」って、立ち止まって考えてみると、前と違うなっていうことはよくあります。
■今はどういうモードですか？
足立 やっぱり周りの人のことを歌いたいなって。自分を支えてくれている、作ってくれている周りの人のことを歌いたい。でも、いろんなところに矢印が向いていますね。過去の自分に関わってくれた人についても書きたいし、自分自身の想いも書きたいし。
■それも大学を卒業したらまた変化するでしょうし、この先も楽しみです。コロナの影響で難しい時期が続いていますけど、今後はどんな予定ですか？
足立 まだあまり決まっていないところが多いんですけど、もっともっと曲を出したいです。あと、早く状況が落ち着いて、もっともっとみんなと会えるタイミングが増えたらいいですね！
Interview & Text：タナカヒロシ
PROFILE
岐阜県海津市出身のシンガーソングライター。2014年、LINE×SONY MUSICオーディションで12万5094人の中からグランプリを獲得し、2017年8月メジャーデビュー。Twitter・Instagram・TikTokなどのSNSフォロワーが計130万を超えるなど若者から幅広い支持を得ている。2021年2月3日には配信シングル『まちぼうけ』をリリースし、2月12日からは全国8か所をまわる「ADACHI KANA LIVE TOUR 2021～ Dear. ～」を開催。3月27日にはwacciとの初コラボ楽曲『キミとなら』を配信リリース。4月7日にはテレビ東京系 ドラマParavi「理想のオトコ」OPテーマとなる『ノーメイク』を配信リリース。自身のデビュー4周年となる記念日8月30日には新曲『Film』を配信リリース。
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RELEASE
『Film』
配信デジタルシングル
https://adachikana.lnk.to/Film
SME Records
8月30日 ON SALE
LIVE
4th Anniversary ONLINE LIVE “4EVER FRIENDS”
2021年8月30日（月） 20:00 生配信
https://stagecrowd.live/6178708480/ （FC限定視聴チケット）
https://w.pia.jp/t/adachikana-pls/（一般チケット）
チケット販売期間：～9月6日（月）21:00まで
見逃し配信期間：～9月6日（月）23:59まで
