足立佳奈 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■今回もアルバム収録曲の中に作詞と作曲をどちらもご自身でされている楽曲がありますが、曲作りはどのように進めることが多いですか?

足立 デモを作る段階では、ギターを弾きながら詞と曲を同時に書くことが多いです。メロディーから考えてもいいんですけど、伝えたい思いとそれに乗せたいメロディーが心の中で既に決まっていることも多いので、そういう作り方にしています。歌詞は自分の経験や感じたことを大事にして書いています。

■ご自身の経験というと、12月に配信された“Life Goes On”は、足立さんの悔しい経験が元になっているのかな?とも思ったんですが、これはどんな風に書かれた楽曲なんですか?

足立 一番のきっかけになったのは、友達が何人かで私の家に遊びに来てくれた時の出来事で、友達が私の家にあるジェンガを見て、「すごく人生と似ている」という話をしていたんです。初めは「どういうことなんだろう?」と思っていたんですけど、よくよく考えてみたら、確かに人生とリンクしているところがあるんじゃないかと思い始めたんですよね。

■ジェンガがですか……?

足立 そうです。隙のある自分の人生や人柄とすごく似ているなと思ってきたんですよ。「ふらつきながらもまだ食いしばって立っているな」と思ったので、ジェンガと人生を結び付けました。2番の歌詞を書く時は、自分が「どんな時に励まされたり、立ち直ったりするだろう?」と考えたんですけど、私はアンジェラ・アキさんの“手紙 ~拝啓 十五の君へ~”がすごく大好きなんです。小学4年生の時にその曲に出会って、シンガーソングライターになりたいなと思ったんですけど、その楽曲に励まされていたのでインスパイアされています。

■11曲目の“今が一番ここちいい”は、作詞・作曲・編曲をすべて足立さんが手がけている楽曲ですが、これはどんなきっかけから作られた曲だったんですか?

足立 この曲を作る前に「今が一番ここちいい」というワードだけが「ぱっ」と頭に浮かんだんで作り始めました。「どんな時だったら心地いいと思うのか」を考えながら歌詞を書き進めていきました。温かくてシンプルな、でも深みのある音楽にしたいなと思ったので、サウンド的にもピアノとストリングスのシンプルな形で制作をしました。

■最後の楽曲は“カンパイ”ですね。アルバムが明るく締めくくられるのが印象的です。

足立 昨年10月15日に初めて地元の岐阜で凱旋ライブをさせてもらったんですが、その後に地元の友達が誕生日会を開いてくれたので一緒にご飯を食べたんです。その時の思い出がすごく心温まるものだったので歌詞に書いてみました。凱旋ライブの日の出来事だったので、凱旋ライブを一緒にやったバンドメンバーに演奏と編曲をお願いして仕上げました。

■ご友人とのエピソードもアルバムの中にいくつも詰まっているんですね。足立さんにとって友人との時間はどんな存在ですか?

足立 本当になくてはならない心の拠り所ですね。甘えられたり、思いを吐き出せたりする場所。みんななんでも受け止めてくれるので大好きです。

■“Me”や“WALK”など、Shin Sakiuraさんとの楽曲も何曲か収録されていますが、サウンド感が他の楽曲とは雰囲気が変わっています。Shin Sakiuraさんとの制作はいかがでしたか?

足立 自分の引き出しにまったくなかったものをShinさんが与えてくださったと感じます。Shinさんとの曲は基本的には私がデモをお渡しして、アレンジで大きく変えてくださるというやり方でした。ギターで作っていた曲のリズムの取り方が、Shinさんの手にかかると全然違うものになって返ってきたりしたので、本当にワクワクしました。

■アルバム全体を通して、歌の面で一番向き合うのに時間がかかった曲はありますか?

足立 表題曲の“Seeker”ですね。声の雰囲気をいつもと違う風にレコーディングしているんですが、その力強さ加減がレコーディングで自分の思うようにできなくて。スタッフさんと話し合いながらいろんな挑戦をして、試行錯誤しながら表現していきました。

■今作は4枚目のアルバムですが、4枚の歩みを振り返ってみて、ご自身ではどんな部分が変化したと思いますか?

足立 やっぱり声のトーンだったり、パワーが良い意味で抜けてきているなと感じます。力の抜き方を曲に合わせて変えることができているんじゃないかなと。でも今までの歌声の全部が自分だし、最初は元気で学生らしさもあったので、その過程があって今があるなと思います。

■それこそ今回のアルバムの中でも、完全生産限定版では歴史を振り返れるような5年間の代表曲が詰まったCDも付属しています。

足立 なので、1枚目を聴いて「今の足立佳奈はこんな感じなんだ」と思ってから、2枚目を聴いて過去の足立佳奈を知ってもらって、また1枚目に戻ってくると変化がすごく感じられて面白いと思います。ぜひみなさんにはそういう楽しみ方をして欲しいですね。

■5周年イヤーを迎えた足立さんの、5周年以降の目標や抱負を教えてください。

足立 先ほどもお話したように、アンジェラ・アキさんの“手紙 ~拝啓 十五の君へ~”にすごく刺激を受けたので、自分も「合唱曲を作りたい」という目標があります。あとはとにかく歌い続けたい。自分の気持ちを大事にして、これからも素直に表現できたらいいなと思います。
Interview & Text:村上麗奈

PROFILE
岐阜県海津市出身のシンガーソングライター。2014年、LINE×SONY MUSICオーディションで12万5094人の中からグランプリを獲得し、2017年8月メジャーデビュー。Twitter・Instagram・TikTok・LINEなどのSNSフォロワーが計130万を超え、リリースした楽曲のストリーミング総再生数は1億4400万再生を突破するなど若者から幅広い支持を得ている。2022年8月でデビュー5周年を迎え、アニバーサリーイヤーを記念して、4月より毎月連続配信リリースを行い、12月までに9作品をリリース。そして2023年2月15日には自身4枚目となるオリジナルアルバム『Seeker』をリリースし、3月より全国7カ所にてアルバムリリースツアー「ADACHI KANA LIVE TOUR 2023 -Seeker-」を開催。
https://www.adachikana.com/

RELEASE
『Seeker』

完全生産限定盤(2CD+BD+ヒストリーブック[LPサイズ]+直筆メッセージカード)
※LPサイズBOX仕様
SECL-2830
¥13,800(tax in)

通常盤(CD)
SECL-2834
¥3,000(tax in)

SME Records
2月15日 ON SALE

LIVE
■「ADACHI KANA LIVE TOUR 2023 -Seeker-」
3月2日(木) 大阪・梅田Shangri-La
3月3日(金) 愛知・Electric Lady Land
3月19日(日) 北海道・PLANT
3月25日(土) 広島・広島Reed
3月26日(日)福岡・DRUM Be-1
4月2日(日) 宮城・仙台MACANA
4月16日(日) 東京・Spotify O-WEST