■歌詞にちなんで、「あなたの運命の出会い」を教えてください。
野月平 中学の頃にホラー映画を見ていて、マリリン・マンソンの存在を知っていなかったら、今こうやってBBTSみたいなグループをやっていなかったと思います。「原点にして頂点のジーザス」って感じ。でも最初は怖かったんですよね。(笑) 「そこまでやるか?!」みたいな唯一無二性を感じました。その頃、他にハマれる物も特に無く、みんなが「良い!」って言っているものの良さもよくわからなかったのですが、マリリン・マンソンには「これだ!」という感じがしました。
■メタルは孤独の友ですからね……。
野月平 周りはやっぱり誰も知らなかったです。共感してくれる人もゼロで、布教とかも特にできなかったな……。
流鏑馬 私の運命の出会いはBBTSですね。もともと私はメタルを知らなくて、オーディションのページに載っていたデモ音源を聴いた時に、「叫んでる!」ってすごくびっくりしたんですけど、「なんか楽しそう……」って気持ちで入って、とんでもない世界に来てしまったなと感じました。でも今は意外と自分に合っていると思います。
七々扇 私もBBTSと出会えたことです。まだ加入して1年半くらいですけど、この1年半で人生が180度変わったし、曲もファンの方たちもメンバーも全てが新鮮で楽しくて、ここのメンバーになれたことを心から胸張って自慢したいです。BBTSに入れたことが、私の今後の人生においてもずっと大切なものになるんだろうなと思います。
■めちゃめちゃ素敵ですね。人はそういう運命の出会いを繰り返して生きていくものですからね。そうそう、先ほども話が出ていたのですが、私は今作では“荒れた海路はキミ日和”がすごく好きです。先ほど野月平さんが「海賊」と仰っていたのですが、「海賊」はメタル的にも重要なワードですよね。
野月平 わかります。歌詞を見た時に「バイキングメタルじゃん!」と思って、早くやりたくてしょうがなかった。(笑)
■いろんなメタルの要素がちょっとずついろんな曲に散りばめられているのも魅力だと思います。私は「海」をテーマにした曲を無条件に好きになってしまうのですが、みなさんにもそういう「無条件に好きになっちゃう曲」ってありますか?
流鏑馬 私はやっぱりカワイイ曲が好きになりやすいですね。新しいジャンルに挑戦している曲とか、「カッコいい」「カワイイ」の転調を繰り返す曲とかも好きになりやすいです。割りと電子音が入っているようなEDMとかも好きかな。
野月平 メタル系だと暗くて壮大なものが好きです。あんまりBBTSにそういう曲は無いけど、いつかはやってみたいと思います。ミドルテンポの曲も好きです。爆走していない曲が聴きやすくて良いです。
■「こういう感じの歌詞のメタルが好き」みたいなのはありますか?
野月平 好みは暗い曲になっちゃうんですよね……。(笑) でも、デスメタル系ではないです。
七々扇 私は元々アイドル好きっていうのもあって、恋愛系の歌詞だったり、女子っぽい歌詞みたいなものが好きです。自分はあんまり女々しい性格ではないんですけど、していないからこそ、そういう歌を歌っている時や聴いている時は、「そのキャラ」になりきれるのが楽しいです。
■恋愛系と言っても様々だと思うのですが、具体的にどういった……?
七々扇 自分がそうじゃないからこそ、ちょっとメンヘラっぽい感じの方が面白いなとか、「うわ!女の子だな~」みたいな歌詞が好きですね。でも歌うのは難しいです。吹っ切れて強くなる前向きな歌詞も好きなので。
■確かに歌を歌うといろんな人の気持ちになれるというのは良いですね。個人的に、今回の収録曲の中で1番「メタル系スクリーミングアイドル」を感じたのは“ライカ ライカ”でした。「ライカ」はいろんな意味として使われる単語ですが、この「ライカ」は何の「ライカ」ですか?
流鏑馬 このライカは「Like a」です。
■なるほど!“ライカ ライカ”では「雲のように」「鳥のように」と繰り返されますが、みなさんは「何のように何をしたい」ですか?
流鏑馬 猫のように寝ていたいです……。(笑) 猫を飼っている妹の所によく遊びに行くんですけど、猫はいつも好きな事して、まったりしてるなって。そうなりたいなと思います。
七々扇 私は推しのように愛される存在になりたいです。元々アイドルがずっと好きで、「自分もそっち側になりたい」っていう気持ちだけでここまで来ているので。やっぱり自分が今まで尊敬してきたアイドルやアーティストみたいな立場まで行って、ファンの方たちに愛されて、いろんな景色を見に行ったり、いろんなことをしたいなって思っています。
■でも、七々扇さんにはもう「最推し!」って言ってくれる人がいるわけじゃないですか。
七々扇 もっともっと高めていきたいんです。「最推し」と言ってくれている人たちをもっと高い所まで連れて行きたい。日本武道館みたいなおっきいところに立って、卒業公演をするアイドルを観に行くと、「本当に愛されているんだな」っていうのがわかるじゃないですか。少しでも多くの人にとってそういう存在だと思われたいです。
野月平 私は自分のことを「破壊神」ってよく言っているので、破壊神のように暴れ散らかしたいですね。(笑) やっぱりメタルって魂の解放だと思うので。日々いろいろ抱え込んでいる人もいるかもしれないですけど、魂を解放ができるように暴れ散らかしたいと思います。
■今作は1曲目から「暴れろ!」というタイプの曲で始まりますが、みなさんはいかがですか?ビビらずに暴れられるタイプですか?それともビビッて暴れられないタイプですか?
野月平 私は普段結構内向的というか、引っ込み思案な所があるんですけど、でもそれがバネになって、ステージ上では存分に暴れちゃうタイプです。(笑)
流鏑馬 自分たちのライブは楽しくできるんですけど、プライベートで誰かのライブに行ったりすると、端っこの方で大人しく観ていたいタイプです。座席だとめっちゃ助かります。でも、ダイブとかモッシュを見ていると、「ちょっとやってみたいな……」って思います。(笑)
七々扇 私はライブでもプライベートでもなんでも臆さないかもしれない。(笑) ひとりでライブに行っても暴れられるなら暴れたいし、人にどう思われるとかもどうでもいいかな。ひとりでどこにでも行けるタイプです。
■今作にはライブ音源も入っていますが、ライブで歌う時とスタジオ収録で歌う時、それぞれ何を意識されていますか?
七々扇 ライブの時は綺麗に歌うことも意識はしていますけど、その時のファンの目線だったりとか、手の動きだったりとか、そういう方に集中したいというか、その空間を楽しみたいという気持ちがあるので、それが声にも出ているのかなって思います。逆に収録ってなると、ちょっと大げさに発音したりもしているので、そういう部分での意識の違いは結構あると思います。
流鏑馬 ライブだと、歌を1番届けたい人たちが目の前にいてくれるので、自然と感情が出せるのですが、レコーディングはダイレクトに自分の歌声がわかっちゃうから、すごく緊張するタイプです。でも、今回は前作でできなかったことに挑戦してみようかなと思って、歌い方はレコーディング毎に変えています。
■どんどんと進化していくアイドルですね。
野月平 レコーディングの時はコントラストがちゃんとあった方がいいと思うので、低音をめっちゃ意識してやっているんですけど、ライブの時はその時のテンション感がすごく大事だと思うので、結構いろんなスクリームを使ったりしています。
■それを聴き分けるのもライブ音源を聴く楽しみですね。さて、間もなくヨーロッパ遠征がスタートしますが、不安なことと楽しみなことを教えてください。
野月平 不安なのは言葉ですね……英語もできないんですけど、他の国の言葉はもっとわかんない……。(笑) でもごはんは楽しみです。
■海外のごはんは結構イケるタイプですか?
野月平 私は結構大丈夫です。でもまぁ1週間くらいしかいないから、1ヵ月とかいたら変わってくると思います。(笑)
流鏑馬 イオちゃんはもう全然平気なんですけど、他のメンバーは「味噌汁を持っていこう……」ってなっています。(笑) 知り合いに聞いたら、ヨーロッパは昔のままの建物が多いからあんまりエアコンの文化が無いらしくて、暑さがちょっと心配ですね。だけど、ヨーロッパに行くのは初めてなので、現地のファンの方たちに会えるのが楽しみです。
七々扇 BBTSでヨーロッパは初めてなので、「時間を作って観光したいね」って話をしています。いつも結構バタバタでなかなか観光とかはできなかったりするので……。観光名所も調べているんですけど、街並みもめっちゃ綺麗って聞いて、あと有名な川もあると聞いたので行けるのが楽しみです。
■いつかまたその思い出も聞かせてください。ありがとうございました!
Interview & Text:安藤さやか
PROFILE
Broken By The Scream(略:BBTS)。2017年デビュー。「メタル系スクリーミングアイドル」を掲げ、グロウル(野月平イオ)、スクリーム(雲林院カグラ)のツインデスヴォイスと、クリーンヴォイス(流鏑馬アヤメ・七々扇ツバキ)という二枚看板を擁立し、世界的にも稀なメンバー構成は唯一無二のスタイルであり、一般的なメタルサウンドでも類を見ない成り立ちとパーフォーマンスで国内外からのリスナーに大注目される。その激しくも可愛くメロディアスな楽曲がYouTubeなどから火が付き人気が拡大。2019年10月、楽曲『アイハキミノモノ』がPS4ゲーム「お姉チャンバラORIGIN」のテーマソングタイアップとなり話題となる。TOKYO IDOL FESTIVALなど大型アイドルフェスに参加する傍ら、ラウド系アーティストとのコラボレーションやイベントを重ね、ミュージックファンからも高い評価を集める。その評価は日本に留まらずアメリカ・韓国・台湾などでも夏フェス参加や単独公演を行うなど海外でも精力的に活動を続けている。
https://www.brokenbythescream.jp/
RELEASE
『Whitewater Park』

Type-A(CD)
TKCA-75154
¥2,200(tax in)

Type-B(CD)
TKCA-75155
¥2,200(tax in)
徳間ジャパンコミュニケーションズ
7月26日 ON SALE