Am Amp VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■Am Ampは、11月28日に1stミニアルバム『A Hard Day’s Nite』を発売しますが、ここに収録した5曲とも、本当に多彩な表情をしています。あえてお聞きしますが「Am Ampだからこその軸」は、何処なのでしょうか?

須賀 これは作家・エンジニアとして活動していく中、本当に多種多彩な楽曲を作ってきたから言えるんですけど、その幅広さが自分自身の強みだからこそ、良い意味で「芯は持っていない」です。どの楽曲もハイスペックなクオリティを持った上で、良い意味で、リスナーたちの期待を裏切り続けていく。僕自身の音楽制作面はもちろん、人生にも言えることですが、常に驚きや真新しさがないと終わってしまうというか、駄目だなと思っています。そこをAm Ampの楽曲でも提示していきたい。それはメンバー自身にも言えることで、「各自のキャラクターはこうだよね」と決めつけるのではなく、出会うたびに新しい発見が見えてくる。そんな風に自分たちを提示していきたいなと思っています。

■ 1stミニアルバムのタイトルにもなっている『A Hard Day’s Nite』は、MVも制作されているリード曲ですが、同時に今のAm Ampの姿勢も表明していますか?この曲が生まれた背景もぜひ教えてください。

須賀 僕自身、今までいろんな楽曲を作ってきましたけど、どちらかというとヌメッとした、ちょっと悲壮感のあるダウナー調や暗い曲を得意としています。でもライブをやる以上は、「楽しい」をマストで提供したいとの思いから、人が一番自然に乗れる四つ打ちのビートを持った、しかも80年代の要素のあるダンスビートナンバー曲を意識しました。

JOHN ああいうカッティングギターは、僕もすごく好きなんですよね。これまでのAm Ampにはこの手の楽曲がなかったので、「80’Sライクのダンスビート曲を京介が歌うとこうなるんだ」という、嬉しい発見もありました。

■JOHNさん自身は、1stミニアルバム『A Hard Day’s Nite』のことをどのように捉えていますか?

JOHN “A Hard Day’s Nite”は80‘SノリのHAPPYなダンスビートナンバーで、“SUGAR SPOT”はマイナー調のリフ系ロックナンバー、“責愛”はバラードで、“chime ga nattara”はちょっとチル系のトラックナンバー、“雨鳴”はギターロックと、全曲ジャンルが異なるので、このバンドのコンポーザー須賀京介が持つ多才な魅力であり、Am Ampの多彩さを見せた作品になったなと思っています。

宮城 その幅広さがAm Ampの面白さですよね。それこそOfficial髭男dismの初期のアルバムのような、収録した1曲1曲表情が違うけど、でもどれも華があって、聴いていてめっちゃ面白い。その感覚に近いものを、僕らの『A Hard Day’s Nite』にも感じるよね。僕も京ちゃんが新曲を持ってくる度に新鮮な驚きを感じていて、次はどんな楽曲を持ってきてくれるのか期待しちゃいます。まだまだ音楽面では素人な僕の意見も含め、メンバーそれぞれの意見や意志も組み取って曲を生み出してくれていて、そういう面でも京ちゃんの生み出す楽曲にはすごく信頼を置いています。逆に僕も近い未来に作曲ができるようになれば、そこにさらに色を加えていきたいなとも思っています。

矢沢 僕は“SUGAR SPOT”がすごく好きなんですよ。リフ系の曲にはつい反応しちゃいます。かと思えば、“A Hard Day’s Nite”のように休符をベースで弾くような曲もあるし、“雨鳴”のようなギターロックナンバーで作品をシメるところもカッコいい。この作品はいろんなジャンルが好きな方々に聴かせても、必ず好きになってもらえる曲が入っていると思うし、かなりの自信作になりました。

■矢沢さん、“A Hard Day’s Nite”のMVでもノリノリで弾いていましたもんね。

矢沢 “A Hard Day’s Nite”のベースフレーズを弾くのが大好きなんですよ。だからMV撮影もノリノリで楽しんじゃいました。(笑)

■みなさんあのMVではスーツ姿で統一していますよね。しかも曲のタイトルが“A Hard Day’s Nite”だし、もしやビートルズのオマージュ的な面も?

須賀 その要素もありましたね。4人とも異色な人たちなので、MVでは一つ統一感を持たせようと思い、スーツ姿でそこを見せています。

■MVの青々とした緑の景色が印象的でしたが、撮影は夏時期ですか?だとしたらスーツ姿の撮影はめちゃ暑くて大変ではなかったですか?

須賀 それがですね、あのMVの撮影は10月上旬でした。しかも当日は雨が降ったり止んだりの日で……。でも本当に夏の快晴のもとでの撮影に見えますよね。あれは監督の映像マジックで、あのセンスには僕らも驚きました。

JOHN 最初は当時の天気のようにジメジメとした映像になってしまうのかな?と思っていたら、あんなにもカラッとした晴れたような映像になっているから、本当にびっくりしましたし、ものすごく感動もしました。

宮城 あの時はあまりにも雨足が強すぎて、一時は撮影を止めたような状況もあったからね。なのにあの晴れた感じですよ!その背景も知った上で見てもらえたら、また見え方が違ってくるんじゃないかな。

■確かに、まさか雨だったとは。Am Ampはこの『A Hard Day’s Nite』を引っ提げて初の全国ツアー『where (Am) going TOUR 2023-2024」を、12月29日の代官山UNIT公演からスタートさせますが、1月以降のライブは1日に2公演ですね。その怒濤の展開がすご過ぎます。

須賀 今回の全国ツアーを発表した時にも、「もう全国ツアーをやってくれるの?」と、ファンから嬉しい驚きの声も上がっていましたね。しかも初日と千秋楽公演以外は1日2公演で。それぞれ内容も異なるから、どちらも楽しんでもらえるはずです。

■それにしてもかなりのハイペースで攻めていますよね。

須賀 バンド編成としてスタートした時から、普通のバンドが5年間くらいかかることを、どれだけ1年間の中に濃密に凝縮しながら、その上でどこまでバンドの土台を作りあげることができるのか。それを最初から踏まえていろんな計画を練って始めていますから。一つの舞台を作りあげるのと一緒で、とにかく4人一緒に濃密な日々を過ごしながら、まずは1年間かけてAm Ampとしての揺るがない土台を作りあげようと思っています。

■それが今後どんな形になるのかを楽しみにしています。最後にそれぞれ今作のミニアルバム『A Hard Day’s Nite』の魅力について、メッセージを聞かせていただけますか?

JOHN 自分のギターの話にはなりますけど、様々な曲調が並んだ作品とはいえ、それぞれの楽曲に合わせつつも、その中に必ず自分らしいギターの色を出しています。それがギターソロだったり、背景で鳴らしている演奏であったり。そういう細かいところまで聴いてくれたなら、ギタリスト冥利に尽きるなと思っています。

宮城 メインコンポーザーの京ちゃんの想いはもちろん、メンバー全員の想いもしっかりと詰め込んだ素敵なミニアルバムになりました。いろんな楽曲があるから、「この曲は好き」、「この曲はちょっと苦手」というのも出てくるかと思います。でも、むしろそうやって好き嫌いも含め、すごく気に入ってくれる曲を見つけてもらえる作品だと思うから、そこを楽しんでください。そして、表題曲の“A Hard Day’s Nite”は、今の僕たちの想いを描き現した楽曲なので、「これが僕たちなんだよ」という紹介曲にもなっているから、どうか温かい目で僕らの成長を見守りながら、これからのAm Ampの成長も含めて楽しんでもらえたら嬉しいです。

矢沢 今回の作品は、ライブでお客さんたちと一緒に育てあげていく曲たちが入ったミニアルバムだなと思っていて。もしかしたら今後、僕らが「こういうことをやりたいから」と、一方的に押しつける曲も出てくるかも知れないけど、この作品に収録した曲たちは、応援してくれる人たちと一緒に長く育てていきたい曲たちばかりです。同時に、今の僕らの名刺代わりとなる1枚でもあると思っています。

須賀 音楽を作っているのは自分たちですが、作品になって世の中へ出た段階で、この作品もそうだし、一つ一つの楽曲が聴き手のものになっていくと僕は思っています。収録した5曲とも異なる色を持っていますが、それぞれの楽曲が、その人の人生の中の想い出を想起したり、その人の人生の中でのターニングポイントになってくれたなら……。聴いてくれた人の人生の中の、どこかしらの部分を彩ることができたらいいなと思っています。まずは一度耳にしてください。その上でライブもお待ちしております。

Interview & Text:長澤智典

PROFILE
数々のアーティストへ楽曲提供や編曲、ミックスを手掛けてきた須賀京介が『都内・一人組バンド』と銘打って結成。2023年6月、3人のメンバーが加わり、現在の4人体制となる。メンバー各々の経歴の異色さと相まった、枠に囚われることのないジャンルレスな音楽を展開している。
https://am-amp.jp/

RELEASE
『A Hard Day’s Nite』

Type-A(CD)
QARF-65001
¥2,250(tax in)

Type-B(CD)
QARF-65002
¥2,250(tax in)

Type-C(CD)
QARF-65003
¥2,250(tax in)

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11月28日 ON SALE